« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »

2007年10月

インド会社法解説その3 -会社名の承認申請-

(2008年6月、オンラインでの会社設立申請手続に対応するよう、大幅に記載を修正)

取締役識別番号(インド会社法解説その28参照)取得後、会社自体の設立登記申請に先立って、会社登記局に対して商号承認申請を行う必要があります。
この商号承認申請は、会社登記局(Registrar of Companies)に対して、インド企業省(Ministry of Corporate Affairs)のウェブサイト
http://www.mca.gov.in/index.html
を通じたオンライン申請により行われます。

日本でも、会社法の施行前は、類似商号の会社については法務局に登記が拒絶される可能性があったため(正確に言えば、会社法下でも同一住所の場合には問題となります。)、実際上は事前チェックの必要がありましたが、インドでは商号の承認申請が会社法上の正式な手続となっている点に特色があります。

登記しようとする商号名が、国内、国外を問わず、既存の会社に類似している場合には、当該会社から商号の使用につき異議がない旨のレター(No Objection Letter)を取得しておき、提出する必要があります。
この規制は、設立しようとする会社の親会社となる会社に対しても適用されるため、親会社の商号と似た名称を新会社の商号とする場合には、あらかじめ親会社から類似商号使用についてのNo Objection Letterを取得しておく必要があることに注意が必要となります。

商号承認申請は、設立しようとする会社の所在地を管轄する会社登記局に対し、インド企業省のウェブサイトを通じて、オンラインでForm 1-A(商号承認の申請書)と呼ばれる書類を提出することにより行われます。

Form 1-Aには、設立しようとする会社について、以下の各事項を記載する必要があります(申請の種類では、「incorporating a new company」を選択します)。
①申請者および発起人(Promoter。会社設立後に株主となる者)の氏名、職業および住所
②商号を登録する州名および当該州の会社登記局の名称
③公開会社、非公開会社の別
④商号を希望する順に3つ記載。(※希望商号が1つの場合、1つ記載すれば足ります)
⑤事業目的
⑥商号と会社の主たる事業目的が一致していることの確認
⑦政府系機関か否かの確認
⑧取締役の詳細(DIN、氏名、父親の氏名、現住所、本籍地、国籍、職業)。公開会社の場合、最低取締役2人分について記載が必要となります
⑨授権資本額

また、このほか、添付書類として、以下の書類が必要となります。
①設立を法律事務所、コンサルティング事務所、会計事務所等に依頼した場合、当該事務所に対する委任状
②申請手数料の支払領収書(Challan)。なお、この支払領収書記載の番号(SRN)は、後の会社設立登記申請の際に必要となります。
③商号名が、国内、国外を問わず、既存の会社に類似している場合には、当該会社からの商号の使用につき異議がない旨のレター(No Objection Letter)

これらの書類は、オンラインで提出する必要があります(①および③についてはPDFファイルにして添付し、②についてはSRNで支払い確認が行われます。)。

なお、上記のうち、③については商号承認申請しようとする者の本国の公証人役場またはインド大使館での認証が必要となります。

書類に不備がなければ、通常申請から1、2週間程度で、会社登記局から希望する商号を承認するかどうかについての通知が、メールおよび書面で行われます。

希望する商号が承認されるかどうかは、同分野での類似商号の有無のほか、親会社がある場合には親子関係が反映されるような名称か、会社の事業内容を的確に反映する名称かなどが総合的に考慮された上で決定されます。

もっとも、実際にどの程度の内容の名称であれば承認が受けられるかは、相当程度各地域の会社登記局の傾向や担当官の裁量によって左右されるため、明確な基準はありません。そのため、希望する商号が通らない可能性もあります。

無事会社の商号が承認されたら、次は設立手続に入ります。

--

次回は会社設立の申請手続の解説です。

| | コメント (0)

コックローチ・バトル2

せんめんじょ の とびら をあけた

なんと ごきぶり が あらわれた

どうする?

  たたかう
  ほっとく
→にげる

---------------------

とびら を しめて にげだした

どうする?

  こうげき
  じゅもん
  ぼうぎょ
→どうぐ

---------------------

  つかう
→そうび

---------------------

  ばるさん
  ほいほい
→ごきじぇっと
  しんぶんし

---------------------

ごきじぇっと を そうび しようと した
なんと ごきじぇっと を もっていなかった

どうする?

  ばるさん
  ほいほい
  ごきじぇっと
→しんぶんし

---------------------

しんぶんし を そうび した

どうする?

  よむ
  かぐ
→まるめる
  やく

---------------------

しんぶんし を つつ の かたちに まるめた

どうする?

 せんめんじょ の とびら を あける
→つつ を のぞく

---------------------

とくに かわったもの は みえない

どうする?

→せんめんじょ の とびら を あける
  つつ を のぞく

---------------------

せんめんじょ の とびらを おそるおそる あけた

どうする?

  かお を あらう
  は を みがく
  しゃわー を あびる
→ごきぶり を さがす

---------------------

ごきぶり は みあたらない

どうする?

→もっとさがす
  わすれる
 
---------------------

なんと ごきぶり が かべ を はっていた

どうする?

→たたかう
  にげる

---------------------

ごきぶり の おおきさ は ちゅうくらい

どうする?

→こうげき
  じゅもん
  ぼうぎょ
  どうぐ

---------------------

しんぶんし を たたきつけた

しかし ごきぶり は ひらりと みをかわした

ごきぶり の こうげき

ごきぶり は すばやく ゆか に おりてきた

しかし なにも おこらなかった

---------------------

どうする?

→こうげき
  じゅもん
  ぼうぎょ
  どうぐ

---------------------

しんぶんし を たたきつけた

しかし ごきぶり は ひらり と みをかわした

ごきぶり の こうげき

ごきぶり は なかま を よんだ(たぶん)

しかし なにも おこらなかった

---------------------

どうする?

→こうげき
   じゅもん
  ぼうぎょ
   どうぐ

---------------------

しんぶんし を たたきつけた

ごきぶり に 39 の だめーじ

ごきぶり は ゆか に おちた

ごきぶり は けいれんしている

ごきぶり は しんだ

---------------------

ごきぶり を やっつけた

たたかい と しがい の かたづけ で せいしんてきだめーじ を うけた

---------------------

つづく(うそ)

| | コメント (2)

インド外資規制解説 -質疑応答-

インド外資規制解説でとりあげた、参加証券(Participatory Notes)の問題について、いくつかご質問をいただきましたので、以下にて回答させていただきます。

1. 外国機関投資家(FII)とサブアカウントの関係がよく分からないのですが、サブアカウントになるための条件等は何かあるのでしょうか。また、サブアカウントになるメリットのようなものはあるのでしょうか。

FIIのサブアカウントとは、「FIIのサブアカウントとしてインド証券取引委員会(SEBI)の登録を受けた外国投資家」をいいます。
FIIは、サブアカウントを代理して、サブアカウントの名義で投資を行います。

FIIとサブアカウントは、必ずしも親子会社等の関係にあるものには限られず、まったくの第三者がFIIのサブアカウントとなることも可能です。
FIIとサブアカウントの間では投資代理契約が締結され、FIIがサブアカウントから手数料を得て、サブアカウントの投資方針に従って投資を行います。
サブアカウントの多くは、ケイマンやバミューダ等のタックスヘイブンに設立されたファンドのビーイクルです。

「FIIの下にぶらさがっている」という点では、サブアカウントもParticipatory Notesを購入している外国投資家も変わりはありませんが、両者の間には、
①サブアカウントはSEBIの登録を受けなければならない、
②FIIがサブアカウントを代理する取引は、サブアカウントの名義で行われる、
③サブアカウントになるためには一定の資格要件がある、
という点で相違があります。

①について、「FIIのサブアカウント」としての扱いを受けるためにはSEBIに登録する必要があるということです。したがって、サブアカウントによる投資は、Participatory Notesを通じた投資と異なり、市場の透明性を損なうことがありません。

②について、サブアカウントのための取引については、FIIはあくまで代理人という扱いであるため、取引自体はサブアカウントの名義で行われます。

③について、サブアカウントになるためには、外国に設立されたファンドであること等の一定の資格要件があります。ただし、この資格要件はFIIに比べて緩く、FIIになれない者であってもサブアカウントにはなることができる場合があります。

FIIとサブアカウントでは、FIIの方が投資上限額が多い等の利点がある一方、FIIとしての登録手続とサブアカウントとしての登録手続負担にはほとんど差異がありません。
したがって、現在サブアカウントとしての登録を受けている者は、基本的にFIIの要件を満たさないからやむをえずサブアカウントになっている、と理解していただいても概ね問題ありません。

2. Participatory Notesの発行数が非常に伸びているとのことですが、Participatory Notesは具体的にはどんなところに流通しているのでしょうか。何か商品になって、日本の市場に入ってきたりしているのでしょうか。

Participatory Notesを誰が引き受けているかははっきりとはわかりませんが(まさにその不透明性こそが問題となるわけですが)、一般的にはいわゆる機関投資家が引き受けていると考えられています。

Participatory Notesは、株式や株価指数その他の有価証券の価格変動に運用成果が連動する上、(今回実質的な禁止にいたったように)その適法性が必ずしも明確でなく、個人に販売するにはリスクが高すぎて法令上許容されない可能性が高いと思います(少なくとも日本では難しいように思います。)。

また、Participatory Notesは基本的に私募形式で発行されていますが、適格機関投資家向けの私募(いわゆるプロ私募)以外の私募に対する規制の問題(日本国内に限らず、他の国でも同種の問題が生じうる)もあり、Participatory Notesが個人に保有されているとは考えにくいといえます(ただし、ものすごい大金持ちが個人で投資しているということはあるかもしれません)。

上記の理由から、日本にParticipatory Notesが直接商品となって入ってきているということはないと思いますが、日本において販売されているインド証券関係の投資信託のアセットマネジメントがParticipatory Notes経由で行われているということはあると思います。
例えば、私が参考にした、以下のリリース(フィデリティ・ダイレクトのウェブサイトより引用)でも、2ページ目の「今後の見通し」の部分において、現時点ではアセットマネージャーがParticipatory Notes経由で投資していることが示唆されています。
http://www.fidelity.co.jp/fbsj/news/news_content/report_20071019_2.pdf

なお、上記はあくまで私の個人的な考えであり、何らかの確実なソースに基づいているわけではありませんので、あらかじめご了承ください。
「Participatory Notesを誰が引き受けているかが見えない」というのが、そもそもの今回の規制の出発点であることからすれば、2の質問に正確に答えることは非常に難しく、ある程度私の推測が入ってしまうことはやむをえないこととしてご了解いただければと思います。

--

以上です。

| | コメント (0)

2ヶ月経過

早いもので、ムンバイにきてもう2ヶ月が経ちました。

さすがにインド生活にも慣れてきて(というか、いろいろなことを諦めることに慣れてきました。)、来たばかりのときのように体調を崩したり、勝手がわからず困ったり、インド人に対して憎悪の念を抱く頻度も減ってきました

・最近の生活
基本的に平日は事務所と家の往復だけ。
生活に必要な買い物は、週末にまとめて届けてもらうようになりました。
寄り道しようにもあまり寄れるところがない上、この街で外出すると色々な面でものすごく疲れるので、さっさと帰って家でお笑いのDVDを見たりしています。
週末のテニスは、貴重な運動とストレス発散の機会。

・最近の食生活
朝はオレンジジュースだけ、昼は事務所の食堂でカレー、夜は家で日本食のレトルト、というのが確立してきました。
事務所で出る食事はベジタリアン向けで、夜のレトルトにも基本的に肉は入っていないので、肉を食べる頻度がものすごく減りました。そもそも、豚肉と牛肉は、外国料理を出すレストランでなければ食べられないので、あまり食べる機会がありません。

ちなみに、家には電子レンジがないので、パックご飯はそのまま食べています。
製造から時間が経ってご飯が固くなっている場合、味噌汁をどんぶりにあけて、その中にご飯を入れてふやかしてから食べています。
要するに、毎晩猫まんまです。

焼肉食べたい…

・最近困っていること
なぜかやたらと携帯電話に間違い電話がかかってきます。
多いときには1日5件かかってくることもあります。
Emmaも似たような状況だと言っていたので、どうも携帯電話への間違い電話の多さは、インド(またはムンバイ)特有のようです。

携帯電話からかける場合、電話帳からかければ間違い電話はありえないはずなんですけど、いったいどうなっているんでしょう。
固定電話からかけているとしても、この頻度は異常です。

間違いかどうかは取ってみないとわからないので、かかってきたら作業を中断して出なければならず、おまけにヒンディー語(あるいはマラータ語)を話す人間に対して、「これは間違い電話である」と理解させるのにはすごく労力を使うので(最近は面倒なので、間違いとわかった瞬間切っていますが)、何とかならないかと。

・最近の買い物
iPODのイヤフォンが壊れたので、(私が知る限り)ムンバイ市内に1件だけのアップルストアに行ってきました。

高え…

たぶん、外国の電化製品ということで高額の関税がかかっているのだと思いますが、普通のイヤフォンが2400ルピー(約7200円)とは一体なにごとか。
値段を聞いて一瞬買うのをやめようかと思いました。

それにしても、外国ブランド品は、インドでも日本とまったく同じ価格水準(関税があるので下手したら日本より高い)で売られています。
一般のインド人が一足4000ルピー(約12000円)もするナイキのスニーカーなど買えるはずがないので、やはり富裕層向けの商売ということなんでしょうね。

・最近のなんでやねん
レストランでパスタを頼んだら、タバスコが全面にかかったよくわからない食べ物が出てきました。

なんでやねん

・最近のびっくり
つい2日ほど前に、ムンバイ空港の近くでビヨンセのライブコンサートがあったそうです。
ビヨンセがインドに来るんですね。エアロスミスも最近バンガロールに来たそうで、アメリカ人も頑張っているなあと。

ビヨンセライブに行った人の話によると、

「会場はそれほど大きくなく、10メートルほどの距離でビヨンセを見ることができた。」

「ただ、ライブが盛り上がるにつれて、インド人の密集度と発汗度が高まっていき、周囲のインド臭が激しく濃くなっていったのにちょっと困った。」

とのことです。

行きたかったような、行かなくてよかったような。

--

土曜日には、いつもテニスをしている日本人仲間と中華レストランに夕食に行ってきました。
久しぶりに日本語でわいわいと飲み食いし、鳥鍋をつついたりなどして、とても楽しいひとときを過ごせました。

