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2008年1月

インド外資規制解説その16 -外資規制緩和-

2008年1月30日、インド政府は、外資規制の緩和について発表しました。

民間航空事業、石油・天然ガス事業、商品取引所事業、信用情報提供事業、チタニウム発掘事業について、外国直接投資の要件を緩和するとのことです。
また、同時に、いくつかの規制内容について、cralificationを発表しています。

更なる詳細や緩和の施行時期等は、追ってプレスノートにより発表されると思われます。

以下、発表についての報道内容を原文で記載します。ご参考まで。

なお、実際に下記情報に基づいて何らかのアクションを起こされる場合、必ずインド政府による公式のプレスリリースの内容をご確認ください。
情報には正確を期しておりますが、以下の内容に全面的に依拠したことにより問題が生じたとしても責任は負いかねますので、必ずご自身でソースをお確かめください。

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The Union Cabinet today reviewed and approved the FDI policy for further liberalization as follows:

I           Civil Aviation:

(i)  To continue with the existing FDI cap at 49% on the automatic route and 100% for NRI, subject to no direct or indirect participation by foreign airlines and reclassifying it as Domestic Scheduled Passenger Airline Sector.

(ii)  To allow FDI up to 74% on the automatic route for Non Scheduled airlines; Chartered airlines; and Cargo airlines with no direct or indirect participation by foreign airlines in non-scheduled airlines and chartered airlines.  NRI investment would be allowed up to 100% on the automatic route

(iii)  To allow FDI up to 74% on the automatic route for Ground Handling Services subject to sectoral regulations and security clearance.  NRI investment would be allowed up to 100% on the automatic route.

(iv)  To allow FDI up to 100% on the automatic route for Maintenance and repair organizations; flying training institutes; technical training institutions; and helicopter services / seaplane services in the aviation sector requiring DGCA approval.

II           Petroleum & Natural Gas:

(i)  To delete the condition of compulsory divestment of up to 26% equity in favour of Indian partner (s) / public within 5 years for actual trading and marketing of petroleum products.

(ii)  To increase the equity cap from 26% to 49% with prior approval of FIPB in petroleum refining by PSUs.  However, it does not envisage or contemplate disinvestment or dilution in the existing PSUs.

III          Commodity Exchanges:

(a)  To allow FDI upto 26% and FII upto 23% in Commodity Exchanges and subject to no single investor holding more than 5%.

IV         Credit Information companies:

(i) To allow foreign investment up to 49% with prior government approval in Credit Information Companies subject to following conditions:

(a) FDI up to 49% will be allowed with specific approval of the Government and regulatory clearance from RBI

(b) FII investment will be permitted up to 24% only in the CICs listed at the Stock Exchanges, within the overall limit of 49% for foreign investment.

(ii)  To delete ‘Credit Reference Agencies’ from the list of Non Banking Finance Companies (NBFC) activities permitted for FDI up to 100% on the automatic route.

V         FDI in Mining of Titanium bearing minerals and ores and its value addition:

(i)  To allow FDI up to 100% with prior Government approval in Mining and mineral separation of titanium bearing minerals and ores, its value addition and integrated activities subject to the sectoral regulations (including Mines and Minerals (Development & Regulartions) Act 1957) and the following conditions for mineral separation:

(a)  FDI up to 100% shall be allowed for mineral separation only if value addition facilities are set up within India alongwith transfer of technology;

(b)  Disposal of tailings during the mineral separation shall be carried out in accordance with regulations framed by the Atomic Energy Regulatory Board such as Atomic Energy (Radiation Protection ) Rules, 2004 and the Atomic Energy (Safe Disposal of Radioactive Wastes) Rules, 1987.

VI         Industrial Parks :

            Clarifications will be issued that provisions of Press Note 2(2005) would not apply to Industrial Parks.

VII        Applicability of conditions for FDI in construction development projects as    per Press Note 2(2005) for registered FIIs:

            To issue a clarification to the effect that investments by registered FIIs under the Portfolio Investment Scheme, would be distinct from FDI and as such would be outside the purview of conditionalities specified in Press Note 2(2005).

            The approval would help in higher FDI inflows through liberalization of the FDI policy and reduction of levels of approvals, which are no longer worthwhile.

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1月近況

・仲間
1週間ほど前から、事務所にドイツからの研修生が来ています。
名前はNikolas。ドイツ人らしくとても真面目な青年です。

数百人いるインド人スタッフの中、外国人がEmmaと自分だけ(しかも、Emmaは2月末で勤務終了)というのは、それなりに心細い状況だったので、新しく外国人スタッフが入ってくれて嬉しいです。

・ヤキソバ
先日、日本人駐在員の方と、日本食レストランWasabiで食事したときのこと。
メニューに Yakisoba があったので、つい注文してしまいました。
ソース、豚肉、キャベツ、紅しょうが…と期待を膨らませつつ。

で、出てきたものがこれ↓

P1220064

                               

                                      

                                                      

写真だと色がちょっとわかりにくいですが、日本蕎麦(しかも茶蕎麦)を、なんだかわからない野菜と一緒にスパイス味で炒めています。

うむ、まあわからなくはない。
外国人が、「蕎麦」という日本料理から想像した「焼いた蕎麦」は、これになってもおかしくない。

が、ここは仮にも和の鉄人森本がプロデュースしているお店ではないのか。
そこらの適当な日本料理屋ではなく、一流ホテルにある日本人料理人の名前を売りにしている店(店の正式名称は、「Wasabi by Morimoto」)ではないのか。
森本、ちゃんと監督しろよ。

出てきてしまったものはしょうがないので食べましたが、当然のごとくあまり美味しくありませんでした。

・メイド
年明け以降、メイドの無断欠勤が増えて、ちょっと困っています。
連絡も何もなしに突然来ないということが、1月だけで3回発生しており、どうしたものかと思案中。

怒った方がいいんだろうか。
でも、メイドが来ている時間帯は仕事中なので、会う機会がないし。
クビにして新しい人を面接して雇うというのも面倒だし。
もしかしたら、携帯電話を持っていないのかもしれないし。

とりあえず、週の半分以上来ている限りは、現状維持で何も言わずに我慢していそうです。

・通信環境
数日前から事務所の通信環境が不安定で、メールやインターネットに接続できないか、接続に長時間かかるという状況になっていました。
インドでは通信状況が不安定になるのはしょっちゅうなので、あまり気にとめていなかったのですが、さすがに丸2日以上まともに通信ができないとイライラします(というか、仕事になりません)。

いつになったら復旧するのかと思っていたら、今日になって、事務所内にノーティスがありました。
どうやら、事務所単体のトラブルではなく、通信会社(インドでは最大手のRelianceという会社です)の通信ケーブルの断線が複数個所で起きているとのことで、復旧には少なくとも2週間かかるとのことです。

2週間て… orz

さすがインドというか、今どきのビジネス界で、2週間も通信断線が起きたら会社が潰れてもおかしくないと思うのですが。
(ちなみに、この記事は、ノートPCのモバイルでアップしましたが、本線の断線の影響か、こちらもすごく不安定です。)

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インド会社法解説番外編 -インドの法令検索-

これまで、「インドには日本の法令データ提供システムに相当する公的な法令検索システムがない」、とさんざん書いてきたのですが、その認識は誤りでしたので、ここに訂正するとともにお詫びします。

以下のサイトで、インド司法省立法局が、インドの全法令のデータを提供しています。

http://indiacode.nic.in/welcome.htm

これはインド政府による公的サイトですので、基本的に内容は信頼できると考えられます。もしインドの最新の法令を正確に参照する必要がある場合、こちらのサイトをご利用ください。

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今まで解説に利用していたプライベートサイトを、上記公的サイトに変えようかと思ったのですが、この公的サイト、条文のテキスト形式がちょっと変で参照しにくく、さらに条文の逐次参照ができないなど、使い勝手があまり良くないため、解説では今後もこれまで利用していたプライベートサイトにリンクを貼る形にしたいと思います。
(ただし、プライベートサイトの条文は最新のものでないことがあるため、その際には、最新の法令を参照するよう注記することとします。)

