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2007年9月

9月26日 -ダイジェスト 20日から26日まで-

体調を崩していた間、日記が書けなかったので、とりあえず20日から26日までの一週間をダイジェストで書いてみました。

・20日(木)
日本から荷物が届きました。
夕方以降の配送は不可とのことで、午後2時に家に到着するというので、頭痛を我慢してオフィスを抜けて家に戻りました。

2時半までは我慢して待ったのですが、頭に来て業者に電話すると、例によって「ten minutes to come」
で、実際到着したのは午後3時過ぎ。

だ・か・ら

最初から午後3時って言えよ。

・21日(金)
病院に行きました。
対応は、

http://lawyerinindia.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_27ee.html

に書いたとおりです。

・22日(土)
頭痛に耐えつつ、日本から届いた荷物の整理をしていました。
変圧器とともに、電化製品が届いたのがとても嬉しい。ようやく部屋でDVDや音楽を楽しめるようになりました。

本が届いたのも精神面の充実という点で大きいです。
既に習慣化している、寝る前の数学の勉強がようやく再開できました。
三角関数のテイラー展開による係数比較を利用した、オイラーのバーゼル問題の解決法を読んで大感動。

・23日(日)
留学準備でほぼ1日つぶれました。
とはいえ、しばらくパソコンを見ていると頭痛がしてくるため、作業効率が悪いことこの上なかった時期です。

近所にドミノピザを発見したので、さっそくカレー味でないピザを注文。
かなりいけます。
今後も有力な食の選択肢になりそうです。

・24日(月)
後任候補者優しい人から日本食が届きました。

不在伝票が入っていたため、豪雨の中、郵便局まで荷物を取りに行きました。
郵便局で配送所に行くように指示されたため、配送所に行ったところ、戦時中の町工場のような場所で手紙が仕分けされていました。

無事荷物を持ち帰り、サトウのご飯と味噌汁を食べたときの感動。
おかげで、食に対するストレスはかなり解消されそうです。

・25日(火)
ガネーシャ神を祭る日ということで、この日は祝日で事務所はお休みでした。

先日来調子が悪かった携帯電話がついに壊れた感じだったので、片道1時間近くかけてNokiaの修理センターに行ったところ、なぜか室内が暗く、職員がぞろぞろ帰っています。

受付の人に聞くと、「ガネーシャ祭りだから、今日は午後4時で終わりなんだよ。また明日来て。」とのこと。
見ると、確かに受付の横に、「Today: close at 4:00」との張り紙が。

この後、私は激怒し、受付の人(というかインド人全体)に怒りの言葉を約10分間吐き続けます。

なぜって?

私が修理センターに着いたのは、午後3時30分だから。

「あと30分しかないし、4時に閉めても今閉めても一緒だよ」
「今日はお祭りだから」
「もう修理できる職員も皆帰っちゃってるよ」

だったら4時までって書くんじゃねえ、とか、
なんだその理由は、とか、
お前らは約束の時間にはいつも遅れてくるくせに、自分達が帰るときだけは前倒しなんかい、とか。

往復2時間が無駄足になり、頭痛が激しさを増した日でした。

(ちなみに、携帯電話は、後日AmarchandのHRにお願いして、機械を取り替えてもらいました。こっちの携帯電話はチップを交換するだけで機械を変更できるのです。)

夜は夜で、お祭りの景気づけだかなんだかわかりませんが、異常に大きな音の爆竹が何回も鳴らされ(その音たるや、爆発音と言ってもいいと思います)、五月蝿いことこの上ありません。

お祭りに参加して一緒に楽しむという選択肢?
ないですよそんなもの。

だって、外は豪雨なんだもの。

雨の降りしきる中、ガネーシャ神を囲んで何かに取り憑かれたように踊り狂う多数のインド人の図は、摩訶不思議としか形容できないものでした。

・26日(水)
別の友人から日本食が届き、さらに食糧事情は心強くなりました。
このあたりから、症状は少しずつですが快方に向かってきた気がします。

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27日以降の日記も早めに書きたいと思います。

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インド外資規制解説その8 -外国機関投資家(Foreign Institutional Investor(FII))による投資規制①-

ようやく体調が回復してきたので、外資規制解説を再開したいと思います。

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前回、「次回以降はCompanyを取り上げる」と書いたのですが、Foreign Institutional Investment(外国機関投資家による投資)とInvestment as Foreign Venture Capital Investor(外国ベンチャー投資家としての投資)についての解説がまだでしたので、先にこれらを取り上げていきたいと思います。

というわけで、今回と次回は、Foreign Institutional Investment(外国機関投資家による投資)に関する規制の解説です。
インド法上の外国機関投資家(Foreign Institutional Investor(FII))は、日本法でいうと、「外国籍の適格機関投資家」にニュアンスが近いです。

インド法上、FIIとして登録可能なのは、以下の組織または団体です。

自らの利益のために資産運用する場合
年金ファンド、投資ファンド、保険会社または再保険会社、寄付基金、大学ファンド、慈善基金等

投資家その他出資者(アンブレラ型ファンドの場合、親ファンドを含む。)の利益のために資産運用する場合
アセットマネジメント会社、証券信託会社、投資分散機関(institutional portfolio manager)、受託会社、銀行等

FIIとしての登録は、Securities Exchange Board of India(SEBI)に対して行います。
※インド法上、「SEBI」と言った場合、インド証券取引法(Securities Exchange Board of India Act)と、インド証券取引委員会(Securities Exchange Board of India)のいずれかを指しています。
いずれを指しているかは通常文脈で見分けるのですが、1つの文章に、法律としてのSEBIと証券取引委員会としてのSEBIの双方が出てきてconfusingな場合には、前者は「SEBI Act」、後者は「SEBI」と記載されるのが通常です。

ちなみに、FIIはSEBIに登録すると同時に、Reserve Bank of India(RBI。インド連邦準備銀行)から、FIIとしてインドで活動することの認可ももらう必要がありますが、SEBIに登録を申請すれば、自動的にRBIに認可申請したものとみなされるため、窓口としてはSEBIのみになります。

Foreign Exchange Management Act (外国為替管理法。FEMA)上、外国投資家が全てFIIとしてSEBIに登録することが要求されているわけではなく、あくまでも「登録すればFIIとしての扱いを受け、FEMA上のFIIに対する規制に従う反面、FIIにのみ認められている各種行為が可能となる」というだけです。

さて、FIIとしてSEBIの登録を受けることの最大のメリットは、インドの会社が発行する有価証券の売買が、一定の規制に従うことを条件として、自由に認められるという点にあります。
「有価証券の売買」には、株式その他上場有価証券(社債等)を株式市場で売買することのほか、市場外で上場有価証券及び非上場有価証券を売買することも含まれます。

FII及びそのサブアカウントは、証券取引所において、印刷関係の企業を除くインド企業の株式その他上場有価証券(社債等)を市場価格で売買することができ、この売買についてはRBIの承認は事前事後を問わず一切不要です。

また、FII及びそのサブアカウントは、市場外で上場または非上場有価証券を売買することができます。ただし、インドでは市場外取引といえども、当事者が自由に価格を定められるわけではなく、原則としてSEBI及びRBIが承認した価格(株式市場価格)により売買を行う必要があります。

その他、FIIには、

・インド国内における保管管理者(custodian)を任命すること
・インドへの投資により得た全ての利益を自由に本国送金すること

こと等が認められています。

--

次回はFIIによる投資の内容に関する規制の解説です。

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すみません

なかなか体調が回復せず、パソコンを見ているとすぐに頭が疲れてしまうため、更新が滞っており、すみません。
今は疲れてしまうまでの限られた時間を更新に割くことが難しい状況です。

先日来、原因不明の深刻な頭痛に悩まされており、毎日痛み止めを飲んでいます。
痛み止めを飲みさえすれば、痛みがある程度緩和されるので、日常生活に大きな支障はないのですが、痛み止めが切れたときの頭痛が尋常ではなく、少し困っています。

医療の心得のある日本の方に相談したところ、ちょっとまずい症状かもしれないということで病院に行き、医者に頭部CT検査ができないかと聞いてみたのですが、

水飲んでりゃ治るよ、ハッハッハ

と診断され、処方箋には「Drink enough liquid」とだけ書かれて引き下がってしまいました。

「CT検査なんて本気でやりたいの?」と真顔で聞かれてしまうところに、この国の平均的な医療レベルを垣間見ます。そもそも、この国の普通の病院にCT機械は無いような気がします。ごくごく一部の上流階級向けの最高級の病院にはあるのかもしれませんが。
最高のところでは医療レベルは高いのかもしれませんが、医療水準は低いという、例によって格差社会です。

中途半端に痛み止めが効いてしまうため、とりあえず水を飲む毎日ですが、あまり根本的な症状が良くなっているような気はしません。
(よくわかりませんが、他に何の症状もなく、割れそうな頭痛が1週間以上続くって、よくあることなのでしょうか。)

外資規制の続きはちょこちょこ下書きを始めているのですが、作業の途中で頭痛が激しくなると、もう駄目です。

だんだん闘病記のようになってきたこのブログ。

読んでいる側もあまり面白くないでしょうが、書いている側は本当にたまりません

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ムンバイは今日も雨

雨季もクライマックスに近づいているのか、ここのところムンバイは毎日雨です。

で、そのせいなのかどうかはわかりませんが、体調が悪く、しばらくはブログの更新が滞り気味になるかもしれません。

原因は不明ですが、かなり症状が長引いており、深刻な病気でないことを祈るばかりです。

発熱→腹痛ときて、最後のこの症状さえ治れば完全に健康に日々を過ごせそうなので、もうしばらくの辛抱だとは思っているのですが。

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9月19日 -停電-

ムンバイでは、停電がよく起こります。
頻度にすると、1週間に2回以上といったところでしょうか。
日本の感覚からすると、ありえない頻度です。

今日もオフィスで仕事をしていると、突然オフィスが真っ暗になりました。
3日ほど前に停電になったときは、PCの電源ごと落ちて作業内容が失われるという悲惨な状況だったのですが、今回はなぜかPCは生きていて、オフィスの蛍光灯だけが全て消えています。
たぶんPCは自家発電の電源に切り替わったのではないかと思いますが、詳細はわかりません。

日本だったらオフィスがざわつき始めるところでしょうが、こちらは皆停電には慣れっこのようで、何のリアクションもなく、黙々とPCが発する光を頼りに仕事を進めています。
真っ暗なオフィスの中で、でも誰もそのことについて話をせず、何事もないかのように黙々と仕事をする図。
とてもシュールです。

それにしても、電気が来なければ人間は灯りさえ得られないわけで、光源にスイッチを入れることを「電気をつける」というのは、考えてみれば深い表現だなあと。

30分ほどで停電は回復しましたが、皆やっぱり無反応。
「いちいち反応していられないくらいの頻度で停電が起こる」というのは、都市としてはものすごい欠陥だと思います。

ちなみに、こういう電気やガス、水道、道路、移動手段といった生活の基本インフラの弱さはインドの弱点として繰り返し指摘されてきたところであり、今後外資への開放が予定されているところでもあります。

あと、「インドはITが発達している」というイメージを抱いている日本人が多いようですが、生活実感としては、ITインフラも貧弱です。
事務所のシステムやインターネットはよく障害を起こしていますし、そもそも一般のインド人はほとんどPCを持っていません。

ブロードバンドは一応ありますが、その普及率は低く(申し込みにわざわざ本社の社屋まで行かないといけないくらい、一般には普及していないシステムです。)、しかも通信速度は日本のADSLや光ファイバーに比べればかなり遅いです。
ごく一部の上流階級やプログラム開発を専門に行う企業だけが、日本と同レベルのIT設備を持っているというのが実際のところではないでしょうか。

さて、今日の本番は、実は帰宅後です。

シャワーを浴びていると、突然真っ暗になりました。
最初は何が起こったのかわからず、しばらく硬直してそのままシャワーを浴びていたのですが、インドのお湯は、電気で沸かすため、しばらくするとお湯が水に変わってきました。

慌てて水を止め、手探りでタオルを取って体を拭きます。
まずい、本当に真っ暗で何も見えません。
手探りで浴室を出て、また手探りで服を着ます。

最初は停電かと思ったのですが、家の外の電気はついているので、どうやらブレーカーが落ちた様子。
自分でどうにかしようとブレーカーをいじりますが、日本のシステムとは少し違っていてよくわかりません。暗くて見にくい上、色々試してもうまくいかず、ついにギブアップ。
不動産業者に電話して、電気業者を寄越してもらうことに。

約30分、真っ暗闇の中で待ちました。
暗くて何もできないので、ぼーっと座っているだけ。
シャワーの泡がきちんと取れていなかったらしく、頭はぬるぬるしています。
何だかとても切なくなってきました。

ようやく来た電気業者がブレーカーを回復してくれました。
部屋に灯りが戻り、心底ほっとします。
今後のために、ブレーカー回復のための手順を覚えておきました。

それにしても、なぜブレーカーが落ちたのかの原因が全くわかりません
シャワーを浴びていた時点で動いていた電化製品は、冷蔵庫とエアコン、あと給湯器くらいです。
これらを使ったくらいでいちいちブレーカーが落ちていたら、日本だと完全に欠陥住宅です。

この国は根本的に電力が弱いということなんでしょうか。
日本から多くの電化製品を送ったので、使えるかどうか少し心配になってきました。

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諸事情により、明日からしばらくブログの更新が停止する可能性があります。
停止しない可能性もありますが、現時点では未定です。

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9月18日 -Nariman Point-

激しい雨音で目が覚めました。
ムンバイは9月一杯までは雨季なので、わりと頻繁に強い雨が降ります。

この雨、日本と違って唐突に降ることが多く(「だんだん薄暗くなって、雷が鳴って、ぽつぽつと雨が落ちてくる」という日本のプロセスとは違い、本当に突然降りだして突然止むという感じです。)、最初はあまり好きではなかったのですが、最近は雨を待ち遠しく思うようにさえなってきました。

雨が降った後は道の埃も鎮まり、また空気中の排気ガス等による汚染物質が雨に溶けて流れていくこことから、空気が多少さわやかになります。普段の空気がひどいので、雨が降った後は本当にほっとします。
また、雨が降ると、気温も下がり、過ごしやすくなります。

欠点は、湿度が高くなるので街や人の悪臭が強まってしまうことと、ただでさえ混雑している道路がさらにめちゃくちゃな渋滞になることですが(東京でも雨が降ったら道路は混みますよね)、自分の家に帰ってきてしまえばそれも問題なしです。
窓を開けて、アラビア海からの涼しい海風を感じるのはとても心地良いです。

とはいえ、10月からは乾季に入り、ほとんど雨が降らなくなるので、こんなにのどかなことを言ってられるのは今だけのようですが。

今日はほぼ定刻に終わったので、少し遠出してNariman Pointで食事することに。
Nariman Pointは、ムンバイの南にあり、ちょっとした映画館、ショッピングモールがある商業地域です。ヒルトンタワーホテルもここにあります。
ムンバイのヘソ的な場所であり、東京で例えると、銀座交差点といったあたりでしょうか。もちろん、例えたのは位置的なものだけですが。

P9190002

これが映画館。
ショッピングセンターに併設される形です。

上映中のタイトルを見てみましたが、聞いたことのないものでした。

P9190005

夜のヒルトンタワーホテルです。
ライトアップされていて綺麗です。
ほとんどの部屋からアラビア海が見えるそうで、部屋からの眺めは最高だと思います。

P9190006

Nariman Pointは、海沿いの道のほぼ先端にあり、海が綺麗に見えます。
堤防の上では、多くのカップル(たまに男同士も)が海を向いて座って何事か語 らっています。
確かに、ここからの海と夜の街の眺めは抜群に良く、絶好のデートスポットだと思います。