さて、今週も頑張っていきましょう。

| | コメント (2)

水道水

週末、テニスをしていたときに、ムンバイの水道水が話題になりました。

「ムンバイの水は硬水なので、シャワーを浴びた後、髪や肌が荒れて困る」、「水質は日本に比べてものすごく悪いので、湯冷ましでも飲まないほうが良い」などと話していたところ、「そういえば水源はどこなんだろう」という話題になりました。

各自適当な予想を話していると、横からムンバイ暦3年のベテランの方がぼそりと答えてくれました。

「ムンバイの水道水は、確か近くの湖から取っていると聞いた」
「浄水場は経由していない。そのため、バスタブにお湯をはると、ほんのり緑色になる」
「水自体が少しぬるぬるしているので、石鹸の泡が取れにくいはず」
「大きなホテルは自前の浄水設備で水を浄化しているが、一般家庭に来ている水は基本的に湖の水そのまま」

その情報、全部聞きたくなかったです orz

上記が事実かどうかは確認していません。
というか、ものすごく嘘であってほしいです。

が、うちにはバスタブがないので、お湯をためて色を見ることはできないものの、「水があまりさらさらではない」という感覚は少しあったのは事実。

知ったからといって、今後茶碗を洗わないわけにはいかないし、顔を洗わないわけにもいかないし、シャワーを浴びないわけにもいきません。
知らない方が幸せだったことは間違いないでしょう。

他にもきっと、この国には、こういう知らぬが仏がたくさんあるんでしょうね。

ちなみに、下水は浄化も何もせず、そのまま全て海に排出しているそうです。
やっぱり海では泳げないなあと強く思いました。

| | コメント (1)

インド外資規制解説その13-3 -速報 FIIによる参加証券(Participatory Notes)の発行規制-

表題の件については、SEBIの決定が正式に出たこともあり、質疑応答を除いては、今回でこの論点を取り上げるのは最後にしたいと思います。

以下に、提案概要と決定事項の要旨を、英語版のソースに基づいて示します。
なお、以下の内容は私が個人的に収集、編集したものです。内容には可能な限り正確を期していますが、第三者がこの内容に依拠したことによる一切の責任は負いかねますので、あらかじめご了承ください。

ちなみに、10月26日の株式市場は、ボンベイ証券取引所が2.52%の上昇、ナショナル証券取引所が2.39%の上昇でした。
市場がSEBI決定を織り込み済みであったこと、長期的な資金コントロールの透明化が好感されたということが上昇原因ではないかと思われます(私はエコノミストではないので正確な理由はわかりませんが。)。

--

提案概要

※ ODIは、P-Notesから派生したオフショアデリバティブ商品のことです。

1. FII/sub-accounts prohibited from issuing/renewing ODIs (Off-shore Derivative Instruments) with derivatives as underlyers immediately once the ODI Proposal is implemented. An 18 month grace period will be allowed to FII/sub-accounts to wind up all existing ODI positions which have derivatives as underlyers. SEBI monitoring will continue during this period.

2. Sub-accounts will be disallowed from issuing ODIs with immediate effect once the ODI Proposal is implemented. In this case also, all existing positions will have to be wound up over an 18 month grace period whilst SEBI monitoring continues.

3. On the equities and debt side, FIIs, who are currently issuing ODIs such that notional value of P-Notes issued by them is less than 40% of their Assets under Custody (AUC) in India, will be allowed to issue further ODIs only at the incremental rate of 5% of their AUC in India.

4. Again on the equities and debt side, FIIs, who are currently issuing ODIs such that notional value of P-Notes issued by them is more than 40% of their AUC in India, will be permitted issue P-Notes only against cancellation or redemption or closing out of P-Notes at least equivalent amount.

決定内容要旨

I.  Proposal 1 and 2 of the ODI  Proposal have been implemented. In other words,  after October 25, 2007, FII/sub-accounts are  prohibited from issuing/renewing ODIs with derivatives as underlyers. An 18 month grace period will be allowed to FII/sub-accounts to wind up all existing ODI positions which have derivatives as underlyers.

II. Proposals 3 and 4 of the ODI Proposal have been implemented. This effectively means that:
(i)  FIIs, who have issued P-Notes worth a notional value of more than 40% of their  AUC in India, will be allowed to issue further P-notes (non-derivative based) only at an annual incremental rate of 5% until they reach the 40% threshold.
(ii) FIIs, who have issued P-Notes worth a notional value of more than 40% of their AUC in India, can issue further P-Notes only against the redemption/cancellation or closing out of the existing outstanding P-Notes.

--

この問題については、ほかにもSEBIから多くのClarificationがなされていますが、数が極めて多いこと、これ以上は細かすぎて「一般的なインドの法務事情を解説する」というこのブログの趣旨に沿わないことから、このブログではこれ以上は取り上げません。

Clarificationの内容にご興味のある方は、個別にメールをいただければと思います。

| | コメント (0)

インド外資規制解説その13-2 -速報 FIIによる参加証券(Participatory Notes)の発行規制-

表題の件に関して、いくつかニュースソースを載せておきます。
一番上のものだけ読めば、だいたいの内容は理解できると思います。

http://in.news.yahoo.com/071025/137/6mepe.html

http://in.news.yahoo.com/071025/20/6mev1.html

http://in.news.yahoo.com/071025/137/6mer8.html

--

注目すべきは、インド証券取引委員会(SEBI)が、

・外国機関投資家(FII)のサブアカウントが、(SEBIの10月16日の発表以来)自らFIIとして登録を申請しており、そのうちのいくつかは承認されていること

・FIIの登録プロセスを迅速化すること

を述べていることです。

参加証券の新規発行を禁止し、既存のものについても清算を義務付ける以上、外国投資家の撤退による株式市場の低迷を防止するためには、これまで事実上インド株式市場に投資していた「FIIとしての登録は受けていないが、FIIとなる資格を持った外国投資家」を掬いあげる政策が不可欠となりますが、上記はそれにあたります。

明日のインド証券市場がどうなるか、市場の反応が少し楽しみです。

| | コメント (0)

インド外資規制解説その13-1 -速報 FIIによる参加証券(Participatory Notes)の発行規制-

今、テレビでインド証券取引委員会(SEBI)の委員長が、参加証券(Participatory Notes。P-notes)規制に関する決定の発表を行っています。

SEBIが10月16日に発表した規制は、ほぼ全て原案どおり決議されたとのことです

株式市場への影響はまだ未知数ですが、17日以降のインド株式市場は短期的に下落する可能性もありますので、ご注意ください。

ただし、外国投資家の不安を和らげるいくつかの政策も同時に決定、発表されているため、下落傾向がいつまでも続くということはないと思われます。

決定内容は、追って詳細にレポートします。

--

事務所では、すごい数の弁護士がテレビの報道に見入っています(現在、質疑応答中)。
それだけ実務に与えるインパクトが大きいということなのでしょう。

ちなみに、テレビにはコメンテーターとして事務所の代表弁護士が出演しています。事務所の弁護士たちは、そっちにも夢中です。

| | コメント (0)

インド会社法解説その2 -Public CompanyとPrivate Company-

(2008年2月に一部修正・加筆)

インドにおいて会社関係を規律する法律は、インド会社法(Companies Act, 1956)であり、会社設立も同法に従って行われます。
インド会社法は、会社の設立、運営、解散のすべてを規律する法律であり、日本でいえば会社法に相当します。

さて、会社設立に際しては、まずは設立する会社をPublic CompanyとするかPrivate Companyとするかを決める必要があります。

Public CompanyとPrivate Companyとの別は、日本の会社法上の公開会社と非公開会社(正確に言えば、「公開会社」ではない会社)との別に準じます。すなわち、前者は株式譲渡が自由とされている会社、校舎は株式譲渡が制限されている(譲渡に会社の承認が必要とされる)会社です。

インド会社法上、Private Companyは、株式の譲渡が制限されているなどの制約がある反面、増資、株主総会の召集、取締役の選定等に関するコンプライアンス規定が免除されており、より柔軟に組織を設立、運営することが可能となっています。
一方、Public Companyは、株式譲渡が自由とされていることから、Private Companyに比べて厳格なコンプライアンス規定が適用されます。Public Companyの唯一にして最大のメリットは、証券取引所に上場できることにあります。
このあたりは日本の会社法上の公開会社、非公開会社のメリット、デメリットとほとんど同じです。

Private Companyとして設立した会社であっても、会社登記局(Registrar of Companies)の承認を得て定款を変更し、Public Companyに組織変更することが可能です。
日本の会社法上は、株式の譲渡制限を外すことは組織変更とは解されませんが、インド会社法では一種の組織変更とみなされるようです。

したがって、通常はPrivate Companyとして会社を設立し、ある程度業績が上がって、いよいよ上場という段階になってPublic Companyに組織変更するというのが一般的な設立プロセスです。
このあたりも日本とほとんど同じですね。

さて、インド会社法上、会社を設立する場合、基本定款(Memorandum of Association)及び付随定款(Articles of Association)を作成する必要があります(このあたりは次回以降に詳しく解説します。)。
会社をPrivate Companyとして設立するためには、付属定款に以下の事項を盛り込む必要があります。

・株式の譲渡につき、会社(取締役会または取締役)の承認を要件とする。
・株主数の上限を50人とする。
・株式及び社債の公募を禁止する。
・会社が株主、取締役及びその親族以外の者から借り入れを受けることを禁止する。

非公開会社の最低資本金は10万ルピー(約30万円)とされており、その会社名には「Private Limited」という文言を入れる必要があります。
一方、公開会社の最低資本金は50万ルピー(約150万円)とされており、その会社名には「Limited」という文言を入れる必要があります。
ちなみに、アメリカや日本だと、「有限責任の会社」を表す英語として、”Inc.”や“Co., Ltd”等の文言も使用されますが、インド会社法では、法律上「Limited」という文言に統一されているのが興味深いです。

また、Private Companyの株主及び取締役の人数は、それぞれ最低2人とされています。
ここの重要なポイントは、「株主」の数も2人とされている点です。
したがって、Private Companyを設立する場合、一人株主の会社ということはありえず、また、「(形式的に)100%子会社として設立する」ということも不可能です。また、株主は会社の存続中常に2人以上である必要があるため、2人で設立して、設立直後に片方が株式をもう片方に譲渡するという方法もとることができません。

ここで登場するのが、「Nominal shareholder」(名目的株主)というインド会社法上の概念です。
簡単に言えば、名目的株主とは、その保有する株式から自ら利益を享受せず、第三者の利益のために株式を保有する株主をいいます。誰が誰のために名目的株主となっているかは、株主側から会社に通知する必要があります。
たとえば、株主A、Bがいるとして、BがAのために名目的株主となっている場合、Bはその保有する株式について配当を受けることはできず、AがBに代わって配当を受領することとされています(ただし、いわゆる共益権に属する株主総会における議決権は、名目的株主(B)の元に留保されます。)。

実務上、この名目的株主を利用して事実上の100%子会社を設立する方法として、ある会社が99%の持分を保有し、残り1%をその会社の創業者、株主、子会社等が、当該会社のための名目的株主として保有するということが行われています。

一方、Public Companyの株主の最低人数は7人、取締役の人数は最低3人とされています。
Public Companyについては、そもそも上場が予定されている会社なので、株主の数の下限はあまり問題にはなりません。

注意する必要があるのは、インド会社法上、上記Public CompanyとPrivate Companyに加えて、「Subsidiary of Public Company」(公開会社の子会社)という概念がある点です。
「公開会社の子会社」には、Private Companyとして設立された会社であっても、Public Companyとみなされます。そのため、Private Companyとして設立したにもかかわらず、会社側の運営の負担が大きくなってしまいます。

さらに問題なのは、インド会社法第4条第7項(外資系企業からの悪名が高い有名な条文です。)は、外国会社の子会社として設立される会社は、その持分がすべて単一または複数の外国の会社により保有されていなければ、上記「公開会社の子会社」とみなすと定めています。
したがって、外国会社がインド企業と合弁会社を設立する場合で、外国会社側が過半数の持分を保有する場合、当該合弁会社は「公開会社の子会社」として、Public Companyに該当するとみなされ、Public Companyに適用される厳格なコンプライアンス規定の適用を受けてしまうということになります。

これは結構重要で、しかも多くの日本企業の現地法人が、実際はPublic Company扱いなのにPrivate Companyだと勘違いしているところなので、以下詳述します。かなりややこしいところなので、ご注意ください。

--

インド会社法特有の概念として、「Private Companyでない会社の子会社であるPrivate Company(a private company which is a subsidiary of a company which is not a private company)」があり、これに該当する場合、当該会社が単体でPrivate Companyの要件を満たしていたとしても、Public Companyとして扱われることとなります。(インド会社法第3条第1項(iv)(c))。

この場合において、親会社となる会社がインド国外の会社(日本企業その他の外国企業)である場合、当該親会社がインドで設立されたと仮定した場合にPublic Companyに該当する場合には、当該親会社は「Private Companyでない会社」に該当することになるとされます(インド会社法第4条第7項)。

日本の会社法上は、いわゆるPrivate Company(日本法上のPrivate Company)といえども、わざわざ定款の規定で株主数を制限したり、株式等の公募発行を禁止したりはしていないのが通常であり、また、日本の会社法上最低資本金規制は撤廃されているものの、インドへの進出を企図する程度の規模を有する会社は50万ルピー(約150万円)以上の資本金を有しているのが通常です。そのため、ほとんど全ての日本企業はインド会社法上「Private Companyでない会社」に該当すると考えられます。

したがって、日本企業がインドに設立した現地法人は、単体でPrivate Companyの要件をみたしていたとしても、全て「Private Companyでない会社の子会社であるPrivate Company」に該当し、したがってPublic Companyとして扱われることとなるのが原則となります。
ただし、上記扱いには例外があり、「Private Companyでない会社の子会社であるPrivate Company」の株式が、全て単独または複数のインド国外の株主により保有されていれば、当該会社はPrivate Companyとして扱われることとなります(なお、「Private Companyでない会社の子会社」が単体でPublic Companyの要件をみたしている場合、当該会社はPublic Companyとなることは勿論です。)。