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インド会社法解説その16 -株式、新株予約権①-

インド会社法原文リンク
http://www.vakilno1.com/bareacts/companiesact/companiesacts.htm

少し間が空いてしまいました。
今回から、株式と新株予約権についての解説です。

※今回から条文にリンクを入れてみました。過去ログ分についても、時間があるときにリンクを入れていければと思っています。

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◎株式の種類

インド会社法上定められている株式の種類は、普通株式(equity share)と優先株式(preference share)のみであり、その他の種類株式について特に規定がありません(インド会社法85条86条)。
このあたり、会社法の施行に伴って、議決事項制限株式や取得条項付株式といった種類株式の定めが設けられた日本とはかなり状況が異なります。

public companyについては、上記インド会社法上に明文規定のある普通株式と優先株式のみが発行できることとされているため、発行できる株式の種類は上記2種類のみとなります。

一方、private companyについては、インド会社法90条2項が同条85条から89条までのprivate companyへの適用を除外していることから、定款に定めを設けることにより他の種類の株式を発行することも可能です。ただし、インド人弁護士に聞いたところ、優先株式以外の種類株式が発行されたという実例はあまり聞かないとのことでした。
「private companyが発行できる種類株式」という点については、まだ議論が成熟しておらず、たとえば定款で規定すれば拒否権付株式(黄金株)が発行できるのか(種類株式についての定款自治はどの程度認められるのか)といった論点はあまり議論されていないようです。

議論が複雑になることを避けるため、とりあえず以下では、普通株式と優先株式に絞って解説したいと思います。

普通株式の保有者は、全ての事項について議決権を有する一方、利益配当については通常の権利のみ有します。
他方、優先株式の保有者は、当該優先株式につき附属定款上認められた権利についてのみ議決権を有する一方、利益配当や残余財産分配について優先的権利を有します(インド会社法87条

優先株式に議決権が認められる事項は以下のとおりです。
アからエまでは法定議決権留保事項であり、これらについて議決権を認めない優先株式は発行できません。
ア 利益配当
イ 減資
ウ 会社の解散
エ 残余財産分配
オ その他附属定款において優先株式の権利として認められた事項

優先株式について、日本の会社法と大きく異なるところは、発行から最長でも20年以内に償還されなければならないという点です(インド会社法80条5A項。)。
すなわち、優先株式については、20年を最長として、または定款でそれよりも短い償還期間を定めた場合、その期間に従って償還されなければならなりません。

そのため、優先株式を恒久的に保有することはできず、どこかの時点で必ず償還しなければならないということになります。このあたりの性質は、株式というよりはむしろ社債と似ています。
この性質ゆえに、例えば優先株式を預託証券の原株式とすることなどは事実上できません。

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◎株式発行手続

設立の際の株式発行については、設立手続の際の中での資本金の払い込みにより行われるため、以下ではもっぱら会社設立後の新株発行の手続に絞って解説したいと思います。

普通株式、優先株式を問わず、会社設立後に追加で新株を発行する場合の手続は、大きく分けて、①会社設立後一定期間経過後の既存株主への発行、②会社設立後一定期間経過前の既存株主への発行または発行時期を問わない第三者への発行、③役員および従業員への発行の3つがあります。
①から③の場合で、それぞれ手続が異なるため、以下、場合を分けて手続の概要を解説します。

①会社設立後一定期間経過後の既存株主への発行

会社は、設立から2年経過するか、設立後最初に行われた新株引受権に基づく株式の割り当てから1年経過するかのいずれか早い時期以降、既存株主に対して株式を追加的に発行(=新株発行)することができます(インド会社法81条1項)。
この既存株主への新株発行は、public companyとprivate companyとを問わず株主総会決議事項とはされていないため、会社の種類がいずれであっても新株発行の決定自体は取締役会決議により行われます。

ただし、インド会社法79条により、株式を市場価格または公正価格(非上場の場合に、株式の価格として公正とみなされる価格)よりも低い価額で発行する場合、株主総会の通常決議(過半数の賛成)が必要となるため、たとえば無償割当を行う場合等、市場価格または公正価格よりも低い価格で割当を行う場合、割当価額について株主総会の通常決議による承認を得る必要があります。

②会社設立後一定期間経過前の既存株主への発行または発行時期を問わない第三者への発行

①の要件を見たさない既存株主への新株発行を行う場合、および発行時期を問わず第三者に新株を発行する場合、public companyについては、原則として株主総会での特別決議(4分の3以上の賛成)が必要となります(インド会社法81条1A項(a))。株主総会通常決議で新株発行を行うことも可能ですが、その場合、中央政府の認可を得る必要があります(インド会社法81条1A項(b))。
①で述べたとおり、株式を市場価格または公正価格よりも低い価額で発行する場合、割当価額について別途株主総会の通常決議による承認を得る必要がありますが、この場合、1回の株主総会で発行についての特別決議(あるいは通常決議)および発行価額についての通常決議を行うべきことになります。

一方、private companyについてはこれらの規定が適用とならないため、株主総会の特別決議なくして(通常は取締役会決議により)、新株発行が可能です。ただし、株式を市場価格または公正価格よりも低い価額で発行する場合、割当価額について株主総会の通常決議による承認を得る必要があることは同じです。

③役員および従業員への発行

インド会社法では、役員および従業員への報酬、褒賞の一環として、通常よりも安い価格で発行する株式を、sweat shareと呼んでいます(インド会社法79A条)。
意訳すると、「会社のために流した汗に対する対価としての株式」といったところでしょうか。

public companyとprivate companyとを問わず、sweat shareを発行する場合、株主総会の特別決議が必要となります。
なお、この場合、「通常よりも安い価格」というのがそもそものsweat shareの定義に含まれているため、市場価格や公正価格よりも低い価額で株式を発行する場合であっても、発行価額についての株主総会決議を別途経ることは不要となります。

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次回も株式と新株予約権の解説です。

正直、株式と新株予約権のところは制度がかなり複雑で、把握に四苦八苦しています…

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インド初ゴルフ

先週末の土曜日に、日本人駐在 員の方に誘われて、ゴルフに行ってきました。
インドでは初のゴルフです。
というか、ゴルフは人生で2回目です。
ちなみに、前回ホールを回ったのは3年以上前というビギナーっぷり。

インドにはゴルフ用品は持ってきていないので(そもそも日本でも持っていませんでしたが)、クラブから何まで、全て同行者の方のご好意に甘えてお借りしました。
同行者の方に迷惑をかけないよう、本当は前日に打ちっぱなしに行ってある程度練習しておきたかったのですが、ムンバイに打ちっぱなしなどあるはずもなく断念
家にクラブがないので素振りすらできず、完全にぶっつけ本番です。

コースは、ムンバイ市内中心部にあるWillingdon Club。
もちろん行ったのは初めてだったのですが、家から近いことに驚きました。
まさか歩いて15分かからない距離にゴルフ場があったとは…

同行者の方に、スタート前にクラブハウスを案内していただきました。
クラブハウスはイギリスのコロニアルスタイルの建物で、伝統を感じさせます。
おそらく、植民地時代にイギリス人が作って発展してきたゴルフ場なのでしょう。

P1260066P1260072カフェ兼レストランはこんな感じです。屋内、屋外両方にあって、なかなか快適そうです。

                

P1260067中にはショップもあり、日用品がかなり安く売られていました。普通にスーパーで買うよりも安いくらいです。

                                      

同行者の方によると、「ここは会員制クラブだから、クラブ内の店は全て会員のためのサービスとして存在していて、営利を求めていない。だから全て安く買えるし、カフェやレストランでも安く食べられる」とのことでした。

P1260068温水プールもあり、時期的に今は少し寒いですが、泳げなくはありません(実際、ゴルフ後に一泳ぎしました。)

                                  

他にも更衣室やトランプルーム(いかにも上流階級なインド人のおばさん達がBridgeに興じていました)など、いずれもイギリスのクラブを思わせる作りになっています。
ちなみに、ムンバイの日系企業の多くはここの会員権を持っているそうです。