P9190007

アラビア海の向こうに広がる夜のムンバイの街。

100万ドルの夜景とまではいかなくても、100万ルピーくらいの価値はありそうです。

しばらく散歩した後、近くのJapengoという名前のカフェに入りました。
微妙な店名だなーと思ってメニューを見ると、なんと日本料理があります。
Tempura Udon が500ルピー(約1500円)。
昨日日本料理を食べたばかりではありますが、即注文。

……うん、ええと。

一応うどんっぽい麺がうどんっぽい汁の中に入っていますが、どうも鰹や昆布等でダシを取っていないようで、水に醤油を入れてそこにうどんもどきの麺(説明しにくいのですが、何か本来のうどんとは違う麺です。)を入れたという味です。

醤油味への飢えがまだ残っていたので、何とか最後まですすり終えましたが、日本だったら多分最初の一口で吐き出しています

最初からまるで違えばかえって諦めもつくのですが、なまじ見た目が似ているだけに失望は大きく、似非の罪深さを思い知らされました。
今後この店に日本料理を食べに来ることはないでしょう。

--

2日続けての日本食(2日目は本当に日本食と言えるのか微妙ですが)の効果か、消化器の調子は少し回復してきたようです。
このまま良くなってくれるといいんですが。

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9月17日 -ブロードバンド開通、日本食-

午前中、不動産業者から電話があり、「今日午後2時にブロードバンドの業者がフラットに行くので、その時間に家にいてほしい」と言われました。

午後2時といえば、出勤時間の真最中。
夕方以降に来られないか聞いてみたのですが、難しいとのこと。
ここでリスケして、ブロードバンド開通がさらに遅れてはとても困るので(日本と違い、この国でいったんリスケすると、次にいつ話が進むのか全く読めません。)、しぶしぶ午後2時で了解することに。

事務所のHRに事情を話し、一時帰宅の許可を取った上で、昼食を食べた後いったん家に戻ります。

……

予想通り、午後2時半になっても業者は現れません。
インド人は決して時間通りには来ないということはわかっていたはずなのに…

無理に仕事を抜けてきたのに、これはあんまりです。
さすがに頭にきて不動産業者に電話すると、例によって「Five minutes come, OK?」との返事が。
お前らの頭の中の時間単位は「5分」しかないんかい。

本当に、お願いだから最初から来られる時間を言ってください。
2時半、と最初から言ってくれれば、こっちも時間を無駄にせずに済むのに。
でも、最初に「2時半」と言ったら、絶対3時過ぎに来るんだろうなあ…

3時前にようやく業者が来ました。
もはや文句を言う気力も無く、業者が機械を設置してパソコンの設定をするのを黙々と見守ります。

少し手間がかかったものの、どうにかブロードバンドに繋がりました。
これで、ようやくまともに通信が開始できます。
通信の遅さゆえにブログのページの更新が途中でキャンセルされ、最初から書き直すこともなくなって嬉しい限りです。

業者が帰るのと入れ替わりに、メイドが入ってきました。
なぜか中学生くらいの娘を連れています。
聞くと、いつも2人で作業しているとのこと。
学校に行っていないのかとも思いましたが、娘の方が英語がうまく、スムーズにコミュニケーションできます。頭の回転も早く、こちらの指示を的確に理解してくれます。たぶん、学校が終わった後に、親を手伝っているのでしょう。
そのままメイドを部屋の中に残し、オフィスに戻ります。

午後7時ころまで仕事をした後、オフィスを出てタージ・マハルホテルに向かいます。
目的は、日本食レストランで食事をすること。

最近、胃の調子が悪いこともあり、Masalaに対する拒否反応がかなり強くなっってきており、空腹でもスパイス料理は食べられないという状態に陥っています。
たぶん1か月ほどカレー断ちをしたら、また食べられるようになると思うのですが、とりあえずこの国ではそれは難しい。
そこで、次善の解決策として、「日本食を腹一杯食べることにより、まずは心と体の健康を取り戻す」ということにしたわけです。

…と御託を並べてみましたが、要は日本食がどうしても食べたくなっただけです。

タージ・マハルホテル内には、和の鉄人、森本正治がプロデュースした日本料理店「WASABI」が入っています。
1階はバーで、螺旋階段を上った2階がレストランになっています。

http://www.tajhotels.com/FoodandWine/The%20Taj%20Mahal%20Palace%20&%20Tower,MUMBAI/WASABI%20BY%20MORIMOTO/default.htm

店に入ると、懐かしい醤油の香が。それだけで感動です。
周囲はインド人と欧米人ばかりで日本人は1人もいません。
席はほぼ満席であり、インドでも日本料理はそれなりに人気があるようです。

ベタですが、寿司の盛り合わせとうどんと日本酒を注文します。
寿司ネタは、毎日築地から空輸しているという頼もしい体制。
さすが、出てきたネタは、日本の一流店には及びませんが、十分に美味しいものばかりでした。

寿司を醤油につけて食べ、日本酒を合間に飲む。
締めにうどんをすする。
至福の時間でした。

会計は寿司とうどんと日本酒一合で4000ルピー(約12000円)。
高くはありません、この幸福感に比べれば。

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9月16日 -象頭神祭-

先日書いたとおり、ムンバイでは毎週末、日本人コミュニティーによるテニスが開催されています。

昨日は1日体調不良で寝込んでいたわけですが、たっぷり寝て吐き気もかなりおさまり、体の調子も良くなったことから、今日はテニスに参加することに。

いざ家を出ようとしたところ……ラケットがありません(゜д゜) !?

家をひっくり返して探したのですが、見つかりません。
最後にラケットを見た記憶があるのは、先週のテニスに見学参加したときですから、それ以降のどこかで失くしてしまったようです。
一番可能性があるのは、引越しのどさくさに紛れてどこかにラケットを置きっぱなしにしてしまったというあたりでしょう。

が、いずれにしても、インドで所在を見失った以上、もはやラケットが出てくる可能性は皆無に等しい。
友人がメーカー直送で取り寄せてくれたラケットなので、ショックです。

気を取り直してテニスに向かい、とりあえずラケットを借りてテニスを始めます。

……暑い

弱った体にムンバイの直射日光が容赦なく襲い掛かります。
コートの上の体感気温は40度を越えている感じです。
水を多めに持ってきたのですが、1時間くらい経った後には完全にお湯に変わっていました。

2時間後、テニスが終わったときには既に千鳥足
体力が完全に削げ落ちています、情けない。

その後、日本人の方と軽く食事に行きましたが、バテすぎであまり食欲が無く、サンドイッチをジュースで流し込むだけ。

帰り道、やたらと爆発音が街中に響き渡るので、タクシーの運転手に聞いてみたところ、昨日今日とムンバイではガネーシャ神を祭るお祭りのようで、爆竹を鳴らしてお祝いしているとのこと。
……音で窓ガラスが揺れるほど爆発させるというのはやりすぎだと思いますが

そういえば、街のそこかしこに美しいガネーシャ神の像が飾られています。

Img_2617

Img_2611

このガネーシャ神、象頭のコミカルな外見の上、商業神、学問神で現世利益をもたらすというだけあって、インド中で大人気の神様です。
特にムンバイのあるマハラシュトラ州ではその人気が高く、どこでもその姿を見ることができます(今の事務所にもガネーシャ像は10体以上飾られています。) 。
ガネーシャ様の管轄外かもしれませんが、とりあえず便乗して健康を祈願しておきました。

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帰宅後、やっぱり早寝。
従前に比べればかなり体調は改善していますが、どうも消化器系が全般的に弱っているようです。

ああ僕の胃袋よ、もっと強靭たれ、もっと貪欲たれ。

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9月15日 -ムンバイ交通事情-

せっかくの土曜日でしたが、朝から晩までほとんど1日中寝ていました。
下痢で体力をかなり消耗しているからか、いくらでも寝られます。
結局、18時間近く寝ていたような。
日本だと三連休で今ごろどこかに遊びに行ってるだろうに、なぜインドのベッドで腹痛に耐えているんだろう……などと考え始めると涙が零れそうなのでやめました。

今日は特にエピソードなし、で終わらせようとも思いましたが、せっかくなので、以前から予告していたムンバイ交通事情を紹介します。
この交通事情、私がムンバイについて大嫌いなものの1つです。
大変残念なことに、今回の内容に一切誇張はありません。

・とにかく渋滞
道路は常に渋滞しています。
人口の増加に交通網の整備が全く追いついていません。
東京23区よりも狭い面積に1600万人以上も住んでいるのに、地下鉄どころか市電すら存在せず、必然的に移動手段は車が主となります(バスはどうにかありますが、これだって立派な車なので渋滞の原因の1つです。)。
その一方、道路整備は増加する一方の自動車の数に全く追いついておらず、必然的に街中で渋滞が起こります。
その渋滞のひどさたるや、車が全く動かなくなることも珍しくありません。

・交通ルールが滅茶苦茶
ムンバイに交通ルールはありません。
これは比喩ではありません。
「赤信号で止まる」ということを彼らが認識しているかどうかさえ謎です。
どんな狭い隙間でも、運転手がいけると思えば突っ込んでいきます。
日本だとありえない隙間にタクシーが突っ込んでいくときのスリルたるや、目を開けていたら気が狂いそうです。

車線は一応書いてありますが、あってなきがごとし。
3車線道路に5台の車が平行進行しているという程度で驚いていては、この街では生きていきません。
そもそも、彼らは車線変更や道路を曲がるにあたってウインカーを出しません。

要するに、「自分の行きたいように行く」のが彼らの流儀です。
自己中心的なドライバーしかいない路上というか。

それゆえ交通事故も頻発します。ムンバイに来てから1か月足らずですが、私が体験した(つまり、タクシーに乗っていたときにぶつかられた)事故の数は3件、目撃した事故(衝突してとまっている車など、事故後も含む。)は優に30件を超えています(それでも、運転の無茶苦茶さからすれば少ないと言っていいと思いますが。)。
ただ、渋滞であるためにスピードがあまり出ておらず、重大な事故に繋がることはあまり無いようです。私が体験した事故も、車線変更の際にお互いに車同士が譲らず「危ないな」と思っていたら案の上ぶつかって衝撃を感じたという程度で、怪我をするほどの危険性はありませんでした。
ちなみに、その後運転手同士が大声で口論を始め、朝のさわやかな気分が一瞬で真っ黒に塗り替えられたことは余談です。

Img_2555また、恐ろしいことに、ムンバイには青信号の残り時間を示すカウンターが、多くの信号の下に備え付けられています。
日本にも似たようなカウンターはありますが、それは赤信号の間を示すカウンターであり、待ち時間を示すものです。

ムンバイのような世紀末交通無法伝説地帯で、「青信号が残り何秒か」を示すカウンターを置くのは、狂気の沙汰としか思えません。
世界の中でも運転マナーが良いと思われる日本でだって、青信号の残時間カウンターを置いたら駆け込み事故が続発するでしょう。
案の定、どの車も青信号の間に渡ろうとして、最後数秒はいつも無茶な加速の嵐になっています。

・クラクションがうるさい
とにかくどの運転手も鳴らさないと損をするかのようにクラクションを鳴らします。

Img_2562

運転手のハンドル上の手のポジショニングは、最初からクラクション上にあり、いつでもどこでも鳴らせるように準備されています。
彼らの頭の中には、「ハンドルは10時10分」という日本の常識は微塵も存在しません。

また、クラクションの意味は、「どけ」、「邪魔だ」、「俺が行く」、「ここには俺がいる」というものであり、そのいずれもが自己主張のためのものです。

教習所で、「クラクションは本当に必要なときにしか鳴らしていけない」、「歩行者に向かってクラクションを鳴らすのはもってのほか」という教育を受けてきた日本人には厳しい環境です。

・車優先
歩行者優先という概念は存在しません。
全ての自動車は「轢かれる奴が間抜け」という発想で動いています。

右折や左折の際は、クラクションを鳴らしつつ、ほぼ減速せずに車が突っ込んできます。
歩行者は皆器用に避けていますが、なぜ公道で命のやりとりをしなければならないのか。
私も轢かれかけたことは1度や2度ではありません。

道端に落ちている糞が犬のものか人のものかわからないという恐ろしさもあり、とことん歩行者にやさしくない街です。

・排気ガスの嵐
大量の車が狭い道路にひしめき合っているため、道路上は排気ガスで煙っています。
後述のように、タクシーは通常窓を開けて走りますので、あっという間に気分が悪くなること確実です。

ちなみに、埃と排気ガスがほどよくミックスされたムンバイの空気はとても悪く、東京なら公害訴訟が発生しているでしょう。

・物乞いの包囲
タクシーに乗っていて、渋滞で車の移動が止まると、どこからともなく物乞いが寄ってきます。
小さな赤ん坊を抱えた女の子の物乞いが窓に寄ってきて、それを追い払うときの後味の悪さ(それも計算なのでしょうが…)といったら筆舌に尽くしがたいです。
先進国の人間の傲慢であることは百も承知ですが、それでも道路で停止する度に、いたたまれない気持ちにさせられてしまうのは、正直たまりません。

・劣悪なタクシー事情
9割近くのタクシーには冷房がついていません。
したがって、彼らは窓を開け放して窓からの風を冷房代わりに移動します。
これがカリフォルニアのドライブなら気持ち良いのでしょうが、残念なことにここはムンバイ。
周囲は排気ガスと埃まみれの空気です。
どこからともなく風に漂って原因不明の悪臭が漂ってくるのは日常茶飯事。

かといって、窓を閉めるという選択肢はそれはそれでありえません。
まず、暑さに耐えられません。
ムンバイの気温は12月から2月までのごくわずかな期間を除いて、常に昼間はほぼ30度を越えます。湿度もかなり高めです。
こんな状況で冷房なしに車の窓を閉めるのは自殺行為です。

また、もう1つの深刻な問題として、運転手の体臭という理由もあります。たぶん、シャワーをあまり浴びていないのではないかと思われますが、全員がほぼ例外なく臭いというのは一体なにごとか。
窓を閉めたら私は窒息死するでしょう。

ついでに言えば、きちんとした会社がアレンジしたものでない限り、タクシーで外国人はほぼ100%料金を吹っかけられます。

--

他にも言いたいことは色々ありますが、長くなったので今回はこの程度にしておきます。

これらは、旅行先で体験する分には、「大変だったね」、「ひどかったね」で土産話になろうものでしょうが、実際に毎日そこで生活している人間にとってはたまったものではありません。
日ごとのストレスのたまり方が半端ではなく、最近の深刻な悩みです。

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9月14日 -食あたり-

どうにもお腹の調子が悪いと思っていたら、今度は胃までおかしくなってきました。

熱は出ていないようですが、この嘔吐感とお腹の壊れ方からして、軽い食あたりになったのではないかと思われます。
消化器全般が弱っているようで、胃の痛みにも悩まされています。
原因は不明、というか、思い当たることが多すぎてわかりません。

とりあえず薬を飲んでオフィスに向かいます。
とはいえ、午前中は気分が悪く、あまり仕事になりません。
最近まともな状態で仕事に出られておらず、体調管理も自己責任とする私の考え上、忸怩たる思いがあります。

お昼は近くのレストランでメニューにChinese Soupとだけあったのを頼み、Masalaが入っていないことに心から安心しつつスープをすすりました。

午後も相変わらず調子が悪く、夕方からの電話会議を終えるとすぐに帰ることにしました。
とはいえ、このまま帰っては、今晩と週末に食べるものがないので、例によってBig Bazaarに立ち寄ることに。

せっかくなので、Big Bazaarの写真を撮ってブログにアップしようと思い、カメラを持って門をくぐろうとすると…

なぜか守衛に止められました。
最初は意味がわからなかったのですが、どうも、「カメラを持って敷地内に入るな」と言っているようです。

なぜ単なる商業施設にカメラを持って入ってはいけないのか。
そもそも、なぜ買い物するだけの場所を撮影してはいけないのか。
この国、本当に意味不明なことが多く、嫌です。