そのため、日本企業が合弁会社ではなく単独で現地法人を設立する場合 、当該現地法人がPrivate Companyの要件を満たしていれば、当該現地法人はPrivate Companyとして扱われます。また、複数の外国株主の合計が100%となる場合でも上記例外規定は適用されるため、例えば日本企業(親会社)本体による株式保有割合を8割とし、その100%子会社(インド以外の国に設立された子会社)による株式保有割合を2割とすることによっても、上記例外規定の適用を受けることができます。

一方、日本企業がインド内国会社と合弁会社を設立する場合、上記例外規定の適用を受けることはできません。
もっとも、インド会社法上、「子会社(subsidiary)」は、原則として「会社の過半数の議決権を、取締役会構成をコントロールできる株主に保有されている会社」と定義されているため(インド会社法第4条第1項)、合弁会社において、もしインド内国会社側の出資割合が過半数を超えている場合、そもそも当該会社は日本企業の「子会社」には該当しないことになります。

したがって、例えば日本企業が4割出資、インド内国会社が6割を出資するような合弁会社の場合、当該インド内国会社がPublic Companyでない限り、当該会社は「Private Companyでない会社の子会社」には該当しないことになります。

ところで、上述のとおり、Private Companyの株主は2人以上でなければならないとされているため、外国企業が「単一」の親会社になることは不可能とも思えます。
しかし、ここでいう「単一」とは、上述の名目的株主による実質的100%保有を含む概念であるため、名目的株主を経由した実質的な100%株主であれば、上記第4条の7の適用は免れることになります。

なお、複数の外国会社を合計して100%でも良いので、名目的株主を利用せず、例えば外国親会社が8割、その100%外国子会社が2割を保有することによっても、同条の適用を免れることが可能です。

要するに上記規定が実質的に問題となるのは、外国企業とインド企業の合弁会社を設立するケースで、外国資本が持分の過半数を保有する場合にほぼ限られます。

--

公開会社と非公開会社に適用される規制の相違については、あまりにも数が多いので割愛します。ご興味のある方は、「インドの投資・会計・税務ガイドブック」(あずさ監査法人・KPMG編)の192、193頁をご参照ください。同書は、インドの投資規制を概観したおそらく現時点で唯一の日本語の本であり、非常に参考になります。

--

次回は会社登記局への申請手続を解説したいと思います。

| | コメント (0)

Three Short Days in Delhi ②

3日目の午前中は少し時間があったので、ニューデリー市内を観光しました。

デリーの中でもニューデリー側は本当にしっかりとした都市計画に基づいて設計されており、道路は幅、構造ともに十分に整備されています。
渋滞はありますが、ムンバイに比べれば大したことはありません。
デリーには既に地下鉄も開通しており、庶民の足が車以外にあるというのも大きいと思います。

これはまったく個人的な感想ですが、利用可能な土地の広さや都市の計画性、周囲の州との経済圏の形成等の要素からすると、中長期的にはムンバイよりもデリーの方が都市としての発展可能性は高いと思います。
ムンバイは一応今のところインド最大の都市ですが、半島構造ゆえに利用可能な土地が限られていること、そのためにオフィスや住宅の高騰によるコスト高を招いていること、交通事情を含めて都市計画が整備されておらず移動に困難が伴うこと、人口が多いといっても半分近くはスラムに住んでいることなどの弱点を抱えているため(特に前2者は物理的に解消が困難)、少しずつその地位は沈下していくのではないかと思われます(もっとも、主要な2つの証券取引所があるなど、金融の中心地であることは間違いないため、沈下はある程度のところで止まるでしょうが。)。

首相官邸から国会議事堂を回ります。

Pa170064Pa170063首相官邸。
ものすごく立派です。 観光客も沢山いました。
ちなみに、快晴なのに空が少し濁ったような感じがするのは、排気ガスや工場からの煙で空気がとてつもなく汚れているからです。

Pa170070国会議事堂。
ルートの都合上、車の中からしか見られませんでした。

奥に見えるのが国会議事堂の建物だそうです。

Pa170073Pa170083 首相官邸から公園の中をまっすぐに進み、Indian Gate(インド門)に到着します。

ここも有名な観光スポットで、観光客がたくさんいます。
見た目や地理的な位置関係は、パリの凱旋門に似ています。

門を見上げていると、突然小ぎれいな身なりをしたおばさんが、インドの国旗の形をした記章をスーツの襟につけてきました。
何かと思ったら、「私は学校に通えない子供たちを支援する団体の者です。募金をお願いします。」とのこと。

十中八九詐欺だと思ったのですが、子供たちの支援と言われるとものすごく断りにくいです。
騙されているとしても大して害のない金額ということで、とりあえず100ルピーを渡したところ、「足りない、あと400ルピー出しなさい」と言い始めました。
この瞬間、お金を出してしまったことを激しく後悔したのですが(まともな募金活動者ならそんなこと言うはずがない。)、いまさら引っ込めるわけにもいきません。何か言い続けるおばさんを無視してさっさと別の場所に移動しました。

①観光地で、②向こうから声をかけてくる、③インド人、の100%詐欺3要件を満たしていたにもかかわらず、身なりを見て一瞬でも信用した私が愚かでした。
それにしても、子供を前面に出されてお金を要求されると、それがほぼ間違いなく詐欺だとわかっていても、断ることに良心の呵責があります。
普段あまり子供の福祉に貢献していないことに心理的な負い目があるのかもしれません。
とりあえず、日本に帰ったらユネスコに寄付しようと思いました。

インド門周りの公園はとても綺麗で、家族連れがのんびり座っていたりします。

Pa170088が、公園を囲む鎖はただごとでない鋭さです。

鎖の上に座るのを防止するため…、というのどかな理由ではなく、たぶん治安上の必要からなのでしょう。

昼からのアポイントメントでホテルで会食した後、帰りの便まで少し時間があったため、日本食や日本の雑貨を売っているショップYamato-yaによることにしました。

Pa170091 このお店、ガイドブックには、デリーの日本人駐在員の生命線とまで書かれているお店で、確かに中の日本食の品揃えはとても充実しています。日本のコンビニ以上スーパー未満という感じですが、インドで買い物するには十分すぎます。

問題は、(これはある意味しょうがないのですが)値段が高いこと。
日本の円表示の数字がそのままルピー表示になっている感じで、値段は日本のほぼ3倍です。カップラーメン1つが500円というのは、心理的になかなかのダメージです。
とはいえ、背に腹は代えられず、持てるだけ日本食と必要な雑貨を買い込みます。

--

帰りの飛行機もお約束どおり1時間遅れました。
しかも、オーバーブッキングというおまけつき。
「オーバーブッキングで現在席を確保するよう最善を尽くしているので、しばらく待ってください」と言われて50分。
いい感じで不安になってきたところで、こちらから係員に質問し、ようやく席が確保されたのは搭乗時間の10分前。

どうもインド人は、面倒なのかどうか、一般的に問題が起きたとき、問題の内容と対応状況をきちんと説明してくれません。問題が起きるのは仕方ないですが、現状を説明されないと不安が解消されないので困ります。
旅行ならそれもまた思い出となるのですが、仕事や生活上だと腹立たしいことこの上ありません。

--

ともあれ、非常に実りの多い3日間でした。
この経験は、必ず今後に生きると思います。

| | コメント (2)

Three Short Days in Delhi ①

先週月曜日から水曜日にかけて、デリーに出張していました。
日系企業関係のお仕事をされている多くの方とお会いし、刺激を受けるとともに、とても有益な情報をたくさん得ることができました。

今回はその3日間のダイジェストです。

--

1日目の月曜日の夕方、ムンバイからデリーに向かう国内線飛行機に乗るために、国内線の空港に移動します。
ムンバイからデリーまでは飛行機で約2時間。日本で言えば、東京-福岡間くらいです。

Pa150050国内線の空港に着いて驚きました。
何でも最近改装されたばかりとのことで、建物、設備ともに真新しく、とても綺麗です。
今まで見たインドの公共設備の中では群を抜いて素晴らしいです。

世界からの玄関である国際空港よりも先に、予算をかけて国内空港を整備してしまうインド人のセンスが生暖かく素敵です。

例によって飛行機は1時間ほど遅れましたが、まあいつものことです。
ちなみに、この移動はビジネスクラスだったのですが、これは私にとって人生初のビジネスクラスです(日本の国内線のプレミアム席の経験はありますが、座席や食事がはっきりと区別されるビジネスクラスは今回が初めてです。)。
まさか人生初のビジネスクラスがインドの国内線になるとは、諸葛孔明でも読めなかったと思います。

デリーに着き、ホテルに移動します。
バスルームに体重計があったので乗ってみたところ、インドに来る前よりも5キロほど体重が落ちていました。発熱と下痢とカプサイシンの相乗効果でしょう。

複雑な喜びを感じつつ、久しぶりにバスタブで湯につかって旅疲れを癒します。今の家にはシャワーしかないので、お湯に入れるのは本当に嬉しかったです。
ベッドがふかふかすぎてかえって眠れなくなっているあたり、今の生活に順応しつつある自分が見えて恐ろしいです。

--

2日目は、朝から夕方までアポイントメントを取った企業や事務所を回って、ホテルでしばらく休んだ後、Connaught Place を散歩しました。

Pa160058 Connaught Placeは、真ん中の公園を中心として、多くのショップが円状に配置されている、まさにデリーのヘソというべき場所です。
真新しい外国系ブランドのショップも多く、地理的にも雰囲気的にも日本でいう銀座に相当します。
ただし、有名な分、この周辺はとてつもなくスリや詐欺が多いです。

しばらくぶらぶらした後、夕食に出ることに。
場所はMetropolitan Hotel New Delhi。
ここは旧日航ホテルで、中にSakuraという日本食レストランがあります。

Pa160061 ここは高級志向のムンバイのWasabiとは違って、庶民的な日本料理もそろっており、久しぶりに日常の日本食を楽しめました。
インドで秋刀魚の塩焼きを大根おろしに醤油で食べる贅沢。
店内の客の半分くらいは日本人です。

食事の最中に1人の日本人らしき男性客が入店し、思いつめたような表情でカツ丼を注文してかきこんでいました。
きっと、日本人インド駐在員が、いたたまれなくなってここに来たのでしょう
ものすごく親近感を覚えました。

--

少し長くなりそうなので、3日目は分けて書きたいと思います。

| | コメント (1)

コックローチ・バトル

なんでも、ラクシュミ女神(ヒンディーの有名な神様)のお祭りと、ムスリムのお祭りが同時に行われているとのことで、現在、ムンバイの交通渋滞はいつにもましてひどくなっています。
通常、だいたい職場までタクシーで30分くらいなのですが、ここ2、3日は1時間近くかかることも珍しくありません。
ムンバイの交通事情とタクシー事情は最悪なので、1時間もタクシーの中にいると排気ガスと埃と悪臭とで頭痛がしてきます。

来月の9日ころは、ディワリ(ヒンディーの正月)でまたお祭りだそうで、その時期は本当に車が全く動かなくなるくらい混むそうです。
それにしても、ムンバイに来てから2ヶ月弱ですが、お祭りばかり見ているような気がします。
そんなにいろいろ祭っている暇があったら働けよ。

通勤途中でカラスが鼠を襲ってその肉をむさぼり食っているところを目撃するとかまあいろいろあったのですが、今日の本番は帰宅してから。

夕食の準備をしていたら、例によって床の上を丸々としたゴキブリが走っていきました。
いつもなら放っておくのですが、帰り道の渋滞でイライラしていたこともあり、気分はやたらと攻撃的になっています。
だいたい、地球上でも指折りに嫌いな生き物と同じ部屋でいつまでも共生することはできません。

今日こそ決着をつけてくれる。

追いかけたゴキブリが逃げ込んだ洗濯機の裏。
丸めた新聞紙を片手に洗濯機をどけて…

……

……

……

……

……

ええと、熱帯のゴキブリって大きいんですね。

今まで、目撃したゴキブリを「丸々とした」と形容してきましたが、これは間違いでした。
あれは普通のサイズのゴキブリです。
ムンバイで成長したゴキブリは、カブトムシ級の大きさになるようです。

洗濯機をどけた瞬間、お父さんが飛び出してきました。

硬直している私を尻目に、親子は去って行きました。
どこに行ったのか、もはや探す気力もありません。
本能的な恐怖を呼び起こす大きさでした。

私の完敗です、ごめんなさい。

とりあえず、視界に入らないようにしてもらえれば、共に生きていくこともやぶさかではありませんので、何とぞお手柔らかにお願いします。

| | コメント (1)

インド会社法解説その1 -会社設立にかかる外資規制-

このシリーズでは、インドで会社を設立、運営、解散する場合の制度、規制について解説していきたいと思います。

なお、今回は外資規制解説と内容が被りますが、日本の会社がインドに会社を設立する前のチェック事項として必要な内容であるため、予めご了承ください。

--

インド外資規制解説その2で解説したとおり、外国人または外国会社がインド国内にビジネス拠点を持つ場合、Sole Proprietorship、Partnership、Company、Branch、Liaison Office、Project Officeの6つの形態があります。

このうち、Sole Proprietorshipは組織というよりは単なる個人事業主というべきものであること、Partnershipはビジネスの事業体として利用するのは難しいことは既に解説したとおりです。

また、組織体のうち、Branch、Liaison Office、Project Officeは、この順番に行いうる行為が制限されており、最も多くのことを行いうるBranchでも、行いうるのは
・本社の代表、代理
・物の輸出入
・専門的分野に係るコンサルティングサービス
・調査業務
・技術、金融のコラボレーションのプロモーション、ITソフトウェアサービスのプロモーション、技術サポートのプロモーション、外国の航空事業や船舶事業を営む会社のプロモーション
に限定されています。

したがって、外国資本がインド国内において自由な事業活動を行う場合、現地法人あるいは合弁会社として会社を設立することが必要となります。

もっとも、既に述べてきたとおり、インド外国為替管理法(FEMA)上、外国資本による投資が禁止あるいは外国資本による出資比率規制が設けられている事業分野があるため、会社を設立するにあたっては、まず当該会社により営もうとする事業が外資規制の適用を受ける事業かどうかを検討する必要があります。

事業分野にかかる外資規制の種類には、大きく分けて以下の5種類があります。
規制はいわゆるネガティブリスト方式であり、インドへの直接投資案件は、以下のネガティブリストに該当しなければ外資出資比率100%までがAutomatic Routeで自動認可されることになります。
(ネガティブリストの分類はJETROのものに従いました。)

