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I told you I was in trouble (前編)

先週木曜日の出来事。

事務所から出た後、久しぶりに買い物+外食して帰ろうと、事務所近くのBig Bazaarに向かいました(Big Bazaarについてはこちらを参照)。

必要なものを買った後、ショッピングセンターに併設されているイタリアンレストランで食事。
このレストラン、基本的な味自体は悪くないのですが、ほとんどの料理の味付けがインド風にアレンジされていて(要するに大量のマサラが使われていて)、辛い辛い。
ミネストローネが辛すぎて飲めない、というのはどう考えてもやりすぎだと思うのですが。

食事を終え、勘定を見ると900ルピー。
高いなあと思いつつ(日本だったら同じクオリティのものを1200円~1300円で食べられるでしょう)、1000ルピー札を出しました。

会計を待っていたところ、突然店員がやってきて、「このお札は受け取れない」と言い出しました。
理由を聞いたところ、「お札が破れている」とのこと。

払うときに破れなどは見えなかったので、おかしいなと思って見ると、店員の指差すところに確かに1cmくらいの破れが。
とはいえ、お札全体から見れば、縦にほんの少し切り込みが入っているくらいで、よく見ないとわからないレベルです(実際、私も言われるまで気がつきませんでした)。

「破れってこれのこと?」
「そうです」
「いやでも、ほんの少し切れているだけですよ」
「でも、破れています」
「この傷でこのお札は無効になるの?」
「いや、そういうわけではないですが」
「じゃあ問題ないでしょう」
「でも破れがありますから」
「有効なお札なんでしょ、何が問題なの」
「とにかく、他のお札と取り替えてください」
「いや、お札自体に問題がないなら取り替えられない」

埒があかないと思ったのか、他の店員を応援に呼んできました。

「お客様、このお札は受け取れません」
「だからなぜ?お札は有効なんでしょう」
「破れがあります」
「だーかーらー。この破れって、お札が無効になるようなものなの?」
「そういうわけではないですが」

どうどう巡り。

ここまでのやりとりで、既にいい感じに体があったまってきていましたが、次の一言で一気にヒートアップ。

「あなたはこのお札を受け取るべきではなかった」

あのなあ、この札はさっきCitibankのATMで引き出したばかりの札なんだよ。
銀行のATMから出てきた札を「受け取るべきではなかった」ってどういうことだよ。
ATMに対する受け取り拒否ってどうやってやるんだよ。
だいたい、1cmの破れの何がいったいそんなに気に入らないんだよ。

と、思いつつ、インド人に反論しても疲れるだけなので(インド人はああ言えばこう言うので、話しているだけで本当に疲れます)、黙っていたところ、

「他にお札がないなら、銀行に行ってお金を引き出して来い」
「その間、荷物を預かる」
「名刺もよこせ」

と言い出しました。

私は決して短気ではない方だと思いますが、もはや我慢の限界。
一言でいうと「日本人なめんなよ」という主旨の内容を、英語で5分ほどまくしたてました。

英語が通じたかどうかは謎ですが、激怒していることだけは伝わったようで、どこからともなくマネージャーがやってきました。
が、マネージャーも、やっぱり同じ対応で受け取り拒否。

それでも「この1000ルピー札以外では払わない」という態度を見せていると、ついにオーナーらしき人物が出てきました。
オーナーに事の経緯を説明し、件の1000ルピー札を見せたところ、マネージャーと話し合いを始めました。

しばらくすると、オーナーが、「このお札で結構です」と言いに来て、無事会計は終了しました。
本当にお札に問題があるんだったら、何と言われても絶対に受け付けないはずなので、支払いを受け入れたということは、結局お札には何も問題がなかったということです。
最初から素直に受け取れよ。