もし、「どのような品物が売られているかの情報を外部に見せたくない」のが動機だとしたら大笑いです。
ここに売られているものの8割は、日本なら100円ショップでそれよりハイクオリティーなものが買えますって。

一通り門衛相手に交渉して余計な体力を使った後、ようやく中に入ります。もちろん、カメラは持ったまま。

かなり体調が悪くなってきたので、急ぎ足で飲み物を多めに買うとともに、敷地内で見かけたSubwayでテイクアウトします。
それにしても、McDonaldsとSubwayは本当に世界中どこにでもありますね。素直にすごいと思います。

帰宅時、例によってタクシーの運転手が値段をごまかそうとしたので、ひとしきり戦った後に、本格的に体調が悪くなってきました。
シャワーを浴びて横になり、そのまま寝てしまうことに。

この家、冷房の効きがとても悪く、夜中暑さに何回も目を覚ましました。
これから11月にかけて、ムンバイでは「第二の夏」を迎える(9月に雨季が終わった後、最高気温の平均がもう一度35度近くまで上昇する)というのに、これで大丈夫でしょうか。

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インド外資規制解説その7 -預託証券(Depositary Receipt)-

インドには、20以上の証券取引所が存在しますが、その中でも主な証券取引所は、国立証券取引所(National Stock Exchange(NSE))とボンベイ証券取引所(Bombay Stock Exchange(BSE))の2つの証券取引所となります(所在はいずれもムンバイ(旧ボンベイ)です。)。

NSEにはS&P Nifty 50 Index、BSEにはSENSEXと呼ばれる株価指数があります。
これらは、米国でいえば「ダウ工業株30種平均」、日本でいえば「日経平均株価(日経225)」と同様の機能を有します。
ちなみに、BSEには、他にもBANKEX(銀行銘柄で構成)、AUTO(自動車メーカー銘柄で構成)、IT(IT企業銘柄で構成)その他多くの指数があります。

ただし、2007年9月現在、インド法上、政府の認定を受けた外国機関投資家(Foreign Institutional Investor(FII))以外の外国投資家が、株式市場で個別銘柄の株式を買うことは認められていません。
つまり、一般の外国人投資家は、NSEやBSEで自ら株を買って投資することはできないのです。

ちなみに、FII以外の外国投資家ができないのは、株式市場での株式の「購入」のみであって、「売却」は可能です(この点、多くのインド株について紹介した本では、「売買が認められていない」と誤った紹介がなされているため、注意が必要です。)。
ただ、売る一方で買えないのでは、いわゆる株式投資を行うことは事実上不可能なので、一般の外国人投資家には株式市場が開放されていないのと同じという効果になります。

また、上記はあくまで「株式市場での」株式の購入の制限であるため、いわゆる相対取引での購入や、新株の割当による株式の取得、後述するADRやGDRの転換による株式の取得は、それらが当該行為を規制する法律に従ってなされている限り可能です。

したがって、例えば、現地に合弁会社を設立し、上場させた後、当該合弁会社の株式をBSE等の株式市場で売却することは、その合弁会社の株主がFIIでなくとも全く可能なわけです。

ところで、インドの株式市場における外国人による株式購入は、全面的に禁止されているわけではなく、上述のインド政府が認定した外国機関投資家(Foreign Institutional Investor(FII))による株式購入は認められています。
FIIは、日本法でいうと、「外国籍の適格機関投資家」と言ったところでしょうか。

そのため、個人がインド株式に投資する場合、インド政府の認定を受けたFIIの設定する投資信託を購入するというのが1つの簡便な方法となります。
実際、この方法によるインド株ファンドは多くの証券会社が扱っており、日本の個人投資家が最も簡単にインド株に投資する方法であると言えます。

一方、個人がインド株に投資するもう1つの簡便な方法が、今回紹介する預託証券(Depositary Receipt)を利用した方法です。

--

(2007年12月追記)

以下、内容を修正しました。
下記については正式な論文を書いたのですが、あらためてブログ本文を読み直したところ、加筆すべきや修正すべき部分が多くあったため、この記事の主旨を損なわない限度で修正することにしました(できれば一から書き直したいくらいなのですが、過去の記事を一から改変するというのも変なので、預託証券についてはまた別の機会に書きたいと思います。)。
加筆、修正部分には下線を引いています。

大変失礼いたしました。

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預託証券(Depositary Receipt)とは、株式そのものは信託銀行等に預託しつつ、当該株式の預託を証明する書類として発行される預託証券をいい、いわば株式の代替品として流通する証券を言います。

米国で発行される米ドル建てDepositary ReceiptをAmerican Depositary Receipt(ADR)といい、主としてヨーロッパで米ドル建てで発行されるDepositary ReceiptをGlobal Depositary Receipt(GDR)といいます。
他にも、HKDR、DRS等の預託証券があります。

米国において、ADR制度は1928年に創設され、これによりADRを通じて米ドル以外の通貨建ての株式に対して米ドル建てで投資することを可能となりました。
ADRを米国で上場する場合、当該ADRの発行企業に対して、通常米国で株式を上場する企業が求められるのと同じ程度のディスクロージャーが求められており、実質的に外国株式を米国株式市場において上場するのと同様の効果と規制が発生します。

さて、インド法上、インドの会社は、原則としてMinistry of Finance(MOF。金融省)、Foreign Investment Promotion Board(FIPB。外国投資促進委員会)及びReserve Bank of India(RBI。インド連邦準備銀行)といった規制機関の承認なくしてADRやGDRを発行することができます。

ただし、ADRやGDRの発行と引き受けが、Foreign Direct Investmentの自動承認(インド連邦準備銀行への事後届出だけで投資できる上限)の枠を超える場合、原株式の引き受け先(=預託機関)の側で、FIPBからインド外国為替管理法上の事前承認を取得する必要があります。
後述の通り、預託証券は原則として原株式への自由な転換が認められているため、「全ての預託証券を原株式に転換したと仮定した場合に自動承認の上限を超える」という場合には、インド外国為替管理法上の規制に抵触する可能性があるためです。
なお、FIPBの事前承認が不要な場合、必要な場合いずれも、預託機関は、原株式を引き受けた後30日以内に、インド連邦準備銀行に対して事後届出を行う必要があります。

インドにおける預託証券(DR)発行の根拠となる法令は、「1993年外貨建ての転換社債及び普通株(預託証券)の発行計画規則」(Issue of Foreign Currency Convertible Bonds and Ordinary Shares Scheme, 1993)ですが、同規則上、外国において預託証券を発行できるのは、インドにおいて上場している会社のみとされています。
そのため、インド国内の証券取引所に上場していないインドの会社は、ADRまたはGDRを発行することができません。

当該預託証券に投資した投資家は、これらをForeign Investment Promotion Board(外国投資促進委員会)やReserve Bank of India(RBI。インド連邦準備銀行)の承認なしに、株式に転換(=預託証券を提示しての原株式の引き出し)することができます。
ただし、発行体側で転換に条件を付すことは可能であり、たとえば、「DRの最低転換数は○個とする(その数以上持っていない場合には、転換を認めない)」とか、「1年以上の保有を転換要件とする」等の条件をつけることは可能です。

先ほど述べたとおり、FII以外の外国人投資家は、インドの株式市場で株式を購入することはできないのですが、ADRを取得する→これを株式に転換する、というルートを取ることにより、インドの会社の直接の株主になることができます(とはいえ、ADRに十分な流通性があるのであれば、そこまでしてインドの会社の株式を直接手に入れる必要はないでしょうが)。

さらに、近年、RBIは、

①株主が一定の条件の下、その保有する株式をADRやGDRに交換することができるというADRやGDRの株式との互換性(「預託証券→株式」、の互換性だけでなく、「株式→預託証券」という互換性を認めた。)及び

②会社側が、株主により(信託銀行等に対して)売却される予定の株式を預託対象とした預託証券を、当該株主による売却と同時に発行することにより、ADRやGDRのプログラムを進めること(新規発行株式を預託対象とした預託証券だけでなく、既発行の株式を預託対象とする預託証券の発行を認めた。)、

をそれぞれ認めるに至っています。

具体的には、①について、当初発行したDRのうちいくつかが原株式に転換され、当初発行の枠に余裕ができた場合、既存の株式を預託することにより、その枠の範囲内で新規にDRを発行することが可能です。

また、②については、原株式の発行体であるインド企業のスポンサリングにより、インド国内の既存株主がその保有する既発行株式を証券会社等の第三者にまとめて売却し、当該第三者がこれを外国の預託機関に預託して、これと引換えに、第三者に対して預託機関が預託証券を発行するという手続となります。
この場合、原株式の発行体であるインド企業は、売却先の第三者の選定を行ったうえで、全ての既存株主に対して預託証券発行のプログラムを告知し、原株式の売却に参加するかどうかについての意思決定の機会を与えなければならず、既存株主は、プログラムに参加するかどうかを自由に決定することができます。

さらに、「1993年外貨建ての転換社債及び普通株(預託証券)の発行計画規則」(Issue of Foreign Currency Convertible Bonds and Ordinary Shares Scheme, 1993)に基づいて預託証券が発行された場合、当該預託証券の保有者は、インド所得税法上、税務上の利益を受けることができます。

具体的には、インド所得税法上、預託証券の保有者は、その保有する預託証券をインド国外で譲渡した場合に当該譲渡益に課税されないというメリットを享受できます。
なお、配当については、そもそも株式の配当について株主には課税がなされないため(配当額に応じて、配当を行った会社が課税されます)、税務上は特に優遇措置はありません。

--

さて、ここまではADRやGDRといった、外国の預託証券の話なわけですが、日本でも金融商品取引法の施行及び信託法の改正により、円建ての預託証券を発行することが可能となりました(Japanese Depositary Receipt。JDR)
(厳密に言えば、JDRは、信託受益権を表章する証券であり、預託を表章する証券ではないのですが、インド法上、JDRも預託証券として扱われるというのが一般的な解釈です。)

インド政府やインド企業に対し、日本の経済産業省は、インドでの主としてインフラ整備(デリー・ムンバイ間のコリドー構想含む。)の投資の資金調達源として、このJDRを売り込んでいます。

現時点では、東証に預託証券の上場制度がまだなく、今後JDRによる日本における資金調達がどのような実務で動いていくのかは未知数の部分が多いですが、米国でそれなりに機能している制度が日本で機能しないとも考えにくいので、数年後には当たり前のようにJDRが東証に上場され、それを通じて日本の個人投資家がインド企業に投資しているという光景も見られるかもしれません。

いずれにしても、インド企業によるJDRによる資金調達は、一般の外国投資家による直接の株式購入が認められていないインド株式市場の現状から、今後発展していく可能性があるため、注目しておいた方が良いと思います。

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次回からは、インドでのBusiness Entityの基本となる、Companyをもう少し詳しく取り上げていきたいと思います。

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コメント

ようやく自宅にブロードバンドインターネットがつながったので、まとめてコメントを。
(ちなみに、どうやらドメイン名がインドのものであることから、ブログのコメント欄への書き込みはスパム書き込みと判断されて却下されるようです。本文に書き込めるのは、管理人名義でログインしているからです。)

>フジ様
ようやく家が決まりました。疲れた…

これは本当に真面目に言いますが、ムンバイに住み始めてから、何一つ「良かった」と思うことがありません。
観光なら良いんですよ、観光なら。
いくら嫌な思いをしてもそれも土産話になるし、日本に帰れば日常のtidyな生活が待っているわけですから。
が、生活となるとこれはほんとうにきつい。

学生のころならカルチャーショックを受けて何らかのインスピレーションを得られるかもしれませんが、この年になってこういう生活はきついです。
長期間の罰ゲームを受けている気分です。

>motty様
ぬ、どうやってここを見つけた?
ご覧の通り苦行中ですので、しばらくそっとしておいてください…

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9月13日 -買い物-

熱が下がったのは良いのですが、今度はお腹が壊れ始めました。
インドに到着してからずっと壊れていたのが、熱が出ている間だけ元に戻っていたのですが、熱が下がった途端、前にも増す勢いで壊れ始めました。

発熱前の壊れ方が捻挫だとすれば、発熱後の壊れ方は複雑骨折です。
よほど、この国の何もかもが体に合っていないのでしょう。
辛い…

さて、今日は退社後に買い物に行ってきました。
掛け布団をはじめとして、新居のために物を買い揃える必要があります。

事務所の人に、「この辺りで最も大きいショッピングセンターはどこ?」と聞いたところ、事務所の近くのBig Bazaarという回答が返ってきました。
ここはスラム街のど真ん中にあるのですが、中はとても綺麗に整備されており、一度行ってみたいと思っていたところです。

さっそくBig Bazaarに向かいます。

確かに、全体的に垢抜けた感じで、日本の郊外のショッピングセンターを思い起こさせます。
中華やイタリアンなどのレストランも充実しており、インド食に飽きたときの心強い味方になってくれそうです。

まずは掛け布団を探します。
…良さそうなものが見つかりました。
お値段は4000ルピー。
日本円だと1万円を越えているので、それほど安くはありません。
が、手触りと言い、色といい良い感じなので、即決断して購入しました。

その後、食品を買い込みます。
日本の食材はありませんでしたが、スパイスの味がしなさそうな非常食をある程度買うことができました。
今後は「食べるものがないから食事を抜く」ということは少なくなりそうです。

精算に向かったレジはものすごく混んでいました。
片や道端で寝転ぶ大量のホームレス、片や(日本人の感覚としても)安いとは思えない店で大量に買い物を楽しむ家族。
まさにインドの縮図です。
日本など比べ物にならない格差社会。

中華レストランで何だかよくわからない麺類を食べた後、家に戻ります。
今日も2回ほど事故になりかけのニアミスがあり、ひやひやしました。
インドのタクシーの中では目を閉じているのが一番ということはわかっているのですが…

家に帰ってからも、どうも嘔吐感が強く、食べたものを半分くらい吐いてしまいました。
お腹の調子も最悪で、あまり気分はよくありません。

薬を飲んで、さっさと寝ます。
ちなみに、インドに来てから、平均睡眠時間が10時間を越えています。
体が痛めつけられて睡眠を欲している上、他にやることがないので眠る時間が長くなっているのでしょう。
これ以上体が壊れたら困るので、今は睡眠欲には逆らわないようにしたいと思います。

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9月12日 -メイド-

新居での目覚めです。
部屋の中が蒸し暑く、かつベッドが硬かったので、あまり熟睡はできませんでしたが、体調はかなり良くなっています。もうほとんど頭痛もありません。

部屋の中に何もないため、昨晩は夕飯を食べられず(夕飯を買ってくるのを忘れていました…)お腹が空いたのですが、今朝も同じく何にもないので、とりあえず昨日買った残りのミネラルウォーターを飲みます。

午前中、インターネット接続のために不動産業者のオフィスに向かいました。
昨日、「この道を10分ほど歩けば着く」と言われた道を歩き始めます。

……

30分経っても着きません。
インド人はものごとを全てunderestimateするということを忘れていました。
彼らが「5分歩けば」と言ったら、それは20分。
彼らが「あと10分でそっちに着くよ」と言ったら、あと30分ということを、これまで何度も経験して、その度に怒りまくっていたはずなのに…

で、今回も例によってアドレナリンを放出しつつ、不動産業者のオフィスに着き、一通り文句を言った後、本題に入ります。

現在、インターネット環境が極めて悪いため、自宅にブロードバンドを引いてもらうよう依頼したところ、まずは通信会社に行って相談する必要があるらしく、今から一緒に通信会社に行こうということになりました。

