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2008年11月

ムンバイテロ事件全面解決

さきほど、インドの治安部隊が最後まで武装勢力が立てこもっていたタージマハル・ホテルを制圧し(トライデントホテルなど、テロにターゲットにされた他の施設は既に制圧済み)、ムンバイ治安当局の責任者がプレスに対してテロ事件の終結を宣言しました。

発生から丸2日超で事件そのものは解決したわけですが、この事件の影響はこれからも当分は消えないでしょう。

一刻も早いムンバイの復興と、日本人駐在員を含むムンバイ市民の心理的衝撃からの回復を願ってやみません。

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ムンバイテロに対する元現地駐在員としての思い

今回のテロは、ムンバイ市内10か所以上で同時に起こされたわけですが、その中でもメインのターゲットになったのは、タージ・マハルホテルとトライデントホテルの2つのホテルでした。

タージ・マハルホテルは、インドを代表する財閥であるTATA財閥の創始者であるジャムセットジ・ヌセルワンジ・タタ(Jamsetji Nusseruwanji Tata)が創立したホテルで、インド全土の中でも屈指の名門ホテルです(外観はこちら
<このブログの関連記事>
http://lawyerinindia.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_1e62.html
http://lawyerinindia.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_3542.html

一方、トライデントホテルは、今年3月まではヒルトンホテル・ムンバイとして経営されていたものが、(おそらくはヒルトン側とホテル不動産保有者側の賃料交渉やライセンス交渉等の頓挫により)トライデントホテルに名称変更されたものです(外観はこちら(ヒルトン時代の外観))。
名称変更したとは言え、内装や設備が変わるわけでもなく、また従業員もそのまま引き継がれたため、実質的にはヒルトンホテル時代とほとんど変わっていません(実際、私もホテルの名称変更に気がついたのは、名称変更後1か月以上経ってからでした)。
<このブログの関連記事>
http://lawyerinindia.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/18nariman_point_2708.html
http://lawyerinindia.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_af11.html

トライデントホテルは、これまたインド屈指の名門ホテルであるオベロイホテルと一体になっており(2つの建物が、通路を通じてつながっています)、そのため今回のテロ事件に際しても、初期には「オベロイホテルが占拠された」との報道を行っている報道機関もありました。
(建物が一体であるため、外国のメディアでOberoi-complexと報道されていたのを、そのまま和訳したのではないかと思われます)

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この2つのホテルは、全体的にホテルがあまり充実していないムンバイにあって、先進国並の設備を備えた快適なホテルとして、インド人富裕層はもちろん、外国人の観光客、出張ビジネスマンに非常によく利用されています。
ホテルの絶対数が不足気味のムンバイにあって、両ホテルの部屋の稼働率は、ほぼ常時100%であり、1か月前でも予約が困難なこともザラにあります。

また、これらのホテルは、レストランやショッピングモールが充実していることから、宿泊客のみならず、現地の外国人駐在員が、よく食事や買物に訪れています。
そのため、現地の日本人駐在員にとっても非常に身近な場所であり、おそらくムンバイに住んでいる日本人の中で、両ホテルに行ったことがないという人は存在しないのではないかと思われます。

私自身、ムンバイに滞在中に、この2つのホテルには、買物やお茶、マッサージなどを目的として、月に3、4回くらいの頻度で行っていました。
特にタージ・マハルホテルには、ムンバイ唯一の「比較的きちんとした日本料理レストラン」であるWasabiがあったため、本当に何度も食事に行きました。
<このブログの関連記事>
http://lawyerinindia.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/17_bbe1.html
http://lawyerinindia.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_4374.html

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今回のテロは、そのような、「ムンバイの中でも日本人にきわめて身近な場所」で生じたのです。

しかも、お亡くなりになった日本人出張者の方は、「ムンバイ空港から現地日本人駐在員のアテンドでトライデントホテルに移動し、チェックインしようとしたとき」という、出張者および現地駐在員にとってはきわめて日常的な光景の中で、テロリストに撃たれたのです。
ムンバイに出張されたことのある方なら、これがいかに日本人出張者および日本人駐在員にとって衝撃的なものであるかが、より実感を伴っておわかりになるのではないでしょうか。

「他人事とは思えない」
「まさか、本当にまさかあんなところで」

既にムンバイから離れている私でさえそのように思うのですから、今でもムンバイにいらっしゃる日本人の方々は本当に衝撃を受けていると思います。

比較するのは不謹慎かもしれませんが、ムンバイで生活している日本人駐在員にとっては、今回の事件は東京の地下鉄サリン事件に匹敵する「日常の破壊」です。

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ムンバイは決して治安の悪い街ではありません。
夜中に1人で歩いていても、まず安全といってよい街です。

それでも、今回のような宗教的対立を理由とした意図的なテロに対しては、正直、現地駐在員としては対応のしようがありません。
ムンバイは、(基本的な治安の良さを考慮しても)日本人にとって決して暮らしやすい街ではないため、街の中の行動範囲も限られてきます。その限られた行動範囲は、まさに今回テロリストが狙ったような、「外国人が頻繁に利用する場所」です。

