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インド外資規制解説 -質疑応答-

インド外資規制解説でとりあげた、参加証券(Participatory Notes)の問題について、いくつかご質問をいただきましたので、以下にて回答させていただきます。

1. 外国機関投資家(FII)とサブアカウントの関係がよく分からないのですが、サブアカウントになるための条件等は何かあるのでしょうか。また、サブアカウントになるメリットのようなものはあるのでしょうか。

FIIのサブアカウントとは、「FIIのサブアカウントとしてインド証券取引委員会(SEBI)の登録を受けた外国投資家」をいいます。
FIIは、サブアカウントを代理して、サブアカウントの名義で投資を行います。

FIIとサブアカウントは、必ずしも親子会社等の関係にあるものには限られず、まったくの第三者がFIIのサブアカウントとなることも可能です。
FIIとサブアカウントの間では投資代理契約が締結され、FIIがサブアカウントから手数料を得て、サブアカウントの投資方針に従って投資を行います。
サブアカウントの多くは、ケイマンやバミューダ等のタックスヘイブンに設立されたファンドのビーイクルです。

「FIIの下にぶらさがっている」という点では、サブアカウントもParticipatory Notesを購入している外国投資家も変わりはありませんが、両者の間には、
①サブアカウントはSEBIの登録を受けなければならない、
②FIIがサブアカウントを代理する取引は、サブアカウントの名義で行われる、
③サブアカウントになるためには一定の資格要件がある、
という点で相違があります。

①について、「FIIのサブアカウント」としての扱いを受けるためにはSEBIに登録する必要があるということです。したがって、サブアカウントによる投資は、Participatory Notesを通じた投資と異なり、市場の透明性を損なうことがありません。

②について、サブアカウントのための取引については、FIIはあくまで代理人という扱いであるため、取引自体はサブアカウントの名義で行われます。

③について、サブアカウントになるためには、外国に設立されたファンドであること等の一定の資格要件があります。ただし、この資格要件はFIIに比べて緩く、FIIになれない者であってもサブアカウントにはなることができる場合があります。

FIIとサブアカウントでは、FIIの方が投資上限額が多い等の利点がある一方、FIIとしての登録手続とサブアカウントとしての登録手続負担にはほとんど差異がありません。
したがって、現在サブアカウントとしての登録を受けている者は、基本的にFIIの要件を満たさないからやむをえずサブアカウントになっている、と理解していただいても概ね問題ありません。

2. Participatory Notesの発行数が非常に伸びているとのことですが、Participatory Notesは具体的にはどんなところに流通しているのでしょうか。何か商品になって、日本の市場に入ってきたりしているのでしょうか。

Participatory Notesを誰が引き受けているかははっきりとはわかりませんが(まさにその不透明性こそが問題となるわけですが)、一般的にはいわゆる機関投資家が引き受けていると考えられています。

Participatory Notesは、株式や株価指数その他の有価証券の価格変動に運用成果が連動する上、(今回実質的な禁止にいたったように)その適法性が必ずしも明確でなく、個人に販売するにはリスクが高すぎて法令上許容されない可能性が高いと思います(少なくとも日本では難しいように思います。)。

また、Participatory Notesは基本的に私募形式で発行されていますが、適格機関投資家向けの私募(いわゆるプロ私募)以外の私募に対する規制の問題(日本国内に限らず、他の国でも同種の問題が生じうる)もあり、Participatory Notesが個人に保有されているとは考えにくいといえます(ただし、ものすごい大金持ちが個人で投資しているということはあるかもしれません)。

上記の理由から、日本にParticipatory Notesが直接商品となって入ってきているということはないと思いますが、日本において販売されているインド証券関係の投資信託のアセットマネジメントがParticipatory Notes経由で行われているということはあると思います。
例えば、私が参考にした、以下のリリース(フィデリティ・ダイレクトのウェブサイトより引用)でも、2ページ目の「今後の見通し」の部分において、現時点ではアセットマネージャーがParticipatory Notes経由で投資していることが示唆されています。
http://www.fidelity.co.jp/fbsj/news/news_content/report_20071019_2.pdf

なお、上記はあくまで私の個人的な考えであり、何らかの確実なソースに基づいているわけではありませんので、あらかじめご了承ください。
「Participatory Notesを誰が引き受けているかが見えない」というのが、そもそもの今回の規制の出発点であることからすれば、2の質問に正確に答えることは非常に難しく、ある程度私の推測が入ってしまうことはやむをえないこととしてご了解いただければと思います。

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以上です。

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