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そうこうしているうちにスタート時間になりました。
予想通り、ドライバーで一打目を空振りしたのはご愛嬌です。

キャディに励まされつつ、クラブをアイアンに持ち替えてリトライ(ちなみに、キャディフィーは150ルピー(約450円)でした。やっぱり安い!)。

ゴルフ場は全体的にきれいに整備されており、快適でした。コース上で働いている人を多く見かけたので、おそらく、安い人件費を生かして人海戦術で整備しているのでしょう。
今は冬で気温が20度前後ということもあり、程よい日光とそよ風が気持ちよく、まるでカリフォルニアでゴルフをしているような気分です。

P1260073

P1260075P1260074 

                      

とはいえ、ゴルフ場の周りはスラムなので(スラムの中に周囲と完全に隔離されてゴルフ場があるという感じです)、コースから少し視線を外すとスラムが目に入ります。
ちなみに、ボールがスラムの方に飛んでしまった場合、スラムの住人にボールを奪われ、「返して欲しければ10ルピー払え」とか言われます。なんだかなー。

少しでも右に外れると即コースアウト、OBというコースもあり、初心者の例によってスライスしがちな弾道でOB連発。
久しぶりのゴルフに苦しみつつ、それでもとても楽しいひと時を過ごせました。

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え? スコア?

具体的な数字は書きません(というか恥ずかしくて書けません)が、同行者の方に思いっきり迷惑をかける数字であったことは間違いありません。
Par5のホールで14打目を打っているときは申し訳なくて申し訳なくて

ゴルフを上がった後は、プールで一泳ぎした後軽くご飯を食べてお昼寝。
少し肌寒いですが、温水プールなので十分快適に泳げます。
そのまま日没まで本を読んだりして過ごしました。

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現地の日本人駐在員の方の多くは、日本企業が持っている高級クラブや高級ホテルの会員権を利用して、こんな感じでムンバイの平日の夜や週末を過ごしているそうです(ちなみに、同行者の1人は、ほとんど毎週末ここに来てのんびり過ごしているとのこと。)。
ムンバイの日本人駐在員は、家は家賃60~100万円クラスの豪邸にメイドが1人から数人、車も日本車または高級外車で運転手付というのがスタンダードというのを聞くと、思わず溜息が出てしまいます。

今の自分の生活と比べるのは無意味であるということはわかってはいるんですけど。

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シャワータイム・ブルース2

1月末になり、最近のムンバイは夜ともなるとそれなりに冷えるようになりました。
といっても、気温的にはせいぜい17、8度程度なのですが、半袖短パンというのが基本スタイルのため、朝や夜中はかなり肌寒く感じます。

気温が下がること自体は悪くなく、昼間はそよ風がとても気持ちいいのですが、以前書いたシャワーの問題が深刻化してきました。

冷え込みが強くなるに伴い、お湯が出る時間は更に減って、今ではまともにお湯が出るのは1分を切っています
さらに、気温の低下にともなって「給湯管を1回通っただけの水」の温度もさらに下がり、外気の低さとあいまって、とても浴びていられるような状況ではありません。

P1270076ちなみに、うちのGIZA(インドでは給湯器をこう呼ぶ)の大きさはこのくらいです。
インドで生活されたことがある方ならはっきりと、そうでない方でも何となくわかると思いますが、かなり小さいです。                            

                       

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さすがに実生活に支障をきたすようになってきたため、色々試行錯誤してみることに。

・試行錯誤1:GIZAがお湯を沸かす時間を長めに取る
日本でお風呂やシャワーに入る前にガス(オール電化の場合、電気)のスイッチをつけるように、今の家ではGIZAにお湯を沸かすときにスイッチ(原始的なボタンですが)を入れます。
そのスイッチを早めに押しておいて、お湯を沸かす時間を長くしてみれば、何かが変わるかも…

→結果:1時間前に沸かしたときと、5分前に沸かしたときとでは、お湯の出る長さはほとんど変わりませんでした。
「GIZAの容量が小さく、たくさんのお湯をためておけない」というのが根本的問題なので、当たり前と言えば当たり前の結果。いったん沸いてしまったお湯を余計に1時間沸かし続けたところで、ためておけるお湯の量そのものには変化はないので、解決になっていません。

・試行錯誤2:シャワーの時間を短縮化
逆転の発想。お湯の出る時間が変わらないなら、お湯が出ている時間に急いでシャワーを浴びてしまえばよいのです。

→結果:無理無理無理
具体的な描写は差し控えますが、1分弱で全身をきちんと洗うのは不可能です。3分のときでも最後は我慢してぬるま湯を浴びていたのに…
嘘だと思ったら、自分で時間を計って浴びてみてください。

・試行錯誤その3:我慢
心頭滅却すれば火もまた涼し。
修験者は、真冬に滝に入って心身を鍛えています。
その心構えをもってシャワーを浴びれば、多少冷たいことなど問題ではないはず。

→結果:すみません、我慢できませんでした。

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とまあ、ここ1週間ほど色々試してみたのですが、どれも問題の解決にはつながりませんでした(くだらない、と思われるかもしれませんが、本人は本人なりに必死だったのです…)。

が、今日、ついに一筋の光が。

テニスから帰ってきてシャワーを浴びるときに、ふと思いついて蛇口を調節してお湯の量を減らしてみました。
今まで出していた量の半分くらいにしてみたところ、しばらくするとまともなお湯が!

給湯管を通る水自体の量を減らすことにより、「給湯管を1回通っただけの水」の温度を上げるという理屈です。思いついてみれば当たり前なのですが、完全に発想の外側でした。
日本のガス給湯器だと、蛇口を十分に開けないとかえってお湯が出ないという現象が起こることが多いため、その経験則にとらわれてしまっていたようです。

もともと蛇口を全開にしても少なかったお湯の量。
それをさらに半分にしたことから、見た目はもはやシャワーではなく打たせ湯のようになっています。

とはいえ、ちゃんとお湯が出る方法を発見したのは大きい。
確かに量は少ないですが、時間さえかければきちんと全身洗えるのでそんなに問題ありません。
少なくとも、我慢行水大会になっていた以前よりは、遥かに楽になりました。

今のところ、自分の中では今年一番のヒットです。
創意工夫って大事だなあと。

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Mumbai Marathon 2008

先週日曜日、テニスに行こうと家を出たところ、前の道路が完全に封鎖されて車が一台も通っていないという光景に出くわしました。

P1200052                                                                    

                                   

最初は状況が理解できなかったのですが、路上をゼッケンを付けて走っている人を見て、今日はムンバイマラソン開催の日であったことを思い出しました。
そういえば確かに話は聞いていたのですが、すっかり忘れていました…

ムンバイ市内をほぼ一周するマラソン。

P1200060家の前は、ちょうど往路が14キロ地点、復路が35キロ地点で、皆復路を走っています。
私が家を出たのは午前10時半ころだったので、おそらくスタートは午前7時か8時ころだったのでしょう。

P1200059疲れがピークに来ているであろう上、道が緩やかな上り坂になっていることもあり、多くの人が歩いていました。
                                                          

しばらくマラソンを眺めていたのですが、テニスは11時からなので、いつまでもこうしているわけにはいきません。
家からテニスコートまでは車で20分程度なので、いつもはテニス仲間の車に乗せてもらうか、タクシーを拾っています。が、この分だとテニスコートまでの道が全部封鎖されている可能性があるため、とりあえず幹事に電話をかけて状況を聞いてみました。

…どうやら、東のバイパス道路は動いているようで、今日の参加者は皆そこからテニスコートに向かっているようです。
バイパス道路で行くにしても、とにかくタクシーを拾う必要がありますが、道路は見渡す限り通行止め。

仕方がないので、あまり期待せずに家の前のガードマンに聞いてみました。

「マラソンの通行止めっていつ終わるかわかりますか?」
「(ジェスチャーとともに)わからない」

「この近くで通行止めになっていない道路はわかりますか?」
「(ジェスチャーとともに)わからない」

「タクシーはどこで拾えるかわかりますか?」
「(ジェスチャーとともに)わからない」

…予想通り、迷子の子猫ちゃん問答になりました(まあ、そもそも英語が伝わっていない可能性もものすごく高いですが)。
さっさと会話を切り上げて自力で動いている道路を探しに行くことに。