そのような場所をあえて狙うテロ行為に対して、いったい何をどう気をつければいいのでしょうか。
個人の注意意識でどうにかなる範囲を超えています。

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不安な日々を過ごされているであろう日本人駐在員および日本人滞在者の方々の心情を思うと、心が痛みます。

日本人のみならず、すべてのインド人、外国人を含め、今回の事件でこれ以上の犠牲者が出ないことを心から祈っています。

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お知らせ

ムンバイでのテロ発生以降、おそらくはこのブログを経由して、現地の情報や駐在員の安否について、私にメールにてお尋ねになられる方が少なからずいらっしゃいます(マスコミ関係者の方々含む)。

私は2008年5月末で任期満了によりムンバイを離れており、現在、既にムンバイにはおりません。

そのため、現地の情報を尋ねられてもお答えすることができません。

また、現地駐在員の安否情報について、個人的に現地駐在員の友人達と連絡を取り、現地の状況と安否を確認してはいますが、その内容は第三者にお話できるものではありません。
そもそも、私がいくら話をしても、それは伝聞情報にしかなりませんし、総体的な安否情報として現時点で在ムンバイ日本総領事館が発表されている以上の情報を持ち合わせているわけでもありません。

したがいまして、本ブログを通じたものであると否とを問わず、ムンバイの現地情報に関するご質問につきましては、お答えいたしかねます。

以上、あらかじめご了承ください。

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日本時間朝7時の時点で、タージ・マハルホテルはインド治安部隊によりほぼ制圧されたようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081128-00000022-jij-int

これ以上の犠牲者を出さないよう、一刻も早く事件が解決することを祈ります。

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ムンバイでの同時テロ

絶句。

一般市民、外国人観光客を対象とした卑劣きわまりないテロに怒りを覚える。

幸いにして、直接の知り合いの方々は、日本人、インド人を問わず皆無事だった。

それでも、現時点で確認できているだけで、87人が死亡、200人以上が負傷している。
日本人の方も、1名が死亡、1名が負傷されている。

つい先日まで日常的に食事や買物をしていたホテルが爆発、炎上している。

「自分がそこにいてもおかしくなかった」

今、テレビを通じて現場の光景を見ているのは、偶然にすぎない。

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お亡くなりになった方のご冥福を、心からお祈りいたします。

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FRBによるゼロ金利政策および量的緩和の採用可能性

(今回の記事はインドと直接の関係はありません。広く言えば関係はありますが…)

米国FRBがゼロ金利政策+量的緩和の導入を検討しているようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081121-00000407-reu-bus_all

以下、少し長いですが、記事を引用します。

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[シカゴ 20日 ロイター] 

 米経済がスパイラル的な下降局面となるなか、連邦準備理事会(FRB)が金利水準をゼロとし、当面継続するとの見方が高まっている。
 10月の消費者物価指数(CPI)が過去最大の低下率となりデフレリスクが高まるなか、斬新な金融政策をとるとの予想もでてきた。
 JPモルガン(ニューヨーク)のエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は、12月と1月の連邦公開市場委員会(FOMC)で2回の0.5%ポイントずつ利下げし、史上初めてのゼロ金利にすると予想している。その上でデフレリスクにより「FRBは2009年いっぱいはゼロ金利政策を続けるだろう」と述べた。
 20日発表された週間新規失業保険申請件数は54万2000人と16年ぶり高水準となった。
 フェローリ氏は「労働市場の緩みが拡大している状況ではデフレとなる可能性が高い。その上、金融がタイトな状況で、緩みが改善するのが遅れている」と述べた。
 12月のFOMCは予定された1日ではなく、2日開催されると発表されたことで、FRBが何らかの大胆な政策を考えているとの見方が強まった。金利先物市場では、年末の金利水準が0.25―0.5%になることを織り込んでいる。
 FRBのコーン副議長は19日、デフレが定着するリスクに対して積極的な措置を講じる必要があるとの見解を示した。
 4キャストのアナリスト、ルディ・ナーバス氏は「最近の経済指標や10月FOMC議事録、コーン副議長発言をみると、FRBはこれまで考えられていたほど、ゼロ金利を嫌がっていないようだ」と述べた。
 セントルイス地区連銀のブラード総裁は20日、デフレ回避のためには量的緩和が必要となる可能性がある、と述べた。
 ゼロ金利は、米経済の反転に向けたFRBの措置の終了を意味しない。
 ナーバス氏は「景気刺激とデフレリスクの拡大回避に向けて、他の政策措置も必要となるだろう。FRBは、現在のFF金利目標を維持することができないため、政策金利の設定プロセスが効果的ではないと判断する可能性が高い」と述べた。
 FF金利は過去数週間、目標の1.0%を下回り、20日終盤には0.375%で推移している。
 コーン副議長をはじめFRB当局者は、すでに銀行システムの準備水準を高めるための「量的緩和」プログラムを開始したことを確認している。
 サンフランシスコ地区連銀のエコノミスト、グレン・ルードブッシュ氏は、金利目標に加え、あるいは代替措置として、準備預金残高の目標設定を検討するべきとの見解を示した。その上で「いずれ連邦公開市場委員会(FOMC)声明に準備預金をめぐる協議の内容を盛り込む必要が出てくる可能性がある」と述べた。
 アナリストによると、量的緩和を拡大する前にFRBは口先介入を行う可能性がある。フェローリ氏は「現在の景気の苦境を説明し、相当な期間低金利を続けることを、まずは市場に伝えるというのが最も可能性が高い」と述べた。
 ルードブッシュ氏も短期金利が「ゼロあるいはゼロに近い水準」にある場合、「FF金利を一定期間、低水準に維持するとの確約」が景気支援への主要な戦略になると指摘した。
 このような時間軸の公約は長期金利押し下げの一助となり、ひいては住宅市場も支援することになる。
 (Ros Krasny記者;翻訳 村山圭一郎) 