「ところで、メイドは必要ですか?」

立ち上がったときに尋ねられました。

…メイドを雇うかどうかという点については、事務所の人やムンバイ在住の日本人にも聞いてみたのですが、だいたい「一人で生活するなら雇ったほうが良い」という回答でした。
とはいえ、自分の家の中に他人(しかも言葉が十分に通じない)がいるというのは何となく嫌な感じがすること、これまでの人生で使用人を雇ったことがないことなどから、私の中では抵抗が大きめでした。

ちょうど良い機会なので、不動産業者にメイドについて色々尋ねたところ、

・掃除だけのメイドと料理も作るメイドがいる。ただ、メイドが作ることができる料理はインド料理だけなので、外国人は掃除だけを頼むのがよいかもしれない。

・メイドといっても専属ではなく、1日1時間程度部屋の掃除や洗濯、皿洗いをするだけ。来て、部屋のクリーンアップをして、帰っていくという感じ。

・費用は、月2500ルピー(7500円)程度

ということがわかりました。
要は、sweeperのような感じで雇えるようです。

インドの部屋の床は拭き掃除が必要でなかなかに面倒であること、洗濯を全てしてもらえるのは助かることから、結局、不動産業者の勧めどおり、メイドを雇うことにしました。
その場で不動産業者が電話をかけ、メイド候補者を呼びます。

……

やってきたのは、50代半ばと思われる女性。
英語が話せるとのことで、コミュニケーションには不安はありません。
話した感じも悪くなかったので、この人にお願いすることにしました。
2日後から来てくれるとのことです。

ちなみに、メイドは基本的に年配の女性であるということは既に情報を聞いていたので、特にがっかりはしていません、ええ。

--

その後、通信会社に行き、インターネットも約1週間後からはブロードバンドに繋げそうということがわかりました。

日本からの荷物も、あと1週間ほどで届くとのことで、1週間後にはようやくまともな暮らしが始められそうです。

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9月11日 -新居への入居-

ようやく頭痛が少しましになりました。
インドの現地の薬と、解熱剤を併用したことにより、かなり症状は改善しています。

今日新居に移動するため、朝にホテルをチェックアウトします。
2週間近く滞在したホテルでしたが、とても快適なホテルでした。
ただ、1泊約7000ルピー(約2万円強)であることを考えると、そこまで誉めるほどのことはないかもしれません。

荷物をホテルに預かってもらい、出勤。

午前中、昨日できなかった血液検査を行うということで病院に向かいました。
針の使い回しがないか目を血走らせてチェックしたのですが、ちゃんと使い捨ての針を使っていたので一安心。
この針、日本で一般に使用されている針よりも二回りほど太く、「ブスリ」という感じで腕につきささりました。痛い…

検査結果は明日以降とのことで、いったん事務所に戻ります。

定刻の午後6時になると同時にホテルに向かいます。
ホテルには、不動産業者のスタッフが来ていて、荷物を運んでくれました。

いよいよ入居です。

当たり前ですが、何もありません。
ベッドシーツだけはあらかじめ買っておいたのですが、掛け布団すらないため、大きめのバスタオルを掛け布団かわりに使うことに。
窓に網戸がない、クーラーが1部屋にしかなくしかも効きが悪い、収納が歪んでいる(半端な歪み方ではなく、収納扉が閉まりません)、お湯の出が悪いなど、細かい文句を言い出せばきりがありません。

それでも、やっぱり、There’s no place like home. 

自分の家に勝る安心感はありません。

外出があまり快適でないのはどうしようもないですが、せめて自分の家だけでも少しでも気持ちよくしていこうと思います。

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9月10日 -病院-

やはり頭痛が治まりません。
頭痛は発熱から来るものなので、結局根本的な症状の改善がないということなのでしょう。

今日は新しいフラットに鍵を受け取りに行かなければならないのですが(入居は明日)、とりあえず今日は事務所を休むことにし、ホテルで寝ます。

この3日間、いろいろ試してわかったのですが、日本の薬でも効くものと効かないものがあるようです。
個別の銘柄は挙げませんが、どうも、弱めの薬だとほとんど効果がなく、強めの薬でも効果はそれほど高くないようです。
日本のような無菌衛生国の風邪菌用の薬では、インドのプリミティブな風邪菌には太刀打ちできないということなのでしょうか。

そのまま昼過ぎまで寝ていると、事務所から電話が入りました。
私の状態を事務所のパートナーが心配し、HRの担当者に、病院に連れて行くように指示したとのこと。
最初は病院に行くまでのことは…、と思っていたのですが、日本の風邪薬の効きがあまり良くないことから、一応現地の医者に見ておいてもらった方が良いと考え直し、病院に連れていってもらうことにしました。

ちなみに、外国で病院に行ったのはこれが初めてです。
人生で初めて行く外国の病院がインドの病院だとは夢にも思いませんでした。
野戦病院みたいなところを一瞬想像したのですが、ちゃんと建物があり、かつ病院内はそれなりに清潔で安心します。

診察室に通され、症状を説明します。
英語で症状を説明するのは、少しというかかなりもどかしいのですが、何とか状態を伝えます。

「おそらく疲れが出たのだろう」というごくまっとうな診断をされ、薬を処方されました。
ただ、一部の薬については、アレルギー反応を見るために、採血して血液検査をしてから処方するとのこと。既に採血部門は業務を終了しているので、明日もう一度来るように言われました。

病院を出た足で、新しいフラットに向かいます。
Everestと景気のいい名前をしていますが、7階建ての築50年のマンションです。

現在リフォームの真最中で、部屋の中はひっくり返っています。
このリフォーム、壁から塗りなおすという本格的なもので、かなり綺麗になるようです。

Img_2603

窓から外を見ると、アラビア海が見えます。
最初に決めたフラットほど鮮やかには見えませんが、それでも夕暮れ時には海がとても綺麗に見えました。

いくつかこまごました指示を出し、鍵を受け取って、ホテルに戻りました。
引越しは明日です。

Img_2607 夜になってまた熱が出てきたため、病院で処方された薬を飲むことに。
シロップ薬と錠剤2種類があります。
まずはシロップ薬から。
瓶の表面には「ラズベリー味」との記載があります。

……

これがラズベリー味なら、子供は皆ラズベリー嫌いになるだろうな

錠剤を飲み、今日も早めにベッドに入ります。
明日には何とか良くなっているといいんですが。

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インド外資規制解説その6 -Foreign Direct Investment-

前回解説したとおり、Foreign Direct Investmentは、日本の外為法でいう「対内直投取引」に該当し、最もメジャーな投資方式になります。

このForeign Direct Investmentの制度上、最も重要なポイントが、Automatic Route(自動承認)です。

Automatic Route(自動承認)は特に難しい概念ではなく、要は、「一定の事業については、届出さえすれば、Foreign Investment Promotion Board(外国投資促進委員会)やRBI(インド連邦準備銀行)の認可不要で投資できる案件」のことを言います。

Automatic Routeは、いくたびかの改正を経て、大きく拡大されており、今日では、ネガティブリスト制(列挙されている業種に該当しなければ、自由な投資が認められる)となっています。
このあたりは、日本の外為法上、対内直接投資につき、一定の事前承認案件を除いては全て事後報告で足りるとされていることと似ています。

具体的に、どのような業種についてどの範囲を超えるとAutomatic Routeが認められないかについては、下記JETROのウェブサイトの「規制業種、禁止業種」をご参照ください。
色々な資料を見ましたが、日本語のものではこのサイトが最も良くまとまっていると思います。

http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/in/invest_02/

Automatic Routeを通じて投資を行う場合、RBIに対し、

①投資金額の支払い後から30日以内、または
②有価証券(株式等)の取得から30日以内

に所定の書式で届出を行う必要があります。

例えば、Automatic Routeを利用して、インドに現地子会社を設立する場合、会社設立による株式発行後の30日以内にRBIに届出を行うことになります。

--

また、外国人または外国会社がインド法人の株式発行の引き受け先になる場合、その発行価格に規制がかかります(この点、外国人に対する割当であろうが発行価額自体は会社法の定めにより自由に定められる日本とは大きな違いです。)。

具体的には、株式を発行するインド法人が未上場会社の場合、外国人または外国会社に対する発行価額はController of Capital Issuesと呼ばれる機関が定めた価格を下回ることができません。

また、同インド法人が上場会社の場合、外国人または外国会社に対する発行価額は、①株式発行日から6ヶ月前までの平均株価、及び②株式発行日から2週間前までの平均株価、の双方を下回ることができません。
例えば、最近業績が落ちてきた会社を買収するために株式の発行を受けようとした場合、①が1万ルピー、②が8000ルピーであれば、発行価額は1万ルピーを下回ることができません。

ちなみに、既発行の株式を譲渡する場合にも似たような規制があり、譲渡価額の決定に公認会計士によるcertificationが必要となる上、①上場株式であれば、現在の市場株価を下回る金額での譲渡、②非上場株式であれば、Controller of Capital Issuesの発行したガイドラインにしたがって公認会計士が算出した価額を下回る金額での譲渡、はRBIによる承認が必要となります。

--

不動産について、インドに支店や現地法人等の拠点を有しない外国人または外国会社は、RBIの事前承認なくしてインドの不動産を取得することはできません。
一方、インド国内に支店または現地法人を設立した外国人または外国会社は、その活動に必要な不動産を取得することができます。
その場合、取得日から90日以内にRBIに所定のフォームで届出を行う必要があります。

また、外国人または外国会社がインド国内の不動産について担保設定を受ける場合、RBIの事前承認が必要となります。

--

なお、いったんForeign Direct Investmentにより取得された株式その他の資産について、外国人同士で取引する場合(いわゆる外-外の取引)については、特に規制はかかりません。
このあたりは日本の対内直投取引制度と同じですね。

--

次回は、預託証券(Depositary Receipt)についてのForeign Direct Investmentに係る規制を取り上げたいと思います。
近時、インドに対する日本法準拠のDR=JDRを利用した投資方法に関心が集まっているため、これを少し詳し目に取り上げることは有益であると思われるためです。

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インド外資規制解説その5 -投資の方法と規制-

外国人または外国会社(インドにとってのNon-resident)が、インドに投資するには次の3つの方法があります。

1.Automatic Routeを利用したまたは事前承認後のForeign Direct Investment(海外直接投資。日本の外為法でいう対内直投取引にあたります。)
2.Foreign Institutional Investment(外国機関投資家による投資)
3.Investment as Foreign Venture Capital Investor(外国ベンチャー投資家としての投資)

また、外資規制の根拠となる法令または命令は、以下の通りです。

・Foreign Exchange Management Act(FEMA)及び同法の施行規則
・FEMAに基づいて発行されるReserve Bank of India(RBI。インド連邦準備銀行)の通知
・New Industrial Policy, 1991 of the Government India(1991年インド政府新投資ポリシー)
・Ministry of Commerce and Industry (インド政府商工省)による通達

規制機関は、上記RBI及びMinistry of Commerce and Industryのほか、New Industrial Policyを所管する、Ministry of Finance(金融省)の下位機関であるForeign Investment Promotion Board(外国投資促進委員会)となります。
RBIが主としてFEMAに準拠して規制を行うのに対し、Ministry of Commerce and Industry及びForeign Investment Promotion Boardは、主としてNew Industrial Policyに基づいて規制を行います。

ちなみに、New Industrial Policyが、なぜ「New」と呼ばれているかというと、このPolicyは、1991年にインド国内への対内直投を容易にする目的で、従来のIndustrial Policyを大幅に改正して制定されたものであるためです。

さて、上記で3つの方法を紹介しましたが、その中でも圧倒的にメジャーなのは、1のForeign Direct Investmentです。

一般企業がインドに支店や会社を設立して、あるいは現地の企業を買収してまたはJVを設立してビジネス活動を行う場合、その行為は通常Foreign Direct Investmentに該当します。
その他、インドでビジネス活動を行うための投資は、ほぼ全てForeign Direct Investmentに該当します。

そこで、次回からはまずForeign Direct Investmentに焦点をあてて解説し、その後にForeign Institutional InvestmentとInvestment as Foreign Venture Capital Investorを簡単に解説しようと思います。

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9月9日 -テニス-

熱は昨日よりは下がった感じですが、頭痛は相変わらず激しいです。
それでもかなり気分は良くなりました。

不思議なのが、熱が出て以降、壊れっぱなしだったお腹の調子が元に戻ったこと。
たまたまインドの水に慣れる時期と発熱の時期が一致したのか、それとも発熱の一種の副作用なのかはわかりませんが、これはありがたい。

--

さて、実は、今日は総領事館のIさんから、日本人のテニス会に誘われています。

この会、ムンバイ在住の日本人が集まってテニスをするという会らしいのですが、驚くべくはその開催頻度。なんと毎週土日開催だそうです。
社会人としてはありえない頻度に驚くと、「ムンバイには他に娯楽がありませんから」とのお答えでした…
Iさんも、ムンバイ在住の間にかなり上達したそうです。

--

ある程度回復したとはいえ、まだテニスができるような体調ではありません。
しかし、多くの日本人と顔を通じることのできる貴重な機会なので、簡単に欠席してしまうのも考えもの。
幸い、薬を飲めば外出もできそうなので、結局、今回は見学ということにしました。

ムンバイに不慣れな私を案内してくださるとのことで、午前11時に、Iさんと待ち合わせてテニスコートに向かいます。

これは…
一言で言うと、すごいコートです。
「すごい」というのは、勿論褒め言葉ではありません
ラバー面のコートは激しく傷んでおり、5年ほど前に見た清里の山奥のテニスコートにそっくりです。
これでも、ムンバイでは悪くない方だそうです。

Img_2571 しばらくすると、ちらほらと人が集まってきました。
新参者として自己紹介をします。
最終的には20人程度集まりました。
ムンバイにいる日本人の1割が、このテニスコートにいると考えるとある意味すごいです。

見るだけだから多少体調が悪くても大丈夫…などと思っていた私は、まだ日本の常識の重力から脱出しきれていなかったようです。

インドのテニスコートに日陰のベンチなど用意されているはずもなく、仕方なく日向に座って見学していたのですが、ムンバイの直射日光は厳しく、あっという間に体力が奪われていきます。
開始後1時間半ほどして、ようやく太陽の加減で日陰ができたのでそこに移動しましたが、既に虫の息。

開始2時間後にテニスは終了し、8割くらいの方が運転手付の車に乗って帰っていきました。
たまたま同じ方向に帰られる方が親切にホテルまで送ってくださり、何とかホテルには戻れましたが、もはや活動できる状態ではありません。

例によってルームサービスでカレーではない食事を頼み、薬を飲んで眠っては起きの繰り返し。
頭痛が一向に治まらないことに多少不安を覚えてきました。

夕方、気分転換に少し散歩に出てみますが、うだるような蒸し暑さ、汚い空気、悪臭のする路上、大量の車による騒音、人だらけの路上、大量の物乞い、それ以上に大量の物売りにさらされて、あっという間に嫌気がさします。
断言できますが、この街は地球上で最も散歩が楽しくない街の1つだと思います。

Img_2580

Img_2587

それでも、一応街のシンボルと言われているインド門、タージマハルホテルまでは行ってきました。
建築物はそれなりに美しいんですけどねえ…

とりあえず、ムンバイにいる間にテニスは上達しそうです。

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9月8日 -終日臥床-

駄目です。
体が動きません。

悪寒と頭痛がただごとではありません。
体温計がないので正確なところはわかりませんが、経験上、これは38度は軽く越えている感じです。

今日は土曜日なので1日寝ていられますが、風邪薬は効かない、病院にも行けない、まともな食べ物もないと、回復に向けての視界は暗めです。

とりあえず、何か食べなければと思いますが、もはやカレーは1口も食べる気がしません。
何かないかと思って部屋の冷蔵庫を開けてみましたが、入っている食べ物はチョコレートバーだけ。