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結論から言うと、1時間近くさまよった挙句、結局タクシーは捕まえられませんでした。

誰に聞いても、「どの道が動いているかわからない」っておかしくないか?
「どこなら動いているのか」を一切把握せずに、通行止めだけを受け入れているってこと?
そもそも、通行止めの範囲って皆に告知されているの?
頭の中に数々の?を浮かべつつ、結局諦めて幹事に欠席する旨電話しました。

帰ってフテ寝。
家の前の道路を見た時点でさっさと諦めておくべきでした。
この国には中途半端な期待を抱いてはいけないと知っていたはずなのに…

それにしても、いつもは車で溢れかえっている道路に一台も車が走っていないという光景にはちょっと感動しました。
きっともう二度と見られない光景だと思います。

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翌日の新聞によれば、ムンバイマラソンには21,000人もの参加者がいたそうです。

命知らずだなあ。

デリー、チェンナイあたりもそうですが、インドの諸都市は、工場からの排気や車の排気ガス、埃等によりものすごく空気が悪く、乾季はほぼ毎日のように光化学スモッグが出ています。それも、ひどいときには、100メートルくらい先の建物が煙って見えないというくらい濃度の濃いものです(最初に見たときには霧が出ているのかと思ったくらいで、光化学スモッグだと聞いて驚愕した記憶があります)。

こんなところでフルマラソンを走ったら、どれだけの量の有害物質を吸い込むか想像もつきません。
工業排水で汚染された海の中で必死で競泳しているに等しく、とりあえず、寿命を縮める行為であることは間違いないでしょう。

本来楽しいお祭りのはずのマラソンさえ命がけになってしまうムンバイの環境問題が改善されるのは、いったいいつのことでしょうか…

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小噺

毎日通勤のために乗るタクシー。
運転手はほぼ英語が話せませんが、さすがに方向を指示するための片言英語だけはそれなりに話せるようです。

交差点手前で

私: Turn left at next signal, OK? (次の信号を左に曲がってください)
運転手:  Left? (左?)
私:  Yes, left. (そう、左です。)
運転手: OK, OK, Sir. (わかりました)

交差点直前になって

運転手: Left? (左ですよね?)
私: Right.  (そうです。)

なぜかこのやりとりで右に曲がってしまう運転手が多く、ものすごく困っています。
彼らとしては最も新しい指示(同音異義語の勘違いなのですが)にしたがっているつもりなのでしょうが、その前にこれまでのやりとりを酌めよと。
多分、左(left)と右(right)しか聞き取れていないんでしょうが、それならそれでジェスチャーとかで再確認してくれればいいのに…

渋滞が激しく、中央分離帯のある一方通行が多いムンバイでは、いったん道を間違えるとリカバリーまでに下手をすると30分くらいかかってしまうこともあるため、朝の通勤の際にこれをやられるとものすごくイライラします。

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対策として、とりあえず「そうです」の意味で「right」という単語を使うのはやめて、全部「yes」に変えることにしたのですが、朝早くでボーっとしているときや、別のことに集中しているとき(最近はタクシーの中で本を読んでいることが多い)は、つい「right」と言ってしまいます。

ちなみに、インドでの日常生活は一事が万事こんな感じで、少しでも難しい英単語を使うととたんに意思疎通ができなくなるため、ひたすら同じ意味を持つ単語の中で最も簡単なものを選んで片言会話をしています。
インドに来てから、自分の英語のボキャブラリーが激しく減っていってるのは、気のせいではないようです…

まあ、日常会話レベルでは、インドの公用語は全く英語ではないのでしょうがないといえばしょうがないのですが。やっぱりマラティー語を勉強しないといけないんでしょうね。

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インド外資規制解説番外編 -2008年1月22日株価急落による取引停止-

1月22日のボンベイ証券取引所(BSE)は、世界的な株価下落の影響を受け、取引開始後に株価が急落したことからサーキットブレイクシステムが発動し、株式取引全体が一時的に停止されました。

ソース(リンク切れに備え、以下に全文を引用)

Indian stock trading halted after steep falls  Tue, Jan 22 10:07 AM

A sharp fall in Indian shares at the start of trade on Tuesday triggered an automatic halt, with trading to resume at 10:57 a.m., the Bombay Stock Exchange said.
The key 30-share index fell 11.53 percent to 15,576.30.

その他の情報(リンク切れ御免)

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サーキットブレイクシステムの発動基準は10%以上の株価急落ですが、今回の下落は11.53%であったため、インド時間で午前10時57分まで取引が停止されました。
取引再開後は、当初価格からの下落基準は3%程度にとどまっているようです。

サーキットブレイクシステムが発動したのは、参加証券規制が発表された昨年10月17日以来です(詳細はこちら)。

それにしても、11%以上も下落した株価が、1時間の取引停止時間を置くだけで3%下落まで回復するってすごいですね。
インド株式市場の脆弱さとともに、投資家の頭を冷やしてパニック売りを避けるというサーキットブレイクシステムの有効性を目の当たりにした気分です。

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インドの不動産および不動産登記制度解説その1

本当はもう少し先で取り上げる予定だったのですが、最近多くの方からインドの不動産登記制度についてご質問をいただくため、とりあえずさわりということで簡単に解説したいと思います。
(なお、以下の内容については、今後の調査進展により修正する可能性があります。あらかじめご了承ください。)

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「土地は全て国有であり、国民はその使用権を有するだけ」という建前が取られている中国と異なり、インドでは土地(およびその上に建つ建物)の私有が認められています。

土地や建物の取引があった場合、登記を行うことになるのですが、日本と異なり、インドには不動産そのものを登記する制度はありません。
その代わり、「不動産取引に関連する書類」を登記(書類なので、「登録」と言った方がニュアンスは近いかもしれませんが、以下「登記」で統一します)する制度が取られています。

インドには、1908年登記法(Registration Act, 1908)という法律があり、同法は、同法が定める一定の重要な取引行為等に係る文書については、「Sub-Registrar of Assurances」と呼ばれる機関に登記を行わなければならない旨規定しています。
そして、同法上、100ルピー以上の資産価値を有する不動産の権利移転や担保設定等に関連する書類(売買契約書、担保設定契約書等)は、要登記書類とされているため、たとえば不動産の売買を行った場合、売買契約書を登記しなければならないということになります。

1908年登記法上、登記することが要求されている文書について登記を怠った場合、当該文書は裁判において証拠とすることができなくなります。
「裁判において証拠とすることができない」というのは、「いざ紛争になった際、第三者どころか当事者に対しても権利主張ができない」ということと同義であり、したがって、土地売買契約書の登記は、対抗要件どころか権利移転要件に近い役割を持ちます。

たとえば、売主をA、買主をBとして、土地売買契約を行い、BがAに代金を支払ったにもかかわらずAが土地を引き渡さない場合で、BがAに対して訴訟を提起した場合、Bは土地売買契約書を登記していなければこれを裁判の証拠として出すことができず、結果として裁判で負けてしまうという事態が生じてしまうわけです。
よって、1908年登記法で登記することが要求されている文書については、登記が必須となります。

さて、上述のとおり、書類の登記は、「Sub-Registrar of Assurances」(ちょっと適切な和訳が思いつきません。「権利保証副登記局」とでも訳すのでしょうか)と呼ばれる機関の地方局において行われ、登記された書類は一般に公開されるという制度になっています。
このあたりは、日本において、法務局で登記簿謄本が閲覧、謄写できるのと同じですが、日本と異なり、インターネット上で登記簿謄本の閲覧はできないので、現地に行って閲覧する必要があります。