1.国有企業に留保されている2業種(原子力、鉄道)
2.1951年産業開発及び規制法により、産業ライセンス取得が義務付けられている産業
3.2005年1月12日より以前に、既にインド企業と資本・技術提携を行っている外資系企業が新たに同一業種において企業を設立する場合
4.外国投資が禁止されている産業
5.個別に出資比率上限規制・ガイドラインがある産業

規制の詳細については、下記JETROのウェブサイトをご参照ください。以下では、概要を解説していきたいと思います。
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/in/invest_02/

1.国有企業に留保されている2業種(原子力、鉄道)

これらについては現在のところ外国資本による投資は一切認められていません。
したがって、出資比率を問わず、外国資本がこれらの事業を営むことを目的とした会社を設立することはできません。

2.1951年産業開発及び規制法により、産業ライセンス取得が義務付けられている産業

①強制ライセンス指定の特定業種、②小規模企業(Small Scale Industries。SSI。)への24%超の出資、及び③1991年インド政府新投資ポリシー(New Industrial Policy, 1991 of the Government India)で指定された規制地域への投資については、それぞれ事前に産業ライセンス(後述のインド外国投資促進委員会(Foreign Investment Promotion Board。FIPB)の事前承認とは別のもの。なお、2006年2月10日以降、産業ライセンスを要する事業については、別途FIPBの事前認可を取得することは不要となっています。)を取得する必要があります。

①から③の具体的内容については、上記JETROのウェブサイトの「規制業種・禁止業種」のⅡをご参照ください。

これらの産業ライセンス取得が義務付けられている産業について、外国資本がこれらの事業を営むことを目的とした会社を(②については一定の出資比率以上で)設立する場合、事前にインド政府商工省(Ministry of Commerce and Industry)内の産業政策促進局(Department of Industrial Policy & Promotion)から産業ライセンスを取得する必要があります。
通常、産業政策促進局への申請から4~6週間で、産業ライセンスが付与されます。

3.2005年1月12日より以前に、既にインド企業と資本・技術提携を行っている外資系企業が新たに同一業種において企業を設立する場合

2005年プレスノート1号及び3号(※)によれば、2005年1月12日現在、既にインド企業と合弁などの資本提携、技術提携契約などを結んでいる外国企業が、同一業種で新たな会社を設立する場合、または他社と資本・技術提携契約を締結する場合には、インド政府の事前承認を得ることが義務付けられています(2005年1月12日以降に設立された合弁会社や、締結された契約は対象となりません。)。

ただし、①投資家がベンチャーキャピタルファンドである場合、②既存の合弁相手のシェアが3%未満の場合、③既存の合弁もしくは提携による事業が休止状態の場合については承認は不要となります。

このインド政府による承認は、インド外国投資促進委員会による承認とは別に必要となります。
この規制の趣旨は、既存の合弁パートナー企業や提携先企業を保護する点にあります。

よって、上記要件に該当する外国企業については、新たに会社を設立する場合、インド政府から承認を得る必要があります。

(※)プレスノートとは、前述のインド政府商工省内の産業政策促進局が、必要に応じて発布する通達、ガイドラインです。法令ではありませんが、日本における通達、ガイドラインとほぼ同様の実務上の拘束力を有します。
ちなみに、以前紹介した日本語解説が掲載されている下記ウェブサイトは、この産業政策促進局のサイトです。
http://dipp.nic.in/

4.外国投資が禁止されている産業

①賭博
②宝くじ
③小売業(単一ブランド商品の小売を除く。単一ブランド商品の小売については、51%を上限とした外国資本出資が認められている。)
④原子力

については、2006年プレスノート4号で明示的に外国資本による投資が禁止されています。

また、明示的ではないものの、
・チットファンド(一定人数の個人がお金を出し合い、抽選等により特定の個人に分配するファンド。宝くじに類似する。)やニディカンパニー(相互互助金融会社)
・2005年プレスノート2号で認められた不動産開発・建設業以外の、不動産関連事業(移転可能開発権利の売買)
・農業(ガイドラインに従った草花、園芸、種子栽培、畜産、野菜栽培を除く)および農園業(紅茶農園を除く)
についても、外国資本による投資は禁止されています。

したがって、外国資本がこれらの事業を営む会社を設立することは、出資比率にかかわらず認められません。

5.個別に出資比率上限規制・ガイドラインがある産業

具体的内容については、上記JETROのウェブサイトの「規制業種・禁止業種」のVをご参照ください。

Automatic Routeによる投資上限を超える投資については、インド外国投資促進委員会(Foreign Investment Promotion Board。FIPB)の承認を得る必要があります。
FIPBによる承認上限が100%以下に抑えられている事業分野もあり、このような事業分野については、外国資本は最大でも74%、49%、26%の出資比率(数字は事業分野によって異なる。)しか持つことができません。

なお、上記74%、49%、26%という数字は、インドにおける株主総会特別決議の要件が「株主の4分の3以上の賛成」と定められていること、及び株主総会通常決議の要件が、「株主の過半数の賛成」と定められていることと関連します。
つまり、74%上限の場合、通常決議事項は外国資本の意思のみで決議できますが、特別決議は不可能ということです。また、49%上限及び26%上限の場合、特別決議は阻止できますが、通常決議は外国資本の意思のみによっては阻止できません(もちろん、後者よりも前者の方が可能性は高くなります。)。

--

以上をまとめると、インドで現地法人を設立するにあたっては、当該会社が営む事業について、

1 国有企業に留保されている2業種(原子力、鉄道)に該当しないか
2 産業ライセンスを必要としないか
3 2005年プレスノート1号及び3号による政府承認を必要としないか
4 そもそも外資による投資が禁止されている事業に該当しないか
5 外国資本による投資上限、及びFIPBの承認が必要か

の各事項を設立前に確認しておく必要があるということになります。

自分で書いていて思いましたが、これを全てチェックするのはものすごく面倒ですね…

特に、2の産業ライセンスの要否について、2007年10月現在、小規模企業(Small Scale Industries。SSI。) の営む事業として指定されている事業は300種類を超えているため(下記ウェブサイト参照)、事前チェックは果てしなく面倒になりそうです。
http://www.smallindustryindia.com/publications/reserveditems/Reserved_item_list_114_items.pdf

--

次回以降は、具体的な会社設立手続を解説していきたいと思います。

| | コメント (0)

インド外資規制解説その13 -FIIによる参加証券(Participatory Notes)発行に対する規制-

外資規制解説はいったんお休みする予定だったのですが、応用編で解説しようと思っていた外国機関投資家(FII)及びそのサブアカウントによる参加証券(Participatory Notes)の発行について、近時その規制に関する動きがあったため、とりあえず速報ということで取り上げたいと思います。

--

以下、記載を一部修正しました。

--

2007年10月16日に、インド証券取引委員会(SEBI)は、外国機関投資家(FII)による参加証券(Participatory Notes)の発行規制を内容とする、海外投資家のデリバティブ(金融派生商品)の利用を制限する資金流入抑制政策を提案しました。

Participatory Notesとは、株式や株価指数その他の有価証券の価格変動に運用成果が連動する債券のことをいいます。株式や株価指数等の価格変動により、債券自体の価値がダイレクトに上下するため、実質的には株式を保有しているのと同様の効果があります。

既に述べてきたとおり、現在、FII以外の外国投資家がインドの証券取引所で直接株式その他の有価証券を売買することは禁止されています。
そのため、これまでは、FII及びそのサブアカウントがParticipatory NotesをFIIでない外国投資家に発行することにより、FIIでない外国投資家が事実上インド株式に直接投資することが行われていました。

つまり、インドの証券取引所で直接株式等の売買ができるFII及びそのサブアカウントが、インドの株式や株価指数等の価格変動に運用成果が直接に連動するParticipatory Notesを発行することにより、これを購入したFIIでない外国投資家が、FIIを通じて事実上インドの証券取引所で取引される株式等に投資できるという効果を生み出していたのです。
SEBIの発表によれば、2007年8月末現在、FII及びそのサブアカウントによるParticipatory Notesの発行残高は約900億米ドルとなっており、これはインドのFII全体の投資額の約51%となります(発行されたParticipatory Notesの価額は、FIIの保有金額としてカウントされるため、このような計算が可能となります。)。

ただ、このようなParticipatory Notesを利用したFII以外の外国投資家による直接投資は、 外資コントロールを目的としたFII制度の潜脱という面は否定できません。
また、FIIをいわば器としてのみ利用し、その後ろに多数の投資家がぶらさがっているという構造になる結果、市場参加者の透明性という観点からも問題があります(Participatory Notesの引受人の情報は市場からは見えません。)。

そのため、適切な外資のコントロールという観点から、SEBIは、以下を概要とする資金流入抑制政策を提案しました(あくまで提案段階であり、まだ導入が確定したわけではありません。)。

1.FII及びそのサブアカウントによるParticipatory Notesの新規発行は認めない。
2.FII及びそのサブアカウントが発行した現存のParticipatory Notesに係るポジションは、18ヶ月以内に解消されなければならない。解消の進捗状況は、SEBIにより監視される。
3.現在Participatory Notesでオフショア派生商品(ODI)を発行しているFIIは、サブアカウントを含む保護預かり残高の想定元本が40%未満の場合には(デリバティブによるものを除く)、その保護預かり残高の5%までのオフショア派生商品(ODI)の追加発行を認める。Participatory Notesの保護預かり残高の想定元本が40%(デリバティブによるものを除く)を超える場合には、40%を限度として書き換えのみ認める。

SEBIは、上記提案を可決するための会議の開催を2007年10月25日に予定しており、FIIに対して上記提案への意見提出を2007年10月20日までに行うことを要請しています。

--

この10月16日のSEBIの提案を受け、翌日10月17日のインドの株式市場は、一時サーキットブレイクシステム(市場全体の株式価格が急落した場合に、一時的に証券取引所全体の売買を停止する機能。)が発動するほど下落しました。

この事態に慌てたインド財務相は記者会見を行い、インドでは海外からの投資を今後も歓迎し、今回の規制はParticipatory Notesを禁止するというものではなく、あくまでも資金流入の適正化を図るものであるとの声明を出しました。
また、SEBIの議長も、取材に対し、今回の提案はParticipatory Notesを禁止するものではなく適正化の手段として使うものであると述べました(ただ、提案内容を見る限り、どうみてもParticipatory Notesを禁止する規制内容なので、SEBIの議長の発言の趣旨は不明です。)。

その結果、1時間の取引停止後、取引は再開され、買戻しが入りました。

関連記事(JETROのウェブサイトより)
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/in/topics/49318

--

今回の提案は、「インドの証券取引所で取引したければ、Participatory Notes経由ではなく、きちんとFIIとして登録を受けて直接行いなさい」という当局の意思を示したものと思われます。

とはいえ、現在、Participatory Notesを購入している外国投資家の多くは、FIIとなりうる資格を持った機関投資家です。にもかかわらず、あえてFIIとしての登録を受けずにParticipatory Notes経由でインド株式に投資しているのは、インドにおけるFIIの登録手続に手間と時間がかかるからに他なりません。

上記提案が、そのまま通るかどうかはまだ不透明ですが、もし提案が通る場合には、同時にSEBIによるFIIの登録を簡素化・迅速化するとの対応を取らなければ、これまでParticipatory Notes経由でインド株式に投資していた外国投資家の離散を招きかねず、インド株式市場に深刻な影響を与える可能性があります。
さらに、現時点では、提案が通った場合に、今後18ヶ月の間、すでに発行されているParticipatory Notesの取引ができるのかどうかも不明確なままとなっています。

というわけで、上記提案をめぐって、インド株式市場はしばらくの間は不安定な状態になる可能性があります。

--

なお、今回の内容を記載するにあたっては、新生インベストメント・マネジメント株式会社による新生・フラトンVPICファンドに関する2007年10月18日の「インドの投資規制の検討について」と題するリリースを参照させていただきました。

この件について今後何か動きがあれば、その都度レポートしたいと思います。

| | コメント (1)

帰宅 -スラム考-

さきほど、デリーからムンバイに戻ってきました。

家に着いてほっとしている自分に少し驚きました。
やはり、どんなところでも「家」というのは良いものだなあと。これがホテルだったらどんなにきれいでも同じような感覚は持たないでしょうから。

この3日間、ムンバイとデリーの日系企業を中心として、多くの会社、事務所を回り、たくさんの参考になる話を聞くことができました。
今回の成果は、今後の仕事や論文に大いに生かしていきたいと思います。

デリーでの3日間は、おいおいアップする予定ですが、今回はムンバイで聞いた話をテーマにしたいと思います。といっても、仕事に直接関連する話ではなく、ムンバイのスラムについてです。

--

このブログにも何回か書きましたが、現在のムンバイの人口は約1600万人と言われており、これらの人々が東京23区よりも狭い面積の中にひしめき合って暮らしています。

今回聞いた話によれば、この1600万人のうち、約700万人がスラムの住人であるとのことです。要するに、全人口の半分近く、大阪の全人口を越える人間がスラムに住んでいるということです。
ムンバイのスラムは、その規模から「アジア最大のスラム」と呼ばれているそうです。

この話を聞いたとき、驚くよりも納得感が込み上げてきました。
生活実感としては、確かにそれくらいスラム人口がいてもおかしくありません。

このブログの方針として、そこが有名な観光地になっているなどの例外的な場合を除き、スラムやそこに住む人々の写真は全く載せていません(理由は、「エンターテインメントを目的としたブログで、スラムやそこに住む人々の姿を面白半分に取り上げるべきではない」という私の個人的な考えによります。)。

そのため、このブログを読んでいるだけではあまり実感できないかもしれませんが、実際にはムンバイの街中はスラムだらけです。
空港近くに最大のスラムがあるのですが、それ以外にも小さなスラムがいたるところに点在しています。最新の清潔なホテルやショッピングセンターの裏がスラムということも珍しくありません。
路上生活者や物売り、物乞いの数も半端ではなく、外国人が歩いていると、いたるところで手を差し伸べてきます。

また、いわゆる下級階層の人々のハングリーさはただならないものがあります。
ムンバイにおける下級階層の例としてしばしば挙げられるタクシーの運転手を例にとれば、「常にタクシー料金を高くごまかそうとする」というのは、言い換えればそれだけ生活に懸命ということです。「運転が強引」、「決して譲らない」というのは、それだけ生存競争が厳しく、譲っていては生きていけないことを意味します。

