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2008年2月

平凡な1日

朝、鳥が窓を叩く音で眼がさめる。
窓の近くに巣があるようで、窓の近くを歩く際にぶつかるらしい。
「ガン、ガン」という音が7時ころから鳴り続ける。
「鳥が起こしてくれる」と書くとなんだか素敵だが、音はかなりうるさく、しかもひっきりなしに鳴り続けるため、遅くまで寝ていたいときなどはちょっと鬱陶しい。
窓の外は鳥の糞だらけなので、最近は窓を開けていない。

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朝ごはんを食べる。
最近はヨーグルトが多い。
まずくはないが、美味しいというほどでもない、微妙な味。

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ミネラルウォーターで歯を磨く。
水道水を口に含むと生臭いので、口をゆすぐのもミネラルウォーターが基本。

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髭を剃る。
剃刀派なのだが、洗面台の蛇口からお湯がでないので、剃りにくいことこの上ない。
水だけで無理やり剃ると、顔が血だらけになって困る。
最近は人と会う約束があるとき以外は剃らなくなった。

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着替える。
スーツが汚れていても気にしない。
気にしたらこの街では生きていけない。

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部屋を出てエレベーターに乗る。
手動式の扉を開けるのがとても面倒。

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タクシーを捕まえる。
埃まみれの街を窓全開で駆け抜ける。
シートにサスペンションがないのでお尻が痛い。
降り際に2、3割増しの料金を請求される。
揉めるのが面倒なので、さっさと払って車を降りる。

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午前の勤務開始。
ほとんどメール対応で終わる。

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お昼休み。
事務所の食堂で給食を食べる。
おかずは全部カレー。
たまに激辛のものが混じっていて困る。
デザートのフルーツは美味しい。

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午後。
仕事いろいろ。
合間に論文の材料を集める。
最近はこのブログの会社法解説にものすごい時間を取られている。

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勤務終了。
事務所専属のタクシーに乗って家に戻る。
「専属」といっても別に無料ではなく、むしろ普通のタクシーに乗るより高い。
それでも、いつもタクシーを拾うのに苦労していることを思えば、「いつでも乗れる」というのはとても大きい。

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いつも渋滞する交差点。
物乞いが全開の車の窓から手を差し入れてくる。
無視していたら、気がついていないと思ったのか、服を掴んできた。
しかたがないので、いったん目を合わせた上で首を横に振る。
簡単には諦めない。
また泥だらけの手で服を掴んできた。
彼らに非はない。
それでも、疲れているときは、ぶん殴ってやりたい衝動に駆られるときがある。

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帰宅。
メイドが来ているかどうかを確認。
最近無断欠勤は減った。
紹介業者を通じた苦情が通じたんだろうか。

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着替える。
スーツは砂埃まみれだが、どうせ明日も同じなのでそのままハンガーにかける。

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食料箱からカップ焼きそばを取り出す。
ゴキブリの影におびえつつ、ゆっくりと、間違ってもゴキブリに触らないように。

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ミネラルウォーターをポットに注ぎ、スイッチを入れる。
その間にカップ焼きそばのビニールを剥く。
剥いている間に沸いたので、さっそく注ぐ。

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晩御飯。
栄養が偏るといけないので、日本から持ってきたサプリメントをオレンジジュースと一緒に飲む。
自己満足だとしても、飲まないよりはましなんじゃないかと思っている。

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食べたらシャワーを浴びる。
最近少し暖かくなってきたので、お湯が前よりも出るようになってきた。
とても嬉しい。

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自由時間。
パソコンで遊んだり、DVDを見たり、本を読んだり、ゲームをしたり…
たまに論文を書く。
楽しい。

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夜になると、窓の外から妙な音が聞こえてくる。
音楽のような、そうではないような。
あれはいったい何なんだろう。

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寝る前に歯を磨く。
洗面所は台所の次にゴキブリと遭遇する可能性が高い場所。
外から電気をつけて一通り見回し、動く影かないことを確認する。
ゴキブリに怯えるのは辛い。

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ミネラルウォーターで口をゆすぐ。
あっという間に水がなくなっていく。

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ベッドに入る。
フロアリングの上に直接布団を敷いているような固さ。
それでも、すっかり慣れてしまった。

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本を読んでいるうちに眠くなる。
就寝。

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1週間のうち、4日くらいはこんな感じで過ごしている。

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インド会社法解説その20 -組織再編(事業譲渡、合併、会社分割)①-

インド会社法原文リンク
http://www.vakilno1.com/bareacts/companiesact/companiesacts.htm

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インド会社法上、組織再編の方法には、事業譲渡(Slump sale)、合併(Merger)、会社分割(Demerger)があります。

インド法上のいわゆるM&Aの方法としては、上記のほか株式譲渡も含まれますが、これは会社法の問題というよりはインド外為法とインド公開買付け規制の問題であるため、別途の機会に取り上げたいと思います。

ちなみに、インドの会社の株式を譲渡する場合、Private Companyについては1999年外国為替管理法(Foreign Exchange Management Act, 1999(FEMA))による外資規制を受け、Public Companyについては1992年インド証券取引委員会法(Securities and Exchange Board of India Act, 1992(SEBI Act)) およびその下位法令である1997年株式の大量取得および公開買付けに関する規制(Securities and Exchange Board of India (Substantial Acquisition of Shares and Takeovers) Regulation, 1997)による公開買付け規制を受けます。
自分で書いていて舌を噛みそうです。

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さて、インド会社法上の組織再編の方法として、事業譲渡は当事者の契約による方法、裁判所に申請する方法の双方を選択することが可能ですが、合併および会社分割については必ず裁判所に対する申請により行う必要があります
ちなみに、2002年の会社法改正により、上記各組織再編の申請先は、裁判所(Court)から内国会社法裁定所(National Company Law Tribunal)に改正されていますが、2008年2月現在、同改正は未施行であるため、現時点でも申請先は裁判所となります。

組織再編には1961年インド所得税法(Income Tax Act, 1961)の規定が多く絡んでくるため、解説において適宜言及していきます。

以下、組織再編行為ごとに分けて解説します。

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事業譲渡は、インド法上はSlump Saleと呼ばれます。
「スランプ状態の事業を売却する」というイメージですね。最近は、この言葉のイメージを嫌って、講学上Transfer of Going Concernと呼ばれることもあるそうです(インド会社法上、会社分割に相当する言葉はDemergerです)。

日本と同じく、インドの組織再編も税制と密接な関係があるため、事業譲渡に関する重要な定義は1961年インド所得税法においてなされています。
具体的には、事業譲渡(Slump Sale)は同法2条42C項に定義されており(下記参照)、事業(undertaking)は同条19AA項に定義されています。

1961年インド所得税法2条42C項
"slump sale" means the transfer of one or more undertakings as a result of the sale for a lump sum consideration without values being assigned to the individual assets and liabilities in such sales.

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さて、上で述べたとおり、組織再編行為のうち、事業譲渡のみは①当事者の契約による方法、②裁判所に申請する方法の双方を選択することが可能です。
それぞれのメリット、デメリットは以下のとおりです。

①当事者の契約による方法
メリット
・当事者の合意のみで事業譲渡を行うことができるので、手続が簡単かつ迅速
デメリット
・事業譲渡についての債権者等の個別同意が必要
・税務上の優遇措置が受けられない

②裁判所に申請する方法
メリット
・事業譲渡についての債権者等の個別同意が一定程度免除される
・印紙税の軽減等の税務上の優遇措置が受けられる
デメリット
・裁判所の申請手続きを経るため、一定の時間がかかる

上記を比較すればわかりますが、①と②のメリット、デメリットはそれぞれ表裏の関係にあります。
これらのメリット、デメリットは、日本の会社法上の合併(会社分割)と事業譲渡の比較に似ています。日本の会社法や税法上も、「事業譲渡は当事者の合意のみでできるが、(業法上の特別みなし規定がある場合を除いて)債権者の個別同意が必要であり、また税務上の優遇措置も受けにくい」、「合併(会社分割)は手続きにとても時間がかかるが、債権者の個別同意は不要な上、税務上の優遇措置が適用される場合が多い」という関係が成り立つためです。

もっとも、実務上は、②の裁判所に申請する方法による事業譲渡はほとんど行われていないとのことです。
次回に解説しますが、②の裁判所に申請する方法による事業譲渡は、その手続が同じく裁判所に申請して行う会社分割(Demerger)にきわめて似ており、かつ会社分割の方が税制上の優遇措置が大きいことから、裁判所申請の組織再編を行う場合に、あえて会社分割ではなく事業譲渡を選択するメリットが乏しいためです。

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①、②のいずれの方法をとる場合であっても、また事業譲渡が全部譲渡であっても一部譲渡であっても、Public CompanyまたはPublic Companyの子会社が事業譲渡を行う場合、譲渡会社は取締役会決議とともに株主総会通常決議を経る必要があります(インド会社法293条1項(a))。
さらに、この場合において、譲渡会社が上場会社である場合、株主総会決議は郵便投票で行われる必要があります。

一方、譲渡会社がPrivate Companyである場合、株主総会決議は不要であり、インド会社法上は、事業の全部譲渡であっても取締役会決議で決定できることになります。
また、譲受け側について、インド会社法上は、譲り受ける側は、事業の全部譲渡の場合であっても株主総会を経る必要はなく、取締役会決議のみで譲受け可能です。

もちろん、上記いずれについても、定款で規定すれば株主総会決議事項にすることができますが、実務上はそのようにしている会社はほとんどないとのことです。

なお、上記取締役会または株主総会での承認は、通常事業譲渡契約書の承認という形で行われます。

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組織再編の方法として事業譲渡を選択した場合、その対価は、事業評価額相当の現金である必要があります。
インド人弁護士に確認したところ、対価として譲受人の新規株式発行を支払うという方法もありえないわけではなく、実例もあるそうですが、この方法はグレー(合法性がはっきりしない)とのことです。理由は、対価が株式の場合、優遇税制適用上の要件を満たさないと解される余地があるからだそうです。