したがって、不動産関連の書類に関して言えば、「Sub-Registrar of Assurances」の役割は日本でいう法務局に相当し、土地売買の場合、当該土地を管轄するSub-Registrar of Assurancesの地方局において、売買契約書等を登記することになります。
なお、このとき、当該不動産の売買契約書には、1899年インド印紙税法(The Indian Tax Act, 1899)により、収入印紙を添付することになります。

具体的な登記手続は、州によって異なり、また、各Sub-Registrar of Assurancesの地方局によっても異なる指示がされているようです。
ご参考として、ムンバイの地方局での土地登記手続きに関するウェブサイトのリンクを貼り付けておきますので、ご参照ください。

http://www.realestatemumbai.com/rem_registration.asp

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とりあえず今回はこのくらいで。
もう少し調査が進んだら、色々書いていきたいと思います。

なお、実際に不動産取得その他の不動産取引をお考えの方は、現地の信頼できるコンサルタントにご相談されることを強くお勧めします。

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コックローチ・バトル4 -新たなる希望-

A Short Time Ago in India Far, Far Away…
ちょっと前、遥かインドの彼方で…

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皆が平和に暮らしていた時代。
穏やかで、暖かで。
こんな日々がいつまでも続くと思っていた。
ささやかな願い。

変化は突然に訪れた。
巨大な男が突然部屋(せかい)に入ってきたのだ。
男は多くの荷物とともに部屋を占拠し、我が物顔に振舞い始めた。

皆はとまどった。
突然自分達の世界に入ってきた異質の存在。
ある者はひたすら逃げ惑った。
ある者は淡々と存在を受け入れた。
ある者は積極的に男に接触を試みた。

時が経つにつれ、男の存在は一族にとって深刻な問題となっていった。
理由は不明だが、男は一族に対して強い嫌悪感を抱いているらしい。
一族の側から男に危害を加えたということはないため、多分に男の側の情緒的な理由であると思われた。

そのうち、男は一族の姿を見ると、その殺害を試みるようになった。
攻撃の手段など何一つ持たず、逃げ足のみを発達させて生存競争を勝ち抜いてきた一族。自分達よりも遥かに大きく、力も強く、道具さえ使いこなす男に対して反撃することなどできようはずもない。
それはまさに一方的な虐殺だった。

男に接触を試みた者は、男によって追い回され、木を磨り潰して薄皮状にしたものを丸めたものに叩き潰されるという悲惨な最期を遂げた。
散歩中に偶然に男に見つかってしまった者は、男の持つ機械から猛毒の霧を吹きかけられ、苦悶の表情を浮かべてこときれた。

奇妙なことに、理由もなく(あるとすれば自分の情緒のみで)、一族を殺しまわっているように見えるにもかかわらず、男は一族を殺すことに苦痛を覚えているようだった。
一方的に嫌悪感を抱き、殺戮しているにもかかわらず、その殺している当の本人が、一族を追回し、殺すことに多大な倦怠感と疲労感を覚えているのである。
殺される側にとっては、これほど不合理なことはなかった。

「我々には見えないが、実は彼の上には彼に対する命令者がいて、彼はその命令に不本意ながら従っているのだろう」
「彼自身が、自分でコントロールできない感情に突き動かされているのではないだろうか」
一族の間で多くの仮説が提唱されたが、その間も男による殺戮は止むことがなく、問題が解決することはなかった。

この段階では、しかし社会はまだ崩壊には至っていなかった。
男は相変わらず同胞を殺し続けていたが、それらは単発的な事態の集積にすぎず、不運にも偶然男と遭遇してしまった者が殺されるという出来事が積み重なっているだけであった。
また、男と遭遇したとしても必ずしも殺されるとは限らず、かなりの確率で逃げることもできた。逃げた場合、男が深追いすることはなかったし、男の側から積極的に一族に近づいて殺すということもなかった。

要するに、「男と遭遇し、かつ逃げ遅れた者のみが殺される」という状況であり、一族の間では、次第に、男との遭遇による同胞の死は「大きな不運と少しの不注意の産物」とみなされるようになってきたのである。
交通事故により絶え間なく死者が発生することが、社会全体の存続を危うくするものではないのと同様に、男による単発的な殺害の頻発は一族全体の存在を揺るがせるには至らず、いつしか男と一族との間には奇妙なバランスが成り立つようになっていた。

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しかし、そのバランスは唐突に破られた。
男が、猛毒を含む食料をばら撒き始めたのである。
厄介なことに、その食料は一族の者にとって極めて魅惑的な芳香を放ち、またその美味なことは心を蕩かせるものであった。そのため、毒のことを知らない一族が、その匂いに惹かれてその食料を食べ、命を落とすということが相次いだ。また、毒のことがある程度知れ渡った後も、ある物は飢餓に耐えられず、ある者は刹那的な快楽を求めて手を出してしまい、一時の至福の後、絶命するということが絶えなかった。

いつしか、その食料は、一族の間で、恐れと怒りを込めて「Housan-Dango」と呼ばれるようになった。「Housan-Dango」とは遥か東の国の言葉で、「Housan」は「有毒なもの(水に溶かすもの、という意もある)」、「Dango」は「甘くて美味な舌ざわりの良いお菓子」を意味する。
Housan-Dango」は、直接これを食べた者だけでなく、食べた者の排泄物(摂食後、毒が効くまでに排泄されたもの)に触れた者の命も奪い、また一族の生殖能力にまで影響を及ぼすものであった。

これまでの単発的な殺害と異なり、「Housan-Dango」は食料を罠として一族を老若男女問わず殲滅するものであり、一族全体の存在を脅かすものであった。それはまさに無差別殺戮と呼ぶに相応しい攻撃であり、一族の数は見る見るうちに減っていった。
Housan-Dango」が撒かれた後、男による単発的な殺害の数は減ったが、それは単に一族全体の数の激減に比例して男に遭遇する者が減少したことの結果にすぎなかった。

ここに至り、一族は一致団結し、一族の楽園から無差別殺戮者を排除すべく、男に挑むようになった。
まともに行っては決してかなわないことはこれまでの経験から明らかであったため、基本戦略は絶え間ないゲリラ攻撃と定められた。
それはまさに一族の存亡を賭けた戦いであった。

しかし、男の持つ機械の猛毒の霧の威力はすさまじく、若く、勇敢で、力に溢れた一族の戦士たちが次々と戦死していった。
一族の中でも特に武勇にすぐれ、かつ特殊な能力を有する戦士は、敬意を込めて「ゴキダイの騎士」と呼ばれていたが、ゴキダイの騎士達をもってしても、男の攻勢をとどめることはできなかった。
その間も男は着々と自分の支配権を固め、ついには、部屋(せかい)は我1人のものであると宣言したのである。

戦いは男の完全勝利であり、ゴキダイの騎士達は全滅したかと思われた。

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あるとき、一族の若者が、生き残りのゴキダイの騎士に出会い、父親についての話を聞かされるとともに、形見の触角(テンタクル・セーバー)を得る。
その直後、その若者は、一族の王族の姫(実は双子の妹)からメッセージを受け取り、次代のゴキダイの騎士として目覚める。

若者は、一族は全滅したものとすっかり油断していた男に対し、男が水道の蛇口をひねろうとした瞬間、その手に乗り移るという大胆不敵な行動をとった。若者は大きく、素早く、その6本の足が手を這い回る感触は男に強い精神的ダメージを与えた。また、それ以上に、一族に生き残りがいたことに男は衝撃を受けた。

しかし、若者の反撃はこれで終わったわけではない…

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-そして、新たなる希望がここに-

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インド会社法解説その15 -会社秘書役-

インド会社法原文リンク
http://www.vakilno1.com/bareacts/companiesact/companiesacts.htm

今回は会社秘書役の解説です。

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会社秘書役(Company Secretary。米国ではCorporate Secretary)は、日本の会社法上は存在しない役職ですが、英米法系の会社法では会社の重要な役職とされており、会社内部や株主の管理を行うとともに、会社のコンプライアンスについての責任を負います。また、文書管理もその重要な権限であり、対外的な文書が会社秘書役の名前で出されたり、会社秘書役の認証により文書の真正の証明が行われるということが一般的です。