(引用終了)

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もしFRBが本気でゼロ金利政策と量的緩和を採用しようとしているのであれば、はっきり言って無茶だと思います。

私見ではありますが、ゼロ金利政策および量的緩和を米国FRBで導入するのは極めて困難というか、ドル基軸通貨制を維持したいのであれば絶対にやってはいけない行為です

日本では、日銀がゼロ金利政策と量的緩和を導入した結果、膨大な円キャリートレードが生じ、円の価値は長期的に下落しました(ちなみに、日銀の両政策が日本国内の景気浮揚につながったかどうかについては、実ははっきりしていません)。

同じことを米国FRBで行った場合、「ドルキャリートレード」とも言うべき事態が起こることになりますが、それは米国からのドルの流出につながり、またドルがドルキャリートレードの借り手の国でその国の通貨に両替するために売られる結果、ドル安を引き起こします。

そもそも、米国は、恒常的な貿易収支赤字を、米国に流入する資本による資本収支黒字でファイナンスすることにより、経常収支の黒字を維持している国(成熟した債務国家)なので、ゼロ金利政策が導入され、米国内への投資の投資効率が減少するとともに、量的緩和の結果生じると思われるドルキャリートレードによりドル流出が起こった場合、資本収支が赤字に転落し、その結果、経常収支までも大幅な赤字になってしまうことが予想されます。

ただでさえ、恒常的な財政赤字を抱えている米国で、経常収支の大幅な赤字化が起こり、それが長期化するということになると、米国の経済ファンダメンタルは傷つけられ、その結果としてさらなるドル安を招きます。

それでも、ドルが基軸通貨である間は、FRBがドルを刷りまくることにより、資本収支および経常収支の赤字をカバーできます。しかし、ドルの流通量が増えれば増えるほど、ドルの価値が低下していくことは避けられません。

そのため、ドルの価値低下が臨界点に達したところで、ニクソンショックと同じレベルのドルの価値信認の低下が起こり、その結果として基軸通貨の移行の動きが生じることが予想されます

では、その「臨界点」はどのように訪れるのでしょう。

現時点ではユーロも円も、ドルに代わるほど強くないため、基軸通貨の移行の動きはそれほど強くありませんが(それでも、フランスのサルコジ大統領あたりは、すでにドル基軸通貨制維持に反対しています)、上記シナリオでドルの価値が低下し続けた場合、どこかで「これならユーロや円の方がまし」という状態に至ってしまうことになると考えられます。

具体的にFRBがどの程度ドルを刷ったらそのような状態に至るのかまではわかりませんが、金融危機による米国のダメージの深さの程度によっては、意外に「その時」は早く来るかもしれません。

もし、ドルに対する世界の信任が失われ、決済通貨の円やユーロへの移行が進めば、現在のドル基軸通貨制そのものが崩壊しかねません

そうなると、米国は、「基軸通貨であるドルを刷って国家の赤字をカバーする」という方法が取れなくなるため、自力で財政再建に取り組むしかなくなりますが、これまでドルの基軸通貨性に胡坐をかいていた感の強い米国が、地道に負担の大きい財政再建に取り組むかは正直疑問であり、最悪、米国国内で強硬派が台頭して、世界情勢がきわめて不安になる可能性すらあります。

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ということで、ドルの基軸通貨制を揺らがせかねないゼロ金利政策と量的緩和をFRBが採用するのは、はっきり言って無茶だと思います。
米国国内の景気浮揚のことだけ考えれば、ゼロ金利政策も量的緩和も適切な解ではあるのですが、ドルは米国一国の通貨ではなく、世界の基軸通貨なのです。そして、米国はその事実を利用して自国の赤字をファイナンスしているのです。

日本がゼロ金利政策と量的緩和を同時に採用できたのは、所詮は円は基軸通貨ではなく、円の価値下落の影響も、基本的には日本国内とその周辺地域の問題にとどめることができたからです