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事業譲渡の効果は事業の包括的な承継ですが、日本と同じく事業譲渡の効果を第三者に対抗するためには、原則として事業譲渡についての債権者等の個別同意が必要となります。

また、旧会社が保有していた認可や事業ライセンスは事業譲渡に伴って移転することはなく、それぞれの監督官庁に事業譲渡による移転を申請し、それが認められる必要があります。

一方、譲渡された事業に従事していた従業員については、移動後の会社で移動前よりも待遇が悪化するということが限り、個別の同意なくして譲受け会社に移籍します。逆に言えば、譲受会社が譲渡会社と同じ待遇を提供する限り、従業員は事業譲渡に伴って当然に新会社に移籍してくることになります。

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以下、事業譲渡に適用される税制(所得税、印紙税その他の税制)について、書いていこうと思ったのですが、あまりにたくさんありすぎて心が折れてしまいました
現時点でインドのM&A税制に本格的に興味のある人はそれほど多くはないでしょうし、また本格的に興味がある場合にはこのようなブログを読むよりも然るべき専門家に相談すべきかと思われますので、税制の詳細な解説については割愛します(今後の合併、会社分割でも同様です)。

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次回は合併です。

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インドの模倣品事情

月曜日に、ムンバイ訪問中の経済産業省に出向している弁護士の方(ちなみに、司法研修所同期の方でした)とお会いしました。
模倣品対策のミッションでムンバイに来られたとのことであり、夕食を食べながらインドの知的財産権保護状況と模倣品事情について色々お話しました。

現地で仕事している実感として、インドの模倣品事情は中国や韓国、台湾といった東アジアの国々、またベトナム、タイ、フィリピン等の東南アジアの国々と比べて、それほど深刻ではなく、模倣品の種類数自体が少なく、またその市場も上に述べたような国々に比べれば遥かに小さいといった状況です。

模倣品天国のアジアに属しているにもかかわらず、インドで模倣品がそれほど深刻な問題になっていない理由について、以下、月曜日にお話ししたことを踏まえてつらつらと。

・模倣品の需要が少ない
そもそも、なぜ模倣品が発生するかというと、本物を(あるいは本物そっくりの模倣品を模倣品と知って)欲しい人がいるからで、たとえばルイ・ヴィトンの模倣品がはびこるのは、それだけ本物(あるいは本物そっくり)のルイ・ヴィトンを欲しい人が多いからです。

で、なぜ皆「本物」が欲しくなるかというと、情報を入手するからです。知らなければ欲しいとも思わないわけで、口コミにせよマスコミにせよ、何らかの情報伝達手段により、「本物欲しいと思う人」が発生し続けることにより、本物の需要と同時に模倣品の需要が生まれるわけです。
口コミがメインで「本物の需要」が発生した例としては、東南アジアにおけるホンダのバイクなどが挙げられ、マスコミがメインで「本物の需要」が発生した例としては、日本におけるブランド物のバッグなどが挙げられるでしょう。これらの「本物の需要」は、同時に「模倣品の需要」を生んだわけです。

ところが、インドはものすごい格差社会である上に地方間の情報断絶が激しく、口コミ、マスコミともに情報伝達手段として十分に機能していません。
口コミの効果はもともと限定的ではあるのですが、以下に述べる「中流階級の不在」により、さらにその効果は限定的になっています。マスコミにいたっては、そもそもテレビやラジオを持っているのは上流階級の人間だけという世界で、都市部はともかく田舎は完全に置き去りです。

このような情報断絶により、国内については「本物の需要」も喚起しにくいが、同時に「模倣品の需要」も喚起しにくいという状況になっているわけです。
ちなみに、インドで「本物の需要」が喚起できている数少ない業種として自動車がありますが、これはそもそも模倣品を作りうるだけの技術を持った国内の業者がとても少ない(大手ではTATA Motorsくらいしかありません)こともあり、技術模倣はそこまで深刻な問題にはなっていないようです。

では、国内の需要が低いとして、外国の需要はどうか。
中国や韓国であれほど模倣品がはびこった理由の1つは、隣国の日本という金持ち国家が大きな「本物の需要」=「模倣品の需要」を持っていたことです。
国内でさほどの需要がなくとも、模倣品を製造して日本に輸出しさえすれば、模倣品でない商品よりも高く売れるとなれば、やはり製造業者の模倣品製造のインセンティブを刺激してしまいます。

情報伝達の発展や中流階級の勃興により、今では中国や韓国でも国内での「本物の需要」が増大していますが、少なくとも数十年前は模倣品のターゲットは日本であり、日本での膨大な「本物の需要」を満たすために模倣品が製造されていたという面が大きかったといえます。

翻って、インド。
隣国、近国に「本物の需要」をたくさん持っているような経済力を持った国が存在しません。強いて言えば、中国やドバイあたりが挙げられるでしょうが、中国は模倣品を自給自足してしまいますし、ドバイの金持ちが正規代理店以外の店で物を買うとは思えないので、この2つはほとんどあてにできません。
遠国となると、東は中国をはじめとした東南アジアの国々の独占市場ですし、西には東欧の国々が西ヨーロッパを対象とした模倣品工場として控えています(また、そもそも西は模倣品需要そのものが弱めです)。
そのため、インドには外需による模倣品製造のインセンティブもあまりありません。

このような需要の不在が、インドで模倣品がそれほど問題とならない大きな理由の1つであると思われます。

・中流階級の不在
ものすごい金持ちは本物しか求めませんし、その日暮らしの貧乏人は生活に絶対に必要なもの以外は欲さないので、模倣品のメイン需要層は中流階級であるといえます。

ところが、インドには中流階級がほとんどいません。
ものすごい金持ちとその他大勢で成り立っている国です。
最近でこそ中流階級が増えてきたと言われますが、それでもインド全体の人口に比べれば遥かに少数です(とはいえ、母数が多いのでそれなりの数にはなるのですが)。

また、「下流階級が中流階級になった後、最初に求めるもの」は、まずは車や電化製品などの生活に必要な機械類(=技術、特許模倣の対象)であり、ブランド物の服やバッグ等(=デザイン、商標模倣の対象)ではありません。
インドで新たに生まれた中流階級は、まだ自動車や生活機器等の生活に必要な機械類を求めている段階で、デザインや商標にはあまり目が向いていません。

もちろん、生活に必要な機械類に対する需要は、技術、特許模倣の需要も同時に生んでいるのですが、技術、特許模倣はある程度の基礎技術力がないとできないので、その影響は今のところ限定的にとどまっています。
一方、とても簡単にできるデザインや商標の模倣は、まだ中流階級の目が本格的にそちらを向いておらず、需要が少ないことから、少なくとも大規模な問題とはなっていません。

・国民性
東アジア、東南アジアで爆発的に模倣品(特にデザインや商標の模造品)が増えたのは、「何が何でも本物が欲しい」、「どうしても本物が駄目なら、良く似た偽物でもいい」、「一点豪華主義」、「持っていないことに対する周囲の目が気になる」といったアジア人のメンタリティによるところが大きいと言われています。

欧米の人間にそのような感情がないわけではないでしょうが、少なくとも欧米の人間には、「住んでいるのはワンルームマンションで、普段は質素に暮らしているが、ボーナスをつぎ込んでバッグだけは超一流ブランドのものを持っている」という日本人(あるいは韓国人、中国人)の行動パターンは理解できないようです。
彼らにとって、ブランドはそれを生活の娯楽として買うことができる人間(平たく言えば金持ち)が楽しむものであって、そうでない人間が生活の一部を犠牲にしてまで(しかも1点豪華主義で)買うようなものではありません。

これはブランドに対する考え方の違いであり、どちらの考え方が良いか悪いかという問題ではないのですが、後者に比べて前者の方が「本物の需要」の絶対数が増えることは間違いないでしょう。

さて、インド人のメンタリティですが、少なくとも現地に住んでみた限り、インド人のブランドに対するこだわりはそれほど高くないように感じます。
オフィスで隣に座っているインド人女性弁護士に、「ヨーロッパのブランドのバッグや財布等を持っているか」と尋ねてみたところ、「興味はあるが、現時点では別に欲しいとは思わない。将来もっと給料をもらえるようになったら買うかも」とのこと。
ついでにもう2人くらいに尋ねてみたところ、1人は「自分は外国に旅行したときに買ったので持っているけど、他のインド人が皆同じように興味があるということはないと思う」、もう1人は「高いから買わない」とのことでした。

彼女らがインドでは中の上くらいの階級に属すること、ブランド品を買おうと思えば買えるだけの経済力は持っていることを考慮すると、少なくとも現時点でのインド人中流階級の考え方は、「ブランド品に興味はあるが、生活の一部を犠牲にしてまで買うようなものではない」という欧米の人間の考え方に近いように思われます(調査母数が少ないので、単純に彼女らの個性ということもあると思いますが)。

もちろん、以上はバッグ等のブランドに限った話ではあり、全ての品物に直ちに適用できる話ではありませんが、根本的な国民性や発想という点では参考になるのではないかと思います。

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さて、ここまで読まれた方で既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、実は上記に述べた、「インドにおいて模倣品がそれほど問題となっていない理由」は、国民性を除いては、インドの社会および経済発展に伴って解消されていくものです。

情報伝達について、現在はともかく、10年後、20年後はそれなりに円滑になっているでしょうし、それに伴って国内の「本物の需要」は増えていくでしょう(さすがに外需の増大はあまり期待できなさそうですが)。
また、技術力はどんどん高くなっていくでしょうし、中流階級も今後着実に増え続けていくと思います。
唯一の抑止弁になりうる国民性も、「高いから買わない」というのは裏返せば「高くないと思えれば買う」ということですから、国民所得が伸びるにつれてうまく機能しなくなる可能性は十分にあります。

