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インド会社法解説その3 -会社名の承認申請-

(2008年6月、オンラインでの会社設立申請手続に対応するよう、大幅に記載を修正)

取締役識別番号(インド会社法解説その28参照)取得後、会社自体の設立登記申請に先立って、会社登記局に対して商号承認申請を行う必要があります。
この商号承認申請は、会社登記局(Registrar of Companies)に対して、インド企業省(Ministry of Corporate Affairs)のウェブサイト
http://www.mca.gov.in/index.html
を通じたオンライン申請により行われます。

日本でも、会社法の施行前は、類似商号の会社については法務局に登記が拒絶される可能性があったため(正確に言えば、会社法下でも同一住所の場合には問題となります。)、実際上は事前チェックの必要がありましたが、インドでは商号の承認申請が会社法上の正式な手続となっている点に特色があります。

登記しようとする商号名が、国内、国外を問わず、既存の会社に類似している場合には、当該会社から商号の使用につき異議がない旨のレター(No Objection Letter)を取得しておき、提出する必要があります。
この規制は、設立しようとする会社の親会社となる会社に対しても適用されるため、親会社の商号と似た名称を新会社の商号とする場合には、あらかじめ親会社から類似商号使用についてのNo Objection Letterを取得しておく必要があることに注意が必要となります。

商号承認申請は、設立しようとする会社の所在地を管轄する会社登記局に対し、インド企業省のウェブサイトを通じて、オンラインでForm 1-A(商号承認の申請書)と呼ばれる書類を提出することにより行われます。

Form 1-Aには、設立しようとする会社について、以下の各事項を記載する必要があります(申請の種類では、「incorporating a new company」を選択します)。
①申請者および発起人(Promoter。会社設立後に株主となる者)の氏名、職業および住所
②商号を登録する州名および当該州の会社登記局の名称
③公開会社、非公開会社の別
④商号を希望する順に3つ記載。(※希望商号が1つの場合、1つ記載すれば足ります)
⑤事業目的
⑥商号と会社の主たる事業目的が一致していることの確認
⑦政府系機関か否かの確認
⑧取締役の詳細(DIN、氏名、父親の氏名、現住所、本籍地、国籍、職業)。公開会社の場合、最低取締役2人分について記載が必要となります
⑨授権資本額

また、このほか、添付書類として、以下の書類が必要となります。
①設立を法律事務所、コンサルティング事務所、会計事務所等に依頼した場合、当該事務所に対する委任状
②申請手数料の支払領収書(Challan)。なお、この支払領収書記載の番号(SRN)は、後の会社設立登記申請の際に必要となります。
③商号名が、国内、国外を問わず、既存の会社に類似している場合には、当該会社からの商号の使用につき異議がない旨のレター(No Objection Letter)

これらの書類は、オンラインで提出する必要があります(①および③についてはPDFファイルにして添付し、②についてはSRNで支払い確認が行われます。)。

なお、上記のうち、③については商号承認申請しようとする者の本国の公証人役場またはインド大使館での認証が必要となります。

書類に不備がなければ、通常申請から1、2週間程度で、会社登記局から希望する商号を承認するかどうかについての通知が、メールおよび書面で行われます。

希望する商号が承認されるかどうかは、同分野での類似商号の有無のほか、親会社がある場合には親子関係が反映されるような名称か、会社の事業内容を的確に反映する名称かなどが総合的に考慮された上で決定されます。

もっとも、実際にどの程度の内容の名称であれば承認が受けられるかは、相当程度各地域の会社登記局の傾向や担当官の裁量によって左右されるため、明確な基準はありません。そのため、希望する商号が通らない可能性もあります。

無事会社の商号が承認されたら、次は設立手続に入ります。

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次回は会社設立の申請手続の解説です。

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