それでも、円キャリートレードという副作用が発生し、日本円の価値は長期にわたって低空飛行を続けました(まあ日本は製造業立国の国家なので、輸出という観点からはかえって都合が良かったのですが)。
また、世界中の国々(特にアジア諸国とオセアニア)は、多かれ少なかれ今回の金融危機に伴う円キャリートレードの巻き戻しで痛い目にあっています。

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このあたり、FRBが何を考えているのかはわかりませんが、上記をすべてわかった上での深算遠謀があるのか、それとも「なんだかんだいっても、ドルの基軸通貨制が崩れることはないだろう」と、単純にたかをくくっているだけなのか…。

とりあえず、世界平和のために、前者であることを切実に祈ります。

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みなし公開会社規制解説その5

その2からその4までで説明してきたのは、インド内国会社について「外国会社が実質的に100%の株式を保有する場合」の話でしたが、今回からは、「外国会社が形式的にも実質的にも100%は保有しない場合」の話です。
典型的には、日本企業とインド企業で合弁会社を設立する場合が、これにあたります。

さて、日本企業とインド企業との合弁会社の場合、日本企業が形式的にも実質的にも株式を100%保有することはありえないため(もし保有したら、それは「合弁」とは呼びません)、そもそも4条7項但書の適用の余地はありません。
4条7項但書は、「外国会社が実質的に100%保有だが、非公開会社の最低株主数が2人以上であることから、形式的には100%保有できない」という場合に適用が問題となる条文であるため、インド企業が一定の株式を保有することが前提となる合弁会社においては、解釈論に至るまでもなく適用されないことは明らかであるためです。

したがって、このような合弁会社においては『非公開会社でない会社の子会社である非公開会社(a private company which is a subsidiary of a company which is not a private company)』については、当該会社がそれ自体非公開会社の要件をみたしていたとしても、公開会社として扱われる」というみなし公開会社規制がそのまま適用されることになります。

そのため、たとえば、日本企業60%、インド企業40%という持分の非公開合弁会社(それ自体は非公開会社の要件をみたすように設立された合弁会社をいいます。以下同じ)の場合、当該会社はみなし公開会社となります。
(※その2で解説したとおり、ほぼ全ての日本企業は、インド会社法上公開会社に該当するためです)

一方、インド企業70%、日本企業30%という持分の非公開合弁会社の場合、①当該インド企業が公開会社であればみなし公開会社に、②当該インド企業が非公開会社であれば、非公開会社となります。

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さて、公開会社は非公開会社に比べてコンプライアンス規制が厳しく、運営に手間とコストがかかるため、合弁会社といえども、できれば非公開会社とした方が(=みなし公開会社に該当しないようにした方が)、運営上有利であるといえます。

インド企業(公開会社)側が過半数株式を保有する場合、合弁会社がみなし公開会社となってしまうことはやむをえないとしても、日本企業側が過半数株式を保有する場合、なんとかみなし公開会社規制を免れることはできないでしょうか。

たとえば、以下のような方法はどうでしょう。

(設例1)
日本企業Aが、シンガポールあたりに、インド会社法上の非公開会社の要件をみたすような子会社(SPCでも可。以下B)を設立し、合弁会社の直接の親会社をAではなくBにすることにより、当該合弁会社を「非公開会社の子会社」とする。

結論からいうと、このような方法でインド会社法上のみなし公開会社規制を回避することはできません。

なぜか。

それは、インド会社法上の「子会社」の定義は、単純な「株式を過半数保有されている会社」というだけではないからです。

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インド会社法上、「子会社(subsidiary)」は、4条1項により、以下のとおり定義されています。
少し長くなりますが、全文を引用します(ちなみに、illustrationという部分も法文の一部です)。

4. Meaning of "holding company" and "subsidiary"
(1) For the purposes of this Act, a company shall, subject to the provisions of subsection (3), be deemed to be a subsidiary of another if, but only if,-
(a) that other controls the composition of its Board of directors; or
(b) that other-
   (i) where the first-mentioned company is an existing company in respect of which the holders of preference shares issued before the commencement of this Act have the same voting rights in all respects as the holders of equity shares, exercises or controls more than half of the total voting power of such company;
   (ii) where the first-mentioned company is any other company, holds more than half in nominal value of its equity share capital; or
(c) the first-mentioned company is a subsidiary of any company which is that other's subsidiary.

Illustration
Company B is a subsidiary of Company A, and Company C is a subsidiary of Company B.  Company C is a subsidiary of Company A, by virtue of clause (c) above.  If Company D is a subsidiary of Company C, Company D will be a subsidiary of Company B and consequently also of Company A, by virtue of clause (c) above; and so on.