それでも、とにかく何か胃に入れないと胃の痛みに耐えられないので、チョコレートバーをかじって解熱剤を飲みます。
解熱剤は効くものの風邪薬はまるで効かないあたり、何だか嫌な感じですが、自然回復に期待してもう一度眠ります。

--

昼過ぎに目が覚めましたが、状態はあまり改善していません。
自然回復に頼るのであれば、やはり何か栄養のあるものを食べる必要がありそうです。
しかし、カレーはもうちょっと本当に無理です。

濁った目に飛び込んできたのは…、ルームサービスの案内。

ルームサービス。
普段日本だと絶対に利用しないので、完全に忘れていました。

藁にもすがる思いで案内を開くと……カレー味ではなさそうなメニューがあります!
アスパラガスのスープとバジルのペンネを注文し、横になって食事を待ちます。

……

……

しばらくして部屋に届いたスープは、本当にやさしい味でした。

あはれ
秋風よ
情あらば伝えてよ
- 男ありて
インドのホテルで ひとり
スウプを飲みて
涙にむせぶ と

--

久しぶりに胃を刺激しない食事をし、今度は解熱剤を飲まずに眠りました。
(基本的に、発熱は病気に対する正常な防衛反応と考えているので、よほど辛い場合を除いて熱は出っ放しにしておくのが私の対処法です。)

夕方ころ、もう一度目が覚めました。
かなり汗もかいたようで、熱も少し下がった感じがします。
ただ、頭痛は相変わらず激しいです。
(この頭痛はこの後もしばらく続くので、インドの風邪?に特有の症状なのかもしれません。)

しばらくぼーっとしていると、携帯電話が鳴りました。
不動産業者が今から正式な契約書を持ってホテルに来るとのこと。
10分ほどで現れ、契約書を渡されました。
細かいところまで読む気力がなかったので、明らかにおかしなところがないどうかだけをざっとチェックしてサイン。
ようやく家も正式に決定です。
週末と月曜日をリフォームに使い、火曜日には入居できるとのことです。

昼間食べ切れなかったペンネを食べた後、再びルームサービスでフルーツを注文してビタミンを補給。

結局、この日はホテルの部屋から一歩も出ず、ひたすら寝ていました。
とはいえ、ルームサービスでカレー以外の食事が注文できるという発見は大きい。
気がついたのがチェックアウトの3日前でなければなお良かったのですが。

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9月7日 -発熱、家捜し⑥-

とりあえず生きています。

まだ体調は完全ではありませんが、ようやく家も決まりました。

経緯はおいおい。

--

9月7日(金)

朝起きると喉に激痛が。
全身に筋肉痛。
かなり強い頭痛と悪寒もあります。

とうとう来ました。
発熱です。
病名は風邪と信じたいところですが、とりあえず不明です。

お腹はインド到着3日後から今に至るまで壊れっぱなしなわけですが、この上さらに発熱が重なるのはきつい。

事務所ではまだ具体的な仕事はないし、休んでしまおうかとも思ったのですが、幸い、症状はそれほど重くなく(朝の段階では薬を飲めば我慢できるくらいでした。)、また今日は不動産業者とのアポイントがあるため、事務所に出ることにします。

とはいえ、やはり頭はぼーっとしています。
通勤タクシーの中でもずっと寝ていました。

タクシーからの降り際、例によって500ルピー(約1500円)とふっかけられました。
エアコン付のタクシーはそうでないタクシーより料金が高いのですが、それでもホテルから事務所までは高くても250ルピー程度が相場です。

ムンバイのタクシーは、きちんとした会社が専用に雇ったものでない限り、外国人に対しては、ほぼ100%料金をふっかけてきます。
相場を知っていれば、「高い」といって交渉可能なのですが、そうでなければ、インドのタクシー料金は先進国に比べて安いこともあり、(特に外国人は)払ってしまうようです。
彼らには外国人は鴨が葱を背負っているように見えるのでしょう。

「高い」というと、「今日は送迎だから高くなったんだ」などと色々言い訳してきます。
朝からあまり揉めるのも気分が悪いので、350ルピーで妥協し、払って出ようとしたところ、「More Thirty!」などと言ってきました。

体調が良ければ絶対に払わなかったでしょうが、今日は体調がすぐれず、また議論になるのも面倒だったので、さっさと払ってタクシーを出ることに。
が、さきほどの350ルピーで小さな札を使いきってしまったため、30ルピーの持ち合わせがありません。
「ないから払えない」というと、「お釣りがあるから大丈夫」と言って、私の手元から500ルピー札を抜き取り、なんとさっき私が払った350ルピーの中から120ルピーのお釣りを渡そうとしやがりました。

「壺算」という言葉が頭をよぎります。
(直接リンクがなぜかうまくいかないので、目次からどうぞ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E8%90%BD%E8%AA%9E%E3%81%AE%E6%BC%94%E7%9B%AE

さすがに江戸時代のトリックに騙されるわけにはいきません。
強く「返せ!」と言って、500ルピーを取り返し、30ルピーは払わずにさっさとタクシーを降りました。

朝から余計な体力を使い、憔悴しきって事務所に入ります。

事務所に着いたものの、悪寒は強くなる一方で改善の兆しがありません。
症状悪化のスピードが全く弱まっていないあたり、どうも昨晩と今朝飲んだ風邪薬は全く効いていないようです。

午後12時半から電話会議に入ったのですが、これがまさかの2時間オーバーの会議で、終わったころには完全に足にきていました。
(英語の会議は内容を聞いて理解しようとするだけで消耗してしまいます…)

ふらふらになって会議室から自分のデスクに戻りましたが、冷房がどうにも辛く、事務所の受付の外にあるソファーに移動しました。
ここは外と気温が同じなので、体が温まります。

……

気がつくと午後5時。
背中は汗でびっしょりですが、暖かいところで少し眠ったせいか、体調は電話会議直後よりもましになっています。
これなら何とか不動産業者のところに行けそうです。

荷物を抱えて流しのタクシーを拾い、行き先を告げます。
例によって座席は激しく臭いですが、もはやそんなことを気にしている余裕などありません。
あとは到着するまで一眠り…

Three fifty, OK ?

運転手のでかい声で意識が戻りました。
最初は意味がわからなかったのですが、どうも値段を先決めしたい様子。
が、350ルピーというのはありえません。
Amarchandから不動産業者のオフィスには何度も行きましたが、普通にタクシーに乗った場合、どんなに混んでいてもメーターどおりに支払えば30ルピー程度のはず(ムンバイのタクシーは、独特のメーターに基づいて料金を算出します。たとえば、メーターの数字が1.00のときには13ルピー、2.00のときには27ルピー等)。

「350って何だ? メーターどおりに払う。」

と言うと、英語がわからないふりをしやがります。

「Pay!  Meter!  OK!?」 だけの英語がわからないわけないだろう、この野郎。

朝の出来事もあり、一気にアドレナリンが放出されます。

「降りるから止めろ」と言うと、「No go down, two fifty OK?」 などと言い始めました。
英語はわからんのとちゃうんかい、お前。

完全に頭にきたので、とにかく止めろと言って強引に降りました。
ちなみに、No go down 以下の数字は、最後には100ルピーまで下がりましたが、それでも相場の3倍であるあたり、完全になめられています。

別のタクシーを拾って不動産業者のオフィスに向かったのですが、どうも最初のタクシーが全然違う方向に進んでいたようで、一方通行の道などを迂回して、もと来た道を戻ってさらに不動産業者のオフィスに戻るのにえらく時間がかかってしまいました。

ようやく不動産業者のオフィスに到着すると、「フラットの交渉がまとまったので、今から現地で家主と面談する」とのこと。
何でも、以前見せてもらった4件のフラットのうち、2番目に気に入ったフラットの家主が「6ヶ月契約でも良い」と言ってくれたらしく、家主の気がかわらないうちに手付契約してしまった方が良いとのことです。

実際、「6ヶ月契約」というのがものすごい足枷になっているだけに(ムンバイの家主は最低でも1年契約を求めるのが通常です。)、これは嬉しい。
このフラットは、窓からの眺めは最初に決めたフラットには及びませんが、設備は4件の中では最も良く、有力候補となっていたところです。

異存はないので、早速家主と面談し、その場で手付金を払ってしまいます。
家賃は6ヶ月分を前払い、デポジットは家賃1か月分です。
なぜか、半分以上の金額を現金で支払ってほしいと要望されました。

理由は察しはつきますが、いったんこちらが払った賃料について、家主が所得として申告するかどうかは私の知ったことではありません。
銀行で私が引き出した現金を不動産業者が受け取り、私が自ら現金輸送のリスクを負わないことを条件に了承しました。
明日、不動産業者が正式な契約書をホテルに持ってきてくれ、私がそれにサインすることで正式な契約になるとのことです。
さすがに、もうひっくり返されることはないでしょう。

家主との面会が終了すると同時に、怒りのアドレナリンの効果が切れたようです。
一時的に上がっていたテンションがあっという間に下がり始め、また悪寒を感じてきました。
余計な体力を使ったせいで、さっきより悪くなった感じです。

不動産業者にホテルまで送ってもらい、強めの解熱剤を飲んでベッドに入りました。
そういえば、今日は朝から何も食べなかったなあ…
胃が痛い…

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コメント

なぜか(管理者なのに)コメントの書き込みが拒否されるので、本文でレスします。
(追ってコメント書き込みが可能となったら移記します。)

>フジ様

ついに発熱しました。
夕方から不動産業者とのアポイントがあることもあり、無理やり事務所に来ましたが、悪寒が強く、かなり辛いです。
風邪なのかどうかすらわからないのが恐ろしいです。

荷物は日通のムンバイ事務所に届く手はずになっており、フラットが決定しだい住所を伝えて送ってもらうことになっています。

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9月6日 -Masalaful Days-

朝、不動産業者から、「今日はフラットが準備できないので、金曜日にオフィスに来て欲しい」との電話がありました。
というわけで、今日は家探しはお休みです(本当はそんなに悠長なことを言っている場合ではないのですが…)。

事務所に行きましたが、まだ具体的に動いている仕事はないので、特にやることがありません。
というわけで、今日もインド外資規制の勉強をしつつ、合間にブログのアップデートをします(ホテルにはインターネット設備がないので、現状、通信できるのは事務所にいる間だけです。ただ、なぜか今どきCDMA-1でのリモートアクセスでのアレンジのため、200kbsという通信速度で頑張っています。)。

昼になり、例によって食堂でカレー味の何かを食べます。
ある程度予想していたこととはいえ、朝、昼、夜全ての食事がカレー味なのにかなり参り気味です。
特に今日は体調が思わしくないので、カレー味の食事はこたえます。
体はお粥とうどんを欲しています。

--

インド人は、日本人が醤油やみりん、味噌で料理を味付けするのと同じ感覚で全てをMasala(スパイス)で味付けします。何十種類ものスパイスを、料理ごとに使い分けて味付けするわけです。

頭ではそのことはわかっていて、かつ食べている料理が全て違うスパイスで調理されているところまではわかるのですが(だからインド人の舌には全て違う料理なんだろうなとは思います。)、日本人の舌には全て「カレー味」としか認識できないのが辛いところ。

朝昼晩とカレーを食べ続けることによるダメージの蓄積が大きくなってきています。

出発の際、手荷物に日本の食糧を入れなかったことを本気で後悔し始めています。
米と味噌汁の朝ごはんが恋しい…

--

帰りに寄ったコンビニのようなお店で、なんとカップラーメンを発見しました。
日本食に飢えている今、これは本当にありがたい。
インドでカップラーメンを展開している日清食品と、偉大な発明家の百福様に感謝です。

Img_2566

棚には3種類のカップラーメンがあり、それぞれ、
MAST MASALA
SPICY VEGETABLE
TANGY CHICKEN

と書かれています。

TANGY CHICKEN以外は嫌な予感のする表記なのですが、とりあえず全部試してみようと思い、3種類全部購入しました。
お代は1つ25ルピー(約75円)。インドの日用品の物価水準からすると高めだと思います。

飲み物もいくつかレジに持っていき、145ルピーと言われたので、100ルピー札と50ルピー札を1枚ずつ出したところ、「お釣りがないので、何でもいいから5ルピーの物を買ってくれ」と言われました。なんだかなー。
仕方なく、5ルピーのガムを購入して店を出ます。

ホテルに戻って、さっそく試食です。
もちろん、TANGY CHICKENからです。

……

……

……

結論からいうと、3種類全部カレー味でした。

一番期待していたTANGY CHICKENが、日本のカレーヌードルと全く同じ味なのはなんとしたことか。

むしろ、MAST MASALAの方がカレーのテイストは弱く、食べやすかったのに少し驚きました。
SPICY VEGETABLEは論外です。

--

期待した分、失望は大きく、体調も心なしか悪くなった感じです。
風邪薬を飲んだのですが、なぜか胃が痛む痛む。
スパイスでダメージを受けている胃に、薬は刺激が強いのかもしれません。
胃の痛みをごまかすため、枕を抱いて寝ました。

--

(追記)

ご指摘の通り、確かに tangy は「ピリ辛の」という意味でした。
Tangから連想される単語が、中国の「唐(Tang)」しかなかったので、勝手に(=唐風すなわち中華風)と思い込んでいました。
そんなマイナーな単語知りませんって…

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インド外資規制解説その4 -(各論)Branch / Liaison Office / Project Office -

いわゆる支店形式の組織についてもう少し調べたところ、Foreign Exchange Management Act (FEMA)上、Branch、Liaison Officeのほか、Project Officeという概念があることがわかりましたので、今回はこれも併せて解説したいと思います。

Branch

Branchは日本法でいう支店(=外国会社の日本支店)に相当します。

FEMA上、Branchは、本店を代理して(本店の名義で)契約を締結し、また自らビジネスに従事して収益をあげることができますが、その行いうる事項は下記の各事項に限定されています。

・本社の代表、代理
・物の輸出入
・専門的分野に係るコンサルティングサービス
・調査業務
・技術、金融のコラボレーションのプロモーション、ITソフトウェアサービスのプロモーション、技術サポートのプロモーション、外国の航空事業や船舶事業を営む会社のプロモーション(いずれも、できるのはプロモーションであり、自らその業務を行うことはできません。)

また、RBI(インド連邦準備銀行)は、Branch設立の承認にあたり、上記事項のうち行いうる行為をさらに限定することができます。

Liaison Office

Liaison Officeは「駐在事務所」であり、日本法上、これに直接に対応する概念はありません(投資顧問業者の駐在等とはまた異なる概念です。)。
強いて言えば、権限を極めて限定された外国会社の支店といったところでしょうか。

FEMA上、Liaison Officeは、自らビジネス業務に従事することができません。
その権限は下記の行為に限定されています。

・本社またはグループ会社の代表、代理
・物の輸出入のプロモーション
・本社または関連会社とインド国内企業との間の技術、金融のコラボレーションのプロモーション
・本社のための情報収集並びに本社とインド国内企業との間のコミュニケーション窓口業務

Liaison Officeは自らビジネスを行って収益を上げることができないため、その経費は外国からの送金のみによりまかなわれることになります(もし自ら経費をまかなっている場合、独自のビジネスにより収益を上げているものとして、違法となります。)。

上記だけを見ると、Liaison OfficeよりもBranchを設立したほうが多くのことができ、有利そうですが、Liaison OfficeにはBranchと比べて税務上のメリットがあります。

すなわち、Liaison Officeは、インド税法上、恒久的施設(permanent establishment)として扱われないため(Branchは、インド税法上permanent establishment扱いになります。)、permanent establishmentとしての課税を受けません。
このあたりは税務の話なので、追って別章でもう少し詳しく取り上げたいと思います。

Project Office

Liaison Officeよりも簡易な支店形式の組織として、FEMA上、Project Officeが存在します。
Project Officeは、大規模な建設プロジェクト、民間の工業プロジェクト、インフラ建設プロジェクト等の遂行のためにのみ設置される組織で、その権限はプロジェクトの遂行に関わる行為に限定されています。