何が言いたいのかというと、今はともかく、10年後、20年後には、インドで模倣品が爆発的に問題になる可能性があるということです。

そして、そうなったときに、その流れを押しとどめる力はインド政府にはありません。
開発独裁の体制をとっている中国や他の東南アジアの国々と比べ、インドは民主主義を採用しているので、「いざというときの強権発動」が期待できません。
司法に訴えるとしても、この国の裁判制度は事実上機能していないので、10年裁判をやっている間に技術が陳腐化したり、ブランドのブームが終了してしまいかねません。
また、インド人の利己的な国民性(ちなみに、この国の国民の脱税率は9割を超えています)からして、各自のモラルに期待するということもできないでしょう。

要するに、現在インドで模倣品がそれほどの問題になっていないのは、多くのインド人が模倣品の効用に気がついていないからであるにすぎず、経済発展に伴い、今後インドで模倣品が中国と同じくらいの規模で非常に大きな問題となる日が来る、ということです。

実際、経済産業省に出向している弁護士の方の話によれば、じわりじわりとインドでも模倣品の数は増えてきているとのことです。その一方、それに対するインド政府の動きはとても鈍く、司法制度の整備もあまり進んでいません。
危険度は増す一方です。

とりあえず、この国の模倣品事情については、今後も注視していく必要があるだろうということで意見が一致しました。

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テニスダブルス大会

先週日曜日、先々週のシングルス大会に続いて、テニスのダブルス大会がありました。
参加者は前回からさらに増えて24人。
ムンバイの日本人人口の1割が参加するという、ある意味すごい規模の大会になりました。
シングルス大会ではボロボロにやられたため、何とか今回は頑張りたいところです。

午前中の男子ダブルスでは、惜しいところでゲームを落としてしまうことが続き、予選リーグで1勝2敗。残念ながら決勝トーナメント進出は逃してしまいました。
それでも、内容的にはシングルスとは比べ物にならないくらい充実していました。
ネット際でのプレーが好きな自分には、ダブルスの方が性に合っているようです。

午後からの男女混合ダブルスでは、組ませていただいたパートナーの方の実力が高かったこともあり、予選リーグで2連勝。
が、好事魔多し。
3試合目が始まったところでパートナーの方の足がつってしまい、無念のリタイア。
こちらは本気で優勝を狙っていただけに、とても残念でした。

ちなみに、やはり朝から夕方までぶっ続けでテニスというのはきつかったのか、午後は足をつる人が続出していました。
私も1、2回兆候を感じたのですが、何とかだましだましで最後までプレー。

結局、男子ダブルス、男女混合ダブルスともに予選リーグ敗退でしたが、とても楽しい大会でした。

大会終了後に撮った全員の集合写真

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試合の後は、お約束どおり打ち上げ。

ムンバイに数件しかない日本料理屋のうちの1つに移動します。
打ち上げはテニス大会の表彰式も兼ねており、主催者の方の配慮もあって、ほぼ全員が何らかの商品を手にしました。商品は参加者の持ち寄りで、各所属企業の特色が出ています。

ダブルスの1位商品は、某カメラメーカーから提供されたデジカメと1GBのメモリーのセット。これは本気で欲しかった…
私が提供した日本食レストランでの食事券は、見事混合ダブルスの優勝者がかっさらっていきました。

ちなみに、私がいただいた商品は、佃煮とキャベジンのセット。
なんだか良くわからない組み合わせでした。

この打ち上げ、完全に日本の飲み会のノリで、そこら中で一気飲みが発生しています。
ついつい楽しくて飲みすぎ、気がつくとベロベロに。
飲み会の最後に集合写真を撮った時点では、既に千鳥足。

飲み会後の集合写真(記憶なし)

Photo

                             

                                                                  
              

ここからの記憶があまりはっきりしないのですが、どうやら帰る方向が同じ方に家まで送っていただいたようで、気がつくと家のベッドで寝ていました。あと、翌朝洗面所がえらいことになっていました。
とりあえず、とてもご迷惑をかけてしまったようです…

そもそも、異国でここまで飲んではいかんですね。
インドの治安は悪くはありませんが、やはり何が起こるかわからないところもあるので。
完全に日本式飲み会の雰囲気に呑まれてしまいました。

まあ、楽しかったからいいか。

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コックローチ・バトル5 -ゴキー・ポッターと節長の騎士団-

ゴキーは、眠れない日々を過ごしていた。
毎晩のように見る、長くて暗い、鍵の掛かった扉がある廊下の夢。
この夢は、「あの人(You-know-who)」の復活に関係あるのだろうか。
しかし、仲間からは何の連絡もない…

指先から出す猛毒のジェット噴射の魔法や、毒入り菓子の魔法で、ゴキ界を恐怖のどん底に陥れた「あの人」。「名前を呼んではいけない人(He who must not be named)」とも呼ばれ、幼い自分に「死の呪文」をかけた人。
なぜか自分と強いつながりが感じられる人…

ある日、いつものように従兄と食料を探しに出かけたゴキーは、突然「あの人」の手先(「あの人」には「Maid」と呼ばれているようだ)に襲われた。
ゴキーは自分と従兄の身を守るため、咄嗟に中途半端に翅を広げてMaidを威嚇し、Maidを怯ませて危機を免れた。

ゴキ界では、逃げるために飛ぶとき以外に翅を広げることは禁じられている。
ゴキーの通う学校は、未成年であるゴキーが逃亡以外の理由で翅を広げたことを理由に、ゴキーを退学処分にしようとした。が、ゴキーに好意を寄せる校長の尽力により、政府の正式な尋問を受けるまでは退学処分は保留となった。

学校には、若きエリートを集めた「節長の騎士団(Order of Long Arthro (Fushicho-no-Kishidan))」と呼ばれるチームがあった。
ゴキ界では、6本の節足の節と節の間が長ければ長いほど、一族としての能力が高いとされる。「節長の騎士団」に所属するメンバーは、ゴキーを含めて素晴らしい節々の長さを持っており、その美しさとポテンシャルは世間の目をうならせるものであった。

校長のはからいにより、ゴキーは、「節長の騎士団」の仲間とともにゴキーにかけられた嫌疑と陰謀の謎を解くために、そして「あの人」と対決するために冒険に乗り出した。

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まずは小手調べ。

「節長の騎士団」とともに、「あの人」の部屋の片隅に山積みになっているダンボールの下に潜んでみる。
「あの人」が近寄ってきた。どうやら、ダンボールの中に積んだ本を探しに来たらしい。ダンボールを持ち上げた瞬間、仲間とともに姿を現す。

「あの人」は動かない。
いや、硬直して動けないようだ。
どうやら、「あの人」は、ゴキー達の姿を見るだけでダメージを受けるらしい。
奇襲は成功し、ゴキー達はすみやかに現場から離脱した。

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今度は少し大胆に、ゴキー単独で「あの人」のスリッパの横に潜んでみる。
家に帰ってきた「あの人」が靴を履き替えようとした瞬間、躍り出る。
下ろしかけた「あの人」の足がぴたりと止まる。
その瞬間逃げ出す。「あの人」にダメージを与えるのは文字どおり命がけなのだ。

あの人が猛毒ジェットの魔法を使おうとしたときには、ゴキーは完全に姿をくらますことに成功していた。

もっとも、このことは後で「節長の騎士団」の仲間にばれ、あまりにも危険な行為として、今後の単独行動は固く戒められた。

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しかし、なんといっても「あの人」にダメージを与えたのは、「あの人」の食料を食い荒らしたことだ。

「節長の騎士団」とともに「あの人」の食料を食い荒らしているのを発見したときの「あの人」の顔。集まっていたのは全部で3人だけだったが、まるで悪魔でも見たような顔だった。
それはそうだろう、毒菓子の魔法で、ゴキーの一族は激減しているはずったのに、3人も同時に現れたのだから。

不幸にも、「あの人」の猛毒ジェットの魔法で「節長の騎士団」の仲間の1人が命を落としたが、それだけの犠牲を払った甲斐はあった。
食い荒らされた食料だけでなく、その周りの「危なそうな」食料も一緒に捨てていた「あの人」の顔は、実に無念そうだった。

多数が同時に発見されたということも、「あの人」に確実にダメージを与えたに違いない。

ゴキーと「節長の騎士団」は、今後も協力して「あの人」に対抗していくことを誓うのだった。

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これらの激しい戦いの中、ゴキーは恋をした。
相手は、とても美しく艶やかな黒翅の持ち主。
出身は遥か東の中国らしい。
最近恋人を失ったばかりの彼女は、とても寂しそうだった。

一族の強みは逃げ足の速さだけではない。
繁殖力もまた強力な武器なのだ。

「あの人」は、ゴキーの一族の姿を見るだけでダメージを受けるのだから、自分と彼女の間に幼虫が生まれ、それが「あの人」の目に止まるようになれば、「あの人」をさらに苦しめることになる
まさに一石二鳥ではないか。
ゴキーの妄想は膨らむ。

さて、ゴキーの恋の行方やいかに。

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インド会社法解説その19 -株式、新株予約権④-

インド会社法原文リンク
http://www.vakilno1.com/bareacts/companiesact/companiesacts.htm

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インド会社法解説その15の最後で少し書いた、インド会社法上の株主の権利(株主総会の普通決議事項、特別決議事項、少数株主権)についてのまとめですが、結局論文として発表することになったため、論文発表まではブログで取り上げるのを控えたいと思います。

さて、今回は自己株式の取得および株式分割の解説です。

インド会社法上、会社には自己株式その他自ら発行した証券(以下「自己証券」といいます)の取得の権限が認められています(インド会社法77A条)。
ただし、日本の会社法と同様、自己取得の財源には制限があり、①自由準備金(free reserve。準備金のうち、会社が比較的自由に取り崩せるものをいう。)、②自己証券買取専用アカウントへの計上金、③これから発行する株式、証券とは異なる種類の株式、証券の発行により得た払込金のいずれかのみを財源とする必要があります(同条1項)。

③について少し補足すると、同じ種類の株式や証券で得た払込金を、同じ種類の株式や証券の自己買取に利用するのは駄目ということで、たとえば、普通株式のみを発行している会社で、普通株式の新株発行により得た払込金を、同じ普通株式の自己取得に利用するのは認められないということです。
なんだかややこしいようですが、ちょっと考えれば、「同じ種類の証券を発行して得た金で自己証券を取得する」というのは、単なる循環にしかなっていないので無意味ということがわかります。