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上記4条1項上、インド会社法上、「子会社」は、以下のいずれかに該当するものと定義されています。
①「他の者から取締役会の構成をコントロールされうる会社」(4条1項(a))
②「会社の過半数(more than half)の株式が単独株主(親会社)に保有されている会社」(同項(b))
③「子会社の子会社」(同項(c))

日本で「子会社」と言った場合、専ら上記②のイメージのみを持つことが多いですが、インド会社法上は、②に加えて①と③の要件をみたす会社も「子会社」に該当します。

さて、ここで設例1に戻りましょう。

設例1では、確かに合弁会社の直接の親会社はBであり、②の見地からは合弁会社は「非公開会社の子会社」ということになります。
が、③の見地からは、合弁会社は、(Bの親会社である)Aの子会社にも該当するため、結局日本企業であるAの子会社として、みなし公開会社規制の適用対象となってしまいます。

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次回以降、いくつか具体的な説例を示して、みなし公開会社規制の回避可能性を検討していきます。

ちなみに、結論から言うと、インド会社法上のみなし公開会社規制は、回避が非常に難しい規制であり、テクニカルな方法でこれを免れるのはきわめて困難です。

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インド外資規制解説 -2008年10月10日付けでSSI品目が21品目に-

関連記事

インド外資規制解説その17 -SSI品目削減-

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上記記事でも説明したとおり、1951年産業開発および規制法(Industries (Development and Regulation) Act, 1951)により、小規模企業(Small Scale Industries。SSI)に対して、24%を超える外国直接投資を行うには、事前にインド政府商工省産業政策促進局(Department of Industrial Policy and Promotion(DIPP))からの産業ライセンスを取得することが必要とされています。

数年前までは、SSIに該当されるものとして指定される品目は500を超えていたのですが、その後の規制緩和の流れにより、SSI品目は年々減少しており、2008年2月5日付けでは35品目のみがSSI品目に指定されていました。

さらに、2008年10月10日付けで、上記35品目から14品目が削減され、現時点のSSI品目は21品目のみとなっています。

現在SSI品目に指定されている21品目の一覧と、その和訳を以下に掲載します。

「21_ssi_items_as_on_october_10_2008.pdf」をダウンロード 

同和訳

「ssi2120081010.pdf」をダウンロード

例によって、和訳にあたっては細心の注意を払っておりますが、あくまでも私的な和訳であるため、何かのご参考にされる際は必ず原文もご参照ください。
また、無断引用、転載はご遠慮ください。引用、転載される際は、ご一報いただければと思います。

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品目としては、「プラスチック製品」、「有機化学薬品」、「電子機器」が中項目ごと削除されており、残った中項目の中でも、一部の品目は削除されています。

なお、今回削除された14品目や、これまでの削除の流れについては、以下のサイトをご参照ください。
http://www.smallindustryindia.com/publications/reserveditems/resvex.htm

SSI品目自体が21品目にまで減少している上、残っている品目も食品やスチール製の日用品など、一般にインドに進出する日本企業が製造を企図するとは思えないものが多いため、SSI品目に関する規制については、少なくとも日本企業にとっては規制自体の重要性が薄れてきているように思われます。

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みなし公開会社規制解説その4

前回解説したとおり、「非公開会社の最低株主数要件をみたすために、外国個人に1株(あるいはそれに準ずるわずかな株数)を保有させた」場合にもインド会社法4条7項但書が適用されるのかどうかについて、現時点では、この点についての当局による明確な解釈指針や判例は存在しておらず、公式な解釈は確立していません。

すなわち、株式合計10,000 株のうち9,999 株を外国企業が、残り1株を外国個人株主が保有するとの株主構成をとった上で、外国会社の子会社を非公開会社として設立、運営した場合、当局により違法とみなされるリスクがあるということです。

そこで、このリスクを軽減する方法として、名目的株主(nominal shareholder)制度を利用することが考えられています。
あくまで、「リスクの軽減」であり、「名目的株主を利用すれば問題がなくなる」というものではありません。リスクをゼロにしたいのであれば、株主を全て外国「会社」にするしかありません)

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名目的株主(nominal shareholderあるいはnominee)とは、インド会社法特有の概念であり、「ある株主が、会社に対し、他の第三者(必ずしも株主である必要はありません)に会社から利益を受ける権利(beneficial interest。以下、説明の便宜上「受益権」といい、受益権を受ける人のことを「受益者」といいます)を与えることを宣言した場合の、当該宣言した株主」のことをいいます(インド会社法187C条)。

名目的株主は、受益者に対し、会社から利益を受ける権利(利益配当や残余財産分配請求権など)を与えることができますが、会社の経営に参与する権利(株主総会での議決権、少数株主権など)を与えることはできません。

すなわち、「9,999 株外国企業保有、1株を外国個人株主保有」のケースにおいて、1株を保有している外国個人株主が外国企業のために名目的株主になったとしても、それにより外国個人は外国企業(受益者)に対して現地法人の利益配当を受け取る権利等を与えることはできますが、株主総会における議決権や少数株主権を与えることはできません。
(なお、別途Proxyを出せば、代理人として議決権行使権限を与えることは可能です。「名目的株主の制度」として、議決権等を与えることはできないということです)

したがって、名目的株主は、株主総会における議決権を有しており、また定足数にもカウントされます。その反面、受益者は、受益権を根拠として株主総会で議決権を行使したり、また少数株主権を行使することはできません。
たとえば、名目的株主が70%の株式を保有しているとして、その受益権を全て受益者に与えたとしても、当該受益者が株主総会に出席して70%分の議決権を行使するということなどはできないということです。

