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インド外資規制解説その4 -(各論)Branch / Liaison Office / Project Office -

いわゆる支店形式の組織についてもう少し調べたところ、Foreign Exchange Management Act (FEMA)上、Branch、Liaison Officeのほか、Project Officeという概念があることがわかりましたので、今回はこれも併せて解説したいと思います。

Branch

Branchは日本法でいう支店(=外国会社の日本支店)に相当します。

FEMA上、Branchは、本店を代理して(本店の名義で)契約を締結し、また自らビジネスに従事して収益をあげることができますが、その行いうる事項は下記の各事項に限定されています。

・本社の代表、代理
・物の輸出入
・専門的分野に係るコンサルティングサービス
・調査業務
・技術、金融のコラボレーションのプロモーション、ITソフトウェアサービスのプロモーション、技術サポートのプロモーション、外国の航空事業や船舶事業を営む会社のプロモーション(いずれも、できるのはプロモーションであり、自らその業務を行うことはできません。)

また、RBI(インド連邦準備銀行)は、Branch設立の承認にあたり、上記事項のうち行いうる行為をさらに限定することができます。

Liaison Office

Liaison Officeは「駐在事務所」であり、日本法上、これに直接に対応する概念はありません(投資顧問業者の駐在等とはまた異なる概念です。)。
強いて言えば、権限を極めて限定された外国会社の支店といったところでしょうか。

FEMA上、Liaison Officeは、自らビジネス業務に従事することができません。
その権限は下記の行為に限定されています。

・本社またはグループ会社の代表、代理
・物の輸出入のプロモーション
・本社または関連会社とインド国内企業との間の技術、金融のコラボレーションのプロモーション
・本社のための情報収集並びに本社とインド国内企業との間のコミュニケーション窓口業務

Liaison Officeは自らビジネスを行って収益を上げることができないため、その経費は外国からの送金のみによりまかなわれることになります(もし自ら経費をまかなっている場合、独自のビジネスにより収益を上げているものとして、違法となります。)。

上記だけを見ると、Liaison OfficeよりもBranchを設立したほうが多くのことができ、有利そうですが、Liaison OfficeにはBranchと比べて税務上のメリットがあります。

すなわち、Liaison Officeは、インド税法上、恒久的施設(permanent establishment)として扱われないため(Branchは、インド税法上permanent establishment扱いになります。)、permanent establishmentとしての課税を受けません。
このあたりは税務の話なので、追って別章でもう少し詳しく取り上げたいと思います。

Project Office

Liaison Officeよりも簡易な支店形式の組織として、FEMA上、Project Officeが存在します。
Project Officeは、大規模な建設プロジェクト、民間の工業プロジェクト、インフラ建設プロジェクト等の遂行のためにのみ設置される組織で、その権限はプロジェクトの遂行に関わる行為に限定されています。

要するに、特定のプロジェクトの遂行に必要な業務を遂行するためだけに設置されるのが、Project Officeです。もちろん、税務上は、permanent establishmentには該当しません。

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以上のとおり、Branch、Liaison Office、Project Officeは、FEMA上いずれもその権限が一定の行為に限定されており、かつRBIはこれらの設立承認にあたってその権限に限定を付すことができることから、「インドで一般的にビジネス展開をしたい」という場合には、やや使いにくい組織となってしまいます。

これに対してCompanyであれば、それが100%外資保有であっても、そのビジネス遂行につき特に権限の制限はありません。
(ただし、会社が行いうる行為はMemorandum of Associationに記載されているものに限定されます。もっとも、これは日本で会社の権利能力が定款の目的の範囲に限定されるというのと同様なので、インド特有の規制というわけではありません。)。

したがって、インドで一般的にビジネスを展開する場合、やはり現地にCompanyを設立して、現地法人形式で行うのが最も便宜な方法であると思われます。

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次回からは、FEMAに基づく外資規制についてもう少し掘り下げていこうと思います。
Companyについては、その後にまとめて解説していく予定です。

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