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プレスノート2009年8号の解説(後編)

前編で解説したとおり、インドでは、従前は、技術、ノウハウや商標、ブランドネームについてのライセンス契約につき、ロイヤリティ上限規制がありました。

しかしながら、インド政府は、外資からの更なる技術移転の促進を目指して、2009年11月5日に、ロイヤリティ上限規制を撤廃する方針を発表し、その後同年12月16日に、インド政府商工省(Ministry of Commerce and Industry)からプレスノート2009年8号が発行され、同日付で正式にロイヤリティ上限規制が撤廃されました。

プレスノート2009年8号は、こちらで参照できます。
http://siadipp.nic.in/policy/changes/pn8_2009.pdf

プレスノート2009年8号の2項は、ロイヤリティ上限規制が撤廃されること、およびそれが即日発効すること(すなわち、同プレスノートの発行日である2009年12月16日付けで発効すること)を定めています。

これにより、2009年12月16日以降は、日本企業を含むインド非居住者は、一括払い、継続払いを問わず、インド内国会社からのロイヤリティの送金、支払受領について、上限規制を受けなくなりました。

ただし、全くのフリーハンドというわけではなく、プレスノート2009年8号の3項は、ロイヤリティ上限規制が撤廃される代わりに、技術提携や商標使用について、事後届出制度が設けられることが予定されていること、詳細については追って告知されることを規定しています。
すなわち、事後届出制度が予定されていることに注意が必要です

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なお、このロイヤリティ上限規制の撤廃に伴って生じる派生的問題として、移転価格税制上のリスクが挙げられます。

すなわち、これまではインド外国為替管理法令上のロイヤリティ上限規制があったことから、日本企業がそのインド現地法人や合弁会社との間のライセンス契約において低いロイヤリティ料率を設定することについて、いわば正当な理由が存在するとの説明が成り立ちえたのですが、ロイヤリティ上限規制が撤廃されてしまったことにより、そのような説明ができなくなってしまいました。

そのため、移転価格税制上のリスクを回避すべく、今後は、インド(および場合により日本)の税務当局に対し、ロイヤリティの金額や料率の理由について、十分な説明を行うことができるよう、資料を作成、準備しておく必要があると思われます。

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プレスノート2009年8号の解説は以上です。
次回は、ドラフトプレスノートについての解説です。

なお、2009年12月30日に、駐在員事務所および支店の設立方法が変更される旨の通達が出されているため、これについても早めに取り上げたいと思います。

具体的には、①実体要件として、業績および純資産要件が課されるようになり、②手続要件として、これまではインド準備銀行(RBI)に直接設立認可申請を行っていたのが、カテゴリー1の承認取引者(Authorized Dealer Category-I。通常、商業銀行などの銀行がこれにあたる)を通じて申請しなければならないことに変更されました。

これらも非常に重要な改正であるため、早めに解説できればと思います。

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