さて、名目的株主になるためには、法令で定められた手続を踏む必要があり、勝手に「今日から名目的株主になります」と決めることなどはできません。

具体的には、名目的株主になるためには、「名目的株主の宣言(Declaration)」を行う必要があります。

名目的株主の宣言の方法については、インド会社法187C条および同条を受けた「1975年会社(会社の受益権の宣言)規則(Companies (Declaration of Beneficial Interest in Shares) Rules, 1975)」に定められています。

同規則3条によれば、名目的株主の宣言およびそれに伴う受益権の授与を行うためには、以下の手続を全て履行することが必要とされています。
①名目的株主となる者(受益権を受益者に与える者)が、受益権を受益者に与えた日から30日以内に、同規則のForm1により、その旨を会社に届け出ること
②受益権を与えられた者が、受益権を与えられた日から30日以内に、同規則のForm2により、その旨を会社に届け出ること
③会社が、上記①、②の届出を受けた日(いずれか遅い日)から30日以内に、会社登記局(Registrar of Company)に対して、①、②の届出を受けたことの報告を行うこと

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さて、では、なぜ名目的株主を利用することが、「株式合計10,000 株のうち9,999 株を外国企業が、残り1株を外国個人株主が保有するとの株主構成をとった上で、外国会社の子会社を非公開会社として設立、運営した場合」の違法リスクを軽減することにつながるのでしょうか。

前回解説したとおり、多くのインド人実務家が、「上記のような株主構成をとった場合には、インド会社法4条7項但書が適用され、当該外国子会社につきみなし公開会社規制はかからない」との見解をとっている理由の1つには、このような場合には、「外国個人の保有は『株主2人以上』という非公開会社の最低株主数要件をみたすためだけに形式的に保有していることが明らかである」ということが挙げられます。

そして、上に説明したとおり、名目的株主は、受益権の面から見れば、受益者のために名目的、形式的に株主になっているといえます(議決権等、共益権の面から見れば、通常の株主である点に注意!)。

そこで、この「名目性」、「形式性」をさらに強調することにより、「実質的に外国企業の単独(aloneかつone)株主である」ということの協調のために、名目的株主を利用するとの考え方があります。
すなわち、1株保有の外国個人株主において、9,999株保有の外国企業のために名目的株主となることを宣言することにより、「実質は外国企業の100%保有である」ことを強調するのです。

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この考え方は、理論的にはそれなりの説得力があり、かつ結論も妥当です。

しかしながら、名目的株主は会社との関係ではあくまでも株主である(実際、議決権も留保している)ことから、上記方法をとったとしても1株保有の個人株主が存在することには変わりなく、したがってこれについてみなし公開会社規制の例外規定を適用することは、インド会社法4条7項但書の文言に形式的には反しています。

そのため、繰り返しますが、上記名目的株主を利用する方法は、あくまで違法リスクを軽減するにとどまり、「名目的株主を利用すれば問題がなくなる」というものではないことに注意が必要です

実際、「9,999 株外国企業保有、1株を外国個人株主保有」のケースにおいて、外国個人株主を通常の株主のままにしておく場合と、名目的株主にする場合との間に、大きなリスクの差はないという考えも有力です。
名目的株主を利用した場合であっても、形式的に個人株主が存在することには変わりなく、したがってインド会社法4条7項但書の要件を形式的にみたしていないことには変わりはないためです。

根本的問題として、「みなし公開会社規制の外国会社子会社に対する例外適用の場面において、4条7項但書の『alone』や『one』を実質的に解釈してよいか?」という論点があり、名目的株主の利用は、その論点において肯定的な立場をとった場合における派生的な論点でしかありません。

前回述べたとおり、そもそも、現状、上記根本的問題についてインド企業省(Ministry of Corporate Affairs)や会社登記局(Registrar of Company)といったインド当局による明確な解釈指針や判例は存在しておらず、公式な解釈は確立していません。
そのため、(当然ですが)派生的論点である名目的株主の利用についても、インド当局から何らかの見解が示されているわけではありません。

よって、本当に名目的株主を利用すればインド当局から違法性を指摘されることはないのかという点については、現時点では明確ではないということに注意する必要があります。

一応、外国会社の子会社を非公開会社として設立するケース自体において、これまでにインド当局が違法性を指摘したり、あるいは登記が拒否された事例もまた存在しない(少なくとも、広く知られている事案は存在しません)ため、名目的株主を利用したケースにおいて違法性が指摘されたという例もありません。

しかしながら、今後、インド当局が、インド会社法4条7項但書の形式的文言を重視して、外国個人株主(通常株主であると名目的株主であるとを問わない)の株式保有を理由に、外国子会社の非公開会社としての設立、運営を違法とみなす可能性も完全には否定できません。

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総括すると、

・「9,999 株外国企業保有、1株を外国個人株主保有」のケースにおいて、外国個人株主を外国企業のための名目的株主にする場合、通常株主のままにしておくよりは、違法リスクは軽減すると考えられている。