日本語の感覚で「秘書」(あるいは英語の感覚で「Secretary」)というと、上司の補佐的な役割の職務との感覚を持ちますが、会社秘書役は、上記のとおり強い権限を有しており、その会社内での地位も高いのが通常です。
その意味で、日本語の訳としては、「秘書役」よりも「事務総長」という言葉の方が適切かもしれません(実際、国際連合の事務総長は、英語で書くと「Secretary-General」となります。)。

ちなみに、日本企業が海外(英米法系の国)に進出した際に、「あなたの会社のCompany Secretaryは誰か」と聞かれた場合、「日本法にはそのような概念はありません」と説明する対応のほか、総務部の部長をCompany Secretaryであると答えるとの対応があるようです。

さて、インド会社法383A条は、資本金(授権資本価額ではなく、実際に払い込まれた資本金)が2000万ルピー(約6000万円)以上の会社については、社内に常任の会社秘書役(whole-time secretary)を持たなければならない旨定めています。ただし、会社の取締役が2人しかいない場合、取締役が会社秘書役を兼任することは禁止されます(同条1項本文)。

また、同条は、資本金が100万ルピー(原文:「10 lakh rupees」。「lakh」というのは、インド独自の単位で、「10万」を意味します。)以上、2000万未満の会社については、直接社内に会社秘書役を持つ必要はないものの、会社がインド会社法の全ての規定に従っているかどうかについての証明書を、外部の会社秘書役から取得し、会社登記局に提出する必要があります(同条1項但書)。
この証明書は、インド会社法施行規則により定められた書式を用いて、定められた期間、条件に従って記載される必要があり、また、証明書を発行する外部の会社秘書役は、発行する時点で実際に他の会社の常任の会社秘書役に就任している者である必要があります。
なお、この証明書については、その写しを、定時株主総会に提出される取締役会の報告書に添付する必要があります。
これらの規定の趣旨は、一定規模があるにもかかわらず、会社秘書役を持たない会社について、コンプライアンスを確保するという点にあります。

これらの規定に違反した場合、改善されるまで1日最大500ルピーの罰金が貸される可能性があります。
罰金そのものは大した金額ではありませんが、「過去○年間罰金を課されたことがないこと」というのが公共入札等の要件となっていることが多いため、会社に対する制裁として機能しうるという仕組みだそうです(もっとも、日本ほどその実効性は強くないそうですが)。

ちなみに、従前はインド会社法378条から383条までに、会社秘書役は法人または事務所でなければならないという規制や、会社財務役(treasurer)という役職についての定めがあったりしたのですが、2000年12月のインド会社法改正で、378条から383条までがまとめて削除されたため、現在は、上記一定以上の資本金を有する会社は会社秘書役を持たなければならないと規定する383A条のみが残っているという状況です。

冒頭のリンク先では、まだ378条から383条が残っていますが、これらは単に改正を反映していないというだけだと思います。
まあ、日本の法令データ提供システムのようなオフィシャルなものではなく、プライベートでやっているサイトなのでしかたないですね…。

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ところで、インド会社法上、Company Secretaryには誰でもがなれるわけではなく、Company Secretaryの資格要件として、Company Secretary Degreeと呼ばれる資格を有し、かつInstitute of Company Secretaries of Indiaという機関に登録していることが必要とされています。

インドにおいて、Company Secretary Degreeは、Chartered Accountant(公認勅許会計士)資格と同様の公的資格であり、インド人弁護士に聞いたところ、資格試験の難易度はそれなりに高いとのことです(合格率は2~3%)。
少なくとも、インドにおいては法学部(ロースクール)さえ卒業すれば基本的に付与される弁護士資格よりも希少価値のある資格であり、有資格者の数はそれほど多くはないようです。

しかも、試験に合格しただけではCompany Secretary Degreeの有資格者として Institute of Company Secretaries of Indiaに登録することはできず、登録するためには、試験合格後15ヶ月のインターンシップが必要となります。このあたりは日本の会計士試験の会計士補制度と似ています。

15ヶ月のインターンが終わると、晴れて Institute of Company Secretaries of Indiaに登録することができ、会社のCompany Secretary となることができます。

このCompany Secretary Degreeの資格取得および登録の困難さを、雇う側の会社から見ると、「会社のCompany Secretary (特にwhole-time Company Secretary)となってくれる人材を探してくるのはそんなに簡単ではない」、ということになります。

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次回は株式および新株予約権です。
その後は解散、清算の予定です。

なお、インド会社法上の株主の権利(株主総会の普通決議事項、特別決議事項、少数株主権)について今まとめており、できたらアップするかもしれません(ただし、論文として発表することになった場合には、論文発表まではアップを控える可能性があります)。

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ムンバイ日本人会新年会

1月12日(土)に、ムンバイ日本人会の新年会に参加してきました。
新年会は、ムンバイ日本人会では最大のイベントの1つで、多くの在ムンバイ日本企業が参加します。

午前中テニスで汗を流した後、駐在員仲間の家にお邪魔してしばらくゆっくりした後、夕方から一緒に出かけました。
開場は午後6時、開始は午後6時半からだったのですが、ついいつもの感覚で6時半ギリギリに到着するように出発したところ、到着時点で既にほとんどの出席者が到着しており、会場はほぼ満員でした。
さすが日本人

P1120033会場は、Nariman PointにあるHiltonの最上階のパーティールーム。ホテルの入口には、ちゃんとMumbai Japanese Associationの2008年新年会と書かれています。                                               

会場入口で席のくじを引き、席の券の半券を箱の中に入れます。
この半券は、後で福引に使われるそうです。
なんだか結婚式の二次会みたいです。

本日の出席者は120人だとか。
2008年1月現在の在ムンバイの日本人数は300人弱と言われているため、今現在ムンバイにいる日本人の4割以上の人が出席していることになります。

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ほぼ定刻どおり始まりました。
総領事のご挨拶の後、日本人会会長の音頭で乾杯。
ああ、日本人の新年会であることだなあ。

P1120038乾杯後、しばらく歓談。
←会場の様子                                              

                  

出席者中、顔を知っている人は30人くらいで、後は見たことのない人ばかりでしたが、この機会に色々とご紹介をいただき、多くの人と新しく知り合うことができました。
ムンバイはさすが金融都市だけあって、金融系の日本企業の駐在員が多いようです。

食事はビュッフェ形式だったのですが、残念ながら日本食はほとんど出ませんでした。
唯一天ぷらそばらしき食べ物があったのですが、麺も出汁もなんだかちょっと違う味で、あまり美味しくありませんでした。
とはいえ、インド料理はさすがに素晴らしく、年末年始の貯金でまだマサラ疲れが本格化していなかったこともあり、美味しくいただきました。

P1120043しばらくいると、余興のダンスが始まりました。
ムンバイでインドのダンスを学んでいる日本人の方が、インド人ダンサー2人とともに踊り始めました。                              

P1120046こういった場所でインドのダンスを見たのは初めてだったのですが、手足につけている鈴の音のリズムが心地よく、とても楽しめました。写真ではあまり伝わらないかもしれませんが、首の動かし方がいい感じです。

ダンスの後は、いよいよメインイベントの福引です。
この福引、日本人会に参加している日本企業からの賞品提供により、かなり豪華な賞品がそろっています。
賞品の点数も多く、当たらないのは120人中10人だけという高確率。変に運が良いと、かえってその10人を引きかねないという恐ろしさがあります。

周囲で歓声が上がる中、20位まで自分の席番号が読み上げられず、なんとなく嫌な予感がしはじめてきたところで、席番号を呼ばれました。

P1130050_2当たったのは、19位の賞品。
タイの有名なメーカーのネクタイだそうです。シルク製で、手触りがとても良いです。19は好きな番号ということもあり、なかなか縁起の良いスタートです。

上位賞品は、高級ホテルでの食事券5000ルピー(約15000円分)や最新の高機能デジカメ、日本への直行航空券ビジネスクラスの半額割引券(これが一番欲しかった…)など、どれも欲しいと思わせる賞品が揃っています。
特賞はなんと宝飾会社提供のダイヤモンドのネックレスでした。すごいなあ。

