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引越劇場

インドに来てから、困った出来事のほとんどについては「まあインドだから…」ということで自分を納得させていたのですが、今朝、どうにもこうにも「コラ、インド人」という出来事があったので、ウサ晴らしを兼ねて書きます。

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先日お伝えしたとおり、私は5月末で帰国するのですが、部屋を引き払って海外引越で荷物を送るにあたり、ムンバイ駐在員仲間の紹介もあり、某日系企業に依頼することにしました。

当初は、インド出国日前日の5月30日に荷物をピックアップしにきてもらう予定だったのですが、それだと引越料金の計算が出国までに間に合わないということで、料金計算に必要なギリギリの日ということで、28日に荷物をピックアップしてもらうことになりました。
(料金はルピーで払うため、出国前の支払いが必要となります)

ピックアップの時間は、午後だと遅くなってしまうため、午前中半休をとることにして、午前9時半ということでお願いしました。

そう、それが今朝です。

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今週は、諸案件の引継ぎ対応、日本でのセミナー準備、インド法調査が重なって、劇的に忙しく、昨日も午前3時過ぎまでオフィスにいました。
ようやく家に帰ってきたのは午前4時前。

ピックアップまであと5時間半しかないということで、さっさとシャワーを浴びて寝てしまいました。

朝、玄関の呼び鈴の音で目が覚めました。
ちゃんと9時前に目覚ましを設定したのに、どうやら寝過ごしてしまったようです。
あわてて着替え、玄関を開けると、荷物の集荷員らしき人が立っていました。

「荷物のピックアップに来た」、ということで、間違いないだろうとは思ったのですが、念のため名刺を出してもらいます。
インドでは、こういうときに「大丈夫だろう」という発想で行動してしまうと、大抵痛い目にあうためです

??

名刺には紹介を受けた日系企業とは全く違う会社名が書かれています。
この名前が、その日系企業の現地法人の名称なのか、それとも業務委託を受けた会社なのかよくわかりません。
とりあえず、電話で担当者の方に確認しようと思って携帯電話を見たところ、

午前7時半

と表示されています。

あわてて、カウンターに置いてあった腕時計を確認するも、同じ時刻です。
そう、明るくなっていたので気がつかなかったのですが、今は7時半ということです。

会社名に見覚えがない上、約束した時間とあまりにも違うことから、とにかく担当者に電話したのですが、繋がりません。
そりゃそうでしょう。
この時間ではまだ会社は開いていませんし、だいたい普通のインド人は寝ている時間です(インド人は朝が遅く、10時、11時出勤は当たり前です)。

とにかく、このままでは、この集荷員らしき人物に荷物を預けることはできません。
こういったときにインドで下手に預けて、後から違っていたということになると、荷物を取り返すことはほぼ不可能になってしまいます。

とりあえず、集荷員らしき人物と話そうとしたのですが、なんと英語が片言程度しかできず、ほとんどコミュニケーションが取れません。
担当者のインド人が英語堪能だったので油断していましたが、さすがに現場に来る作業員までは英語はできないということでしょう。

「担当者に連絡を取って確認しないと、荷物を持っていってもらうことはできない」と伝えようとするのですが、全く伝わりません。
しょうがないので、本来の約束の時間である9時半にもう一度来てもらおうと思い、Nine Thirty, Come, Again, OK? と連呼し、いったん帰らせることに。

集荷員らしき人物が無言だったので、嫌な予感がしたのですが、これ以上簡単な英語など話せません。
とりあえず、集荷員を外に出して、扉を閉めました。

※豆知識
何かを話しかけたときに、インド人が無言のままでいるときは、だいたい言われている内容を理解していません。
わからないなら「わからない」と言えばいいのに、無言のままうなずいたりすることから、たいていの日本人は、「わかっている」と勘違いして痛い目に合います

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扉を閉めて少し落ち着くと、猛烈に眠くなってきました。

そりゃそうだ、今が7時半ということは、3時間くらいしか眠れていないということです。
睡眠時間が5時間ならどうにか活動可能ですが、さすがに3時間は厳しい。
ということで、9時半までもう一眠りすることに。

10分後

寝入りばなを、呼び鈴で起こされました。

ヤツだ。

半分眠った頭で直感します。

起きてもう一度説明しようかとも思ったのですが、Nine Thirty, Come, Again, OK? で通じなかった相手に、今さらいったい何ができるでしょうか。

