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2009年4月

プレスノート2009年2号および4号とダウンストリーム・インベストメント規制④

今回の解説で下線が付してある用語は、すべてプレスノート上定義が定められている用語であり、その定義の内容は前回解説済みです。

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前回解説したとおり、プレスノート2009年4号の4.0の表題は、

「Guidelines for downstream investment by Investing Indian Companies ‘owned or controlled by non resident entities’ as per Press Note 2 of 2009」

であり、「owned or controlled by non resident entities」の「Investing Indian Companies」 によるダウンストリーム・インベストメントのガイドラインが規定されています。

具体的な内容は、4.2以下に規定されているため、以下個別に見ていきます。

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4.2.1 純粋事業会社(only operating company)に投資する場合

(原文)
Only operating companies: Foreign investment in such companies would have to comply with the relevant sectoral conditions on entry route, conditionalities and caps with regard to the sectors in which such companies are operating.

上記原文から読み取れるとおり、純粋事業会社(only operating company)に対して「foreign investment」を行う場合、FDI一般に適用される投資上限(プレスノート2008年7号記載の内容)に関する規制がかかるのみです。

foreign investment」は、前回解説したとおり、通常のFDIおよびダウンストリート・インベストメントの双方を含む概念です。
つまり、純粋事業会社(only operating company)に対してFDIやダウンストリーム・インベストメントを行う場合、FDI一般に適用される投資上限に関する規制がかかるだけということになります。

すなわち、ダウンストリーム・インベストメントであっても、投資の対象が純粋事業会社である場合、通常のFDIの投資上限に従っている限り、FIPBの事前承認等は不要ということになります

たとえば、日本企業Aのインド現地法人(あるいはAが過半数保有の合弁会社)Bが、他のインド内国会社であるZの株式を取得する場合であっても、Zが純粋事業会社であれば、BがFIPBの事前承認を得ることは原則不要ということになります。

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ここで注意すべきは、この規定は、誰に投資するのか(=投資対象)を基準として事前承認規制を定めているのであって、誰が投資するのか(=投資元)を基準として事前承認規制を定めているのではない、ということです。

つまり、「外国会社」であれ、「インド国内に設立された外国会社の子会社等」であれ、純粋事業会社に投資する場合には、通常のFDIの投資上限に従っている限り、FIPBの事前承認等は不要ということです。
言い換えると、純粋事業会社に対する投資の場合、「外国会社によるFDI」であれ、「ダウンストリーム・インベストメント」であれ、通常のFDIの投資上限に従っている限り、FIPBの事前承認等は不要ということです

この点、第1回第2回で解説したプレスノート2009年2号および4号発行以前の規制状況と発想そのものが異なるため、注意が必要です。

プレスノート2009年2号および4号発行前は、あくまで「誰が投資するのか」(=投資元)が事前規制の基準となっており、「誰」が「インド国内に設立された外国会社の子会社等」であれば、ダウンストリーム・インベストメントとして一律に事前承認規制を及ぼしていました。

一方、プレスノート2009年2号および4号発行後は、「誰が投資するか」という投資元の属性を問題にするのではなく、「誰に投資するのか」という投資対象の属性を問題にし、投資対象の属性ごとに事前承認規制を及ぼすようになりました。

「ダウンストリーム・インベストメントだから事前承認規制する」というのではなく、「通常のFDIであれ、ダウンストリーム・インベストメントであれ、投資対象が○○であれば、事前承認規制する」というのが、プレスノート2009年2号および4号の発想です。

そのため、今回見た4.2.1だけでなく、4.2.2以下も同様の発想に従って事前承認規制が規定されています。

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ちなみに、後に解説するとおり、6.0では、ダウンストリーム・インベストメントを行った会社に対する事後届出義務その他の義務が規定されていますが、これは事前承認規制とは別個の話です。

上記の解説はあくまで、「投資に際してFIPBの事前承認が必要かどうか」という点に関する議論であることにご注意ください。

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次回に続きます。

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言い訳

先週からこっち、毎日のように課題や論文の締め切りに追われており、ブログ更新の時間が全く取れません(いやまあ、まったく遊んでないのかと言われると、返す言葉もないのですが…)。

ログを見ると、こんなダメダメな更新状況にもかかわらず、定期的に訪れてくださっている方もいらっしゃるようで、本当に申し訳ないです。

…と言い訳ばかりしていてもなんなので、とりあえず、このあとダウンストリーム・インベストメント規制解説をアップします。
内容的には少し短くなってしまいますが、まあ更新しないよりマシだろうと。

これからしばらくは、こんな感じの更新頻度になってしまいますが、見捨てないでいただければ嬉しいです。

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