賞品のよさもあってか、福引は大盛況のまま幕を閉じました。
ちなみに、出席企業の好意による賞品の追加により、最終的に福引が当たらなかったのは2人だけでした。ある意味すごい運です。

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会場で飲んだ日本酒に酔っ払い、すっかりいい気持ちになって家に帰ったのでした。

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インド会社法解説その14 -会社の機関 監査役、監査委員会②-

(2008年7月、一部加筆修正。修正部分には下線を付しています)

インド会社法原文リンク
http://www.vakilno1.com/bareacts/companiesact/companiesacts.htm

年末年始を挟んだため、少し間が空いてしまいました。
監査役、監査委員会の解説の続きです。

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会社のうち、資本金5000万ルピー以上のPublic Companyについては、「監査役」のほか、監査委員会(Audit Committee)と呼ばれる監査委員会を会社内に設置する必要があります(インド会社法292A条)。
これは上記要件を満たすPublic Companyの義務ですが、その反面、上記要件を満たさない会社(全てのPrivate Companyや資本金5000万円未満のPublic Company)は、監査委員会を設置することはできません。

監査委員会は、少なくとも3名以上の取締役から構成される必要があり、かつ構成員の3分の2は、、マネージングディレクター(managing director)でも常勤取締役(whole-time director)でもない取締役でなければなりません(292A条1項)。

監査委員会は、取締役会によって書面により定められた規約に基づいて活動し(同条2項)、その構成員の中から議長を選出します(同条3項)。監査委員会の議長は、定時株主総会に出席し、監査に関する事項を説明する義務を負います(同条10項)

このように、監査委員会は「監査役」ではなく取締役を構成員とし、かつその活動が取締役会の定める規約に基づく点で、取締役会および取締役からの独立が制度上保障されている日本の監査役または監査役会とは異なります。
もっとも、日本の会社法上も、委員会等設置会社においては、監査委員会は取締役会の下に設置されるため、インドの監査委員会は、「日本の委員会等設置会社における監査委員会」に相当するといえます。

なお、監査の実効性確保の観点から、監査委員会のメンバーに就任する取締役は、いわゆる社外取締役、監査担当取締役であることが通常であり、マネジメント担当の取締役がメンバーになることは基本的にありません(少なくとも、マネジメント担当の取締役が監査委員会で多数派になることは、通常ありません)。
「構成員の3分の2は、、マネージングディレクター(managing director)でも常勤取締役(whole-time director)でもない取締役でなければならない」という292A条1項の規制は、上記理念を表しているといえます。

前回解説したとおり、「監査役」になることができるのは、1949年インド勅許公認会計士法(Chartered Accountants Act, 1949)に基づく勅許公認会計士の資格を有する者に限られていることから、インド会社法法上、日本の監査役(=国家資格等なしに選任されることが可能)に相当するのは、監査委員会の構成員(=同様に、当該会社の取締役に選任されていさえすれば国家資格等なしに構成員に選任されることが可能)であるといえます。

会社の年次報告書(Annual Report)は必ず監査委員会に開示されなければならず(同条4項)、「監査役」、内部監査人(※インド会社法上の役職ではなく、会社が任意に内部監査を行う権限を与えた者をいう。したがって、会社によっては存在しない)および財務担当の取締役は、監査委員会の会議に出席する義務があります(同条5項)。ただし、「監査役」、内部監査人および財務担当の取締役は監査委員会の構成員ではないことから、意見は述べられるものの、監査委員会の議決に参加することはできません。

監査委員会は、年次報告書および半期報告書の提出前ごとに、「監査役」とともに、内部統制システムおよび監査範囲について、および内部統制システムの遵守体制について話し合う必要があるとされています(同条6項)。

監査委員会は、法令で定められた事項または前述の取締役会の定める規約上の目的を達成するために必要な全ての調査を行う権限を有しており、全ての会社の内部情報を閲覧し、また必要がある場合には外部の専門家の意見を聞くことができます(同条7項)。

財務事項(財務書類についての監査意見表明を含む)について、監査委員会が表明した意見は取締役会を拘束し、もし取締役会が当該意見に従わない場合には、その理由を記録の上株主に開示する必要があります(同条8項、9項)。

監査委員会についての上記規定に違反した場合、1年以内の懲役もしくは5万ルピーを上限とした罰金が課され、またはそれらが併科されます(同条11項)。

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インド会社法上の監査関係の役職、組織を整理すると、以下のとおりです。

「監査役」(Auditor)=日本の会社法上の会計監査人に相当する存在であり、業務監査権限は有さない反面、財務書類の監査権限を有する。財務書類の監査が業務となることから、1949年インド勅許公認会計士法(Chartered Accountants Act, 1949)に基づく勅許公認会計士の資格を有することが選任要件とされている。

監査委員会(Audit Committee)=取締役(通常社外取締役または監査担当取締役)を構成員とする(構成員の3分の1については取締役以外の者がなることもできる)。その活動は取締役会の定める規約に基づくが、業務監査および財務監査の実行にあたってかなり強い独立性が認められており、その位置づけおよび権限は日本の「委員会等設置会社における監査委員会」に相当する。監査委員会の構成員となるにあたり、公認会計士資格その他の資格は不要。資本金5000万ルピー以上のPublic Companyが設置義務を負う。

・内部監査人(Internal Auditor)=会社が内部監査の権限を与えた者をいう。インド会社法上の役職ではなく、単に会社が内部監査の権限を与えた者をそのように呼称しているだけ。したがって、もちろん設置は任意である。

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次回は会社秘書役(Company Secretary)です。
日本法には秘書役という概念がありませんが、英米法では結構重要な役職だったりします(といっても、実はあんまり書くことはないのですが。)

会社秘書役で会社の機関の解説は終わり、その後は後回しにしていた株式(新株予約権)について解説していきたいと思います。

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Rendezvous

(今回の内容は毒が強めですので、読んで不快感を抱かれる方がいらっしゃるかもしれません。あらかじめご了承ください。この先はインドおよびムンバイに対するネガティブな内容を多く含んでいます。読んで不快感を覚えられたとしても、一切責任は取りかねますので、自己判断でお引き返しください。)

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今日は、とあるご縁で紹介していただいた日本人駐在員の方と食事に行ってきました。
ムンバイ暦が3年近いベテラン?の方で、ムンバイの前はニューヨーク、ロンドン、デュッセルドルフ等にいらっしゃったそうです。

ムンバイの品揃えのいい店や美味しいレストランなど、色々教えていただき、とても楽しかったのですが、何といっても激しく盛り上がったのは、ムンバイの住みにくさとインド人のウザさについて話したときです。

ムンバイの住みにくさについては、このブログでもさんざん書いてきたところですが、「あまりにも無秩序かつ不潔。およそ日本人の美意識に耐えられる街ではない」、「街としての魅力が皆無に等しい」、「マンハッタンの物価の高さと発展途上国の不便さを併せ持つ街」ということで概ね意見が一致しました。

今回初めて知ったのですが、インドでは場所を問わずビデオカメラの撮影が一般的に禁止されており、観光地等の一定の場所を除いては、許可なく街の風景を撮影することは違法であって、警察官が撮影を発見した場合、最悪カメラが没収されてしまうこともあるそうです。
特にスラムの撮影はご法度であり、もし外国のテレビ局等が許可なしに(まあ、許可を申請しても認可されないのですが)路上生活者やスラムを撮影しているのが発見された場合、最悪逮捕されることもあるそうです。
まるでどこかの共産主義国です。

その成果か、近年、日本(あるいはその他の外国)でインドの写真や映像が紹介されるときは、たいてい「インドにもこのような近代的なショッピングモールがある!」、「この最新のビルは、なんとインドの建物なのです!」というような形での紹介となっており、実際にはまだまだ残っているものすごい数の路上生活者やスラムは全く映っていないということがほとんどであるとのことです。