要するに、特定のプロジェクトの遂行に必要な業務を遂行するためだけに設置されるのが、Project Officeです。もちろん、税務上は、permanent establishmentには該当しません。

--

以上のとおり、Branch、Liaison Office、Project Officeは、FEMA上いずれもその権限が一定の行為に限定されており、かつRBIはこれらの設立承認にあたってその権限に限定を付すことができることから、「インドで一般的にビジネス展開をしたい」という場合には、やや使いにくい組織となってしまいます。

これに対してCompanyであれば、それが100%外資保有であっても、そのビジネス遂行につき特に権限の制限はありません。
(ただし、会社が行いうる行為はMemorandum of Associationに記載されているものに限定されます。もっとも、これは日本で会社の権利能力が定款の目的の範囲に限定されるというのと同様なので、インド特有の規制というわけではありません。)。

したがって、インドで一般的にビジネスを展開する場合、やはり現地にCompanyを設立して、現地法人形式で行うのが最も便宜な方法であると思われます。

--

次回からは、FEMAに基づく外資規制についてもう少し掘り下げていこうと思います。
Companyについては、その後にまとめて解説していく予定です。

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9月5日 -家捜し⑤-

朝10時に事務所に着いたのですが、まだオフィスが暗いです。
どうやらまだほとんどの弁護士が来ていない様子。
11時までに8割くらいはそろいましたが、まだ全員ではありません。
どうやら、インドの渉外法律事務所の弁護士の朝の活動開始時間はかなり遅いようです(まあ、日本の弁護士も似たようなものですが)。

引き続き外資規制を勉強していると、不動産業者から電話が。
懸案のフラットについて、家主と交渉した結果、「家賃月10万ルピー(約30万円)、12ヶ月契約、デポジットを家賃2か月分」なら、入居できるとのことです。

そらきた、ふっかけられました
(当初のオファーは、家賃8万5000ルピー、デポジット1か月分、6ヶ月契約でOKということでした。とにかく、インド人は、一般的に「こちらが欲している」と思うとすぐふっかけてきます。ああ嫌だ。)

デポジットはともかく、さすがに1LDKの部屋に月30万円払うことはできませんし、そもそも滞在予定は6ヶ月なので、12ヶ月契約は不可能です。
これは呑めないということで、別のフラットを探してもらうことにしました。
窓からの眺めがとても良いフラットだったので、惜しいですがしょうがありません。

それにしても、いったん決めたフラットがこういう形でひっくり返されるとは思っていませんでした。
内定をもらった段階で、他の候補に全て断りの電話を入れてしまったので、結局、ここに至って一から家探しをしないといけないということです。
ホテルは快適ではあるのですが、家が定まらないと、いつまでたっても日本から送った荷物を開梱できず、日本から持ってきた生活用品を使えません。
正直、ちょっと疲れています。

「今日はお祭りなので、事務所から特別にスペシャルランチが提供される」との話を聞き、オフィスの食堂に向かいました。
(Amarchandには、オフィス内に食堂があり、多くの弁護士はここで昼食を取ります。)

確かに、以前同じ食堂で食べたときと比べてかなり豪華な食事が供されています。種類も量もかなり大目です。
が、お約束どおり、10種類以上のおかずは全てカレー味です。

食堂内で同じテーブルに座った人たちが、しきりに「味はどう?」と聞いてきます。不味いと言うわけにもいかないので(実際、味そのものは不味くはありません)、笑顔で「Good」と答えますが、胃は正直です。
お皿に盛られたものを何とか流し込み、そそくさと食堂を後にします。

夕方から、日本企業関与案件の電話会議に入りました。
エスクローに関するインドの外為規制と税制が議論されており、英語自体はわかるのですが、バックグラウンドの知識が十分でないため、問題点がよく理解できません。
もう少し勉強する必要がありそうです。

ちょっと体調がすぐれないので、業務を終えてホテルに戻った後、すぐに眠ることにしました。
この上体調を崩しては大変なので、自分の体ながら、どうにか持ちこたえてほしいところです。

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インド外資規制解説その3 -(各論)Partnership-

前回述べたとおり、Partnershipは、日本法上の「組合」にあたる組織であり、その性質や機能も日本法上の組合に類似します。

Partnership Actを根拠法令として設立され、Partnershipの全ての利益と債務は当該Partnershipの構成員に連帯的に属します。各組合員は、組合の債務について無限連帯責任を負い、各自がPartnershipを代表する権限を有します。独自の法人格は有しませんが、Partnershipが他の法人の持分を持つことは可能です。

Partnershipを設立する際に注意すべきなのは、組合契約(ひいては組合)の登記を行うかどうかという点です。

Partnership Act上、組合契約を登記することは要求されていませんが、組合契約が登記されていないPartnershipについては、当該Partnership自身が当事者となって第三者に対して契約上または法令上の権利に関する訴訟を提起することができません。さらに、第三者がPartnershipの契約上または法令上の債務について、当該Partnership自体を当事者として訴えることはできず、かつ、Partnershipの債務について、当該Partnershipの構成員を訴えることもできません。
(なお、登記されている場合、これらが可能となります。)

要するに、登記されていないPartnershipは、その構成員も含めて当該Partnershipの債権債務の履行を求める訴訟において、原告としても被告としても当事者能力がない(=Partnershipの債権債務につき、原告としても被告としても訴訟を提起できない。)ということです。

「登記されていなければ、Partnership及びその構成員が当該Partnershipの債務の履行を求める訴訟につき当事者能力を有しない(=第三者は当該Partnership及びその構成員に対して債務履行を求める訴訟を提起することができない)」という点に着目すると、一見登記しない方がPartnership及びその構成員に有利なようにも思えます。
が、Partnership自身に対してもその構成員に対しても、Partnershipの債務について訴訟を提起できないということは、相手方から見れば、「権利行使を最終的に担保する手段がない」ということを意味します(仲裁条項を契約に入れた場合であっても、仲裁結果の受け入れをいずれかの当事者が拒んだ場合、最終的には訴訟による強制執行が必要となるため、そこが担保されていないのでは結局仲裁条項も無意味になってしまいます。)。
これでは、相手方は安心して取引ができません。

しかも、Partnershipの債権について当該Partnershipから訴訟を提起することもできないのですから、Partnership側としても権利行使の最終的担保手段がありません。

結局、未登記のPartnershipについては、訴訟による強制執行という最終的な権利行使担保が欠けることから「Partnershipの全ての利益と債務は当該Partnershipの構成員に連帯して所属する」という原則が画餅と化してしまい、その結果、取引主体としての信頼性が低くなることから、取引の主体とする組織としては使い勝手は悪いのではないかと思われます(実態は今後の調査課題としたいと思います。)。

--

次回は、Branch/Liaison Officeの各論です。
(Companyは別章で集中的に取り上げる予定です。)

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インド外資規制解説その2 -外国人または外国会社がインド国内に設立できる組織―

その1で書いたとおり、外国人または外国会社がインド国内にビジネス拠点を持つ場合、Sole Proprietorship、 Patnership、 Company、 Branch/Liaison Office/Project Officeの4つ(Branch 、 Liaison Office及びProject Officeをそれぞれ分ければ6つ)の形式の組織のいずれかを選ぶことになります。

それぞれの概要と特徴は以下の通りです。

Sole Proprietorship

日本語だと「単独事業体」とでも訳すことになると思います。

もっとも単純な組織形式であり、登記や登録は不要です。
Sole Proprietorshipから生じる利益、債務の全ては、当該Sole Proprietorshipのオーナーに帰属します。

根拠法もなく、組織としての特徴やメリットもないので、厳密には「組織」というよりは、単純にインド国内で個人で事業を営む場合の呼称というのに近いと思います。

即時に設立可能であり、設立費用も不要です。

Patnership

日本語では「組合」にあたります。
特徴も日本法上の組合とほぼ同じです。

Partnership Actを根拠法令として設立され、Partnershipの全ての利益と債務は当該Partnershipの構成員に連帯的に所属します。
各組合員は、組合の債務について無限連帯責任を負い、各自がPartnershipを代表する権限を有します。
独自の法人格は有しませんが、Partnershipが他の法人の持分を持つことは可能です。

ちなみに、インド法上、いわゆる有限責任組合の制度はありません。

組合契約により成立し、登記しなければ特に設立のための独自の費用は不要です。
登記する場合、数週間の期間と登記の登録免許税が必要となります。

Company

インド国内で事業を営む場合の最もポピュラーな組織形態であり、「会社」に相当します。

private company とpublic companyの2種類があり、前者については最低資本金が10万ルピー(約30万円)、後者については50万ルピー(約150万円)と定められています。

Companyは、基本的かつ重要な組織形態ですので、追って組織や設立方法につき、別のシリーズとして詳細を書いていきたいと思います。

設立には概ね6週間程度かかり、登録免許税、印紙税その他の費用がかかります。

Branch/Liaison Office

「支店」、「駐在事務所」です。

いずれも、設立にはReserve Bank of India(インド連邦準備銀行。中央銀行であり、日本での日本銀行に相当します。)の事前承認を必要とします。
なお、いくつかの条件を満たす支店または駐在事務所については、あらかじめ包括的な承認が与えられているため、実質的に承認なしで設立可能です(形式的な手続は必要。)。

外国会社がビジネスを行うために支店を設立する場合、当該支店については法令上登記が義務付けられます。

支店と駐在事務所の権限や機能の相違は、追って取り上げる予定です。

支店または駐在事務所の設立には、4週間から6週間程度かかります。
また、Reserve Bank of Indiaの承認を得るための手続費用が必要です。

--

次回からは、Partnership以下の組織の特徴について、もう少し詳しい各論を書いていきたいと思います。

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9月4日 -総領事との面会、家捜し④-

午前中は、在ムンバイ日本総領事館で、総領事と面会しました。
一私企業の出向者に、総領事が自ら会ってくださることにちょっと驚きました。
これも1600万人の人口に対して日本人が200人ほどしかいないムンバイならではだと思います。

約1時間弱の面会時間中、総領事とインドの法律から生活まで、多くの実りある話ができました。
後にスケジュールが入っていてお忙しいにもかかわらず、お時間を割いて会っていただけたことに感謝です。

Img_2557

総領事館から事務所に向かう途中で、子供達がなんだかよくわからない乗り方をしているバスをいくつか見かけました。
(後で聞いたら、今日はお祭りで、子供達がこういう乗り方で色々なところに向かっていたそうです。どういう祭りなのか、なぜこういう乗り方をしなければいけないのかは謎ですが。)

事務所では、文書管理その他の知識共有のシステムについて説明を受けました。
IT Departmentの対応により、事務所のパソコンでも日本語を入力できるようになったので、今後は事務所のパソコンで日本語メールをやりとりできることになりました。これはとても助かります。

その後、インドの外資規制を引き続き勉強していると、不動産業者から電話が。
昨日決めたフラットについて「家主がロシア人に貸すことにしたと言い出したので入居できなくなった」とのことです。

不動産探しにはかなりの労力を使い、ようやく決めたところだったので、正直がっくり来ました。
その代わりに、夕方からもう1件のフラットを紹介してくれるとのこと。
仕方が無いので、もう一度不動産業者のオフィスに出向きました(ちなみに、事務所からこの不動産業者のオフィスまではタクシーで片道30分かかります。)。

が、今日紹介を受けたフラットはまるで駄目。
日当たりはとてつもなく悪いし、メイン道路に面していることから騒音もひどく、とても住める環境ではありません。
そのことを告げると、不動産業者は「もう一度昨日決めたフラットについて家主と交渉してみる。ロシア人より多く家賃を払うといえば、入居できるかもしれない」と言い出しました。

何だかよく練られた詐欺にかかっているような気がしなくもありませんが(最初に良いフラットを見せる→突然駄目になったといって悪いフラットを見せる→最初の良いフラットを「もう少し高い家賃を払えば入ることができる」と言って、高い家賃を取る、という構図)、もはやこれ以上家を探し続ける気力も時間もありません。

また、全体的な印象として、この不動産業者は信頼できる感じがするので、「ロシア人より高い家賃を払い、かつすぐに入居する(=すぐに家賃を支払い始める)から、家主と強く交渉してほしい」と伝えました。

回答は明日。
もしどうしても駄目な場合、また別のフラットを探してくれるそうです。
そろそろホテル生活にも限界が見えてきているので、とにかく早く定住先を決めたいです。

Img_2558

意気消沈してホテルに戻っている途中、海辺の道でとても綺麗な夕焼けを見ました。
ムンバイの夕焼けは本当に美しく、しばらくアラビア海に沈む太陽をぼんやり見ていました。
疲れた…

夜、ホテルで夕食を食べる際、メニューにbeef bolied with oyster sourceという記載を発見したので、牛肉が食べられると喜んで注文しました。
オイスターソースで炒められた牛肉を久々に口に入れ……

(゜д゜) !?

なんだかすごく不味いです。
なんだこれ。
強いて言うなら、焼きレバーの味に似ていますが、それよりも数段生臭く、かつ後味が悪いです。マトンとはまた違った臭さですが、とにかく肉が臭い。
どうも、牛は牛でも水牛の肉のようです。

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残しては勿体ないと思い、頑張って食べたのですが、三切れ目を無理やり飲み込んだ時点でギブアップ。
これ以上食べたら、胃の中のものが全て逆流してきそうです。

…とりあえず、水牛の肉は今後避けることにします。
あと、メニューでbeefの表示は信用しないことにします

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インド外資規制解説その1 -概要-

インドへの外国からの投資は、インド国内法である Foreign Exchange Management Act (省略されて、FEMAと呼ばれるのが通常です。)により規制されています。
FEMAはかなり複雑なのですが、基本的部分の概要は以下の通りです。

・外国会社がインドに対して物を売ったりサービスを供給するにあたり、インド国内に支店や現地法人等の拠点を持つ必要はない。

・外国会社が自ら拠点を持たず、インド国内の独立業者と代理店契約を締結して物を売る場合、それはつまりインド国内の業者が物を輸入していることになるため、当該業者が輸入にかかる関税(物の場合)を支払う。
インド国内の業者が外国業者に業務委託を行う場合等、サービスを輸入する場合、サービス税を支払う。

・外国会社と代理店契約等を締結したインド国内の業者は、当該輸入した物やサービスを販売して得た利益について、インドの税制に従って税金を支払う。個人であれば所得税、法人であれば法人税を支払う。

・物についての製造物責任や、サービスについての保証責任は、日本の製造物責任法のように法令による定めがないため、もっぱら外国会社と代理店であるインド国内業者との間の契約により、どちらがこれを負うかが決まる。

物の輸入について、決済期間の限度を定める規制がある。たとえば、「1年後に決済」等と定めて、1年間延々と信用払いの金額を積み上げるということはできない。そのため、インド国内業者は、外国会社に対する支払いを、物の種類によって定められた期間内に行わなければならない。

・外国人または外国会社がインド国内にビジネス拠点を持つ場合(代理店形式ではなく、自ら人を送り込んで物やサービスを供給する場合、何らかの組織を設立する必要がある。)、Sole Proprietorship、 Patnership、 Company、 Branch/Liaison Office/Project Officeの4つの形式の組織(Branch、Liaison Office、Project Officeをそれぞれ分ければ6つの形式の組織)が設立可能である。

・一定の分野については外資規制がある。
小売業については、単一ブランドの専門小売(ルイ・ヴィトンやエルメス等の専売店をイメージするとわかりやすい)のみ51%を上限として出資可能。それ以外の小売は外資の出資を全面禁止
その他、通信、民間銀行、保険等についても外資規制がある。