また、会社内部の手続きの問題として、自己証券の取得には、会社に自己証券の取得を授権する附属定款の規定、またはそのような定款規定がない場合には取締役会決議による授権決定が必要となります。
さらに、自己証券の取得額が、資本金および準備金の合計額の10%以上となる場合、上記に加えて、株主総会特別決議(4分の3以上の賛成)が必要となります。
さらに、自己証券の取得には期間制限があり、前回の自己証券取得から365日以上経過していない場合、次の自己証券取得を行うことはできません(以上、同条2項(a)、(b))。

自己証券の取得上限は、トータルで資本金および準備金の合計額の25%以下となります。なお、自己株式については、この制限に加え、さらに毎年度の取得価額上限として、当該年度の資本金額の25%に相当する額以下となります(同条2項(c))。

会社は、取得した自己証券を取得から7日以内に償却しなければならず、償却の方法は「物理的な破壊」とされています(同条7項)。相変わらず豪快というか…

その他は細かい手続きなので、ご興味のある方は直接インド会社法77A条を読んでいただければと思いますが(SEBIへの報告義務もあったりします)、いずれにしても、インド会社法上、自己証券の取得は手続きさえ踏めば比較的容易にできるという点は重要だと思います。
今の日本の会社法の感覚からすると当たり前のようにも思われますが、つい7年前までは日本では自己株式の取得は原則禁止だったことを思うと、経済的には日本の昭和30年代くらいのインドが今現在の法令で自己株式の取得を認めていることはなかなか興味深いです。

ちなみに、このように自己株式取得が認められていることは、外国直接投資(FDI)や外国機関投資家投資(FII)の投資上限の問題と絡んできます。
たとえば、FDIで投資上限が49%の業種で、ぎりぎり49%まで保有しているFDI外国投資家がいるような場合に、会社が自己株式の取得+償還を行うと、当該FDI投資家の株式持分が50%を超えてしまうという事態が発生します。

このような場合にはどうなるのかインド人弁護士に聞いてみたところ、「外国投資家の責任ではないので直ちに外資規制違反が問われるということはないだろうが、超過状態を認識しつつ長期間その状態を放置するなどの事情がある場合には問題視される可能性があるので、すみやかに株式を売却するなどして超過保有事態の解消をした方がよい」とのことでした。

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株式分割について、インド会社法上、株式分割は株主総会通常決議事項とされています(インド会社法94条1項(d)、同条2項)。

そのため、取締役会設置会社においては取締役会決議で株式分割が決議できる日本の会社と異なり、インドでは株式分割はそう頻繁に起こるというものではないそうです。
インドの上場会社における株式分割の手続、タイムラインは、おおむね以下のとおりです。

①株式分割の決議のための株主総会(普通決議)の21日以上前に、当該株主総会召集のための基準日が設定され、当該基準日時点での株主に対して株主総会召集通知が発送される。
②株主総会が開催され、その株主総会において、株式分割の基準日、株式分割の効力発生日および分割後新株の取引開始日を含む、株式分割全体のスケジュールが決議される。株式分割には30日以上の公告期間が必要とされるため、株式分割の基準日は、株式総会開催日から30日以上後である必要がある。
③株式分割の基準日から平均7日間会社の株主名簿が閉鎖される。株主名簿の閉鎖期間は、基準日から分割効力発生日までである。なお、7日という日数について、法令上特に日数の定めはないが、実務上7日間という例が多いとのこと。
④基準日後、取引開始日まで、証券取引所は当該株式について、No Delivery Periodという決済禁止期間を設ける。この間は、分割前株式自体の取引は可能であるが、決済はNo Delivery Period経過後にのみ行われる。No Delivery Periodは、「基準日後、取引開始日まで」なので約7日から10日程度。
⑤株式分割の効力発生日時は、分割後新株の取引開始日の一営業日前の証券取引所の営業時間終了後に設定される。通常、月曜日を分割後新株の取引開始日とし、その前週の金曜日の午後6時等を分割効力発生日時とする。
⑥分割効力発生日に、基準日現在の株主は、分割後新株を取得する。この分割後新株を相対取引等で譲渡することは可能であるが、分割後新株の取引開始日までは証券取引所は開かないので、同日まで証券取引所で取引することはできない。また、分割後新株の取引開始日までは会社が開かないので、その前に相対取引で分割後新株を譲渡していたとしても、株主名簿の書き換えを請求できるのは結局分割後新株の取引開始日となる。
⑦分割後新株の取引開始日(基準日から約7日後)に、証券取引所において分割後新株の取引が可能となる。

上記から、株式分割の過程を概観すると、
(ア) 基準日は株式分割効力日の約7日間前
(イ) 株式分割の効力発生日は、分割後新株の取引開始日の一営業日前の証券取引所の営業時間後
(ウ) 分割後新株の取引開始日は、平均で株式分割基準日から10日後程度(=7日間の名簿閉鎖期間+効力発生日後の土日)
となります。

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なお、以上の過程において、権利落ちによる価格下落は、(イ)株式分割後新株の取引開始日に生じているとのことです。

ん?おかしいな?
基準日現在の株主に分割株式が割り当てられるなら、権利落ちによる価格下落は基準日(あるいはその少し前)に生じるんじゃないの?

疑問に思って聞いてみたところ、以下のような説明が帰ってきました。

・上記4で述べたとおり、株式分割の基準日後も分割前株式を取引すること自体は認められており、ただ決済がNo Delivery Period経過後に行われるというにすぎない。
・そして、インドでは、基準日後に株式が取引され、株主の異動があった場合、証券取引所がその異動を記録し、会社に報告することにより、基準日後の株主異動のトレースが行われている。
・このトレースにより、会社は分割効力発生日に、「異動後の株主」に分割新株を割り当てることができる。
・すなわち、インドでは、基準日時点の株主に分割新株を割り当てることを原則としつつ、基準日後以降に株主変動が生じた場合にはその異動を把握して新しい株主に分割新株を割り当てるとの方法がとられている。
・この場合、基準日後に株主が変動したとしても、分割効力発生日における実質株主に分割新株が割り当てられることとなるため、基準日前後の権利落ちという問題は生じない。
・したがって、株式分割による価格下落は、分割後新株の取引開始日に生じる。

以上の説明に対して、まだ納得できなかったので、

「基準日後におきる株式の異動をトレースし続けるなら、『基準日』の意味がないのではないか。それに、膨大な株式取引を全てトレースすることが本当に可能なのか。」

と質問したところ、

「基準日後にNo Delivery Periodが設定されると、決済がT+7からT+10になる。このような決済が遅い証券を投資家があえて選択して取引することは通常ないので、一般的にはNo Delivery Periodが設定された株式についてはNo Delivery Periodが終了するまで流動性が極めて低くなる。したがって、現在の実務上、基準日以降実質株主が動くことはほとんどなく、多くは基準日時点での株主(株主名簿記載の株主)にそのまま割り当てが行われる。また、流通性が下がる(=取引の頻度が下がる)ことから、実質株主のトレースも容易にできる。そもそも、証券取引所が株式分割が発表された株式についてNo Delivery Periodを作る目的は、株式の流通を阻害して異動が発生しにくいようにし、トレースを容易にする点にある」

との回答でした。

要するに、インドの上場会社の株式分割では、
「基準日をベースとしつつ、その後の実質株主変動(No Delivery Periodの制度により、実際にはほとんど起こらない)も捕捉した上で、分割効力発生日に実質株主に分割後新株を割り当てる」
という方法が採られているということであり、その結果、分割による価格下落は分割効力発生日(正確には、翌営業日の分割後新株取引開始日)まで生じないということのようです。

別の側面からいうと、「株式分割の基準日」という言葉のニュアンスが少し日本とは異なるようで、日本では「その時点での株主に機械的に割り当てる日」というニュアンスであるのに対し、インドでは「一応株主をある程度確定する日」という程度のニュアンスしかないようです。

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さて、上記のインド株式分割のシステム、どう思われたでしょうか。

個人的にはものすごく非効率かつ間違いが起こりやすいシステムだと思います。

おそらく、近い将来、誰かがこの制度の穴を利用して、インドで株式分割を利用して一儲けするでしょう。そうなったら、日本的な意味での基準日の導入など、株式分割制度について抜本的な改正が進むかもしれません。

ちなみに、インドでは株式分割に対する社会的関心が驚くほど低く、権利落ちの問題や株価変動の問題については、現時点ではほとんど議論が進んでいません。特に権利落ちによる株価変動は、ものすごく重要な問題だと思うのですが、誰もあまり正面から議論していないようです。

もっとも、日本でも、株式分割がメジャーな論点となったのはごく最近であり(現在は制度改正により是正されましたが、分割から株式発行までのタイムラグを利用した資金調達手段としての株式分割や、買収防衛手段としての株式分割が問題とされたのはここ数年のことです)、昭和30年代に株式分割に関する論点がさかんに議論されていたとは思えないので(そもそも昭和30年代の商法上、株式分割制度があったのかは知りませんが)、こんなものなのかなという気もします。

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インドの株式分割制度は以前一生懸命調べたところなので、ついたくさん書いてしまいました。権利落ちによる価格下落の問題以降はかなりマニアックな内容になっていますので、適当に読み飛ばしていただいて結構です。

次回は、組織再編(事業譲渡、合併、会社分割)の解説です。

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テニス大会と死体

日曜日に、毎週参加している日本人テニス会のシングルストーナメントがありました。
トーナメントに先立ち、いつもテニスをしているテニスコートのリニューアルが完了しており、同じコートとは思えないくらいきれいになっていました。

リニューアル前

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リニューアル後

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私も一選手として参加したのですが、予選リーグでけちょんけちょんに負けました。
情けない…

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お昼休憩になり、お弁当を持ってきていなかった私は、他にもお弁当を持ってきていなかった人たち(=独身者または単身赴任者と同義)と、マクドナルドにお昼を食べに行くことにしました。
ちなみに、牛も豚も宗教上の理由で駄目なので、マクドナルドにはチキン挽肉バーガーかフィレオフィッシュしかありません。