・しかし、そのリスクの軽減がどの程度か、そもそも当初のリスクはどの程度あるのかについては明確ではない。

・ただ、これまでのインド当局の対応を見る限り、当初リスクはそれほど大きくないと想定できる。名目的株主を利用した場合、リスクは(具体的な程度は不明ながら)さらに軽減すると思われる。

・もっとも、今後、インド当局が、インド会社法4条7項の形式的文言を重視して、外国個人株主が通常株主であれ名目的株主であれ、当該外国個人株主の株式保有を理由に、外国子会社の非公開会社としての設立、運営を違法とみなす可能性も完全には否定できない

ということになるかと思われます。

ということで、もしインドに現地法人を非公開会社として設立することを検討されている日本企業の方が、みなし公開会社規制に関する違法リスクをゼロにしたいのであれば、個人ではなく、他の外国子会社に1株(あるいはそれに準ずる少数の株式)を保有させることをお勧めいたします

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次回は、みなし公開会社規制における「非公開会社でない会社の子会社」の該当性判断においての「子会社」の概念の解説です。

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みなし公開会社規制解説その3

インド会社法4条7項但書は、みなし公開会社規制の例外として、「非公開会社でない会社の子会社である非公開会社」の株式が、単独または複数の外国会社により100%保有されていれば(if the entire share capital in that private company is not held by that body corporate whether alone or together with one or more other bodies corporate incorporated outside India)、当該会社は非公開会社として扱われる旨を定めています。

ところが、同時にインド会社法12条1項は、非公開会社の最低株主数を2人以上と定めています。
(そのため、インド会社法上、形式的な100%子会社というものは存在しません

そうすると、「外国会社が単独で100%株式を保有する」という要件は、みたしようがないことになってしまいます。
上記の英語原文の文言でいうと、「alone」や「one」という部分がみたされることはありえないということです。

これが具体的に問題となる典型的なケースは、日本の中小企業がインドに現地法人(単体で非公開会社の要件をみたす)を設立する場合です。

当該中小企業が日本国内あるいはシンガポールや香港あたりに子会社を持っていれば、子会社にも現地法人株式を保有させることにより、形式的に「株主2人」との要件をみたすことができます。
一方、子会社や関連会社を持っていない会社の場合、株主となりうる「外国会社」が当該中小企業自身以外には存在せず、したがってやむをえず個人を株主にするということがあります。

たとえば、現地法人について、その株式合計10,000 株のうち、9,999 株を日本企業が、残り1株を個人株主(当該日本企業の代表取締役、現地駐在員取締役など)が保有した場合、形式的には、「単独または複数の外国会社(a body corporate incorporated outside India)による100%保有」という要件をみたしていません。
条文の文言上は、株主は外国「会社(body corporate)」である必要があり、外国「個人」では要件をみたさないためです。

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このような、「非公開会社の最低株主数要件をみたすために、外国個人に1株(あるいはそれに準ずるわずかな株数)を保有させた」場合に、設立された現地法人(インド内国会社)が公開会社、非公開会社のいずれとして扱われるかについては、インド人弁護士の間でも見解が分かれています。

具体的には、以下の2つの見解があります。

①このような場合は「外国会社による100%保有」という形式的要件をみたさないため、4条7項但書の適用対象とはならない(=したがって、みなし公開会社規制の適用を受ける)

②このような場合、外国個人の保有は「株主2人以上」という非公開会社の最低株主数要件をみたすためだけに形式的に保有していることが明らかであり、4条7項但書の趣旨(=外国会社への過重規制防止など)に反しないことから、同条項但書の適用対象となる

①は条文の文言に忠実な解釈、②は具体的妥当性の見地からの実質的解釈であるといえます。
(ちなみに、あずさ監査法人/KPMGの「インドの投資・会計・税務ガイドブック」(第2版)の文末Q&Aによれば、あずさ監査法人/KPMGは①の立場をとっているようです)

この点について、インドにおける著名な会社法の逐条解説書(日本で言うと「注釈会社法」的な割と権威ある会社法注釈書)である、「Guide to the Companies Act」(Sixteenth Edition 2004 (2008年11月現在、最も新しい版))(A. Ramaiya著、Wadhwa and Company Nagpur発行)のPart1の126頁では、

「たとえ1株であっても外国会社(a body corporate incorporated outside India)以外の者が株式を保有した場合、当該インド内国会社については、4条7項但書の例外規定は適用されず、したがってみなし公開会社となる」

として、①の立場の見解が示されています。
この見解に従えば、個人あるいは外国会社以外の会社(=他のインド内国会社)に1株でも株式を保有されたインド内国会社は、4条7項本文に従ってみなし公開会社となることになります。

その一方で、実務家の間では、上記のようなケースでは個人株主は最低株主数の人数合わせのためだけに株主となったことが明白であり、実質的には日本企業(すなわち外国会社)が100%株主であることが明らかであること、また4条7項の立法の趣旨を踏まえ、このような場合には当該内国会社には4条7項但書が適用されるとして、②の立場の見解も有力です。

