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2009年3月

近況

日本一時帰国とか、WBC応援とかで、すっかり更新が滞ってしまいました。

アメリカに戻ってきた後も、ちょっとばたばたしており、今週いっぱいは更新できないかもしれません。

できるだけ早くダウンストリーム・インベストメント規制解説の続きをアップするようにします。

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いやあ、それにしても昨日のイチローはすごかった。

まだ興奮冷めやりません。

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プレスノート2009年2号および4号とダウンストリーム・インベストメント規制③

前々回の解説および前回の解説では、プレスノート2009年2号および4号が発行される前のダウンストリーム・インベストメント規制には不明確な点が多く、特にforeign owned operating companyに対しては明文の根拠なく規制を課している状態になってしまっていたことを述べました。

今回は、「では、プレスノート2009年2号および4号では、どのようにダウンストリーム・インベストメント規制が明確化されたのか」という点を解説していきたいと思います。

発行の順序としては、プレスノート2009年2号→4号の順序なのですが、内容的に2009年4号を先に見た方がわかりやすいため、以下では4号の方を先に解説しつつ、必要に応じて2009年2号を参照していくことにします。

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プレスノート2009年4号では、そもそもダウンストリーム・インベストメントとはどのような投資なのかという点や、用語の定義を含め、ダウンストリーム・インベストメントの内容と規制が明確にされています。

まず、同プレスノート冒頭部分(項目番号は振られていませんが、1.0に相当する部分)では、ダウンストリーム・インベストメントにおける原則(guiding principle)がうたわれており、

・インド非居住者にownedまたはcontrolledのインド内国会社によるインド国内への投資(すなわち、ダウンストリーム・インベストメント)は、非居住者が直接FDIを行う場合と同じルール、投資限度に従って行われるべきこと(後述のとおり、ownedやcontrolledの意味は、プレスノート2009年2号の5.2以下に定義されています。)

・インド非居住者による直接のFDIにおいて認められていることは、ダウンストリーム・インベストメントにおいても認めらられること

が、それぞれ規定されています。

一見複雑に見えますが、要は「ダウンストリーム・インベストメントは、形式的にはインド内国会社(=インド居住者扱い)による投資であるが、インド非居住者が当該インド内国会社を保有していることに鑑み、インド非居住者によるFDIと同視する」という原則を明確にしたものです。

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次の2.0の項目では、ダウンストリーム・インベストメントにおける持分の計算方法など、詳細については、プレスノート2009年2号を参照するよう述べています。

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3.0の項目では、ダウンストリーム・インベストメント規制における用語の定義がなされています。これまで必ずしも明確でなかった用語を定義するものであり、非常に重要な部分です。

以下、各用語の定義を個別に見ていきます。

3.1 The term ‘Indian Company’ means a company registered or incorporated in India as per the Indian Companies Act, 1956
→「インド内国会社」とは、インドの1956年会社法に基づき、インドにおいて登記または設立された会社をいう。

3.2 ‘Operating Company’ is an Indian company which is undertaking operations in various economic activities and sectors.
→「事業会社」とは、さまざまな経済的活動、分野において、事業を営んでいるインド内国会社を言う。

3.3 ‘Downstream investment’ means indirect foreign investment by one Indian company into another Indian company by way of subscription or acquisition in terms of Press Note 2 of 2009. Para 5.2 of the said Press Note provides the guidelines for calculation of indirect foreign investment with conditions specified in para 5.5.
→「ダウンストリーム・インベストメント」とは、あるインド内国会社が、他のインド内国会社に対して、プレスノート2009年2号にしたがって、新株割当または株式取得の方法により、間接的な外国投資を行うことをいう。同プレスノートの5.2は、同5.5に定められた条件に従い、間接的な外国投資の計算方法を定めている。

3.4 ‘Investing Company’ means an Indian Company holding only investments in another Indian company, directly or indirectly, other than for trading of such holdings/securities.
→「投資会社」とは、他のインド内国会社に対する直接または間接の投資持分のみを、取引以外の目的で(要は継続保有目的で)、保有するインド内国会社をいう。