--

以上を基礎知識として、今後、少しずつ外資規制を説明していく予定です。

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インド外資規制解説 -はじめに-

インドの外資規制及び対内直投制度その他については、インドのMinistry of Commerce and Industryの、Department of Industrial Policy & Promotion が設立しているサイトに、PDFファイルで日本語による解説が掲載されています(以下「日本語解説」といいます。)。

http://dipp.nic.in/

http://dipp.nic.in/japan/japan_cell/jap_1206.pdf

具体的に、どのような外資規制があり、どのような対内直投にどのような規制がかかるかの概要を知るには、上記日本語解説を見るのが良いと思います。
ところどころおかしな日本語があるものの、基本的な情報を得るにはとても有益です。

また、JETROの「海外のビジネス情報」のインドのページは、日本企業がインドでビジネスを展開するにあたり、必要な基礎知識を一通り提供しており、こちらも非常に参考になります。

http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/in/

上記日本語解説やJETROによる情報提供があるにもかかわらず、このブログでインドの外資規制を解説する目的は、

・現地文献に基づく最新の情報に準拠し、日本語解説に記載されていない情報も、重要なものについては取り上げる。
・用語について、できるだけ原語を利用した平易な解説を行う(日本語解説は、全ての言語を無理やり日本語に訳しているため、かえって概念がわかりにくくなっている部分が多々見受けられます。)。

・日本法との比較の観点を盛り込む。

点にあります。

--

なお、このブログは、基本的に上記日本語解説には依拠せず、私自身が現地の文献に基づいて書いています。
そのため、上記日本語解説とこのブログでは、同じ英単語について異なる和訳がなされている場合があります。

ただ、上記日本語解説がDepartment of Industrial Policy & Promotionから発行されているものであることを考えると、日本語訳はできるだけこの解説に合わせた方が良いと思われますので、今後、気がつく限り、日本語訳は解説に合わせていきたいと思います。

とはいえ、全てをチェックできるかどうかについては自信がないので、
「用語については原語を記載するが、その和訳については私の独自訳であることもありうる」
ということを、あらかじめご了承いただければと思います。

--

以上を踏まえた上で、このブログをお楽しみください。

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9月3日 -初出勤、家捜し③-

今日は初出勤です。
Emaと待ち合わせ、タクシーで事務所に向かいます。
Emaがエアコン付のタクシーを呼んでいてくれたので、快適に事務所まで行くことができました。エアコン付タクシーだと、窓を開けなくてよいのでうるささが軽減されますし、エアコン無しのタクシーよりも清潔なので汚れや悪臭に悩まされません。今後もこの手ですね。

事務所に到着した後、席に案内され、システムの使い方を一通り説明されました。メールアドレスも既にセットアップされており、本格的に仕事開始という感じです。
事務所のパソコンは、日本語を表示できるものの、入力することができません。
今後日本企業とやりとりする機会がある場合、日本語が入力できた方がよいと思われるため、IT Departmentに頼んで日本語入力ができるようにしてもらうことにしました。

さっそく日本企業関連の案件を2、3件回してもらえることになりましたが、今日すぐにというわけではないため、現時点では特に何もやることがありません。
空いた時間を利用して、インドへの投資に関するメモランダムを読んで、インドの外資規制の勉強を始めました。

午後4時になり、不動産業者と会うためにオフィスを出ました(もちろん、許可はもらっています。)。

今回の不動産業者は、総領事館のIさんが紹介してくれた、「日本人向け物件を多く世話している外国人向けフラットを扱う業者」であり、なかなか心強いです。。
期待通り、紹介してくれた4件のフラットは、いずれも日本人の目から見て許容範囲の快適なマンションばかりでした。

ただ、やはり家賃は全般的に高めで、一番気に入った窓からアラビア海が見えるフラットの家賃はリビングにベッドルーム1つで月8万5000ルピーとのこと。日本円にして25万円強です。

どう考えても家賃と釣り合う面積、設備ではないのですが、今まで見た中では今回見たフラットが最もよいです。
変に家賃をけちって、「家に帰ること自体がストレス」という状況になってはかえってよくないと思い、腹立たしくはありますが、窓から海が見えるマンションに決めることにしました。

家主に確認を取って、明日にはレターを作成、サインという手続になるそうです。
まだ完全に確定したわけではありませんが、とりあえず主観的には家を決めることができたので一安心です。

思ったよりも早く不動産巡りが終わったので、早めに帰ってホテルの周りを散歩することに。
が、人と車の洪水に、散歩開始2分で嫌気が差し始めます。

なぜこんなに人が多いのか。
「うじゃうじゃ」という擬音がこんなにぴったりくるところも珍しいと思います。

Img_2569 歩いているとマクドナルドを発見。
予想どおり、フィレオフィッシュとチキンバーガーしかありません(牛はヒンドゥー、豚はイスラムでそれぞれ禁忌。)。
しかも、ハンバーガー1つが50ルピー(約150円)。
高くはないですが、日本と比べて特別安いわけでもありません。

が、カレー味に飽きていたこともあり、思い切って夕食をここでとることに。

一番大きなチキンのマハラジャバーガー(ああ、やっぱりそういうネーミングなんですね。日本だと「キングセット」という感じでしょうか。)を注文します。
コーラとポテトセットで114ルピー。まあ、高くはないんだけど…。

チキンバーガーは、鶏肉のミンチを無理やりハンバーグにしたものです。
まずくはないのですが、牛肉のハンバーガーと比べるとかなり淡白でやや物足りません。
まあ、でもそんなことは些細なことです。ハンバーガーの味付けがカレー味だったことに比べれば。

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9月2日 -新人セッション②-

外国の法律事務所からAmarchandに来る、もう1人の出向者である英系大手法律事務所の弁護士、Emaが今日から合流します。
Emaの話は聞いていたのですが、顔を合わせるのは今朝が初めて。
多少緊張したのですが、気さくな背の高いおねーさんという感じで、今後とも仲良くやっていけそうです。

タクシーに乗り、グランドハイアットに向かいます。
インドのタクシーは高確率で臭い(運転手の汗臭さが本当にただごとではありません。)のですが、今朝はなんとかましなタクシーに乗れました。

セッションが開始し、ロールプレイの時間に。
インド市場への進出を考えている、日本のアパレルとアクセサリーの小売大手「Wasabi」のジェネラルカウンセル役で前に出ます。
ちなみに、このセッション、テレビカメラ3台(カメラマン付)で撮影されており、しかもその撮影した映像がその場で2台のプロジェクターで前面に映し出されています

事前に渡されていたシナリオの紙は読んだのですが、これが半ページだけという代物。
要するに、ほぼ全てアドリブが要求されています。
しかもやりとりは当然全て英語。話しかけられる言葉はインド英語です(ただし、Amarchandの弁護士はさすがwell educatedなだけあって、皆かなり綺麗な発音です。癖がないというわけではないですが、かなり英国のネイティブに近いと思います。)。

100人以上の弁護士の前で、英語でアドリブのロールプレイを求められる状況。

すっ飛んで逃げたいところですが、そうもいきません。

とりあえず、ジャパンのトラディショナルスタイルで、お辞儀をしながら名刺交換をしてから、相談に入ります。

……何とか終わりました。
途中何回か聞き取れないところがありましたが、その都度無理矢理なアドリブで切り抜け、どうにか大過なく終わらせることができました。
汗だくになって席に戻ろうとすると、「今から講評なのでそのまま前に居てください」とのこと。

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ロールプレイを開始して1時間後、どうにか講評も終わりました。

救いだったのは、講評ではほとんどAmarchandのシニアパートナーが話し、私に振られたのは、「日本人の目から見て、会議の席での弁護士の振る舞いに違和感を感じたところはありましたか」というところだけだったこと。
「全般的に講評せよ」などと言われていたら、トラディショナルスタイルの土下座で謝って勘弁してもらうところでした

その後もセッションは続き、修了したのは午後8時。
ちなみに、スケジュール表では午後4時半に終了予定となっています
私は昨日ので多少免疫ができていたため、今さら驚きませんでしたが、Emaが呆然としていました。
(明日から仕事のバンガロールやデリーの新人達は、飛行機の時間になると次々と部屋を出て行きました。)

スケジュールが遅れる原因

・とにかく皆話が長い。
→インド人には話好きな人が多いです。話好きの人は、まさにマイクを握ったら離さないという感じで、延々自分の話したいことを話します。
またそういう人に限って、話す機会を求めて質疑応答の際に質問する体裁で自分の演説を始めたりするので、勢い、一つ一つの話の時間が長くなります。

・スケジュールにこだわらない。
→日本だと、あらかじめ立てたスケジュールが押している場合、何かを省略したり短縮したりしてスケジュールに合わせようとするのが一般的だと思いますが、インド人はスケジュールに合わせるという意識が希薄なようです。
だったら最初からスケジュールなんて作らなきゃいいのに。

午後8時に終わったのも、会場のグランドハイアットから部屋を空けるように言われたことが主たる理由で、あのままだといつ終わっていたかわかりません。

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ようやく2日間のセッションを終えました。
得るものは多かったのですが、とにかく長くて疲れました。
おまけに明日から1週間、通常どおり事務所に行くということで、結局週末が1回とばされたのと同じです(ただし、Amarchandは週休2日は月3回までという制度をとっているため、土曜日はどのみち出勤日でした。)。

まあ、最初の1週間は仕事らしい仕事はないでしょうから、文句を言う筋合いでもないのですが。

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9月1日 -新人セッション①-

朝からAmarchandの新人セッションに出席です。
デリー、バンガロール、コルカタ、ハイダラバード、ムンバイと、Amarchandの全オフィスから新しく入った弁護士が集まって2日間のセッションに参加するという一大イベント。

私は出向者扱いなので厳密には新人ではないのですが、同セッションではインド法の現況とAmarchandの足跡を一通りレビューするということで、出席することになりました。

場所はムンバイ市内のグランドハイアット。
インドにもグランドハイアットがあったことに驚きつつ、中に入ると素晴らしい設備。
純粋なホテルとしての良さは、日本のグランドハイアットよりも上だと思います。
今いるホテルからタクシーで1時間半近くかかるような場所になければもっと良かったのに。

さて、セッションの中身はおいおいインド法を紹介する際の内容に生かしていきたいと思いますが、問題はその長さ。

朝9時から夜9時までぶっつづけでセッションというのは無茶だと思います。

ところどころで休憩は入るものの、それでも実質時間で10時間は話を聞いています。
インド人は話が長く、しかも時間が押していても気にしないので、延々と話し続けます。
司会兼取りまとめ役の方は多分合計で4時間は話していたと思います。よくそんなに話すことがあるなー、と感心します。私ならどんなに興味深いテーマを与えられても人前で話し続けるのは2時間が限界でしょう。
結局、2時間遅れでセッションは終わりました(当初は午後7時に終わる予定でした…)。

最初は頑張って聞いていたのですが、あまりにも長く、またインド英語の聞き取りに疲れたことから、途中からは面白そうなテーマを覗いて完全に聞き流してしまっていました。

不思議なのが、聞く側のインド人新人弁護士が、皆居眠りもせずに話を聞き続けていること。言葉の理解がそれほど労でないということもあると思いますが、インド人は総じて他人の話を聞くのが嫌い(=自分が話したがる)という印象を受けていたので、この光景は意外でした。
実は人の話を聞くのも好きということなのか、単に新人で緊張していたからなのか、ちょっと興味があります。

途中で昼食休憩が入ったのですが、出てきた食事は見事に全てカレー味でした。
正確に言えば、「調理にマサラ(=スパイス)を使った料理」なのですが、スパイスに慣れていない日本人の悲しさ、全て「カレー味」として認識してしまいます… そろそろカレー味が厳しくなってきた折、この昼食にはダメージを受けました。
ちなみに、Amarchandでは公式の行事に準備する食事は全てベジタリアンフードらしく、肉が入っている料理はありませんでした。

食後に紅茶を飲もうとしたら、「マサラチャーイ、OK」と言われ、後がつかえていたので仕方なくOKと言ったら、生姜湯の味のする紅茶が出てきてまたダメージを受けます。
そりゃあ、ジンジャーだって立派なスパイスですけどね。

昼食の後に自己紹介の時間があったので、「日本の弁護士であること」、「日本からのsecondmentであること」、「ムンバイオフィスで働くこと」などを簡単に英語で話しました。
「英語を話せて当然」「英語ができないことがデメリットでしかない」という環境に自分を置くのはかなり久しぶりなので、気が引き締まります。まさか次にそうなる場所がインドだとは、当時は思いもしませんでしたが。

セッション終了後、また1時間半かけてホテルに戻ります。明日もまた片道1時間半かけてグランドハイアットまで行くのかと思うととても憂鬱です。
例によって交通渋滞と無謀運転と排気ガスの海に揺られる時間。
インド交通事情には本当に頭に来ているので、できるだけ早いうちに状況を詳しく説明したいと思います。

明日は新人研修の一環で、ロールプレイのシミュレーションを行うとのこと。
なせか、私に
Wasabiという名前の日本の小売アパレル会社のジェネラルカウンセル役
としてロールプレイに出演するよう依頼がありました。
…大丈夫かなあ。

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8月31日 -家捜し②-

午前中、総領事館のIさんが紹介してくれた不動産業者のオフィスに行ったのですが、「今、物件の手配中なので今日は見せることができない」と言われてしまいました。
まあ、即日では準備できないというのはもっともなので、むしろ適当には紹介しないという点で信頼できそうです。

この不動産業者、奥さんが日本人だそうで、「日本人が求める物件はだいたいわかるから安心して」との心強いお言葉。
これまで30人以上の日本人駐在員の家を紹介してきたそうで、頼りになりそうな印象を受けました。

今日中に実地を見に行くつもりで時間を取っていたのですが、30分ほどの話で終わってしまったため、肩透かしを食った感じです。
今日は事務所で午後3時から面談予定なのですが、ちょっと時間が空いたため、いったんホテルに戻って一休み。

頃合いを見て、ホテルを出発します。
今日は、事務所で今後私への対応を担当するアソシエイト弁護士のGaneshと面談することになっています。人事担当者によれば、法律の話から生活の話まで、わからないことがあれば何でも彼が対応してくれるとのこと。

Ganeshとは1時間程度話しましたが、インド訛りが少ない英語は聞き取りやすく、とても楽にコミュニケーションできました。
教育水準が高いインド人は、比較的きれいなイギリス英語を話してくれるので助かります。
生活の話はもちろん、(私にとっては)久々に法律の話もしました。

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最近は完全にムンバイの生活情報ばかりになってしまっていますが、このブログのメインの目的はインドの法律事情を紹介すること
駐在情報だけなら私以外の多くの人がブログ等で紹介されていますので、このブログの独自の存在価値はありません。

とりあえず、今日Ganeshと話して確認したのは以下の2点(これらは以前から一応知っていましたが、あらためて現地の専門家に確認したという点では意義はあると思います。)。

・インドは(旧宗主国であるイギリスの影響で)判例法の国ではあるが、法令は全て成文法で存在する。憲法はもちろん、民法、刑法、会社法、金融関連法その他全ての法令は成文で規定されている。

・インドは各州の独自の権限が比較的強いものの、法令そのものは国が制定するもののみであり(日本でいう条例に相当するものはもちろんありますが。)、米国のように各州が独自の法令を制定するわけではない(たとえば、「デラウェア州会社法」に相当するような州が定める法令は存在しない。)

これらはインド法律事情の基本中の基本であるわけですが、今後もインドの法律をどんどん紹介していければと思います。

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Ganeshとの面会を終え、事務所が紹介してくれたもう1つの不動産業者とフラットを見に行くことになりました。
最初は3件と言っていたのですが、最終的には8件も回ることになりました。親切心なのか商売っ気なのかはわかりませんが、正直、雨が降る中(ムンバイは現在雨季なので、毎日雨です。)、オートリキシャででこぼこの道を進み倒して8件の家を回るのは激しく疲れました。