スラムの人々には、伝統的なヒンディーの不可触賤民のほか、バングラデシュ等からの移民が含まれています。後者は政治と経済が崩壊した母国から、インドに少しでも良い生活を求めてやってきた人たちです。
(ちなみに、バングラデシュの政治と経済の崩壊、人口爆発等の問題については、↓をご参照ください。)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%87%E3%82%B7%E3%83%A5#.E7.B5.8C.E6.B8.88

デリーのスラムは、中央政府の介入により、かなりの程度解決が図られてきているとのことですが、ムンバイのスラムは地方政府の管轄であることもあり、一向に解決が進んでいません。
特に、移民についてはどうしても解決が先延ばしになりがちのようです。

生活するのに快適か、と問われれば、もちろんこのような環境での生活は快適ではありませんが、空前の経済成長を続けるインド、その中で商業都市としての中枢を占めるムンバイの抱える課題として、このスラム問題についてはなかなか考えさせられるものがあります。

それにしても、人口の半分近くがスラムという街で、この治安の良さは本当にすごいと思います。
アパルトヘイトを廃止した結果、周囲のスラムから黒人や移民が流れ込み、治安が際限なく悪化して、「世界最悪の犯罪都市」、「リアル北斗の拳」と呼ばれるようになってしまった(街の一部は完全にゴーストタウンになっている)南アフリカのヨハネスブルクと比べれば、人口の半分近くがスラム住民なのに「夜1人で歩いていても、まず大丈夫」というムンバイの状態は奇跡的といって良いでしょう。
(ヨハネスブルクの治安については、↓をご参照ください。)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%B0#.E6.B2.BB.E5.AE.89.E5.95.8F.E9.A1.8C

ムンバイの治安が保たれている理由には諸説ありますが、争いを好まないインド人の気質、伝統的カースト制度による諦観(「下層の人間は一生下層であるべし」というカーストの思想)、治安当局の適切な対応などが考えられます。

後ろから撃たれて殺された後に物を奪われること(ヨハネスブルクではよくある犯罪手法。そもそも、この街は死亡原因の第1位が「殺人」になったこともあります。)を思えば、たまにタクシーでぼられるくらいは許せようというものです。

まあ、比べる対象が間違っているともいえますが。

--

なお、実際にヨハネスブルクで生活していた人のブログによれば、「日本と比べると、ヨハネスブルグは確かに犯罪率が高く、危険な街ですが、常識を守った行動をする事で、ほとんどの犯罪は回避できます。」とのことです。
というわけで、北斗の拳云々は一種のネット都市伝説なのですが(とはいえ治安が悪いことは事実です。)、表現が面白かったので使わせていただきました。

--

Pa180095デリーで入手してきた日本食及び日用品です。
これでまたしばらくは何とかなりそうです。

| | コメント (0)

From Delhi

Less people,
cool climate,
wide and clean roads,
various shops,
plenty of Japanese and other foreign foods...

In short, I love Delhi much more than Mumbai.

| | コメント (1)

ムンバイ市内観光

日曜日に、日本からムンバイにいらっしゃったパートナーお2人とムンバイ市内を観光してきました。

タージ・マハルホテルが勧める市内の観光スポットを車で回るツアーで、所要時間は4、5時間程度です。

まずはムンバイ大学。

Pa140001

その伝統は古く、インドでも有数の名門大学です。

ロースクールもあり、Amarchandの中にも、この大学のロースクール出身の弁護士は多くいます。

Pa140002

Pa140003

ムンバイ大学の時計塔。
外観もさることながら、中も美しく、ステンドグラスに飾られた階段の踊り場は、さながら教会のようです。

中は図書館として利用されており、2階には多くの本が所蔵されていました。

Pa140006

こちらは中庭とその後ろの校舎です。
この写真だけ見ていると、カリフォルニアのどこかの大学のようです。
敷地内は十分に手入れされた緑が溢れており、外観と中庭だけなら今まで見た中でも有数の美しい大学だと思います(校舎内はものすごく古くて汚いです。)
ちなみに、大学の隣にはムンバイ高等裁判所が建っています。

次に向かったのは、Victria Terminus。

Pa140010ムンバイの中心駅の1つです。

コロニアル調の建築で、外観はまるでロンドンのどこかの駅のようです。

Pa140011

Pa140012_2中もそれほど汚くなく、普通の駅という感じです。靴磨きがものすごくたくさんいて、何人かのインド人は靴を磨いてもらっていました。磨かれる側の構えが、何となく格好良いです。

Pa140013電車はこんな感じです。
壁の感じといい、窓の金網といい、一瞬犯人護送車と見間違えかねない内装ですが。ごくごく一般的なインドの電車です。
線路幅は、日本の電車よりも一回り大きいです。

お次はCrawford Market。
生鮮食品等を売る市場です。
入口がものすごく汚いので一瞬ひるみますが、中身はそこまで汚くはありません。

Pa140015Pa140018新鮮(そう)な果物や野菜が所狭しと並んでいます。
ガイドの話によると、このマーケットは小売だけではなく卸売販売も行っているそうです。

Pa140023

ここはアニマルマーケット。
「動物を売る市場」とガイドが言っていたので、てっきり屠殺場かと思って腰が引けていたのですが、ここはペットショップのようです。

Pa140020

カラフルな鳥や猫もいますし、まさか、まさかこの仔犬が愛玩用でないとは思えませんが、ここはインドなので正直断言はできません…(後で聞いたら、間違いなくペットショップであるとのことでした。本当に良かったです。)

Pa140024_2ちなみに、これはマーケット全体の電力を供給している配電盤です。
入り組みすぎて、「スーパーマン3 電子の要塞」(古くてすみません)のようになっています。

続いて、海沿いのMarine Driveを進み、ビーチに出ます。

Pa140027_2日曜日の昼前だというのに、そして、気温がかなり高いにもかかわらず、泳いでいる人間がほとんどいません。
聞いた話だと、「ムンバイの海は工業用水による汚染がひどく、遊泳できる状態ではない」とのことです。

Pa140026実際、泳いでいるのは、(おそらくはあまり事情を知らないであろう)子供ばかりでした。

ちなみに、←は偉い人2人の後ろ姿です。

Jain Temple(ジャイナ教の寺院)。英語でJainというのはジャイナ教を意味します。

Pa140029靴を脱いで中に入り、見学します。
が、宗教施設だけあって、真摯にお祈りしている方々が多く、観光目的で中をふらふらするのはあまり落ち着きません。

Pa140028寺院内にあった神様の像の1つです。

なんというか、インドの神様というよりはハワイの神様に見えてしょうがありません。
ちなみに、この写真だとわかりにくいですが、目は宝石(ガラス玉?)でできています。

さて、少し移動して、Baan Gagnaにやってきました。

Pa140031ここは一種の法事場で、子供が生まれたときの沐浴や、家族に死者が出たときにお骨の灰を捧げ物とともに流すなどの目的に使用されています。

そのせいかどうか、ものすごい数のハエがいました。

あまり適切なたとえではないかもしれませんが、「池版のガンジス川」といったところでしょうか。

Pa140030行き道で、路上の床屋を見かけました。
結構器用に髪を切り、襟足を剃っています。

ここで髪の毛を切る気は全くしませんが。

ムンバイ一の高級住宅街、Malabar Hill にある Kamala Nerhu Parkを抜けます。

Pa140035_2このころになると、日も高くなり、暑さでかなり消耗してきました。

ムンバイは現在、雨季後のSecond Summerと呼ばれるシーズンを迎えており、日中の気温は35度近くまで上がります。

写真ではわかりにくいですが、 ↓は競馬場。

Pa140039

開催はされていないようで、馬は走っていませんでした。
しかし、こんなに暑い場所でどうやって馬を走らせるんでしょうね。
馬は暑さに弱いので、こんなところで競馬を毎週やらせたら死んでしまうかもしれません。

Dhobi Gahtと呼ばれる洗濯場です。
日本で有名なガイドブックにはあまり載っていませんが、Lonely Planet等の外国系のガイドブックには必ず載っている有名な場所です。

Pa140040ものすごい数の洗濯物が、所狭しと並んでいます。
中に入ろうとしたら、突然1人あたり100ルピーを要求されたため(ここで働く貧しい人々のために使う、とのことでしたが、本当に入場に正式に料金が必要とされているのかは謎です。単なる成りすまし詐欺の可能性も高いです。)、入場は諦めました。Pa140041

それにしても、こんなに大量の洗濯物を一体誰が注文しているのか、どうやって洗濯物を見分けているのか、本当にきれいになるのかなど、謎はつきません。

↓はマハトマ・ガンジーがムンバイで住んでいた家です。

Pa140043中は博物館となっていて、ガンジーの生涯を追った人形展示等があり、なかなか興味深い内容でした。
ちなみに、インドでガンジーは民族の英雄として広く尊敬されており、全ての紙幣の顔になっているほか、その誕生日は祝日となっています。

今に至るまでインド人が暴力をあまり好まないのは、ガンジーの精神的影響が残っているからかもしれません。

ちなみに、ガンジーの晩年の割と堕落した生活(「ブラフマーチャーリヤの実験」と称する裸の若い女性との同衾。ガンジー自身が述べた、「自分が身も心も純粋で色情からも肉欲からも自由なことをテストするため」という理由は、どう贔屓目に聞いても言い訳にしか聞こえない。「重力ピエロ」(伊坂幸太郎)の本文中でも、ガンジーの欲望に基づく行為と解釈されている。)は、爽やかに無視されていました

さて、最後はPrince of Wales Museum。

Pa140048ムンバイにあるのに「Prince of Wales Museum」という名前はおこがましいと思ってしまうのは私だけでしょうか。
もちろん、この名称の背景には、イギリスの植民地支配の歴史があるわけですが。

ちなみに、ムンバイには、このMuseumのほか、Victria & Albert Museum という名前の、本家のロンドンの博物館とは似ても似つかない博物館があります。

Prince of Wales Museumの中身は、インド独自のものはあまりなく、外国の品物ばかりで正直あまり面白くありませんでした。
むしろ面白かったのは、入場料金。

Pa140045なぜか日本語の張り紙がありますが、入場料金に関する掲示はその上。

外国人300ルピー、外国人学生は10ルピー。
なんだその極端な差は。

(ちなみに、イギリス式にインド人は無料です。)

--

とまあ、5時間弱でしたが、かなり多くの場所を回れて大満足でした。

いずれも行ったことがないところばかりで、つくづく「住むこと」と「観光」とは別だなあと。
たまには旅行者気分で街を回るのも悪くないなと思いました。

| | コメント (0)

アジア地域ミーティング

10月12日(金)、13日(土)と、ムンバイにてアジア地域の大手法律事務所のミーティングセッションが開催され、日本から私の所属事務所のパートナー弁護士2人も来印しました。

久しぶり(といってもたった1か月半ですが)に日本の事務所の人と話をし、窮状を訴え仕事の現状や生活の様子を報告しました。

お2人とも、事前の私のお願いに応えて、大量の日本食を持ってきてくださり、とても有難く、本当に助かりました。
まさかインドでとらやの羊羹を食べられるとは、夢にも思っていませんでした。

土曜日の夜にはNariman Pointのヒルトンタワーホテルで、ミーティングのクロージングパーティーがあり、ミーティングに参加した多くの法律事務所の弁護士の方々とお話することができました。

さて、日曜日はお2人とともに朝からムンバイ市内を観光することに。
こちらに来てから1か月半、徐々に行動範囲は広がってきましたが、それらは全て生活に関連する場所であり、観光らしい観光は今回が初めてです。
といっても遠出するのではなく、市内の名所や見どころを4、5時間かけて車で回るコースです。

タージ・マハルホテルでチャーターした車(日本車)に乗り込みます。
ものすごく久しぶりにエアコン付の車に乗った気がします。
エアコン付の車は、車内の涼しさもさることながら、窓を締め切りにできるため、騒音をある程度シャットアウトできること、外の排気ガスが社内に流れ込んでこないこと、物乞いを撃退できること(窓から話しかけてきたり手を差し伸べてきたりできない)など、良いことずくめです。

市内観光の様子は追ってアップしますが、さすがタージ・マハルホテルが用意する観光コース、今まで住んでいて見たこともないような素敵な場所、面白い場所ばかりでした。
ムンバイに住んでいるというものの、生活圏はものすごく限られていたので、新しい発見がいろいろできて、とても嬉しいです。

夜は、無理を言ってタージ・マハルホテルの日本食レストラン「wasabi」での食事をお願いさせていただきました。
日本食が届いてからは、ほとんど毎晩日本食(といっても缶詰やカップラーメン等インスタントなものばかりですが)を食べていたのですが、やはりレトルトばかりでは心も体も荒むため、1か月も経つと、生の日本食がたまらなく食べたくなります。

寿司をつまみつつ、日本酒を流し込む快楽的美味。

期待を込めて注文した鉄板焼きの牛肉は例によって水牛でしたが、臭みは少な目で問題なく食べられたため、とりあえず満足です。

すぐに日本にお帰りになるのに、わざわざインドで日本食レストランで食事することをご了承いただいたお2人には大感謝です。

ちなみに、お2人とも、寿司には全く手をつけようとしませんでした。

出張先のインドで、わざわざ生魚の寿司を食べてお腹壊したらまずいだろう。」

まことにごもっともです。

--

明日夕方から、パートナーの1人と一緒にデリーに移動します。

デリー滞在期間は3日間ですが、その間はブログは更新できない可能性が高いので、あらかじめご了承ください。

| | コメント (0)

インド外資規制解説その12 -外国ベンチャー投資家としての投資(Investment as Foreign Venture Capital Investor)②-

前回の続きです。

登録を受けたForeign Venture Capital Investor(FVCI)は、投資金額の総額のうち、3分の2以上を非上場企業(インド国内の証券取引所に株式を上場していないインド企業)の株式及び株式に関連する有価証券(転換社債等)に投資する必要があります。

また、残りの3分の1についても、上場が予定されている会社のIPOの際の株式の引き受け、または上場会社の株式の優先割当てを通じた株式の引き受けによるエクイティ投資に使用する必要があります。

ただし、上記の要件にあてはまる場合であっても、FVCIが、いわゆるノンバンク(Non-banking Finance Company)の大部分、印刷事業者、その他インド政府産業ポリシー(Industrial Policy of the Government of India)により外資の投資が禁止されている事業を営む会社に対して投資することは認められていません。

また、FVCIがその総資産(正確に言えば、FVCIの資産中、インドに投資することが認められている全ての資産)の4分の1以上を1つのベンチャー会社(上記要件に当てはまる会社)に投資することは認められていません。