3.5 ‘Foreign Investment’ would have the same meaning as in Press Note 2 (2009 series).
→「外国投資」とは、プレスノート2009年2号におけるのと同じ意味を有する。

3.5について、「プレスノート2009年2号におけるのと同じ意味を有する」とやや歯切れが悪い表現になっているのは、プレスノート2009年2号中には、はっきりとForeign Investmentを定義した箇所がないからです。
(個人的には、ここも明確に定義してほしかったですし、すべきであったと思っています。)

もっとも、同プレスノートの冒頭部分(項目番号はないが、1.0に相当する部分)では、
Investment in Indian companies can be made both by non-resident as well as resident Indian entities. Any non-resident investment in an Indian company is direct foreign investment. Investment by resident Indian entities could again comprise of both resident and non-resident investment. Thus, such an Indian company would have indirect foreign investment if the Indian investing company has foreign investment in it. The indirect investment can be a cascading investment i.e. through multi-layered structure also.
と規定されており、ここからある程度Foreign Investmentの意味を読み取ることが可能です。

上記内容、および同プレスノートの他の部分の内容からして、Foreign Investmentとは、Direct Foreign Investment(=インド非居住者による直接投資)と、Indirect Foreign Investment(インド非居住者が直接投資しているインド内国会社による他のインド内国会社への投資)を併せた総称としての概念と理解して良いように思われます。

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続いて、4.0では、「Guidelines for downstream investment by Investing Indian Companies ‘owned or controlled by non resident entities’ as per Press Note 2 of 2009」として、ダウンストリーム・インベストメントのガイドラインが規定されています。

owned or controlled by non resident entitiesは、プレスノート2009年2号の5.2.2.2に定義されています。
プレスノート2009年2号の5.2以下では、"owned"、"contorolled"という単語について、それがインド居住者による場合と、インド非居住者による場合とで、異なる定義が与えられているのですが、プレスノート2009年4号の項目4.0との関係では、「インド非居住者による"owned"、"contorolled"」が問題となっているため、以下、そちらの定義を参照します)

プレスノート2009年2号の5.2.2.2によれば、

・“owned” by ‘non resident entities’, if more than 50% of the equity interest in it is beneficially owned by non-residents
→非居住事業体に保有されているとは、50%超の資本が実質的にインド非居住者に保有されている場合をいう

・“controlled” by ‘non resident entities’, if non-residents have the power to appoint a majority of its directors
→非居住事業体にコントロールされているとは、インド非居住者が取締役の過半数を任命できる力を保有していることをいう。

とのことです。

細かいことをいえば、equity interestとは何なのか、powerとは何をどこまで含むのかなど、必ずしも明確でない点もありますが、それでも以前にはownedやcontrolledの定義もなかったことを思えば、画期的に明確になったといえます。

続けて、4.1および4.2では、ダウンストリーム・インベストメントに対する規制ポリシーは、ダウンストリーム・インベストメントの対象となるインド内国会社が、(a)純粋事業会社(only operating companies)なのか、(b)事業会社兼投資会社(operating-cum-investing companies)なのか、(c)純粋投資会社(only investing companies)なのかにより異なる旨が規定されています。

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引き続き上記(a)から(c)のそれぞれの場合における規制ポリシーを解説しようと思ったのですが、やや記事が長くなってしまったため、ここでいったん切ります。

次回は、今回の続きで、プレスノート2009年2号と4号の内容を解説していきます。

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一時帰国

先日の記事で述べたとおり、3月14日から20日まで、日本に一時帰国します。

一時帰国に向けて、現在前倒しでいろいろと片付けているため、更新が滞り気味になっています。とりあえず、なんとか今日中にダウンストリームインベストメント規制の解説の続きをアップしたいと思います。

久しぶりの日本(といっても、半年ぶりくらいですが)、とても楽しみです。

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