Img_2543

ちなみに、オートリキシャに乗ったのは初めてだったのですが、乗り心地は悪くありません。
座席から運転席はこう見えます。

今日の不動産業者が紹介してくれたフラットは、どれ1つを取っても昨日までに紹介を受けた4件よりもましな物件でした。
インドの物件の余りの高さと設備の悪さに驚いていたのですが、単に昨日までの不動産業者が無能であったという可能性も大いにあると思います。

8件いずれも同一の地区にあり、個別に差はあるものの、どれも事務所まではタクシーで30分程度とのことです。
ちなみに、インド人が「タクシーで○分」というときは、たいてい「混まなければ」という仮定が暗黙でついているのですが、ムンバイの交通事情を見る限り、「真夜中や早朝をのぞいては混まない時間は存在しない」ので、無意味この上ない仮定です。
必ず、混んだときにかかる時間を聞くべきです。
(これら8件については、混んだときにはだいたい50分から1時間かかることが、後でわかりました。)

1件目
これは当たりです。
ちょっと狭目ですが、設備も新しく内装もこざっぱりしていて、「こぎれい」という表現がぴったり。何より、シャワーとトイレが完全に別れているのが気に入りました。エレベーターに乗る必要が無い1階なのも よし。家賃も月3万ルピーと手ごろです。
この物件であれば、日本でも普通に借り手がつくと思います。
この後7件のフラットを回りますが、結局1件目を越えるものはありませんでした。

2件目
悪くは無いのですが、全般的な清潔さやまとまりで1件目に比べると見劣りします。
家賃も月4万5000ルピーなので、これなら1件目に住んだ方が良いです。
それでも、昨日までに見た4件のどれよりもましではあるのですが。

3件目から6件目
どれも一長一短で、結局1件目には及びませんでした。
悪くはないんですけどね…
どうでもいいのですが、インドでは「まだ前の人が住んでいる」のに、家主に連絡を取って建物の中を見せてくれます。もちろん、今の借主の許可は得ているのでしょうが、人の生活をのぞき見るようで何となく気まずいです。

7件目
建物ごと工事中のマンションに連れて行かれました。もちろん部屋も全面工事中。
壁すら完全に塗られていない家を見て、これからここに住むかどうかを決めるのは不可能です。
だいたい、いつから入居できるのかもわかりません。

8件目
トイレが和式(というかインド式)なので不可。以上。

というわけで、現在のところ1件目がトップランクです。Iさんが紹介してくれた不動産業者とは、月曜日に家を見せてもらう約束をしているのですが、そこであまり良いのが見つからなければ1件目に決めてしまおうと思います。

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8件も引き回されて困憊してホテルにタクシーで戻る途中、ものすごい渋滞に巻き込まれました。混んでいるというより、全く車が動かない。
タクシーの運転手によれば、「首相が通るから交通止めしているようだ」とのこと。ほんまかいな。

Img_2551

あまりにも動かないので、皆、車から降りて窓を磨き始めたりし始める始末

結局、通常の渋滞なら1時間の道のりが、2時間半以上もかかってようやくホテルに着きました。
ムンバイの交通事情は最悪なので(これは追って詳しく説明します。)、タクシーの中に2時間半もいるとダメージが半端ではありません。

今日は本当に疲れました…

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8月30日 -家捜し①-

午前中、在ムンバイ日本総領事館に向かいました。
相変わらず道路は激しく渋滞しています。

総領事との面会のアポイントメントが9月4日にあるのですが、今日は総領事館職員のIさんへのご挨拶と情報収集が目的です。
Iさんは、私が日本にいたときからメールで色々な現地情報を教えてくれた人で、今回会うのを楽しみにしていました。

メールの文面から滲み出る親切な人柄のままのIさん。今回の面談でも色々生活情報を教えてくれました。
ムンバイでの現地生活に即した参考になる話ばかりで、日本人コミュニティーの情報もいただきました。
ムンバイ約1600万人の人口に対して日本人は約200人。
日本人コミュニティーの情報がいただけるのは心強い限りです。

Iさんのお話だと、やはりムンバイでは、「日本で通常求める最低限の設備(エアコン、十分な量を供給できる給湯器、インターネット設備等々)」を備えたフラットは外国人向けの高級マンションしかないようです。
とはいえ、外国人向けのマンションの家賃は驚くほど高い。
Iさん曰く、「設備と家賃は全くつりあっていません」とのことです。

Iさんは、外国人向けのフラットを多く扱っている不動産業者を紹介してくれ、さっそく早速明日の午前中に会うことになりました。

総領事館を辞して事務所に向かいます。

事務所では、事務所が紹介してくれた不動産業者が待っていました。今日は3件回るとのこと。

まず1件目。
築35年。
事務所まではタクシーで30分
(※インドではタクシー代が信じられないほど安いので(1時間乗っても日本円で500円いかないくらい)、タクシーで○分というのは日本だと「職場まで電車で○分」というのに相当します。)。
家賃は4万5000ルピー(1ルピー=約3円)。

部屋も汚く、設備も全体的に余り整っていません。
7階の部屋ですが、エレベーターがいつ壊れてもおかしくないほどボロボロ。
(インドの一般的なマンションのエレベーターはかなり恐ろしい構造をしているのですが、これはまた追って紹介します。)
広さはそこそこですが、どうせ一人暮らしなのであまり広くても面倒なだけ。
ここは×です。

2件目
築40年
事務所まではタクシーで20分。家賃は4万ルピー。
2階の部屋なので、インドの恐ろしいエレベーターを使わなくていいのが良いです。部屋の目の前は公園で、とても静か。環境は良いです。
部屋はさすがに築40年だけあって、あまり綺麗ではありませんが、適度な広さで構造も好みです。

ただ1つ、問題はシャワーとトイレが完全に一体で、かつそれが1つしかないこと。
インドのシャワー+トイレ部屋は、ユニットバスなどという生易しいものではなく、天井に備え付けのシャワー口のほぼ真下に便器がある感じです。この構造は、このマンションだけでなく、ほぼ全てのマンションでそうなので、インド独特のトイレ・シャワー一体構造なのでしょう。

シャワールームが2つ以上あれば、片方をシャワー専用、片方をトイレ専用にすることで心理的な抵抗を減らせますが(Iさんもそのようにされているとのことです。)、これが1つしかないのはかなり困ります。
実際問題として、シャワーを浴びる=トイレが水浸しになる、というのでは、使いにくいことこの上ない。
他の点はほぼ合格なだけに、とても惜しいです。
とはいえ、×にするのは勿体ないので、一応保留ということに。

3件目
築4年(とのことですが、外見はとてもそう見えない…)。
事務所まではタクシーで15分。家賃は5万5千ルピー。
これまで見たマンションの中で、唯一警備員がいるマンションです。これは安全という面からはとても安心です。
部屋は4階ですが、ここのエレベーターは日本のエレベーターと同じ構造なので、特に問題はありません。

部屋も広く、シャワールームとトイレが(インドの住宅には珍しく)別れており、全体として悪くないのですが、致命的な欠点が1つ。

トイレが和式(というか本来のインド式)です。

これは厳しい、というか無理です。外出したときに一時的に入る場合はともかく、毎日を過ごす家のトイレが和式というのは今どきの日本人には不可能です。
なぜ築4年なのに、洋式じゃないんだろう、という疑問を抱きつつ、ここも×。

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Img_2541

ちなみに、インドでは、トイレに必ずホースが備え付けられています。
(例 )赤線で囲んだ部分。

外国人向けのホテルやマンションにはちゃんとトイレットペーパーが備え付けてありますが、多くのマンションのトイレにはトイレットペーパー(の設置器)らしきものが見当たらず、むしろ当たり前のようにこのホースだけが備え付けられています。
これは、「ホースで流して手を洗え」ということを意味します。

つまり、左手文化はまだ生きているということです。

恐ろしい。

(今回は、なんだかトイレの話ばかりで尾篭になってしまいましたが、インドで生活する上では超重要ということで、ご容赦ください。)

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というわけで、今日の3件では、2件目だけが何とか候補として残る感じです。
とはいえ、トイレの問題で、できればここは避けたい。
明日の「外国人、日本人向けマンション」に期待です。

あと、インドでは築年数よりも、「最近改築されたかどうか」の方が重要なので、築年数にはもうこだわらないことにします。

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8月29日 -事務所への挨拶-

特に目覚まし等はかけていなかったのですが、午前9時ころわりと爽やかに目が覚めました。
朝からいくつかの難関が待っています。

難関その1 シャワー
お湯が出たこと自体には安心しつつも(インドを誤解しすぎでしょうか…)、うっかり水が口に入ってしまうと危険、ということで、ひたすら下を向いて口を閉じてシャワーを浴びました。
これから半年間、こういう浴び方をするのか…

難関その2 歯磨き
ミネラルウォーターで磨いたのですが、蛇口の水で磨くのに慣れている自分にとっては磨きにくいことこの上ない。
あまりさっぱりした感じはしませんでした。

難関その3 電話
派遣先事務所のオフィスに電話をして、無事到着した旨の報告と、本日事務所に挨拶に行きたい旨連絡しました。
インド人の英語が電話でわかるかどうかとても不安だったのですが、幸いにして発音がきれいな方が対応してくださり、何とかクリアー。午後2時に事務所に挨拶に伺うことになりました。

ちなみに、朝食は典型的なイングリッシュ・ブレックファストでした。
なるほど、インドにとって外国人向けの朝食というと、旧宗主国のこれになるのか、と意味もなく感心してしまいます。

朝食後、まとまった時間があったのですが、横になっているうちに不覚にも熟睡してしまいました。やっぱり旅疲れがあるのかもしれません。

なんとか午後1時には起きてホテルを出発し、事務所に向かいました。

ホテルの人がタクシーを呼んでくれたのですが、狭い、汚い、運転手が臭い(これが一番辛かった。確実に2週間以上はシャワーを浴びていないと思います。)、とかなりダメージを受けつつ、1時間弱で何とか到着。

噂には聞いていたのですが、渋滞が激しく、スムーズに行けば15分程度のところが1時間近くかかってしまいました。請求されるままに150ルピー支払ったのですが、後で聞いたら、正規料金の1.2倍くらいを請求されていたようです。
(この後何回もタクシーを利用して、インドのタクシーは、常に正規の料金よりも多めに請求することがわかりました…)。

派遣先事務所がオフィスから1時間近くかかるところにホテルを取った理由は、たぶんこのホテルのある地域(有名なタージ・マハルホテルのある地域です。)以外は外国人向けのホテルが少ないからでしょう。

事務所に到着すると、以前から色々手配してくれていた人事担当の女性が挨拶に来てくださり、オフィスを一通り案内してくれました。
さらに、事務所からの支給ということで、携帯電話を渡してくれました。これはものすごく心強いです。

お願いしていた家捜しも、いくつかの不動産業者を手配してくれたとのことであり、早速本日中に1件フラットを見せてくれるとのこと。

…オフィスから徒歩3分のロケーションとのことで、その時点で少しひるみます。
車で来る途中に見たのですが、事務所のオフィス周辺はかなりごちゃごちゃしており、スラム街に近いような印象を受ける場所もあります。
不動産業者に案内されるままに事務所からマンションに向かいます。案の定、スラム街を抜けた先のマンションに入っていきます。

…設備自体は悪くないのですが(あくまでインドの水準からすれば、であり、日本の通常の感覚で言えば悪い部類に入ると思います。)、どうにも周囲がうるさい。治安的にもあまり良くない感じがします。
一応候補として認識しつつ、とりあえず今週中は家捜しを続け、来週に最終的に決定することに。

ちなみに、今日案内してくれたマンションの家賃は月5万ルピー(約15万円)。
ここが日本だったら絶対入居者はいないだろうな、と思いつつ、不動産業者に礼を言います。

オフィスに戻り、人事担当者に挨拶をして、ホテルに戻ることに。
この人事担当者は「初めてインドに来た外国人」に対する対応にとても慣れていて、色々親切に教えてくれました。今後も頼りにすることになりそうです。

帰りもものすごい渋滞。
車と人が道路上でひしめきあっています。
途中で激しいスコールが降ってきたのですが、皆わりと平気で歩いています。
サリーがずぶぬれになっているんですが、いいんでしょうかね。

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家捜しが思ったより大変そうなので、明日からも頑張ろうと思います。

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8月28日 -出発日-

ホテルにインターネット接続設備がなく、長らく更新できませんでしたが、ようやくネット環境が整ったので、溜まっていた更新をアップしたいと思います。

朝10時半のクアラルンプール行きマレーシア航空に乗るため、朝7時発のバスで成田に向かいました。

飛行機のチェックインを済ませた後、両替を行っている銀行をのぞいてみましたが、やっぱり、インドルピーへの両替は行っていないようです。
インドで円が両替できるかがわからないため、念のため、ドルを300$買っておきました(後でガイドブックを読んだら簡単に両替できることがわかりました。)。

本屋に寄り、インドのガイドブックを購入。
これから少なくとも半年間生活するのに、出発当日の朝に初めてガイドブックを買っているのが駄目駄目ですが、フライト時間が乗り継ぎと併せて15時間程度あるので、その間に読めば十分でしょう。
どの本を見ても、ムンバイに割かれているページは多くて15ページ程度。
とはいえ、インドの基礎情報を紹介した部分はかなり役立ちそうです。

成田からクアラルンプールへのフライトは、特に遅れることもなくとても快適でした。マレーシア航空を利用したのは今回が初めてですが、サービスも良く満足です。

さて、クアラルンプールに到着しました(どうでも良いのですが、分けて読む場合、「クアラ・ルンプール」になることを今回初めて知りました…)。

Img_2532_5

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ものすごく近代的な設備で、成田にひけを取りません。
免税店も充実していて、乗り継ぎ時間の3時間強は退屈せずに過ごせました。

クアラルンプールからムンバイに向かうフライトの時刻になり、ゲートが開きました。ここも特に遅れはないようで、順調です。

さすがに日本人は少なくなり、周囲はインド人ばかりになりました。

機内食は、お約束どおりカレーです。
まあ、美味しいんですが、これから始まるカレー漬けの日々を思うと何となく喉通りが悪いというか。

おそらく着陸順序の都合で、しばらく空港の上空を周回した後、50分程度遅れてムンバイ、チャトラパティ・シヴァージー空港に現地時間で午後11時に到着しました。

ちなみに、日本とインドの時差は3時間30分です。
初めて世の中に30分単位の時差があることを知りました。世界は広い。

空港は…、まあ、汚くはありませんが、きれいというには少し抵抗があります。少なくとも、クアラルンプールの空港とは比べ物になりません。

Img_2537_2

イミグレーションはこんな感じです。

空港内の両替所で200ドル分ルピーに両替しました。
どうやら円も両替してくれるようですが、レートはドルに比べて悪いようです。

空港を出ると、尋常ではない湿気です。
ムンバイは現在モンスーンの雨季の最中であり、ほぼ毎日のように雨とのこと。
高めの気温と合わさって、不快指数はかなり高いです 。

空港にホテルの係が迎えに来てくれていて、ホテルの送迎車で移動することに。

……夜中(現地時間でも午前0時半ころ)だというのに、異常に人が多いです。
歩いている人もいれば、座り込んでいる人もいますが、とにかく人が路上に溢れています。
周りに店や繁華街があるわけでもないのにが人が溢れていることにすごい違和感があります。
例えて言えば、「お祭りの縁日のような人出が、周囲に何もないところにある」、という感じでしょうか。

あと、車に乗っているとすごくうるさいです。
これはベトナムやカンボジア、チベットでもそうだったので、発展途上国共通かもしれませんが、とにかく車、バイクがクラクションを鳴らしまくる。車に乗っている間、耳障りな音を延々聞かなければならず、とても苦痛です。

ようやくホテルに到着したのは午前1時。日本時間で言えば午前4時半です。
チェックインした後、さっさと寝てしまいました。

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