マクドナルドはテニスコートから歩いて10分くらいの場所にあるのですが、その途中のバス停の脇に人が倒れているのを見かけました。
ムンバイでは路上に人が倒れていることなどよくあることなので、特に気にもとめなかったのですが、帰路でみかけたときも全く同じ姿勢(しかもかなり不自然)で倒れていました。

よく見ると、大量の蝿が口や鼻の粘膜にたかっています。にもかかわらず、倒れている人には何の反応もありません。
また、肌の色がどす黒く、手足も不自然な方向に曲がっています。

マクドナルドに行ったのは4人だったのですが、私以外にもその倒れている人に気がついていた人がいて、その人と目を合わせた後、「あれ、死んでるよね…」という話になりました。
まさか、ということで、残り2人も倒れている人の方に目をやりましたが、しばらく観察して、やはり「死んでいるとしか思えない」とのこと。

なんというか、肌の色や手足の曲がり方といった外部的な特徴以上に、印象としてどう見ても生きている感じがしません。
もう一度4人で見てみましたが、呼吸の気配も全く感じられず、やはり「あれは間違いなく死んでいる」という意見で一致しました。

何がすごいって、周囲の人間が全くその倒れている人を気にするふうもなく、バスに乗り込んでいたこと。声をかける人は勿論、目を向ける人さえいません(既に死んでいるから無駄、という発想なのでしょうか)。
良く言えば、「死が身近」ということなのかもしれませんが、やはり日本人の感覚としては恐ろしい街だと思わざるをえません。

見ず知らずの人間とはいえ、人間の死体を見るのはあまり気持ちいいものではありません。
4人で言葉少なになってテニスコートに戻りました。

ちなみに、私がムンバイの路上で人間の死体を見るのはこれで3回目です。
いずれも、今回見たのと同じく、「路上に倒れていて、かつ生きている兆候が全くない」状態でした。

ほとんどの日本人駐在員は、移動は運転手付の車で行っているため、ムンバイの路上を歩くこと自体がとても少なく、あまりこういう場面には出くわさないようですが、私のような半学生的な生活を送っていると、結構な頻度でスラムの中を歩かざるをえなかったりするため、本当に色んなものに出くわします。

さすがに人間の死体はそんなにしょっちゅうは見ませんが、路上にうつ伏せで倒れている人間の股間から液体が流れている(要するに路上で服を着たまま失禁している。おそらくは病気で身動きが取れないため)といった類の場面を見るのはそれほど珍しくもありません。
そのときも死んでいるのかと思いましたが、しばらく様子を見て、呼吸で胸が動いているのを確認して安心した記憶があります。
ここはレイテ島か。

以前書いたとおり、ムンバイのスラム人口は700万人です。
トタン屋根で作った掘っ立て小屋のような家にすら住めず、路上に敷物も敷かずに寝泊りしている純粋路上生活者は、少なく見積もってもスラム人口の1割はいると思います。
過酷な生活の中、おそらく毎日のように誰かが病気や衰弱により、路上で命を落としているのでしょう。
「死体が転がっていても誰も気に留めない」というのは、それくらい路上の死体が珍しくないということなのかもしれません。

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午後からは、決勝トーナメントが始まりました。
熱戦の結果、トーナメント前から予想されていた優勝候補が優勝し、その他の順位もほぼ順当な結果に終わりました。
多少ハプニングはありましたが、とても楽しい1日でした。

心残りは、自分の成績が不本意であったこと。
来週はダブルストーナメントがあるので、なんとか雪辱したいと思います。

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The Symphony Orchestra in India

先週金曜日、National Centre for the Performing Arts(NCPA。ムンバイにある国立劇場)で行われたクラシックコンサートに行ってきました。
NCPAを本拠地とするオーケストラであるSymphony Orchestra in India(SOI)に所属されている日本人の方のご紹介です。

NCPAは、ムンバイ随一(というか唯一)のおしゃれスポット、Nariman Pointにあります。
おそらく全世界のHiltonの中で最も宿泊費が高いであろうHilton Mumbai(宿泊費は最安でも500米ドル以上)とOberoi Hotelの真向かいです。

チケットは、前から3列目で400ルピー。
2列後になると値段が倍以上に跳ね上がるということもあり、紹介していただいた方のご好意で「安い中で一番良い席」をとってもらうことができました。
さすがに3列目だと少し前過ぎる感はありますが、音はよく響いており、あまり気になりません。

NCPAは今回初めてだったのですが、入り口、ホールともに素晴らしい設備です。
大きさはともかく、内装は芸術的なセンスも含めて日本の新国立劇場にも劣りません。
まさにインドの「陽」の面を象徴するかのような建物です。
中にいる人達も、皆いかにも「富裕層」というオーラを全身から出していました。

NCPAの入り口

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NCPAのホール内と舞台。ホールは少し小さめですが、音響は良いです。

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50ルピーで販売されていたプログラム

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開始は午後7時とされていましたが、当然のごとく30分ほど遅延
ほぼ予想どおりの遅れです。というか、1時間以上の遅れは覚悟していたので、むしろ拍子抜けでした。

オーケストラの団員が入場。
??
インド人がほとんど見当たりません。
見た目金髪碧眼でどうみても欧米人というのが6割、黒髪黒目のアジア人が3割くらいで、インド人っぽく見えるのはせいぜい1割くらいです(その理由は後でわかりました)。

1曲目はモーツァルトのSymphony in C major No. 36 KV 425 “Linzer”。
日本では「リンツ」という名前で親しまれている、天才モーツァルトがオーストリアのLinz滞在時に4日間で書き上げた交響曲です。
どうでもいいですが、日本語ではなんで「リンツ」なんでしょうね。「リンツの交響曲」という愛称なんだから、英語のように「Linzer」と形容詞にするのが正しいと思うのですが(読み方は、リンツァー(ドイツ語読み)またはリンザー(英語読み))。

これは良かったです。
音がとても安定していて、予想していたよりもはるかに良い演奏でした。

2曲目はベートーベンのTriple Concerto。
ピアノ、バイオリン、チェロの協奏曲です。

これは駄目。
ピアノの人はともかく、バイオリンは音程はずしまくり、チェロは音がかすれているなど、とてもではないですがまともな協奏曲として聞くにたえません。
なんでこんなのがソリストとして出てるんだろう?
今日はたまたま調子が悪かったんだろうか。
ちなみに、ソリストは双方とも欧米系の人で、インド人ではありませんでした。

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2曲目の後の休憩時間に、オーケストラの一員として出演されていたSOI所属の日本人の方と10分ほどお話する時間がありました。

やはり団員の中にインド人はほとんどいないとのことで、今回のオーケストラのメンバーの大半はウィーンから来ているとのこと。指揮者もコンサートマスターもウィーンから招かれているそうです。
道理で手堅いわけだ。

なぜインド人が少ないのかと聞いたところ、「まだまだインドではクラシックの楽器演奏が普及しておらず、プロオーケストラに出演できるような技術を持った人間がほとんどいないため」とのことでした。

事情はわからなくもありませんが、インド国内のオーケストラでインド人が1割程度しかいないってどうなんだろう。技術的に稚拙であるとしても、もっとたくさんインド人を使わないとレベルの底上げができないんじゃないだろうか。
外国人傭兵部隊のようなオーケストラ構成を思い出しながら、相槌を打っていました。

インド随一の先進都市であるムンバイでもこの状況なので、インドが本当の意味で自前のオーケストラを持つことができるのは当分先になりそうです。
なお、これは勝手な推測ですが、コンサートは単体では大赤字だと思います。ホール自体に1000人くらいしか入らない上、安い席だと200ルピー、一番高い席でも1500ルピー程度ということは、座席平均800ルピーとして全席売れたとしても80万ルピー(約240万円)にしかならないわけで、ウィーンから数十人単位で来ているオケ団員の渡航費用にさえなりません。おそらく文化事業ということで補助金が出ているのでしょうが、それにしても厳しい収支です。

ちなみに、おそるおそる「2曲目は本当にあれでよかったのか」と聞いてみたところ、その方の感想としても、2曲目は音外しまくりだったとのことです。
が、2曲目でバイオリンを弾いていたのは、SOIの音楽監督で、SOIで最も偉い人(しかもその日本人の方の師匠)だそうです。

……今日は調子が悪かったのでしょう、たぶん。

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休憩終了後、本日最後のプログラムであるムソルグスキーのPictures at an exhibition(展覧会の絵)が始まりました。

これは1曲目と同じく良かったです。
寄せ集めのオーケストラということを感じさせない安定した演奏でした。
とりあえず、協奏曲でソロを張れる人材の育成というのが、SOIの優先課題といったところでしょうか。

アンコールは、近日中に上演が予定されているMadama Butterflyのアリア2曲でした。
日本人役をやっていたのが本当の日本人だったので、少し驚きました。

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全体として、今回のSOIのコンサートはとても楽しめました。
少なくとも400ルピーの価値は十分にあったと思います。

公演回数がものすごく少ない(4月を起点にシーズン開始で、今回は第4シーズンなのですが、公演回数は全部で6回しかありません)のがとても残念ですが、5月には2008年度の第1シーズンが開催されるようですので、また機会があれば是非見に行きたいです。

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暴動

事務所で仕事をしていたところ、突然テレビの周りに弁護士が集まりはじめました。

熱心にテレビのニュースに見入っているため、話を聞いたところ、夕方以降、事務所近辺で暴動が起こる可能性があるとのこと。

なんでも、ムンバイの右翼政治団体であるMaharashtra Navnirman Sena (MNS) の党首であるRaj Thackerayと、同団体と対立関係にあるSamajwadi Party の党首のAbu Azmiとが、ともに団体抗争を煽った罪等で逮捕されたことに伴い、彼らの支持者が彼の開放を求めて警察や対立団体と衝突する可能性があるそうです。

Raj Thackerayは自宅で逮捕されたのですが、その自宅のあるShivaji Park が、Amarchandの事務所のあるLower Parelに近いことから、現地の治安が不穏化しているとのことです。
(もともとLower Parelはスラム街に近く、治安があまりよくありません)

どの程度深刻な状態なのかがわからなかったため、周囲の弁護士に聞いてみたところ、誰に聞いても真剣な顔で「今日はできるだけ早く帰った方がいい」、「暗くなってからでは遅い」と答えます。
実際、多くの弁護士が夕方4時過ぎにもかかわらず帰り支度をしており、事務局のスタッフも所内に速やかな帰宅を呼びかけています。

どうやら、相当危ないようです。

非常事態ということで、事務局が帰宅の車を手配してくれたため、それに乗ってすぐに帰ることにしました。

さて、明日は出勤できるのでしょうか…

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(追記)

まだちょっと情勢は不穏なようですが、無事出勤できました。

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参考

リンク切れ御免
http://in.news.yahoo.com/ani/20080213/r_t_ani_nl_general/tnl-abu-azmi-raj-thackeray-get-bail-99cbaa1_1.html

ニュース原文貼付

Abu Azmi, Raj Thackeray get bail
Wed, Feb 13 07:35 PM

Mumbai, Feb 13 (ANI): Maharashtra Navnirman Sena (MNS) chief Raj Thackeray and Samajwadi Party leader Abu Azmi, who were arrested by Mumbai Police earlier in the day, on Wednesday were granted bail on surety of 15, 000 and 10,000 rupees respectively.