つまり、FVCIは、総資産の3分の2を非上場企業に投資する必要があるが、1社に集中して投資するということはできず、1社あたりの投資額が総資産の4分の1以下になるよう調整する必要があるということになります。

一方、FVCIの登録を受けた場合、以下の利益を得ることができます。

・インド企業に投資する際の、インド連邦準備銀行(Reserve Bank of India。RBI)からの承認が、最初の1回だけで済む(各投資ごとに承認を得る必要がない。)

・株式の売買価格を、当事者の合意のみで定めることができる(インド外国為替管理法(FEMA)上、外資が当事者となる場合の株式の売買において、株式の売買価格を当事者が自由に決めることはできず、RBIの価格承認が必要とされるのが通常です。)。

・FVCIの保有する非上場会社の株式については、「公募前の1年間保有規制」がかからない。「公募前の1年間保有規制」とは、会社が公募(IPOに限らず、全ての公募を含む)前に発行した株式については、その引受人に1年間の保有義務(その間は売却できない)が課される規制をいいます。なお、IPOの際にFVCIに割り当てられた株式については、既に「非上場会社の株式」とはいえないため、「公募前の1年間保有規制」がかかります。

・FVCIからベンチャーキャピタルの創設者その他一定の者への株式譲渡は、買付規制法(Takeover Code)上の公開買付規制がかからない(なお、この利点はベンチャー会社が上場することが前提。)。

上記から、FVCIはFIIと比べて、まさにベンチャーキャピタルに対する投資に特化された投資であり、利点もベンチャーキャピタルによるIPOその他の投資回収手段を容易にするという観点から設定されているといえます。

使いどころは少し難しそうですが、例えば外国への投資を目的として組成された日本のプライベートイクイティなどが利用するには良いかもしれません。

--

次回からは、インド法上のcompanyについて、インド会社法の基本と会社設立実務の観点から解説していきたいと思います。
なお、外資規制については、小規模企業(SSI:Small Scale Industries)に対する投資規制など、まだいくつか残している部分があるため、どこかの段階で追加で解説していきたいと思います。

| | コメント (0)

人使い

今の事務所には、いわゆる秘書(あるいは事務員)の制度がありません。
そのため、弁護士は基本的に事務処理を自分で行っており、また、たとえば電話がかかってきた場合、話中であればそれっきりとなり、コールバックのメモ等が残されることもありません。

その代わりというか、オフィスの隅には召使らしき人が複数控えており(見た目といい役割といい、「召使」(servant)という表現がぴったりなのです。)、ちょっとしたお願い事や自分でできない事務処理については、これらの人にお願いすることになります。

この召使、普段はロンドンの衛兵のごとく直立不動で立っていますが、いったん願い事を受けると速やかに事務を開始するという、なかなか頼もしい存在です。
とはいえ、「仕事をお願いするまで立って待っている」、「常に頭を下げられる」、「二人称として「Sir」と呼びかけられる」というあたりに、今でも少し違和感があります。

この違和感は、どうも「使用人を使役すること」自体に対する違和感から来ているような気がします(もちろん、日本でも秘書には仕事をお願いしますが、それはあくまで仕事上の役割としてお願いしているだけであり、もちろん秘書が立って待っているとか頭を下げるということはありません。)。

そこで、今回は、「人を使役すること」に対するインドでの感覚について、少し考察してみたいと思います。

--

門番、扉開け係、床拭き係、洗濯係、食器洗い係
インドでは、とにかく人が何でもやります。

インドに来た当初は、ショップやレストラン等の入り口に扉開け係がずっと立っていて、客が出たり入ったりするごとにいちいち手で扉を開けている様子や、川辺の洗濯屋さん(お金を払うと手で洗濯してくれる)を見て、ちょっとした違和感があったのですが、今では少なくともインドにおいては合理的なシステムだと納得しています。

日本でもインドでも、「人間が楽をする」という目的は同じです。
ただ、その目的を達成するのに、機械の力を借りているか、他の人間の力を借りているかというだけです。

日本なら、ホテルの床を拭くにはモップマシーンを使い、扉開け係の代わりに自動ドアを設置し、洗濯係の代わりに全自動洗濯機を、食器洗い係の代わりに食洗器を使うでしょう。
インドでは、まだそのような機械は一般に普及していませんし、何より人間を使った方が圧倒的にコストが安いです。

一度でもインド(特に大都市)に来られたことがある方はイメージできると思いますが、この国にはとにかく人間が溢れています。
もちろん、私のいるムンバイも、街には人間がうじゃうじゃいます。

価値は需要と供給により決まります。
人の供給が圧倒的である国では、「人を使うこと」に対するコストが安くなるというのは、ある意味で当然です。
高いお金を出して、自動ドアを設置するくらいなら、月4000ルピーで人を雇って扉を開閉させた方が安くつくのです。

「わざわざ扉の開け閉めだけのために人を雇うなんて…」
「使役される側の人格を無視している」
と、何となく日本人が感じてしまうのは、現在の日本人が受けている教育を背景として生じる、「自分の楽のために人間を奉仕させる」ことに対する倫理的背徳感があるからにすぎません。
そして、それはカースト制度に馴染んだ一般のインド人には存在しない感覚です。

「なんでこの店は自動ドア設置しないんだよ、面倒だなあ」と日本人が思うのと、「扉の開け閉め係くらい雇えよ」とインド人が思うのは、本質的には同じなのです。

もちろん、インドにおいて、「使役する人間もされる人間も、そのこと自体を奇異なことだとは思わない」のは、カースト制度などの社会的、宗教的な理由が背景にあります。
ただ、こと経済的合理性という1点から見ても、インドにおいては、機械ではなく人を使役することが、少なくとも現時点では理にかなっているのでしょう。

--

まとまりのない文章になってしまいましたが、要するに、他人を使用人として使役することに違和感を覚えていてはインドではうまくやって行けないかも、ということです。

| | コメント (0)

インド外資規制解説その11 -外国ベンチャー投資家としての投資(Investment as Foreign Venture Capital Investor)①-

前回から間があいてしまいましたが、今回と次回は外国ベンチャー投資家としての投資(Investment as Foreign Venture Capital Investor)の解説です。

外資規制編が少し間延びしているので少しおさらいすると、インドにおいて、外資による投資は以下の3種類に分類されます。

1.Automatic Routeを利用した、または事前承認後のForeign Direct Investment(海外直接投資。日本の外為法でいう対内直投取引にあたります。)
2.Foreign Institutional Investment(外国機関投資家による投資)
3.Investment as Foreign Venture Capital Investor(外国ベンチャー投資家としての投資)

これまで1、2を解説してきたのですが、今回からは3についての解説です。

--

さて、インド外国為替管理法(Foreign Exchange Management Act(FEMA))及びその関連規則上、Foreign Venture Capital Investor(FVCI)になりうるのは、①外国で設立された、②インドへのベンチャーキャピタル投資を目的とする、③インド証券取引委員会(Securities Exchange Board of India。SEBI)の登録を受けた会社です。

②について、何が「ベンチャーキャピタル投資」なのかは、FEMAの施行規則の1つであるFVCI Regulationsに定義されており(後述しますが、未上場会社への投資であること等の要件があります。)、これに該当する投資を行うことを目的とする必要があります。

③について、法律上は、FVCIになるためにはSEBIへの登録のほか中央銀行であるインド連邦準備銀行(Reserve Bank of India。RBI)の認可も必要なのですが、SEBIに登録した場合、RBIの認可はSEBIを通じて自動的に取得されるため、窓口はSEBI1つとなります。
FVCIとしてSEBIの登録を受ける場合、SEBIに対してあらかじめ定められたフォームの申請書を手数料とともに提出します。

次回述べるとおり、FVCIとして登録されるといくつのメリットを受けられるため、FVCIの登録プロセスにおいては、当該会社がFVCIとなるのに相応しいかどうかの審査が行われます。

審査要素としては、
・過去の実績と能力
・定款その他の設立書類の内容が、ベンチャーキャピタル投資を許容するような内容となっているか
・当該FVCIになろうとする会社の設立国において、金融当局の適切な監督を受けているか(たとえば、日本において金融商品取引法の施行前に、いわゆる無認可共済がインドに投資しようとした場合、無認可共済は金融庁の監督を受けていなかったので、この要素ではねられる可能性がありました。)
・所得税支払者としての登録を受けているか(インドには income tax payerの登録制度があります。)。受けていない場合、当該会社のメインバンクから証明書が提出されているか。
などがあります。

無事審査を通り、FVCIとして登録された場合、いくつかの規制を受けるとともに、いくつかのメリットを享受することができます。

詳細は次回に解説したいと思います。

--

次回で外国ベンチャー投資家としての投資(FVCI Investment)の解説を終了するとともに、いったん外資規制編を終了し、以前予告していた会社編の解説を始めたいと思います。

| | コメント (0)

10月5日 -良し悪し 10月5日、6日-

インドに来て40日。

生活が落ち着いてきた上、仕事や論文書きでぼちぼちと忙しくなってきたため、そろそろ日常生活について書く欄を、日記更新ベースではなく出来事更新ベースに変えて行きたいと思います。

更新頻度を落とすつもりはありませんが、無理に日記を書くために同じようなことばかり書いても仕方がないと思いますし、何より書いている本人が面白くありません

今朝もインド人のタクシー運転手に料金をふっかけられて、約20分口論した挙句にようやく20ルピー(約60円)取り返した、とか

毎日1回は家の中に丸々と太ったゴキブリが走っているのを見て硬直する(毎日1回以上見るってすごい頻度ですよね…)、とか

中華レストランでフカヒレスープを頼んだらカレー味だった、とか

物乞いに一度お金を渡したら、2、3日同じところで待ち伏せされるようになった、とか

カップ麺にお湯を注いだら、日本からの搬送過程で底に穴が開いていたらしく、お湯が全て底から漏れて火傷した、とか

またお腹が凄い勢いで壊れてきた、とか

小さい事件は数限りないわけですが、これらについていちいち日記形式で詳細を書く必要もないし、書きたくもありません。

さて、(多分)最後の日記形式の日常生活欄ですが、土曜日は二日酔いと筋肉痛で1日寝ていた、日曜日はテニスに行った後、家で論文を書いていた、という以外にはあまり書くこともありません。

そこで、これまでネガティブなところ中心に書いてきた(ネガティブなことが多いのでしょうがないのですが)ムンバイの良いところを書いてみたいと思います。

・治安が良い。
大都市にありがちな治安の悪さはあまりありません。
騙され、ぼったくられるのはしょっちゅうですが、強盗や傷害等の犯罪はほとんどありません。
女性が1人で夜に街を歩いてもまず(犯罪という観点からは)安全だと思います。

・お金をあまり使わない。
普通に生活している限り、あまりお金は使いません。
私の今の1日の生活費は、日によっては500円を切っています。
内訳は、往復のタクシー代がだいたい300円、お昼に60円(事務所の食堂では、18ルピーのチケットを買えばご飯が食べられます)、夜は送ってもらった日本食か、外食しても500円くらいです。
まあ、そういった物価の安さを家賃が全て吹き飛ばしているわけですが。

他に思いつかなかったので、これくらいにしておきます。

ちなみに、私が食べている店があまり良くないからだけかもしれませんが、カレーはあまり美味しくないです。
これなら六本木の某インドカレー店の方が圧倒的に美味しいと思います。

| | コメント (3)

10月5日 -Dancing Through Life-

夕方になると、周りがそわそわし始めました。
今日は事務所のKYCパーティー。
Know Your Colleague なのです。

皆がそわそわしている理由は、このパーティーのルールが、「ペア仮装で参加すること」だから。
コスチュームや小道具に着替えるタイミングを図っているのでしょう。

9月の半ばにこのパーティーのことを聞いたときは、単なる親睦パーティーかと思っていたのですが、Emmaと私に「あなたたちのテーマは何?」と真剣な顔で聞いてくる同僚が多く、かなり重要なパーティーであることが少しずつわかってきました。
最初は仮装は勘弁してもらうつもりだったのですが、仮装はこのパーティーの不可欠の要素らしく、司会者等の特別な役割の人を除いて、仮装なしの出席はありえないようです。

とはいえ、仮装しようにも仮装できる衣装や道具が全くありません。
ここが日本なら、ドンキ○ーテに侍のヅラでも買いに走るところですが。
日本では「あり」のターバンを巻いても、インドでは普通です。

結局、Emmaと話して、ブルージーンズと白シャツのペアルックで、「アメリカン・カントリー・カップル」というテーマで出席することになりました。
格好は全く普通なので、ペアのネーミングだけで勝負です。

簡単な着替えだけなので、現地で着替えることにし、開始が午後7時半からということだったので、少し余裕を見て7時前には事務所を出ました。
会場に着いたのは7時20分ころ。海辺の小ぎれいなレストランでした。
5分で着替えを済ませ、準備万端です。

……ええ、まあ、気にはなってたんですよ。
7時20分に着いたときに、自分達以外誰も着ていないことに
会場間違えたかなー、でも、KYCパーティーって看板出てるなあって。

本当に何度も何度も何度も何度も同じ過ちを繰り返していますが、またしてもインドタイムを完全に忘れていました。
彼らが「午後7時半から」と言ったら、それは早くても8時半からのことだったのに…

Pa050036

ちなみに、会場の様子はこんな感じです。
明らかに、参加者よりもレストランのボーイの方が多いです。
恐ろしいのは、これが7時半のときの写真ではなく、8時半のときの写真であること

Pa050037その後、さらに1時間ほどすると、ようやく人が集まってきました。
9時の時点では、こんな感じです。

ようやくボーイよりも参加者の数の方が多くなってきました。

さて、ペア仮装というだけあって、皆面白い格好をしています。
インド国内の有名キャラクターの仮装など、元ネタがわかりにくいものもありましたが、それでも見ているだけで楽しい。

10時前にはすっかり皆そろい、色とりどりの仮装を見せてくれました。

Pa060048まずは赤ずきん と狼。
うちの事務所の代表パートナー達の仮装です。
赤ずきんのことを、英語でLittle Red-Capというのを初めて知りました。

Pa060044

医者と看護婦ですね。
お医者さんの方は、代表パートナーの息子さんで、やはり弁護士です。
いつもとてもお世話になっています。

Pa060047 天使と悪魔。

手作りの角と羽。
ちょっとした工夫ですが、とても上手い仮装だと思います。

Pa060052ネルー首相とその夫人…だそうです。
両方とも顔を知らないのですが、個人的に好きな仮装です。
額の印がポイントらしいです。

Pa060059Ying & Yang

こういうシンプルなのでも良かったんですね。

白と黒の衣装がいい味を出しています。

ワイングラスも○

Pa060064

これは…元ネタがちょっとよくわかりませんでした。
悪者と警察のような感じです。

左側の模造(たぶん)のライフルの質感がすごい。

ちょっと持たせてもらったのですが、とてもモデルガンとは思えない重さでした。

他にも皆面白い格好をしていて、良い写真がたくさんとれたのですが、個人的に最も気に入った仮装は↓。

Pa060058見た瞬間に、飲んでいたカクテルを吐き出してむせました。
あんたら、はまりすぎです。
左側が、「Dance with Wolves」に出てきた「Kicking Bird」に似ています。

さて、さきほど「カクテル」と書いたのですが、このパーティーではお酒が出ました。
ヒンドゥーの戒律上、少なくともこういったパーティーでお酒は出ないと思っていたので、ちょっと驚きです。

周囲を見ていると、皆平気でぱかぱか飲んでいるので、久々にアルコールを楽しむことに。
が、インド人の酒好きさに、 だんだん「楽しむ」どころではなくなってきます。

Pa060074

写真だとわかりにくいですが、これは、同僚の1人がグラスに注いだウオッカに火をつけ、別の同僚に飲ませているところです。

火がつくくらいですから、アルコール度数は軽く50度を超えていると思います。
交代で、次々に同僚が、餌をねだる雛のように口を開けていきます。

「火がついたまま酒なんて飲めるの?」と思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、これが全く熱くない。ちょっと暖かさを感じるくらいです。

え、なぜわかるのかって?

