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プレスノート2009年3号の解説(後編)

最近ちょっとばかり忙しいです。

これが「最近」だけなのか、「これからずっと」なのかわからないところが、事務所での業務に復帰するのをぎりぎりまで遅らせた理由の1つだったりします、ええ。

さて、プレスノート2009年3号の解説の続きです。

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前回解説したとおり、プレスノート2009年3号は、投資上限がある事業分野について、「所有または支配の発生または移転」がある場合には、たとえそれが投資上限の範囲で行われている場合であっても、事前の政府承認(多くの場合インド外国投資促進委員会(FIPB)の承認)が必要である旨定めています。

ここで、ツボは、所有または支配の「移転」だけでなく「発生」も対象となっていることです。

つまり、株式取得や合併等による株式移転により、既存のインド内国会社の所有または支配が移転する場合だけでなく、会社を新たに設立する場合(=所有または支配が発生する)も、政府(多くの場合FIPB)の事前承認が必要となりうるということです。

具体的には、プレスノート2009年3号は、投資上限が定められている業種または事業分野において、以下のいずれかの行為を行う場合には政府(FIPB)の承認が必要となる旨定めています(3.1項)。

①インド内国会社が外国投資を受け入れて設立され、かつインド非居住者に所有される場合

②インド内国会社が外国投資を受け入れて設立され、かつインド非居住者に支配される場合

③合併、買収等を通じてインド非居住者に対して株式を移転することにより、インド居住者およびインド内国会社(インド居住者に所有または支配されているもの)により所有または支配されている既存のインド内国会社の支配がインド非居住者に移転する場合

④合併、買収等を通じてインド非居住者に対して株式を移転することにより、インド居住者およびインド内国会社(インド居住者に所有または支配されているもの)により所有または支配されている既存のインド内国会社の所有がインド非居住者に移転する場合

 
プレスノート2009年3号の記載に合わせて4つに分けて書きましたが、①と②、③と④の相違は、「所有」と「支配」だけですので、行為類型としては実質的には2種類のみです。
①、②は設立、③、④は支配権移転の類型ですね。

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なお、上記はあくまでも「投資上限がある事業分野」に適用される規制ですので、100%の外国投資が自動承認ルートで許容されている業種または事業分野には適用されません(3.2項)。

これはとても重要な例外です。

インドの外資規制は、ネガティブ・リストによる自動承認制をとっており、プレスノートで指定された特定の業種または事業分野以外は、全て100%まで自動承認ルートでの外国投資が認められています。

そのため、ほとんどの業種または事業分野については、プレスノート2009年3号の規制は適用されないことになります

とはいえ、外資に対する投資上限のある事業分野については、所有または支配の移転の場合に事前届出義務が課されるようになったことからすれば、全体としてはプレスノート2009年3号は外資規制を強化するものと評価せざるをえません。

ということで、プレスノート2008年7号別紙一覧表で投資上限が定められている業種または事業分野において、所有または支配を取得(会社設立による取得、株式移転による取得の双方を含む)する場合には、このプレスノート2009年3号の規定に十分にご注意ください。

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プレスノート2009年3号の解説はこれで終わりです。

次回の外資規制解説は、内閣経済問題委員会(CCEA)の承認が必要な外国投資について、簡単に解説したいと思います。

その後は、インド会社法の大規模な改正案であるCompanies Bill, 2009の解説を考えていますが、ちょっと多忙になってきていることもあり、まだ未定です。

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