Azmi and Maharashtra Navnirman Sena (MNS) chief Raj Thackeray were arrested for "promoting" enmity between groups.

Soon after the Thackeray was arrested, MNS workers went on rampage across the city. The police had to resort to baton-charge on the workers protesting outside the Vikroli Court, where Thackeray has been produced.

Protests were also reported from Nashik, Pune, Thane and Kolhapur.

Protestors were reported to have pelted stones at 30 buses in Nashik. (ANI)

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インド会社法解説その18 -株式、新株予約権③-

インド会社法原文リンク
http://www.vakilno1.com/bareacts/companiesact/companiesacts.htm

新株予約権の解説です。

--

インド会社法には、新株予約権(ストックオプションとしての新株予約権、新株予約権付社債その他一切の形態の新株予約権を含む)についての明文規定は存在しません。
すなわち、インド会社法上は、「新株予約権」という単体の制度は存在しません。

新株予約権と同様の機能を持つ手法(以下、説明の便宜上、「新株予約権類似手法」といいます。)をとることはできますが、それらは全て通常の新株発行手続(インド会社法81条1A項(a)。詳細はこちらを参照)を経て行われます。

すなわち、インド会社法の基本的な考え方は、「新株予約権は将来における新株発行の引受けの権利である」というものであり、全ての新株予約権類似手法は、「将来における株式発行」という形で概念整理されています。

したがって、新株予約権類似手法をとる場合、日本の会社法上のストックオプションとしての新株予約権、新株予約権付社債、あるいは通常の新株予約権のいずれに対応する手法をとる場合であっても、通常の新株発行手続を経ることが必要です。
具体的には、Public Companyについては原則として株主総会での特別決議(4分の3以上の賛成)が、Private Companyでは取締役会決議が必要となります(インド会社法81条1A項(a))

もっとも、新株発行手続さえ経れば、どのような新株予約権類似手法もとりうるというわけではなく、それぞれの類型に応じて、一定の規制に従うことが必要とされています。

インドにおける新株予約権類似手法の類型は、大きく分けて以下の3つに分類できます。

①役員または従業員に対するストックオプションの発行
②第三者への、「将来の株式引受権」の発行
③転換社債(convertible debenture)の発行

以下分けて解説します。

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①の方法は、役員または従業員に対して契約により将来の新株発行を約束するというものです。
日本法でいえば、ストックオプションとしての新株予約権の発行に対応します。

手続は、
(a) 通常の新株発行手続を経ていること(Public Companyについては株主総会特別決議を経ていること、Private Companyでは取締役会決議を経ていること)
(b) 役員または従業員との間で、将来の株式割当契約を締結すること
(c) Public Companyについては、インド証券取引法の施行ガイドラインの1つである「1999年従業員のストックオプションおよびその購入についてのガイドライン」(SEBI (Employee Stock Option Scheme and Employees Stock Purchase Scheme) Guidelines, 1999)に従うこと
となります。

(a)が通常の新株発行手続であり、それと(b)とを組み合わせて、「従業員に対する将来の株式引受け権の付与(=ストックオプション)」を実現していることになります。
なお、(c)について、private companyは、上記ガイドラインに従う必要はありません。

--

②の方法は、役員や従業員以外の第三者に対して、契約により将来の新株発行を約束するというものです。
日本法でいえば、第三者に対する新株予約権の発行に対応します。

手続は、
(a) 通常の新株発行手続を経ていること(Public Companyについては株主総会特別決議を経ていること、Private Companyでは取締役会決議を経ていること)
(b) 第三者との間で、将来の株式割当契約を締結すること
(c) Public Companyについては、「1956年証券契約規制法」(Securities Contracts (Regulation) Act, 1956)に従うこと
となります。

(a)が通常の新株発行手続であり、それと(b)とを組み合わせて、「第三者に対する将来の株式引受け権の付与」を実現していることになります。
なお、①と同様、(c)について、private companyは、上記ガイドラインに従う必要はありません。

ちなみに、①と比べると、違うのは契約の相手方と従うべき法令、ガイドラインだけであり、このことからも、インド会社法上は従業員に対するストックオプションと第三者への新株予約権の割当が区別されていないことがわかります。

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③の方法は、第三者に対して「将来株式に転換できる社債(debenture)」を発行するというものです。
日本法でいえば、転換型新株予約権付社債の発行に対応します。

手続は、
(a) 通常の新株発行手続を経ていること(Public Companyについては株主総会特別決議を経ていること、Private Companyでは取締役会決議を経ていること)
(b) 通常の社債発行手続(Public CompanyおよびPrivate Companyのいずれについても取締役会決議)を経ていること
(b) 第三者との間で、転換社債(convertible debenture)の引受け契約を締結すること
(c) Public Companyについては、インド証券取引法の施行ガイドラインの1つである「1999年開示と投資家保護に関するガイドライン」(SEBI (Disclosure and Investor Protection) Guidelines, 1999)に従うこと
となります。

(a)が通常の新株発行手続、(b)が通常の社債発行手続であり、それらと(c)とを組み合わせて、「将来株式に転換できる社債(debenture)の発行」を実現していることになります。
なお、(d)について、private companyは、上記ガイドラインに従う必要はありません。

--

以上見たとおり、インド会社法上は、「新株予約権」という単体の制度は存在せず、新株発行手続と契約、ガイドライン等を組み合わせて、各種新株予約権と同様の機能を有する手法を採用するという方法をとっています。

そのため、インドの新株予約権の制度を、日本の会社法上の「制度としての新株予約権」の感覚で見てしまうと理解しにくいため、注意が必要です。

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次回は自己株式の買受け(あと余裕があれば株式分割も)についてです。
次回で株式、新株予約権関係は終わり、次々回からは組織再編(事業譲渡、合併、会社分割)を解説したいと思います。

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I told you I was in trouble (後編)

レストランを出た後、タクシーを拾うためにショッピングセンター内を表通りに向かっている途中で、「Italian Gerato」というムンバイでは結構有名なアイスクリーム屋さんの前を通りかかりました。

怒りにささくれた心と疲れた体を癒すべく、アイスクリームを買って帰ることに。

このお店は試食を自由にさせてくれるのが売りで、店員に言えば指示したものをその場で試食させてくれます。材料も吟味されているようで、味も悪くなく、ムンバイの富裕層には人気があるようです。

いくつか試した後、ヨーグルトベリー味のアイスに決め、持ち帰り用のカップにつめてもらいました。
日本でいうとハーゲンダッツの大カップくらいの大きさにアイスがつまって、340ルピー(約1000円)。決して安くはありませんが、それなりの質のアイスであれば日本でも同じくらいの値段はするので、まあこんなものでしょう。

家に帰って少しずつ食べよう、と小さな幸せを手にして店を後にしました。

--

表通りに出て1時間後

まだタクシーがつかまりません。

事務所のあるLower Parel近辺は、もともとタクシーが捕まえにくく、しかもようやく捕まえても家までが近距離であることを理由に乗車拒否されることが多いのですが、それにしても今日は異常です。
そもそも、空車のタクシーがほとんど通りかからず、運転手と交渉することさえできまん。

Lower Parelの交差点に1時間も立っていると、悪臭、騒音、砂埃、排気ガスで頭がくらくらしてきます。おまけに物乞いの包囲にあって、あちこちから施しを求めて服を引っ張られます。頼むからその異常に真っ黒な手でスーツを触らないで…
(ちなみに、Lower Parelはもともと(というか今でも)スラム街で、スラム街の中に他の空間と完全に隔離されて、綺麗で清潔なオフィスやショッピングセンターがあるという感じの場所です。)

手元のアイスクリームの状態が気になってしょうがないのですが、Lower Parelから、家のあるPeddar Roadまではとても歩ける距離ではないため、我慢してタクシーを捜し続けます。

--

さらに30分頑張りましたが、通りかかるタクシーの絶対量が少なすぎてどうにもなりません。しかもその数少ないタクシーが全て貸走中。
あまりにも様子がおかしいので、日本人駐在員仲間に電話をかけて聞いたところ、「今日はタクシー運転手のストライキの日だよ」とのこと。

ストライキですか、そうですか。

……

……

……

……

……(色々言いたいことを飲み込んでいる)

状況は理解できましたが、タクシーが通りかからないという事実には変わりありません。
とりあえず拾わなければ話にならないので、タクシーを捜し続けます。

さらに30分後、ようやく1台の空車のタクシーを見つけました。
交渉したところ、250ルピーなら行ってもいいとのこと。

足元見やがって。

通常なら50ルピーの距離ですが、レストランでのトラブルから始まって、スラムの中の交差点を2時間彷徨い続けた私には、もはや抗う気力が残っていませんでした。

「それでいいから行ってください。」

放心状態で、ひたすらタクシーが家に着くのを待つだけ。

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20分後、ようやく家の扉を開けたときには、既に午後11時を回っていました。
アイスクリームを買ってから約2時間半。ちなみに、ドライアイスなんてしゃれたものは、この国には存在しません。