無視することに決め、もう一度寝ることに集中します。

5分後。

また呼び鈴で目が覚めます。

この後、9時半まで延々5分おきに呼び鈴が鳴り続けました。

(途中眠っていた時間帯もあったので、ずっと鳴っていたかどうかはわかりませんが、前後の状況からして鳴っていたのだと思います。)

途中からは、「今起きて扉を開けたら負けだ」と、自分に言い聞かせて、眠ることに集中していました。

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……

目覚ましの音で目が覚めました。

時計を見ると9時半。

呼び鈴攻撃にもかかわらず、どうやら少し眠れたようです。

その直後、またもや呼び鈴が。

時間になったということで、玄関に向かい、扉を開けます。

そこには、集荷員らしき人物が、2時間前と全く同じ姿で立っていました。

「仮に言葉が通じなかったとしても、いったん入れてもらった部屋から出された時点で、早すぎたと察せよ」とか

「なんで本社や上司に連絡取らないの」とか

「(確実に人が中にいるはずなのに)2時間呼び鈴を鳴らし続けて反応がないのを、どう受け止めていたんだ」とか

なんというか、頭がいいとか悪いとかそういう次元を超えて、インド人被支配階級3000年の思考を垣間見たような気がして恐ろしくなりました。

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ともあれ、9時半になったということで、さっそく依頼した日系企業の担当者に電話しました(色々考えて、インド人担当者と日本人担当者の2人のうちの日本人担当者に電話しました)。

どうやら、この人が集荷員で間違いないということで、ようやく荷物の集荷をはじめることができました。
その後はスムーズに話が進み、10時過ぎには集荷は完了して、必要書類も渡しました。

以下、私の疑問に対して担当者の方が語った、「集荷員が7時半に来た理由」です。

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今回は、依頼者が日本人ということで、担当者の方は、集荷員に対して、「必ず時間どおりに行くように」と、きつく、きつく申し渡していたそうです。

インド人は激しく時間にルーズであり、大抵の日本人にとってはそれが不愉快であるということをわかった上での、日系企業ならではの社員教育でしょう。

ところが、時間厳守を言い渡された集荷員はおののいてしまい、「なんとしても時間前に到着しなければ」という思いが昂じて早く出発しすぎてしまい、予定時間の2時間も前に到着することになりました。

で、ここで「時間は後の方向だけではなく、前の方向に対しても守るもの」というごくごく当たり前のことを認識してもらえればよかったのですが、「早く着いたんだから早く行けばいいだろう」と思ったらしく、午前7時半の登場と相成ったようです。

なんというか、到着時刻の見積もりに2時間も誤差がでるとか、時間を前の方向に守ることが理解できないとかいうあたり、「ああ、この人たちには本当に時間を守るという概念がないんだなあ」と痛感します。

ある程度時間を守ることに慣れている人なら、いくらなんでも市内を移動するのに到着時刻に2時間も誤差は出ませんし、早く着いても30分前とか常識的な範囲の誤差になるまで現地で待つでしょう。
普段時間を守る習慣(というより概念)がないから、こういう極端なことになってしまうのです。

また、単純に時間を守る守らないという問題とは別に、朝7時半にアポなし(本来のアポは2時間後なので、事実上アポなし)で、引越しの応対をさせられる人がどういう気持ちになるかとか、一瞬たりとも考えなかったのだと思います。

片や、幼いころから、「時間は必ず守りなさい」と叩き込まれ、学校に遅刻でもしようものなら、担任に烈火のごとく怒られ、「時間を守らない奴は人間のクズだ」という勢いで罵倒される国で生まれ育った民族。幼いころから、「人の気持ちを考えなさい」と叩き込まれ、「思いやりのない人」が激しくネガティブに捉えられる国で生まれ育った民族。

果たして地球上で共存が可能なのかと、本気で悩むこの2時間余。

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コメント

いやはやお疲れ様でした。
インド法律事情、何にしてもありがたい。
1年弱なのに本当に色々ありましたね。
Kottyのこれまでの言い分、全部よーく理解できます。なぜって私も殆ど同じ体験をしているから。
インド脱出かぁ。なんというか戦友がいなくなるようで淋しい。またどこかでカラオケやりましょ!

>smile 様

短い間でしたがどうもありがとうございました。
ムンバイに来てから9ヶ月少し経過し、様々な形で多くの日本人駐在員との交流ができ始めていたところだったので、このタイミングでの帰国は少し残念です。

一応インド法律事情の解説は続けようかと思っていますので、またお時間のある際にでもブログを覗いていただければと思います。

色々お世話になりました。
また「チャンピオン」をデュエットできる日を楽しみにしています(笑)

投稿: smile | 2008年5月29日 (木) 19時38分

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