この後私の順番が回ってきたからに決まってるじゃないですか。

乗りに乗ってきた参加者が、次々に注がれるウオッカの下で口を開けて待っています。
飲んだら交代を繰り返し、気がつけば3回ほど順番が回ってきました。
当然、既にベロンベロンです。
足元がふらついています。

ちなみに、夜11時を過ぎたころから、会場は暗くなり、大音量でダンス音楽(たぶんインドの音楽)がかかっています。
周囲の同僚は、皆踊っています。

Pa060075 基本的にインド人は踊るのが大好きです。
街角で大音量で音楽を流して踊っている光景を何度も目にしました。
映画、「踊るマハラジャ」は伊達ではありません。
写真が暗いのでわかりにくいですが、皆トランス状態で踊っています。

そして、この写真が、この日私が撮った最後の写真になりました。

誘われて踊り始めたのですが、これが楽しい楽しい。
インド人が皆とても楽しそうに踊っているので、こちらまで楽しくなってきます。
お酒が入っているせいか、だんだん恍惚の境地に

踊り、ウオッカを一気飲みし、また踊る。

最後に時計を確認したのは、午前2時でした。
それ以降の記憶が、いい感じで飛んでいます

どうやら同僚の1人が家まで連れて帰ってくれたらしく(後で聞きました。)、気がつくと家のベッドで唸りながら寝ていました。
次の日、2日酔いの頭痛と全身(主に足)の筋肉痛に襲われたのは言うまでもありません。

--

最後ぐだぐだになりましたが、とても楽しいパーティーでした。
インドに来てから、初めてテニス以外で気晴らしらしい気晴らしができ、すっかり気分が軽くなりました。
それにしても、あんなに踊ったのは人生初めてです…

| | コメント (0)

今一番尊敬する人

プロ根性が素晴らしい。

http://www.nagoyatv.com/ganges/index.html

なお、私の周囲にはバナーラシに行った日本人が何人かいますが、

「思っていたほど無茶苦茶に汚いわけではない(死体や排泄物がそのまま浮いているというわけではない)ものの、とてもではないが入れるようなところではない」

というのが共通した感想でした。

| | コメント (1)

10月4日 -日々是印度 10月1日から4日まで-

論文を書いたり留学準備をしたりまたお腹を壊したりしている間にすっかり更新が遅れてしまいました。

インドに来て1か月、ようやく生活も落ち着いてきて、平日に大きな事件が起こることも少なくなってきました。

朝起きて事務所に行き、午前中仕事や調査をし、昼は事務所の食堂でカレー味の何かを食べ、午後からまた仕事に戻る。午後7時から8時ころ家に帰り、ご飯を食べてしばらくくつろいでから、眠る。
日本にいたときと比べても、遥かに規則正しい生活です。

それでも、勿論小さな事件や気づきはあるわけで。
ということで、今回は、月曜日から木曜日までの4日間に起こった小事件や気付きを思いつくままに列挙したいと思います。

・テニスラケットが見つかった
ようやく引越しと荷物到着によるバタバタが落ち着いたので、家の中の設備を再確認していたら、住人である私自身が存在を知らなかった収納の中から出てきました。

おそらく、メイドが気を利かせてしまってくれたのだと思います。他にも「持ってきたはずなのに無くなっている(でもあんまり深く考えていなかった)」品物が、同じ収納の中から出てきました。

ラケットが見つかったのはとっても嬉しいのですが、すっかり失くしてしまったと思い込んでいたため、既に新しいラケットを購入済みです。
こういった類のことが起こりかねない、というのがメイドを雇うかどうかで悩んだ理由だったのですが、まさにツボに入ってしまいました。

・暑さ対策
クーラーの効きがどうにも悪いため、最近は専ら天井備え付けのファンに頼っています。
これが意外に涼しく、かなり助かっています。
とはいえ、ファンを回してもどうにもこうにも暑く、温い空気をかき混ぜているだけになっているときもあります。

先日、あまりにも暑かったので、ふと思いついて室内に打ち水をしてみました(床は石なので、水を打っても染みたりするということはありません。)。

そんな無茶な、と思われるかもしれませんが、ファンによる気化作用でこれが意外に冷える。
打ち水をしたときとしないときとでは、体感で2、3度違います。
それ以降、暑いときには室内打ち水です。
日本生活知恵万歳。

もちろん、日本では絶対に真似をしないでください。

・水切れ
水曜日の夜には気がついていたのですが、ついうっかりして木曜日に水を買い忘れてしまいました。
気がついたのは、夜の10時。

飲料水はもちろん、日本から届いたカップ麺を作ったり、歯を磨いたりするのにミネラルウォーターは欠かせません。
冷蔵庫はもちろん、台所を隅から隅まで見てみましたが、やはり水はありません。
ここが日本なら、すぐにコンビニに行って水を買ってくるところですが、インドではこの時間に開いている店はありません。

激しく悩んだのですが、結局渇きと空腹に耐えられず、おそるおそる水道から水を出し、ポットに汲みました。
「有害物質は、10分間沸騰させれば全てなくなる」との聞きかじりの知識をもとに、念のため15分ほど沸騰させます。
(ちなみに、電圧が高いためか、インドのポットはすぐに沸騰します。どれくらいすぐかというと、カップ麺を作る前にスイッチを入れると、蓋を開けてかやくの袋を開けたりスープの粉を入れたりしている間にお湯が沸くという感じです。)

お湯が最初に入れた量の半分くらいになったところで、スイッチを止めます。
とりあえず匂いをかいでみましたが、よくわかりません

思い切ってカップ麺に注ぎ、残ったお湯を冷蔵庫に入れます。

…100%気のせいだとは思いますが、いつもよりカップ麺がまずい気がします。
残ったお湯は、しばらくして冷めたところで、一気に喉に流し込みました。

教訓その1:水だけは絶対に切らしてはならない

この日から3日後にお腹の調子が悪くなるのですが、たぶん原因は別でしょう

・パソコン
ある朝、通勤のタクシーから降りたところ、いつも事務所に持って行っているノートパソコンのバッグがないことに気がつきました。

咄嗟にタクシーの方を見ますが、既に次の客を探して道なりに走っており、距離にして50メートルほど離れています。
顔面蒼白になってダッシュで追いかけました。
インドで物をなくしたら、ほぼ絶対に戻ってきません。忘れ物保管のような甘いサービスはこの国には存在しません。

パソコン本体はともかく、中のデータは文字通り取り返しがつきません。
あんなに真剣かつ全力で走ったのは中学生以来だったのですが、力及ばず間に合いませんでした。

必死になって記憶をたどったところ、タクシーから降りた時点で座席にはバッグはなかったような気もします。
「もしかしたら、家を出るときから持っていなかったのかも」との一縷の希望を持って、家に引き返しました。

引き返すタクシーの30分間の長かったこと。
これまでで一番、この街の交通渋滞にイライラしていました。
全力で300メートルは走ったので、スーツの中が汗まみれで気持ち悪いです。

家の中でパソコンを発見したときの安堵感は、言葉に尽くせないものでした。
同時に、外国にいるのにパソコンを含む所有物に対する意識が低かった(家から持って出たかどうかも覚えていない)自分自身に激しい怒りが。

教訓その2:所有物(特にパソコン)には常に全力の注意を払うべし。

・快適睡眠
寝室のファンの回転速度を一番遅くして寝ると、「ハワイでそよ風に吹かれながら眠っている」感覚と類似の感覚が得られることに気づきました(今年の正月に行ったハワイで、デッキの日陰で居眠りしていたときの感覚とそっくりなのです。)。

自分の感覚がなんだかものすごく悔しいのですが、とりあえず錯覚でも何でも最近は気持ちよく眠れています。

| | コメント (0)

9月30日 -テニス/食事考-

今日は日曜日。
土日恒例の日本人テニスの日です。

前々回参加したときに(ちなみに、前回は体調不良により欠席)、あまりにもバテてしまい、終了後しばらく動けなくなってしまった記憶が蘇ります。
思えば、原因不明の頭痛が始まったのは、あの日のテニス終了後からでした。

今はほぼ完調に近いので、結局深刻な病気ではなかったということでしょう。
医者の友人と話したところ、まともな食事ができていなかった上に長期間の激しい下痢に伴って体液が失われた結果、体内のミネラルや電解質が不足していたことに加え、運動による大量の発汗でさらに電解質を失い、一種の脱水症状となったこと等が複合して、あのような症状が出たのではないかということのようです。

……「水飲んでりゃ治る」というインドの医者の意見は正しかったことになりますね。
結果オーライ

というわけで、テニスには多少のトラウマがあるのですが、もうほぼ体は本調子なので、悪夢を振り払って参加することに。

1時間経ちました。
快調です。
前のときとは比べ物にならないくらい体が軽い。
暑さもそれほど気になりません。
最後までこの勢いは衰えず、2時間たっぷり爽やかな汗をかきました。

前々回は、後半1時間はずっと、「なんで皆こんなに暑いのに元気なんだろう」とか「もう動きたくない」と思っていました。
やっぱりというか、前々回は、参加できる体調ではないのに参加していたようです。

それまでがものすごく悪かったのが、多少ましになったので勘違いしていたということでしょう。
それにしても、「スポーツできる状態かどうか」という自己判断を誤るというのは相当です。相次ぐ苦しみにより、何かが失われていたとしか思えません。

家に帰る途中で店で水と食料を注文します。
ムンバイのお店は、水1本からでもデリバリーしてくれるのでとても便利。
帰宅後、20分くらいで注文したものが運ばれてきました。

--

インドに来てから一昨日で1か月経ったわけですが、日本食が届いた後からは、精神的にも肉体的にもかなり余裕が出てきました。
相変わらず昼は事務所の食堂でカレーばかり食べていますが、夜が日本食だとそれほど苦になりません。

結局、昼、夜、昼、夜……とひたすらカレーが続いたのが、徐々に追い詰められていった原因であるようです(朝はホテルにいたときはイングリッシュ・ブレックファスト、家に移ってからはパンを食べたりしていました)。
日本食が届いてからは、どっちか片一方(特に昼)だけであれば、毎日カレーでもそんなに苦しくないことがわかりました。
日本に帰った後、この生活の知恵が生きることはないでしょうが。

それにしても、食事面でのストレスというのはすごいですね。
今思い返しても、全ての体調不良は、根本的には「食べたいものが食べられない」というところから来ていたような気がします。
日本にいると、普通に生きている限り、「食べたいものが食べられない」ということは通常ないので、ある意味で貴重な経験でした。

二度と体験したくはないですけど。

| | コメント (1)

9月29日 -土曜出勤/新人研修②-

土曜日ですが、今日は出勤日です。

一応事務所のルールとしては、第1土曜日と第5土曜日(もしあれば)が出勤日となるとのことですが、これがものすごく柔軟に運用されているルールで、出勤日の入れ替えはしょっちゅうです。
基本的に、どこかに祝日が入った週の土曜日が出勤日となるよう調整されているとのことですが、そこまでして土曜日を出勤日にしなくても…と思うのは週休2日に慣れきったかつての働き蜂日本人の堕落でしょうか

思えば、私が中学生のころまでは、日本も週休1日制でした。
土曜日は「お昼までの日」であって、決して休みではなかったあの頃。
「土曜日に学校に行かなければならないこと」を苦痛に思ったことなどありませんでした。上手く表現できないのですが、どの国にも、「国全体としてがむしゃらに働く時期」というのがあり、インドはまさに今これからそういう時期に入るのでしょう。

さて、午前中は、新人研修の続きで、Contract Drafting のレクチャーに出ていました。
英語の契約書の必須条項や言い回しを解説する講義で、なかなか興味深かったのですが、例によって長い(このときは約4時間)。

ちなみに、この手のレクチャーは常にパワーポイントで行われるのですが、だいたいどのレクチャーでもページ数が60枚から70枚を越えている(多ければ80枚以上)というあたり、インド人の「長いことは良いこと。盛り沢山なのは良いこと」というテーゼに対する強い執念を感じます(いやまあ、悪くはないんですけどね…)。

さて、午後からのレクチャーは、Due Diligence Practice。
さすがにこれは欠席することにしました。
Due DiligenceのPracticeはもう十分命を削ってやらせてもらいました。
ちなみに、Emmaも当然のように欠席していました。

席に戻って仕事をしていると、なにやら歓声が。
オフィスの隅にあるテレビを見ると、クリケットの試合が中継されています。
インド人は、皆クリケットが大好きです。
普段は冷静なAmarchandの弁護士でさえ、クリケットの試合が始まると、そわそわしながらテレビを何回も覗き見ます。
インドではクリケットが頭5つ分くらい抜けた人気スポーツらしいです(というか、他にはメジャースポーツはありません。)。