おそるおそるカップの中をのぞいたところ、乳白色の海が見えました。

割り箸を刺してみたところ、どこまでも抵抗なく潜り込んでいきます

わかっているよ、わかっている。
アイスクリーム買ってから2時間以上も路上にいたんだものね。
保冷剤もなかったしね。
そりゃこうなるよね。
しょうがないよね。

もう1人の自分に話しかけながら、台所の洗い場でカップの中身を全て捨てました。

砂埃だらけのスーツをはたき、ハンガーに吊るします。

ああ疲れた。

お風呂に入りたいと強く思いましたが、あるのは1分シャワーだけ。

全身の砂埃を落として、さっさとベッドに入って寝ました。

ちなみに、次の日の午前中は病欠しました

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I told you I was in trouble (前編)

先週木曜日の出来事。

事務所から出た後、久しぶりに買い物+外食して帰ろうと、事務所近くのBig Bazaarに向かいました(Big Bazaarについてはこちらを参照)。

必要なものを買った後、ショッピングセンターに併設されているイタリアンレストランで食事。
このレストラン、基本的な味自体は悪くないのですが、ほとんどの料理の味付けがインド風にアレンジされていて(要するに大量のマサラが使われていて)、辛い辛い。
ミネストローネが辛すぎて飲めない、というのはどう考えてもやりすぎだと思うのですが。

食事を終え、勘定を見ると900ルピー。
高いなあと思いつつ(日本だったら同じクオリティのものを1200円~1300円で食べられるでしょう)、1000ルピー札を出しました。

会計を待っていたところ、突然店員がやってきて、「このお札は受け取れない」と言い出しました。
理由を聞いたところ、「お札が破れている」とのこと。

払うときに破れなどは見えなかったので、おかしいなと思って見ると、店員の指差すところに確かに1cmくらいの破れが。
とはいえ、お札全体から見れば、縦にほんの少し切り込みが入っているくらいで、よく見ないとわからないレベルです(実際、私も言われるまで気がつきませんでした)。

「破れってこれのこと?」
「そうです」
「いやでも、ほんの少し切れているだけですよ」
「でも、破れています」
「この傷でこのお札は無効になるの?」
「いや、そういうわけではないですが」
「じゃあ問題ないでしょう」
「でも破れがありますから」
「有効なお札なんでしょ、何が問題なの」
「とにかく、他のお札と取り替えてください」
「いや、お札自体に問題がないなら取り替えられない」

埒があかないと思ったのか、他の店員を応援に呼んできました。

「お客様、このお札は受け取れません」
「だからなぜ?お札は有効なんでしょう」
「破れがあります」
「だーかーらー。この破れって、お札が無効になるようなものなの?」
「そういうわけではないですが」

どうどう巡り。

ここまでのやりとりで、既にいい感じに体があったまってきていましたが、次の一言で一気にヒートアップ。

「あなたはこのお札を受け取るべきではなかった」

あのなあ、この札はさっきCitibankのATMで引き出したばかりの札なんだよ。
銀行のATMから出てきた札を「受け取るべきではなかった」ってどういうことだよ。
ATMに対する受け取り拒否ってどうやってやるんだよ。
だいたい、1cmの破れの何がいったいそんなに気に入らないんだよ。

と、思いつつ、インド人に反論しても疲れるだけなので(インド人はああ言えばこう言うので、話しているだけで本当に疲れます)、黙っていたところ、

「他にお札がないなら、銀行に行ってお金を引き出して来い」
「その間、荷物を預かる」
「名刺もよこせ」

と言い出しました。

私は決して短気ではない方だと思いますが、もはや我慢の限界。
一言でいうと「日本人なめんなよ」という主旨の内容を、英語で5分ほどまくしたてました。

英語が通じたかどうかは謎ですが、激怒していることだけは伝わったようで、どこからともなくマネージャーがやってきました。
が、マネージャーも、やっぱり同じ対応で受け取り拒否。

それでも「この1000ルピー札以外では払わない」という態度を見せていると、ついにオーナーらしき人物が出てきました。
オーナーに事の経緯を説明し、件の1000ルピー札を見せたところ、マネージャーと話し合いを始めました。

しばらくすると、オーナーが、「このお札で結構です」と言いに来て、無事会計は終了しました。
本当にお札に問題があるんだったら、何と言われても絶対に受け付けないはずなので、支払いを受け入れたということは、結局お札には何も問題がなかったということです。
最初から素直に受け取れよ。

もちろん、チップは一円も払いませんでした(インドではチップは必須ではありませんが、ある程度以上のレストランでは慣習的に払われることが多いようです)。

夕食の後とは思えないくらい不愉快な気分になって店を後にしました。
今後私がこの店に行くことは二度とないでしょう。

それにしても、なんで飯を食べるだけでこんなに疲れなきゃいけないんだろう。

しかも、この日はこれで終わりではなく、さらに続きがあったのでした…

(後編に続く)

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今回のレストランは過剰反応だと思いますが、一般的に、インド人は傷の入ったお札を受け取るのをものすごく嫌がります。
タクシー等でも、お札に少しでも傷が入っていると、「別のお札にしろ」と言ってきます。

そのくせ、お札を大事に扱っている様子がないところや、おつり等で自分がお札を支払う側になるときは平気で傷だらけの札を渡してくるところが、インド人が日本人の心の琴線を逆撫でするところなのですが。

それにしても、なぜあんなに綺麗なお札にこだわるんでしょうね。
過去に大規模な偽札事件や傷札無効事件でもあったんでしょうか。
今回の破れも、日本だとほぼ100%問題なく流通する程度のものなので、ちょっと不思議です。

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インド会社法解説その17 -株式、新株予約権②-

インド会社法原文リンク
http://www.vakilno1.com/bareacts/companiesact/companiesacts.htm

今回は、種類株式について、前回の内容を一部訂正するとともに、補足説明をしたいと思います。

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前回、「インド会社法上定められている株式の種類は、普通株式(equity share)と優先株式(preference share)のみです(インド会社法85条、86条)。」と書きましたが、その後もう少し調べたところ色々とわかったため、以下のとおり補足訂正します。

インド会社法上、株式の種類は、大カテゴリーとしては確かに普通株式(equity share)と優先株式(preference share)しか存在しないのですが、普通株式(equity share)の下に、classと呼ばれるサブ分類があります
つまり、普通株式(equity share)という大カテゴリーの中に、小カテゴリーとしてのclass shareがあり、このclass shareの中で、それぞれ議決権や配当について異なる定めができるのです。

以下、インド会社法86条の原文を引用します。

The share capital of a company limited by shares shall be of two kinds only, namely:-
 (a) Equity share capital-
  (i) with voting rights; or
  (ii) with differential rights as to dividend, voting or otherwise in accordance with such rules and subject to such conditions as may be prescribed;
 (b) Preference share capital.

上記86条の(a)の下に(i)と(ii)の規定がありますが、これがclass shareについての定めであり、普通株式(equity share)の中でclassを作って、配当や議決権について異なる定めができることの根拠規定となります。
(ちなみに、上記規定で(b)の下には項目がないことは、優先株式(preference share)には普通株式(equity share)のようなclass shareはないことを意味します。)

すなわち、インドの種類株式の構成は、
①普通株式(equity share)と優先株式(preference share)という大カテゴリーでの区別
②普通株式(equity share)の中でのclass shareという区別
という2段階構成になっているのです。

ただし、class share間で権利を異ならせることができるのは、通常、配当および議決権に関する権利のみであり、日本の会社法のように、特定のclassの株式に取得条項を付けたり拒否権を付けたりするということはできません。
言い換えれば、class shareとは、配当と議決権についてのみ異なる定めができる株式のクラスであり、それ以外については他の普通株式(equity share)と同じ扱いをすべきということになります。

また、class shareは、全く自由自在な設計が認められているわけではなく、その設計はインド会社法施行規則上の一定のルールに従う必要があります。
このルールは結構複雑なため、残念ながらフォローができていません。結構時間をかけて読んだのですが、そうおいそれと要約できるものではありませんでした…

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さて、上記インド会社法86条(a)(ii)に基づいて、「配当優先権が認められる、議決権のない普通株式(equity share)」というclass shareを作ったとします。

このclass share(以下、説明の便宜上、「配当優先無議決権equity share」といいます。)は、大カテゴリーとしての優先株式(preference share)とは何が異なるのでしょうか。
以下、主な相違点を列挙します。

1.残余財産分配への優先権の有無
上で述べたとおり、class shareにおいて異ならせることができるのは、配当および議決権に関する権利のみであることから、「配当優先無議決権equity share」は、破産や会社解散の際の残余財産分配については優先権を有しません。

2.法定議決権保有事項の有無
また、前回述べたとおり、優先株式(preference share)には法定議決権保有事項(利益配当、減資、会社の解散、残余財産分配等についての決議)が定められていますが、普通株式(equity share)のclass shareにはそのようなものはありません。したがって、「配当優先無議決権equity share」については、これらについても議決権なしとすることが可能です。

3.20年以上の償還(転換)義務の有無
前回述べたとおり、優先株式(preference share)発行から最長でも20年以内に償還されなければなりませんが、「配当優先無議決権equity share」はあくまで普通株式(equity share)の一種ですので、そのような償還義務はありません。

※ちなみに、前回の解説では漏れてしまいましたが、優先株式(preference share)は必ずしも償還する必要はなく、普通株式(equity share)に転換することも可能です。
償還が予定されている優先株式(preference share)は、redeemable preference shareと呼ばれ、普通株式(equity share)への転換が予定されている優先株式(preference share)は、convertible preference shareと呼ばれます。
要するに、「20年以内に優先株式(preference share)が存在しなくなればよい」のであり、その方法は償還でも普通株式(equity share)への転換でもどちらでもかまわないということです。