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上記見解の対立を踏まえた上で、私自身は②の見解が妥当だと考えています。
理由は以下の通りです。

1 立法意思の解釈

非公開会社の最低株主数が2人なので、4条7項但書の「if the entire share capital in that private company is not held by that body corporate whether alone or together with one or more other bodies corporate incorporated outside India」という要件のうち、「alone」や「one」という要件が形式的にみたされることはありえない。

そもそも、4条7項但書がインド会社法に設けられたのは1960年の改正の際であるが、上記文言が、非公開会社の最低株主数を踏まえていたとすれば「alone」、「one」かどうかは実質的に見るとの趣旨で改正されたと考えられるし、もし非公開会社の最低株主数を踏まえていなかったとすれば、立法のミス(条文間の整合性の調整ミス)である。

前者であれば、「非公開会社の最低株主数要件をみたすために、外国会社が9999株、外国個人が1株持っているような場合」は、典型的な、「実質的に『alone』かつ『one』の要件を満たす場合」であり、4条7項但書の要件をみたすといえる。
この際、外国個人が外国会社のために名目的株主(Nominal Shareholder)になっていれば、なお実質的要件をみたすと考えられる(この話は、次回解説します)。

後者であれば、改正の趣旨にさかのぼることになる。
1960年改正で4条7項が新たに設けられた趣旨は、公開会社が非公開会社を設立して、非公開会社の隠れ蓑のもとに公開会社に適用される厳格なコンプライアンス規定を潜脱することを防止する点にある。
また、その際に同時に但書が設けられたのは、4条6項により、外国会社についても、インド国内で設立されたと仮定されて公開会社性が判定される結果、外国会社の現地法人が全てみなし公開会社として過重なコンプライアンス規定の適用を受けるのを防止する点にある。

4条7項の目的は、あくまで「インド国内の会社が、インド国内に非公開子会社を設立してコンプライアンス規定を潜脱することを防止する」ことにある。すなわち、国内での二段(あるいは多段)構造を規制するのが目的であって、外国会社がインドに子会社を設立するという構造(インド国内では一段構造)を規制する趣旨ではない。
そのため、4条7項に但書が設けられた。

もっとも、もし単純に「外国会社の子会社であればみなし公開会社規制は適用されない」としてしまうと、インド内国資本がその規定を通じて非公開会社の隠れ蓑を利用する可能性がある(たとえば、外国会社と組んで、外国会社50.1%、インド内国資本49.9%という出資割合にして事業を行うなど)。
そこで、例外の適用対象を、外国資本100%に限定したものと思われる。

2 問題事案の不存在

実際に、実務上は、上記のようなケースでも②の見解に基づいて非公開会社として設立、運営されている会社が多いが、会社登記局(Registrar of Company)において登記拒否された話は聞かれない。
また、インド企業省(Mnistry of Corporate Affairs)から問題を指摘されたという話も聞かれない。

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現時点では、この点についての当局による明確な解釈指針や判例は存在しておらず、公式な解釈は確立していません。

もっとも、実際に、上記のようなケースにおいて、②の解釈に従って非公開会社として設立、運営されている外国会社の子会社が多数にのぼっており(ちなみに、私自身は少なくとも3つの会社の登記簿謄本を確認しています)、いずれも問題なく会社設立登記できていることからすれば、今後も②の解釈に基づいて会社を非公開会社として設立、運営することが、会社登記局その他の当局により違法とみなされるリスクは低いように思われます。

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なお、今回取り上げた、「非公開会社の最低株主数要件をみたすために、外国個人に1株(あるいはそれに準ずるわずかな株数)を保有させた」場合において、当局により非公開会社としての設立、運営が違法とみなされるリスクをさらに軽減する方法として、名目的株主(nominal shareholder)制度を利用する方法があります。

次回は、この点について解説したいと思います。

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アメリカ大統領選挙

さきほど、オバマ候補が過半数の選挙人を獲得し(アメリカ時間11月4日23時15分現在で297人獲得)、勝利を確定しました。

窓の外からは、オバマ勝利に喜ぶ人々(オバマ候補がColumbia大学のcollege出身ということもあり、NYCはとってもオバマびいきです)の歓声や、車のクラクションの音(ハンパな音量ではありません)が聞こえてきます。
史上初の黒人の大統領ということで、テレビでも大喜びするハーレム地区の人々が映し出されていました。

今、CNNでマケイン候補の敗戦演説が放映されていますが、なかなかの名演説です。
負けてなおこのような演説ができるところが、さすが大統領候補者に選ばれただけの器量を感じさせます。

オバマ次期大統領の演説も、とても楽しみです。
これからのアメリカの姿をどのように描いてくれるのでしょうか。

↓はCNNの開票速報の画面です。
赤が共和党、青が民主党、黄色はペンディングです。
これは夜8時ころ撮った写真で、この時点ではまだペンディングが半数以上でオバマ候補の勝利は確定していませんでした。

Pb050245

                                                                                       

                                                                                             

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(追記)

Yes, we can!!

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