もちろん、チップは一円も払いませんでした(インドではチップは必須ではありませんが、ある程度以上のレストランでは慣習的に払われることが多いようです)。

夕食の後とは思えないくらい不愉快な気分になって店を後にしました。
今後私がこの店に行くことは二度とないでしょう。

それにしても、なんで飯を食べるだけでこんなに疲れなきゃいけないんだろう。

しかも、この日はこれで終わりではなく、さらに続きがあったのでした…

(後編に続く)

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今回のレストランは過剰反応だと思いますが、一般的に、インド人は傷の入ったお札を受け取るのをものすごく嫌がります。
タクシー等でも、お札に少しでも傷が入っていると、「別のお札にしろ」と言ってきます。

そのくせ、お札を大事に扱っている様子がないところや、おつり等で自分がお札を支払う側になるときは平気で傷だらけの札を渡してくるところが、インド人が日本人の心の琴線を逆撫でするところなのですが。

それにしても、なぜあんなに綺麗なお札にこだわるんでしょうね。
過去に大規模な偽札事件や傷札無効事件でもあったんでしょうか。
今回の破れも、日本だとほぼ100%問題なく流通する程度のものなので、ちょっと不思議です。

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コメント

日本の場合、2/3以上あれば全額、2/5以上2/3未満は半額、2/5未満だと失効という扱いになりますが、そういうルールはないんですかね?

http://www.boj.or.jp/type/exp/bn/sonsyo.htm

>凸 様

公式のルールはあると思われますが、詳細はわかりません。
もっとも、インド人はお札に少しでも傷があると受け取るのを嫌がるので、もし「2/3以上なら全額有効」という公式ルールがあったとしても、2/3になってしまっているような札は絶対に受け取らないと思います。

傷札を受け取るのを異常に嫌がるくせに、平気でホッチキスでお札を止めたりしているところが日本人の感覚では理解できないんですよね…

投稿: 凸 | 2008年2月11日 (月) 15時06分

スーパー等で逆に新券の1000ルピー札を出すと、念入りに電灯にかざして本物かどうか確認する店員もいます。
インドのルピー札には「透かし」も無いのに何やってるんだ?と思いますが、過去に偽札事件があって傷付きの札はすべて無効とされた経験があるのかもしれません。
ただ、日本で出回るような巧妙な技術で作った偽札なら、インドの店員に真贋の区別が付くとは思えませんが・・・。

>まさこの 様

透かしがないのに電灯にかざすっていったい何なんでしょうね…

傷札が嫌なんだったら、お札をホッチキスでとめたり、お札にメモ書きしたりするな、と言いたいです。
「自分はお札を丁寧に扱わないが、他人から傷札を受け取るのは嫌だ」というのが、いかにもインド人的発想だなあと。

投稿: まさこの | 2008年2月12日 (火) 14時21分

はじめまして
人のブログをこれほどリアルに感じたことはありません
 
わかります 
つらかったでしょ 
インドで孤軍奮闘するのは、、、

みんなインド人の恐ろしさわかってないですよね 
たぶん怪我の痛みみたいなものなのでしょう
自分が経験しないと絶対その痛みはわからない
これからムンバイで一人で住むことになりました、もしかしたらどこかでお会いするかもしれません ちなみに私も今日からLOWER PareLで仕事してます 

>イトカー 様

はじめまして、コメントありがとうございます。

Lower Parelでお仕事されているんですね。
もしかしたら、同じCorporate Parkでしょうか。

日常生活で接するインド人の多くは、思考回路が日本人のものと全く違うので、多くの場合何を考えているのかが全く理解できません。あまりにも理解できないと、腹がたつというのを通り越して、不気味で恐ろしくなってきますよね…
おそらく、最初の数ヶ月は(その後も)ストレスのたまり具合が半端ではないと思われますので、くれぐれもご自愛ください。

ちなみに、ある程度以上の教育を受けたインド人でさえ、時間にルーズであったり、約束をすぐ忘れることが多く、ときどき何を考えているのかわからなくなることがあります。
あまり一括りにすべきではないのでしょうが、「国民性」というのは確実にあると思います。

投稿: イトカー | 2008年2月15日 (金) 21時51分

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