そういえば、5日ほど前にもクリケットの試合が放送されており、そのときは何かの大会の決勝であったとか、相手がパキスタンであったとかで、街中が激しく盛り上がっていました。電気屋のテレビの前にインド人が大量に集まって歓声と怒声を上げているのを見て、テレビで見た日本の昭和30年代の光景を思い出しました。

しばらくテレビを見ていましたが、何が起こっているのかさっぱりわかりません。
日本にいたときもテレビでクリケットの試合を目にする機会はあったのですが、とにかくルールがわからない。
何がどうなったら勝ちなのかが全く見えません。
隣の弁護士が親切に一生懸命ルールを説明してくれたのですが、説明を聞いてもやっぱりわかりませんでした

P9220018帰り道、所用があってちょっと大きめのショッピングモールに寄ったのですが、その屋上階に、なんとバッティングセンターらしきものがありました。

が、なにやら様子が違う。

P9220020打者が持っているのは、皆様の予想どおりクリケット板です。

なんだかものすごく感心して、しばらく打つ様子を見ていました。
所変われば、ですねえ。

| | コメント (0)

インド外資規制解説その10 -外国機関投資家(Foreign Institutional Investor(FII))による投資規制③-

前回の記載に一部誤りがあったので訂正しました。訂正点は以下の通りです。

・「FIIによる100%債券投資がFIIの投資全体の9割近くを占めている」というのは私の誤解(というか英語の読み違え)でしたので、削除しました。大変失礼しました。
(実際にFIIによる投資のどの程度の割合が、70:30投資なのか100%債券投資なのかは、手元に資料が無いため、不明です。)

--

さて、FII投資規制の最終回です。

前回、

・FII(及びそのサブアカウント)は、原則としてその投資金額の総額の30%を超えて債券に投資することができない(以下、便宜上、「70:30投資」といいます。)
・ただし、例外的に、SEBIに登録すれば、その投資の100%を債券に振り向けられる(以下、便宜上、「100%債券投資」といいます。)

と書いたわけですが、実は、FIIによる債券投資については、投資対象に対する規制のほか、総額規制がかかっています

少し古い資料になりますが、2005年3月現在、全てのFIIによる債券投資の総額の上限は17億5000万ドルとされています。
(なお、総額上限はSEBIが市場状況をみながらタイムリーに変えることができるとされているため、2007年10月現在の上限は、上記と異なっている可能性があります。)

さらに、この17億5000万ドルの上限には、それぞれ内訳としてサブの上限があります。
すなわち、70:30投資において債券投資する場合の、全てのFIIによる投資額の上限は2億ドルであり、100%債券投資する場合の、全てのFIIによる投資額の上限は15億5000万ドルとなります。
また、corporate debt(社債)に対する投資には、さらに別途上限額が設けられており、5億ドルがその上限となります。

つまり、FIIが債券投資する場合、
①70:30投資においては、全てのFIIの投資額を併せて2億ドルを超えてはならず、
②100%債券投資においては、全てのFIIの投資額を併せて15億5000万ドルを超えてはならず、
③かつ、①と②における全てのFIIの社債に対する投資合計額が5億ドルを超えてはならない。
ということです。

なお、債券については上記上限、株式については前回までに述べた上限の限りにおいて、FIIは以下の各方法で株式または社債を購入することが認められています。

・公募増資(社債発行)への応募(ただし、株式については、その発行価額は、居住者に対する発行価額を超えてはならないとされています。)

・私募の引き受け(ただし、引き受け価額は所定のガイドラインに従った価格である必要があります。)

こうやって見てくると、FIIと言えども結構がんじがらめですね。
債券投資総額の上限を定めている趣旨は、よくわかりません。
推測するに、外国機関投資家がインド企業の大債権者となって、債権者によるコントロールを及ぼすことを防ぐ趣旨なのかもしれません。ただ、個別の企業に対する上限ではなく、FII全体の投資額の上限を定めていることからすると、もう少し別の意味があるのかもしれません。

--

次回からは、Investment as Foreign Venture Capital Investor(外国ベンチャー投資家としての投資)の解説です。

| | コメント (0)

9月28日 -新人研修①-

体調はかなり良くなってきました。
鎮痛剤の服用回数も確実に減っています。

さて、この日は午前中と午後の新人研修に参加しました。
New Joineeは強制参加とのことだったのですが、Emmaと私は出向者扱いなので「新人」というわけではありません。とはいえ、インド法に関しては新人と一緒なので、Amarchandからの勧めもあり、参加することにしました。

新人研修は今日と明日の2日間(明日は土曜日ですが、出勤日です。)。
場所はオフィスではなく、オフィスの横の建物のホールです。

ちなみに、あらかじめ知らされた研修のスケジュールは以下のようなものでした。

午前:Takeover Regulations 10:30 - 13:30 (with 10 minutes break time)
午後:Indian Arbitration Law  14:30 - 17:30 (with 10 minutes break time)

なぜわざわざスケジュールを書いたかって?

やだなあ、わかってるくせに。

午前10時半に会場に行ったところ、2、3人しか人がおらず、結局セッションが始まったのは11時過ぎでした。
しかも、なぜか午前中にArbitrationのレクチャーがなされています。

で、このレクチャーが終わったのが12時過ぎ。
最初はbreakかと思っていたのですが、なぜか周りがオフィスに戻り始めます。
隣の人に聞いてみると、「このレクチャーはこれで終わりだよ」とのこと。
そういえば、確かに「これで終わり」的なことを言っていましたが、まさか1時間で終わるとは。
しかも、午後は2時からTakeover Regulationsのレクチャーが始まるとのことです。

いったい 何のためのスケジュールなんだろう。

ちなみに、午後からのレクチャーは、7時まで続きました。
5時間の間、休憩は1回。
内容は興味深かったのですが、長すぎます

インドでのセッションはとにかく長く、2時間半以上ぶっ続けというのはざらです。
人間の集中力がそんなに長く持つはずがないことは人間工学が証明するところなので、皆聞き流しているか、聞いているけど頭に入っていないかのどっちかとしか思えません(この点はEmmaも全く同意していました。)。

それにしてもショックだったのが、インドでは上流階級であるはずのAmarchandの人達までが、時間にはとてもルーズだったこと。
ホールを借り切ったセッションで、開始時間が「皆がまだ来ていない」という理由だけで30分以上送れるのを見て、激しく衝撃を受けました。
レクチャーの順番といい、午後からのレクチャーの時間といい、結局、何一つスケジュールどおりには進んでいません。

これは9月頭のAmarchandの新人セッションの際にも感じ、その後のインド生活でも強く思ったことですが、どうもインド人は予め立てたスケジュールに従って行動するということがものすごく苦手なようです。
単純に、いい加減で時間にルーズというのとは少し違う根深さを感じます。
予定に従って行動することが民族的に不得手というか。

だったら最初からスケジュールを作って配布するなんてしなきゃいいのに。

帰り道、小さな赤ちゃんを抱えた10歳くらいの女の子の目に負けて、タクシーの窓から差し出される花を100ルピーで買ってしまいました。
(ちなみに、インドにおいて一般的に「花売り」の売る花には、象徴的対価としての意味合いしかなく、実質的には物乞いと同じです。花を買った後、「マッチ売りの少女」の話をふと思い出しました。)

P9190001持って帰っても飾るところがなく、さりとて捨ててしまうのも勿体ないので、とりあえず写真を撮ってみました。
何かの本で読んだ言葉、「写真は永遠を切り取る」。
結局、花瓶もない家で花はすぐに枯れてしまいましたが、この写真はしばらくは私のPCやこのブログに残ることでしょう。

彼女は決して私に憐れみを乞うたのではなく、私に「形に残る価値のあるもの」を売り、その正当な対価を受け取ったのです。

それが私の自己満足でしかないとしても。

| | コメント (0)

9月27日 -インド暮らし-

今日は大きな事件はなかったので(細かい事件は毎日数え切れませんが)、ムンバイの住宅状況など書いてみたいと思います。

とはいえ、家探しも終えた今、他の家がどうなっているのかはあまりよくわかりません。
ということで、今、私が住んでいる家の状況を書いてみたいと思います。

まずはエレベーター。
家探しの際にたくさん見たタイプのエレベーターなので、インドの住宅の平均的なエレベーターだと思います。

Pa010028 扉が2つ並んでいるだけですが、これがエレベーターです。
ボタンの上に、階数表示があります。

ボタンを押して、エレベーターを呼びます。

Pa010029

おもむろに手で表扉を開けると、そこには車庫の門のような内扉が。この内扉は、横に押して開けます。
内扉を開けて中に入り、行き先のボタンを押します。
内扉が閉まってしばらくすると、エレベーターは動き始めます。

Pa010030表扉は各階の入り口に付属しているので、中から見ると内扉の外を壁が動いていく様子が見えます(正確には、エレベーターの方が動いているのですが。)。内扉は隙間だらけですので、うっかり壁の方に手を伸ばすと、指がもげてしまいそうです。

出るときも、勿論手動です。

さて、無事エレベーターの関門を越えると部屋の入り口です。
さすがにここは普通です。

Pa020032入り口すぐの左側は、台所になっています。
冷蔵庫、洗濯機が並んでいます。

奥には、命の綱の日本食が並んでいます。

向かい側にはコンロもありますが、点火装置がなく、マッチかライターがないと火がつけられないということもあり、一度も使ったことはありません。
台所のすぐ向かいに はカウンターがあります。

P9220025

さて、こちらがメインの部屋。
といっても2Kなので、この部屋と後は寝室しかありません。
中央の椅子は、洗濯物を干すのに使っていました。
部屋の中心の天井にはファンがあり、回すと多少暑さがやわらぎます。
窓からはアラビア海が見えます。このフラットの数少ないメリットです。

なお、散らかっているように見えますが、これは収納がないためです。
モノを引き出しや収納ボックスに入れられず、床やソファーの上に置きっぱなしにすると、こんな感じにならざるをえないのです。
決して私が無精なためではありません、ええ。

P9220026寝室です。
備え付けのベッドが大きいのは良いのですが、とにかく硬い。
体育館の床の上に布団を敷いて寝ている気分です。
奥に見える機械のようなものは、ものすごい頻度で故障する、ものすごく効きの悪いエアコンです。

寝室の奥に、洗面室兼トイレ兼シャワー室があります。
お湯の出が悪いことが欠点ですが、それ以外は通常のユニットバスと同じで、それほど不満はありません。

--

全体として、ムンバイの中では設備はまともな方の物件だと思います。
家賃(月8万5000ルピー。約25万5000円)のことを考えるのは、精神衛生上良くないですが。
一泊8000円って… orz

| | コメント (4)

インド外資規制解説その9 -外国機関投資家(Foreign Institutional Investor(FII))による投資規制②-

前回は、外国機関投資家(Foreign Institutional Investor(FII))の概要と登録方法、享受できるメリット等についての解説でした。
今回は、FIIが投資を行うにあたっての規制の解説です。

FIIは株式市場で売買ができるなど、一定の権限を認められているわけですが、FIIといえども、全く自由に有価証券の売買が認められるわけではなく、その投資の内容には規制がかかります。

例えば、個々のFIIはインド企業の株式を、10%を越えて保有することはできません

同様に、個々のFIIのサブアカウント(FIIが設立したSPC等を含む。)は、インド企業の株式を、原則として5%を越えて保有することはできません。当該FIIがbroad based fundか proprietary fundである場合(適当な訳語が思いつかないので、原語を記載しました。)には、例外としてそのサブアカウントは5%を超えて株式を保有することが可能ですが、この場合でも上限は10%となります。

さらに、全てのFII(及びそのサブアカウント)を合計して、1つのインド企業の株式を、24%を超えて保有することは、原則として認められません
つまり、あるFIIがインド企業であるA会社の株式を取得しようとしたところ、既に別の2つのFII(及びそのサブアカウント)がA会社の株式をそれぞれ9%、8%ずつ保有していた場合、そのFIIは最大でも7%しかA会社の株式を取得できないことになります。

ただし、株式発行体であるインド企業側が、取締役会決議及び株主総会特別決議により、FIIによる24%以上の出資も受け入れる旨決議した場合、Foreign Exchange Management Act (外国為替管理法。FEMA)上、業種により定められているForeign Direct Investment(外国対内直接投資)のFII投資割合上限を限度として、FIIによる持分保有が認められます。

以前も引用しましたが、Foreign Direct Investment(外国対内直接投資)の持分規制については、下記JETROのサイトが参考になります。
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/in/invest_02/

上記サイトを参考に、たとえば、銀行であれば、原則24%がFII投資の上限ですが、取締役会決議及び株主総会特別決議を経れば、上限を49%にまでアップすることができます。
この「取締役会決議及び株主総会特別決議によりFII投資割合をアップできる上限」は、各業種ごとに決まっており、銀行業であれば上述のとおり49%ですが、業種によっては上限が100%ということもあります。

ちなみに、なぜFII投資の上限の原則が24%なのかというと、インドの会社法上、株主総会特別決議は株主の4分の3以上の賛成を必要とするためです。
要は、「外国機関投資家が特別決議に対して拒否権を持つことを防止する」というのが、24%規制の趣旨であると思われます。

以上は、個々の投資対象に対する上限規制ですが、それとは別にFIIには投資対象全体についての規制も課されています。

すなわち、FII(及びそのサブアカウント)は、その投資金額の30%を超えて債券に投資することができません。つまり、株式に70%、債券に30%というのが、最大限債券に投資した場合の投資配分ということです。
(このあたり、日本の資料によっては、「株式:公債=70%:30%で投資しなければならない」と記載しているものがありますが、これは誤りだと思います。あくまで、「債券への投資上限が投資金額の30%」というのが規制の内容であり(従って、社債等の私債も含まれます。)、投資金額の100%を株式投資することは禁止されていません。実際、いくつか証券会社が販売しているインドファンドの目論見書を見てみましたが、100%株式投資型のものがありました。)。

ただし、インド証券取引委員会(Securities Exchange Board of India。SEBI)に特別な登録を行った場合、投資金額の100%を債券に投資することができるとされています。

--

ちょっと長くなったので、今回はここまでにしたいと思います。

次回にFII投資に関してもう少しだけ解説し、次々回以降はInvestment as Foreign Venture Capital Investor(外国ベンチャー投資家としての投資)について解説していきたいと思います。

| | コメント (0)

« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »