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印度学生茶道普及協会(後編)

発表の当日、collegeに招かれました。

朝9時半から発表が始まるとのことで9時にcollegeで待ち合わせ。
基本的に夜型人間が多いインドですが、さすがに学校はそれなりに早く始まるようです。

…と思っていたら、朝最初のクラスは、午前7時から始まるとのこと。
別にこのcollegeに特殊なことではなく、多くのcollegeの朝一番のクラスは7時台から始まるそうです。
だから、なんでそんなに極端なんだ。

Collegeの外見は、「大学」というよりはむしろ「高校」に近く、いわゆるキャンパスはなく、街中の敷地に校舎のみが建っているという感じでした。
ちなみに、ムンバイのcollegeの中では最高クラスの学校の1つだそうです。

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校舎の中。
日本の高校と大学の中間のような雰囲気です。

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時間になり、さっそく発表が始まりました。

パワーポイントを用いたプレゼン形式の発表で、1クラス約70人が10チームに分かれ、それぞれ研究した対象の外国の文化について順に発表していく形式です。
各チームが研究した外国は、日本のほか、ケニア、サウジアラビア、イタリア、フランス、オーストラリア、エジプト、中国など、バリエーション豊かです。

ちなみに、ここは「経済、会計専門のcollege」なのですが、外国の文化について調べて発表するこのクラスは、日本の大学でいう一般教養の授業に相当するそうです。
教授がプレゼンの内容を見て、チームのメンバーに成績をつける(たとえば、教授がAクラスと評価したプレゼンを行ったチームのメンバーは全員成績がAとなる)ということで、皆とても真剣です。

P2260040最初のチームはケニア、その後サウジアラビア、イタリアと続いていきます。

                              

内容はいずれも充実しており、見ていて唸らせられるものがありました。
各チームそれぞれ発表方法にも趣向を凝らしていて、たとえばエジプトは、旅行者に扮する発表者の1人が、旅行先でさまざまな現地の文化に触れる形でプレゼンが進められていました。

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しばらくの間プレゼンを見て、「これはかなわないなあ」と痛感。

現代の世界では、良くも悪くも「自分の考えを相手に明確に示すこと」が求められます。
特に欧米で研究やビジネスを行う場合、パワーポイントを利用したプレゼンは必須であり、いかにして自分の考えを相手に伝えるかが、語学能力も含めてとても重要なファクターとなります。

片や、大学(および中学、高校)でのコミュニケーション言語を英語に限定して、パワーポイントを用いたプレゼンを行わせ、その優劣によって成績をつける教育を施している国(英語はインドでは決して母国語ではありません。インドの公用語は基本的にヒンディー語(ムンバイはマラティー語)です)。

片や、英語教育が文法と読解に異常に偏っている結果、日常会話程度の英語もできない大学生に、大中教室での一方的講義とペーパーテストに偏った教育を施している国。

少なくとも、「現代グローバル社会で、したたかに生き抜くコミュニケーション能力の育成」という観点からは、どちらが教育方法として優れているかは明らかでしょう。

日本の教育にはそれなりの良さがあることは勿論ですが、最近世界中でカモにされ続けている日本と日本人を見るにつけ、もう少し論理的な自己意見主張能力と、それを世界の誰に対しても発信できるだけの言語能力を身につけさせる教育方法を考えてもいいような気もします。
とはいえ、世界の人間が皆インド人並みの自己主張を始めてしまったら、それはそれでとても住みにくくなるような気もするので、ほどほどが肝心ですが。

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いよいよ日本チームの発表です。

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発表者全員、日本の着物のコスプレに身を包み、気合満点です。

                                         

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プレゼンのパワーポイントの1枚目。

…なんだかこのイラストはちょっと違うような。
こんな絵、どこから拾ってきたんだろう。

発表は順調に進み、お茶会のデモンストレーションに入ります。

鬼軍曹登場。

マイクを持って、まずは正座の説明。
続けて、発表者に進行を指示しつつ、それぞれの作法の意味を解説していきます。

裏千家の家元に聞かれたら張り倒されそうな説明も混じっていたかと思われますが、一応それなりに勉強はしたということで何とか勘弁してもらえないかと。

最後は皆で合唱。
「Kekko-na-otemae-deshita」

(※もちろん、本来は合唱するようなものではありません)

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少し時間オーバーしてしまいましたが、発表は無事終了。
(1チームの発表は15分と決められており、それよりも長すぎる、あるいは短すぎると減点対象となります。こういったあたりも、教育方法としては優れていると思います。)

プレゼン自体の内容もよく、お茶会のデモンストレーションもそれなりにウケていましたので、後は高評価が来ることを祈るばかりです。

発表終了後、メンバーとランチを食べに行きました。
何でも、明日は別の授業のテストがあるそうで、この後はすぐに家に帰って勉強しなければならないそうです。
1セメスターにテストが25回以上あるとのことで、「それでよくやっていけるね」と言うと、「とても辛いし、毎日しんどいが、良い成績をとらないと上の学校に行けないので頑張っている」とのことでした。

きっと、こういう人材が明日のインドを支えていくんでしょうね。

いつか彼らが日本を訪れる際に、お茶会への参加を所望し、最後に「Kekko-na-otemae-deshita」という日が来ることを夢見て、鬼軍曹はそっと鞭を置きました。

   

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コメント

はじめまして、こんにちは。
u_pokoと申します。現在私もムンバイに滞在しており、ムンバイに関するブログを検索していたところ、御ブログに遭遇いたしました。

私は日本人はめったにいないムンバイ北部のインド人中流が住むようなオンボロアパートに住んでいますが、ゴッキーとの死闘はしたことがありません!アリンコとトカゲはおります、、、って書いていたら、目の前のスクリーンにアリンコ!!!そんなー。

すみません、はじめてなのに、大変失礼いたしました。

取り急ぎご挨拶まで。今後ともよろしお願いいたします(4月でムンバイからは離れてしまいますが)。

>u_poko 様

はじめまして、コメントありがとうございます。
北部でインド人中流階級が住むというと、Ban○○○あたりでしょうか。

本当にムンバイのアパートの室内には人間以外の生き物が多くて困りますね。
ペストコントロールをしても、小型の生物にはあまり効果がないようで、なかなか殲滅できません。

ブログではネタにしていますが、毎日毎日ゴキブリの影に怯えて暮らすのはそれなりに辛いです。
うちでは幸いにまだアリやトカゲを見たことはありませんが、PCのモニターに蟻が這っていたら嫌ですよね…

4月でムンバイを去られてしまうのは残念です(あとすごく羨ましいです)が、今後とも本ブログをよろしくお願いいたします。

投稿: u_poko | 2008年3月 8日 (土) 12時30分

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