なお、まだ十分な検討をしたわけではありませんが、「配当優先無議決権equity share」であれば、無議決権かつ優先配当としつつ、一定期間内の償還または転換義務を避けることができるため、預託証券の原株式に適する可能性があります。

4.株式資本上の分類
これも前回の解説漏れですが、普通株式(equity share)と優先株式(preference share)とは、実は株式資本レベルでも区別されています。
すなわち、前者により構成される資本金は普通株式資本(equity share capital)、後者により構成される資本金は優先株式資本(preference share capital)と、それぞれ呼ばれており、定款や登記上も区別されています。
要するに、会社の登記簿謄本の「資本金欄」を見ると、普通株式資本(equity share capital)、の金額と、優先株式資本(preference share capital)の金額が別々に書いてあるということです。

したがって、配当優先無議決権equity shareの権利内容をいかに優先株式(preference share)に近づけたとしても、両者は株式資本上別物と分類されているため、配当優先無議決権equity shareの金額を優先株式資本(preference share capital)にカウントすること等はできないということです。

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以上、冒頭でも述べましたが、インドの種類株式の構成は、
①普通株式(equity share)と優先株式(preference share)という大カテゴリーでの区別
②普通株式(equity share)の中でのclass shareという区別
という2段階構成になっています。

ちなみに、原文の文言では、①が「kinds of shares」、②が「class share」と呼ばれています。

上記のような種類株式の2段階構成は、日本の会社法上の種類株式の構成とかなり異なるため、なかなか理解が難しいところではありますが、そのうち上記分類を整理した論文を書いてみたいと思います。
ていうか、誰か学者さん、書いてくれないかな…

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種類株式については制度自体が複雑なこともあり、今回は内容が少しわかりにくいかもしれません(書いている側も理解するのが大変でした…)。

次回は新株予約権を中心に解説したいと思います。

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酒、財布、その他

前回書いたムンバイ日本人会運動会の夜。お誘いを受けて、「ムンバイ酒の会」のイベントに参加してきました。

会の目的は、ムンバイで日本酒の普及を目指すことだとか。
出席者は半分強がインド人、残りが日本人という感じです。

日本から明石酒類醸造株式会社の社長さんがいらしており、たくさんの日本酒をご提供されていました。
予算の関係からか、純米大吟醸がなかったのがちょいと残念。

とはいえ、ムンバイでこんなに日本酒を飲める機会は滅多にありません。
昼間の疲れもなんのその。ついぐびぐびと。

会場のレストランで提供された日本食が美味しい美味しい。
こんなに美味しい日本食を出すレストランを知らなかったとは不覚。

おまけに参加費無料ということで、とても幸せでした。

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同じ日に財布をなくしました。

酒の会に出かけるときから財布が見当たらなかったのですが、「まあどっかにあるんじゃないか」と軽く考えて放置。
帰ってきてから、最初は適当に、30分後からは全力で探しましたが、どれだけ探しても見当たらず。

おそらく、運動会から帰ってくる途中で財布から鍵を出した際に(鍵を財布の中に入れていた)、エレベーターかどこかで落としたんじゃないかと。

失ったものリスト
・現金だいたい1万ルピーくらい
・シティバンクのキャッシュカード
・クレジットカード(Edyが1万円分くらい入っていたはず)
・長距離コール用カード(3000ルピー分くらい)

幸い、インドで使っている財布には、免許証や日本の銀行カード等は入れていなかったので、ダメージは最小限ですみました。
とはいえ、合計で5万円近いロスは痛い。

翌日、キャッシュカードとクレジットカードを停止し、再発行手続。

1日へこむ。

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その他(最近の生活)

・なんだか忙しい
事務所に着いてから家に帰るまでがあっという間。
諸々の調べ物、書き物の数が半端ではない。インドの法律関係については、既に本を一冊出せるくらいの原稿を書いたと思う。

・朝
日本で買ったサプリメントをオレンジジュースで流し込む。
2粒以上流し込むとなぜか吐き気がするので、1粒だけ。
タクシーを捕まえるのにちょっと苦労する。
運転手と口論すると疲れるので、相手の要求額(だいたい2~3割増)を素直に払う。
1日が始まる。

・通勤タクシー内
行きは明るいので本を読む。
細かい活字の本だと酔うので、文庫本は避ける。ハードカバー本か漫画を読む。
帰りは暗いので音楽を聴く。
最近のローテーションは、iTunesで1時間半かけてダウンロードした、くるりのベストアルバム。お気に入りは「ロックンロール」。

・昼
事務所の食堂でカレー味の何かを食べる。
提供されるおかずはいつも5種類くらい。
どうせ全部カレー味なので、いつも適当に2、3種類選ぶ。
2日に1回は、激辛のおかずにあたって悶絶。

・帰宅後
まずは着替える。そしてご飯を食べる。米を味噌汁でふやかして食べる。
ご飯を食べたらDVDを見る。
映画、ドラマ。
自分で日本から持ってきたもの、駐在員仲間から借りたもの。

P2070021テレビが白黒でしか移らないので、日本から持ってきたプロジェクタで壁に映して見る。

←こんな感じ。 写っている映画が何かわかる人は通。

・見終わった後
シャワーを浴びる。震えながら浴びる。
ミネラルウォーターで歯を磨く。
パソコンで遊ぶ。

・寝る前
本を読む。
数学の勉強をする。
すぐ眠くなる。

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(追記)

アップした後、自分で読んでみましたが、支離滅裂ですね(特に後半)。
少し疲れが溜まっているのかも。
記事全体を削除しようかとも思いましたが、まあこれはこれで自分の現状をあらわしているような気もするので、そのままにしておきます。

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ムンバイ日本人会運動会

先週日曜日に、ムンバイ日本人会の運動会がありました。

この運動会、もともとの主旨は日本人学校の子供たちの運動会なのですが、ムンバイ日本人学校に通う子供たちの数が少ないため、大人も参加する日本人会のイベントとなっているそうです。

さて当日。
乾季のど真ん中にもかかわらず、朝から雨でした。
最後に雨が降ったのは3ヶ月以上前という記憶なので、運動会の日に合わせてピンポイントで雨が降ったことになります。ある意味すごいです。

出発時刻には雨はほとんど止んでいたため、とりあえず会場に向かいます。

P2030002グラウンドは濡れていますが、泥でぐちゃぐちゃになっているわけではなく、十分開催可能です。むしろ、雨で埃が静まり、良いグラウンド状況になっていると言ってもいいでしょう。
トラックが多少湿っていますが、問題ないレベルです。

開会の挨拶の後、インド国歌と日本国歌の両方の斉唱がありました。
子供たちはインド国歌を一生懸命歌っていますが(おそらく日本人学校で習ったのでしょう)、大人はほとんど誰も歌えません。
というか、私はインド国歌を聞いたのはこれが初めてでした。

P2030006ちなみに、国旗も並んで掲揚されています。

                       

  

その後、ラジオ体操で準備運動。この音楽、懐かしい…

P2030007

                                  

                                          

150人近い日本人が、「例の音楽」に合わせて全員で体操している姿を、道行くインド人がもの珍しげに見ています。
「特に誰かが指示をしている様子もないのに、音楽に合わせて皆が同じ体操をしている」というのは、外国人から見たら相当不気味な光景だと思います。
おそらく、日本人の90%以上はラジオ体操を覚えているでしょうから、全員で合わせてラジオ体操を踊れば、某国のマスゲームに十分対抗(何を?)できるんじゃないでしょうか。

さて、最初の種目は短距離走。
男子中学生が1人しかいないため、これでは「競走」にならないということで、なぜか飛び入りで100メートル走に出場させられることに。
スタート前から嫌な予感はしていたのですが、案の定30メートル地点を過ぎたあたりで、左足の太腿とふくらはぎが同時につりました。
足を引きずりつつも、なんとか最後まで走りきったのですが、痛いやら情けないやら。

とまあ、スタートは散々だったのですが、その後は順調にスプーン競走、玉入れ、綱引きとこなしていきました。

P2030013玉入れ(出場)。
小学生未満、中学生以下、大人の3グループに分かれて、それぞれ30秒以内に入れる玉の数を競います。小学生が20個入れたといって喜んでいる後で、大人は80個以上の玉を入れていました。

P2030015綱引き(出場)。
完全に全力を出しているのにそれでも向こう側に引きずられていきます。しかも3番勝負。ここまで熱い大会だったとは。

P2030008よーいドン。
小学生未満の子供が、お菓子を取ってゴールに向かいます。

                                     

P2030010タンカ競争。
ボールを2つの棒で挟んでゴールに向かいます。

                               

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午前中だけで既に4種目に出場し、けっこう疲労がたまってきています。
しかも、この運動会、どうみても大人の方が本気です。

ゴルフクラブを使った「50ヤードアプローチ競争」など、完全に子供置き去りの種目もありました(アプローチごとに歓声を上げるのは大人だけで、子供は実につまらなさそうでした)。

P203001650ヤードアプローチ競争の図。                   

         
                                          

お昼休みを挟んでムカデ競争に出場し、とりあえず出番は全て終わりました。

P2030017ムカデ競争。
コースが40メートル往復の80メートルもあり、思ったよりも大変でした。

                                    

最後は15人参加の紅白リレーで締め。

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閉会式での結果発表は、1点差で白組の勝ちでした(ちなみに、私は赤組でした)。
10種目以上をこなして1点差というのはある意味すごいです。
まさに実力伯仲の対決でした。

それにしても楽しい運動会でした。
子供の運動会に付き合うだけ、なんてとんでもない。
大人も子供も全力での競争でした。
夢中になって玉入れしたなんて、いったいいつ以来でしょうか。
久しぶりに子供の頃の気分に戻って競技を楽しめました。

…が、子供の柔軟な身体はもはや残っていません。
予想どおり、翌日は肩痛、腰痛、筋肉痛に悩まされました。
(たぶん、9割は綱引きの後遺症です。)

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