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インド外資規制解説その3 -(各論)Partnership-

前回述べたとおり、Partnershipは、日本法上の「組合」にあたる組織であり、その性質や機能も日本法上の組合に類似します。

Partnership Actを根拠法令として設立され、Partnershipの全ての利益と債務は当該Partnershipの構成員に連帯的に属します。各組合員は、組合の債務について無限連帯責任を負い、各自がPartnershipを代表する権限を有します。独自の法人格は有しませんが、Partnershipが他の法人の持分を持つことは可能です。

Partnershipを設立する際に注意すべきなのは、組合契約(ひいては組合)の登記を行うかどうかという点です。

Partnership Act上、組合契約を登記することは要求されていませんが、組合契約が登記されていないPartnershipについては、当該Partnership自身が当事者となって第三者に対して契約上または法令上の権利に関する訴訟を提起することができません。さらに、第三者がPartnershipの契約上または法令上の債務について、当該Partnership自体を当事者として訴えることはできず、かつ、Partnershipの債務について、当該Partnershipの構成員を訴えることもできません。
(なお、登記されている場合、これらが可能となります。)

要するに、登記されていないPartnershipは、その構成員も含めて当該Partnershipの債権債務の履行を求める訴訟において、原告としても被告としても当事者能力がない(=Partnershipの債権債務につき、原告としても被告としても訴訟を提起できない。)ということです。

「登記されていなければ、Partnership及びその構成員が当該Partnershipの債務の履行を求める訴訟につき当事者能力を有しない(=第三者は当該Partnership及びその構成員に対して債務履行を求める訴訟を提起することができない)」という点に着目すると、一見登記しない方がPartnership及びその構成員に有利なようにも思えます。
が、Partnership自身に対してもその構成員に対しても、Partnershipの債務について訴訟を提起できないということは、相手方から見れば、「権利行使を最終的に担保する手段がない」ということを意味します(仲裁条項を契約に入れた場合であっても、仲裁結果の受け入れをいずれかの当事者が拒んだ場合、最終的には訴訟による強制執行が必要となるため、そこが担保されていないのでは結局仲裁条項も無意味になってしまいます。)。
これでは、相手方は安心して取引ができません。

しかも、Partnershipの債権について当該Partnershipから訴訟を提起することもできないのですから、Partnership側としても権利行使の最終的担保手段がありません。

結局、未登記のPartnershipについては、訴訟による強制執行という最終的な権利行使担保が欠けることから「Partnershipの全ての利益と債務は当該Partnershipの構成員に連帯して所属する」という原則が画餅と化してしまい、その結果、取引主体としての信頼性が低くなることから、取引の主体とする組織としては使い勝手は悪いのではないかと思われます(実態は今後の調査課題としたいと思います。)。

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次回は、Branch/Liaison Officeの各論です。
(Companyは別章で集中的に取り上げる予定です。)

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