で、こういった写真や映像だけを見て、「インドは生まれ変わった。経済大国への道を歩んでいる」と正面から真に受けてしまう人が結構いるらしく、日本には特にそういった人が多いそうです。
日本の某テレビ局の現地派遣員が、「日本にはインドの『真実』の映像がまるで伝わっていない」とぼやいていたとか。

要するに、映像のレベルでは、今や「インドは著しく発展しており、最新の建物は日本やアメリカのものと区別がつかない」というイメージがスタンダードとなっており、それに反する映像は十分に伝えられないという現象が起こっているということです。
(ちなみに、テキストのレベルでも、「IT大国」というものすごい虚像が1人歩きしていたりします。「この国のブロードバンドの定義は256kbps以上」という恐ろしい事実を知っている人が、いったいどれくらいいるでしょうか。)

もちろん、インドが経済発展していることは事実であり、実際にその成長率は著しいわけですが、貧困、格差、階級、差別といったインドの負の側面が解消されているわけではないということも決して忘れてはならないと思います。
まあこのあたりは、実際にインドに住んでみれば嫌というほど体験できますが

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インド人のウザさについては、「平気で嘘をつく」、「金に汚い」、「時間にルーズ」、「話が長い」、「言い訳ばかりで決して自分の非を認めない」、「そのくせ自分の権利だけは主張する」、「他人を使うのは大好きだが自分が動くのは大嫌い」、「責任感がない」と、とにかくあまりお友達になりたくない資質を持っている者が多いということで概ね意見が一致しました。

インドに旅行したことがある人なら、一度はインド人の洗礼にあっているはずですので、だいたいわかっていただけるのではないかと。

なお、上記感想は、駐在員の方については現地雇用している職場のインド人についての感想、私については店員やタクシーの運転手等の日常生活で接するインド人についての感想です。
幸い、私の職場のインド人弁護士たちは、高い教育を受けた優秀な方が多く、皆十分に信用できる良い人たちです(それでも、時間にルーズな傾向はありますが…)。

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駐在員の方とは他にも趣味の映画の話等ですっかり意気投合し、また食事に行くことを約束したのでした。

ちなみに、食事の場所は私の職場に近いITCシェラトンホテル内の中華料理レストランだったのですが、ビール一杯ずつと普通の野菜サラダや鶏肉の炒め物、フライドライス等を注文しただけなのに、2人で5000ルピー(約15000円)近くになりました。
食材の質や味からすると、日本だったらこの半額以下だと思います。

インド(特にムンバイ)はものすごい格差社会なので、ちょっとまともなレストランで食事すると、同じ質で日本の1.5倍から2倍くらいの金額がかかってしまいます。
本当に住みにくい街です。

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インド外資規制解説その15 -Master Circular-

インド連邦準備銀行(Reserve Bank of India)は、同銀行が規制を管轄する事項について、Master Circular(あるいはGuideline)と呼ばれる文書を作成しています。
Master Circularの数は、2008年1月現在、70を超えています。

Reserve Bank of India のMaster Circular のサイト

Master Circularとは、平たく言えば、「インド連邦準備銀行が管轄する規制について、規制内容の概要と、必要な手続を一覧にしてまとめたマニュアル」のようなものです。
非常にわかりやすくまとまっているため、ものすごく使い勝手が良く、Amarchandの弁護士もよく参照しています(私自身も、論文を書くときに非常に重宝しています)。

さて、インド連邦準備銀行は外為規制も管轄しているため、Master Circularの中には、外国投資に関するものもあります。
それがこれ↓(上記サイトの真ん中よりちょい上あたりにあります)

Master Circular on Foreign Investment in India

PDFはこちら

例えば外国投資家がFDIでインド企業が新規に発行した株式を取得する際の規制や手続については「Reporting of issue of shares」の項目を、不動産を取得する際の規制や手続については「Acquisition and Transfer of Immovable Property in India」の項目を、預託証券の原株式となる株式の発行を引き受ける際の規制や手続については「Issue of shares by Indian companies under ADR/GDR 」の項目を見るといった具合です。

2008年1月現在の最新の外国投資に関するMaster Circularは、上記にリンクを貼った2007年7月2日発行のものですが、Master Circularは規制の改正に対応して頻繁に改訂されるため、参照する際は、インド連邦準備銀行のサイトをチェックして、最新のものであるかどうかを確認する必要があります。

ちなみに、私が仕事をしたり論文等を書いたりする上で今一番欲しいのは、このMaster Circular on Foreign Investment in Indiaとインド会社法の日本語訳です。

いずれも個人(あるいは民間の法律事務所)が作るにはやや苦しい量なので、何とか国の予算で作ってくれませんかねえ。
日本政府が時々インドに送り込んでくるミッションの1回分の随員の数を2、3人減らす程度の予算でできますし、この日本語訳は、今後日本政府が日本企業によるインドへの投資を促進する上で、その2、3人の100倍は役に立ってくれると思いますよ。

…まあ、絶対作ってくれないでしょうが。

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新年初出勤

今日は新年初出勤。

相変わらず埃だらけで悪臭のする路上を、これまた臭くて汚いタクシーに乗って窓全開で駆け抜け、お約束どおり爽やかにぼったくり料金を請求されたことで、年末年始の日本気分もきれいに洗い流されました。

いつもの通勤ルートの道で突然工事が始まり、通行不能になってしまっていたあたり、畳み掛けてくるなあと
別ルートだとものすごく遠回りになり、通勤時間がだいたい倍くらいかかってしまうのが辛いところです。

ちなみに、昨日は日本人駐在員仲間の家で、日本からお土産で買って帰ってきた牛肉を食べました。
「牛肉がお土産として成立する」というのがインドの素敵なところです(インドでは、牛肉と豚肉は手に入れること自体がとても難しいのです…)。

肉のあと、焼きそばを食べ、お茶を飲んで…という昨日の日本気分の名残も、今日の昼に食べたオクラカレーで完全に吹き飛びました。
この国はつくづく甘い余韻に浸ることを許さないのです。

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さすがに2週間近く事務所に出ていなかったので、大量のメールがたまっており、今日はメールの処理だけで昼すぎくらいまでかかってしまいました。
お休みの間にいくつか宿題をいただいたこともあり、しばらくは忙しい日々が続きそうです。

会社法解説も、今週中には更新するようにします。
今インド外為規制解説の論文を書いているのですが、これが別紙含めてA4で60ページを超える大作となってしまっており、かなり時間を取られています。とりあえずこれを早く完成させたいと思います。

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そういえば、ムンバイ総領事館のウェブサイトを発見しました。
http://www.mumbai.in.emb-japan.go.jp/jp/index.html

年明けからなんだか日本の政治家の方がたくさんインドに来ているようで(別にそういうふうにウェブサイトに書いてあるわけではないですが)、迎える側の総領事館の皆さんも忙しそうです。

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さて、今年も頑張って行きましょう。

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謹賀新年

遅くなりましたが、新年のご挨拶を申し上げます。
今年も皆様にとって素敵な1年でありますように。

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年末年始休暇を終え、さきほど日本からムンバイに帰ってきました。

日本で必要な物資を大量に買い込んだため、帰りの便の荷物重量制限を越えてしまい、超過料金を払う羽目に。
いつもは重量オーバーを指摘されたらトランクから手荷物に移しかえていたのですが、今回は手荷物も含めた全荷物の重量が50キロを超えており、手荷物に移しかえる限界を超えていたので、やむなく超過料金を支払いました。
この超過料金、ものすごく高いんですよね…

自分では最低限必要と思ったものだけ厳選して買ったつもりだったのですが、それでもこの重さになってしまうというあたり、インドでの日々の不便さを再認識してしまいます。

日本での日々について書きたいことは色々あるのですが、一言でいうと日本っていい国だなあと。
日本の職場の同僚や友人にたくさん美味しいものを食べに連れて行ってもらい、幸せな日々を過ごしました。ちなみに、渡印以来8キロ減っていた体重が、日本にいた10日間で3キロ増えました

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新年は、1月7日からインド事務所での業務を再開します。
このブログも、業務再開に合わせて更新を再開したいと思います。

今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

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