北インド旅行記 -バラナシ・ブッダガヤ編③-
またまた朝4時半起床。
ガンジス河の夜明けを見るべく、仄暗い中をガートに向かいます。
朝早すぎて誰もいないかと思いきや、相変わらず大量に人がいます。さすがに昼間に比べればかなり少ないですが。
少しずつ明るくなってきましたが、まだ日は昇っていません。
バラナシは、ガンジス河に面した街ですが、対岸には全く何もなく、ひたすら荒野が広がっています。
これは、「河のこちら岸は聖、向こう岸は穢」というヒンディーの思想によるそうです。
実際、インド人は決して河の対岸に決して近付かないとのこと(向こう岸に渡っている人はいますが、それはすべて外国人観光客だそうです)。
一本の河を挟んで、広がる有と無。
ふと「彼岸」という言葉が浮かんできました。
しばらくすると、水面を滑るように太陽が昇ってきました。
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いったん宿に戻り、一休み。
帰りの便が午前11時と早めなので、荷造りを始めます。
…
…
…
バラナシに着いたときから悩んでいました。
To bath or not to bath
理性は「この水に入ってはいけない」と大声で叫び続けています。
とはいえ、おそらくバラナシに来るのはこれで最初で最後。
ここまで来て沐浴しないで帰るのか。
否
どうにか自分の理性を騙しきったところで、再度ガートに向かいます。
ガートの上で服を脱いでいる最中も、河の水の色を見るたびに、臭いを嗅ぐたびに、「まずいんじゃないの」という声が聞こえてきます。
心を無にせよ。
覚悟を決めて河に足を踏み出しました。
Σ(゚Д゚;
ヘドロか藻か、とりあえず足元がヌルヌルです。
足の裏の感触だけでダッシュで逃げだしたくなりますが、もうここまできてしまうと後にはひけません。
そのまま歩を進め、全身を河に沈めます。
いったん覚悟を決めて入ってしまえば、色々なことがそれほど気にならなくなってきました。
周囲のインド人が、身振り手振りで沐浴の方法を教えてくれました。
手の平で水をすくい、太陽に向かって拝みます。
インド人と並んで沐浴する男の図
(たまたま同じ宿で出会った日本人の方が写真を撮ってくれました)
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沐浴後、ダッシュで宿に戻り、シャワーを浴びました、
「このシャワーの水もガンジス河から取ったのかも」とか、余計なことは考えないようにして。
少し休んだあと、空港に向かいます。
例によって、ボッタクリ的料金ですが、この際しょうがありません。
空港に着いたあたりから体調がおかしかったのですが、家に帰ったあと完全にダウン。
翌日から2日間、高熱が出ました。
おそるべし、ガンジス河。
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北インド旅行記 完
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(追記)
結局、これがインドでの最後の国内旅行になりました。
今思い返しても相当辛い旅行でしたが、その分記憶は鮮明に残っています。
変にお仕着せの旅行に行くよりも、よっぽど印象に残る旅でした。
まあ、「過ぎてしまえば何でもいい思い出」というだけかもしれませんが。
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