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ニューヨーク州弁護士登録

久々の更新です。

今週1週間、ニューヨーク州弁護士登録のために、ニューヨークに行ってきました。

この時期に1週間事務所を空けるのはそれなりに大変で、ばたばたしている間にすっかり更新がご無沙汰に。
来週もたまっている仕事を片付けるのが大変そうですが、これ以上更新しないとブログの存在を忘れ去られそうなので、頑張って記事をアップしたいと思います。

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さて、ニューヨーク州弁護士登録です。

ニューヨーク州の弁護士になるためには、ニューヨーク州の司法試験であるNYBarに合格しただけでは足りず、合格後、ニューヨークの裁判所に弁護士登録を行う必要があります。

この登録、必要書類をそろえて提出するだけでも結構大変なのですが(所属組織の推薦状や、友人による良性格の証明書なども必要です)、さらにニューヨーク現地でのインタビューおよび宣誓が要求されています。

ニューヨークに住んでいる人間にとっては、インタビューや宣誓に出席するのはそれほど大変ではありませんが、外国に住んでいる人間にとっては、そのためだけにニューヨークに行かなければならないという、迷惑極まりない手続です。

まあ、「ちゃんと審査をして、おかしな人が弁護士登録しないようにする」という趣旨はわかりますし、そもそもニューヨーク州の弁護士なんだからニューヨークで手続するのは当然、という理屈もわからなくはありません。

しかし、NYBarは、今や受験者の相当数が外国人なのですから、電話インタビューや宣誓書類への署名と送付で済ませるなど、外国人向けのなんらかの救済手段があってもいいんじゃないかなーと思います。

とはいえ、この手続のおかげで、平日に1週間休みをとってニューヨークに行く大義名分がたつので、なくなると勿体ないような気もします。

うん、ていうか勿体ないですね。
ぜひとも、引き続き今の制度を維持してください

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登録は、インタビュー、オリエンテーション、宣誓の順で行われます。

まず、オリエンテーションの前日にインタビューが行われます。

インタビューの趣旨は、「この人物がNY州の弁護士となるのにふさわしいかどうか、直接面接して確認する」というものですが、何しろ合格者数が多いこともあり、かなり形骸化しています。
そのため、ほとんどの場合、4、5の簡単な質問をされて(「どうしてNY州の弁護士になりたいの」、「どういう仕事をしているの」など)、それでおしまいという感じです。

ただ、面接官によっては、20分くらいかけて根掘り葉掘り聞いてくることもあるようで、このあたりは面接官による個人差がかなり大きいようです。

私の場合、インタビューは30秒程度で終わりました。
以下再現。

面接官(面) 「座って」
私 「はい」
面 「(しばらく登録申請書類をめくり見た後)日本の法律事務所で働いてるの?」
私 「はい」
面 「日本の弁護士なんだね」
私 「はい」
面 「そういえば、今日日本人を面接するのは2人目だよ」
私 「はあ」
面 「(またしばらく登録申請書類をめくる)Columbia Law Schoolを卒業したんだね」
私 「はい」
面 「僕も40年ほど前に卒業したよ、JDだけどね。君はLLMだろう?」
私 「はい」
面 「(またしばらく登録申請書類をめくる)OK。何も問題なし。君の登録申請を認めるよ」
私 「はあ(えっ、これで終わり?)」

なんじゃそら、という内容ですが、色々突っ込んで聞かれても困るだけなので、まあ良かったのでしょう(ちなみに、友人は20分ほど色々聞かれたと言ってました)。

しかし、せっかく「NY州弁護士を志望した動機」とか、「今後の活動展望」とかを考えていたのに拍子抜けです。
この日は朝10時から会場に入って並んでいたのですが、インタビューの順番が来たのは11時半前。で、インタビューは30秒。

……矛盾するようですが、もうちょっと聞いてくれてもよかったんだよ?

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面接終了後、宣誓書類に署名します。
ここは結構緊張しました。
最初指示を聞き間違えて焦ったものの、なんとか無事署名。

その後、登録費用の350ドルの小切手を、登録申請書類とともに裁判所に送付します。

このとき、間違って3050ドルの小切手を送ってしまったのは、きっと時差ボケで疲れていたからでしょう…
(ちなみに、この件、現時点で未解決です)

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翌日は、NY州弁護士会の建物でオリエンテーションを受講。

弁護士倫理や今後の研修等についての話が、講師が入れ替わり立ち替わりで延々1時間半。
時差ボケの頭にこれはきつい…

朦朧としつつ受講終了。
その足で、宣誓会場の裁判所の建物に向かいます。

宣誓書類には前日に署名していますが、今日は実際に声に出しての宣誓を行います。

ちなみに、正式な宣誓式は面接の1週間後とかに設定されているのですが、そんな時期までNYに滞在していられない人向けに、希望者のみが出席できる非公式の宣誓式が、オリエンテーションの後に設定されています。
私が出席したのはこちらです。

おそらく儀礼用と思われるCourt Roomで、点呼を受け、宣誓を行います。

この宣誓、まるでドラマのように右手を挙げ、合衆国国旗に向かって、合衆国憲法およびニューヨーク州憲法を擁護する法律家となることを宣誓します。

全文は覚えていませんが、始まりはこんな感じでした。

I solemnly swear that I will support the Constitution of the United States, and the Constitution of the State of New York.

この宣誓、やると結構緊張します。
そういえば、こういうフォーマルな宣誓をしたのは、生まれて初めてです。

宣誓中は、何とも言えない厳粛な雰囲気がありました。
略式の宣誓式でもこんなに緊張するのですから、正式の宣誓式だともっと緊張し、また感動するのでしょうね。

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ともあれ、これで何とかNY州の弁護士登録が完了しました。

受験の願書提出から数えると、約1年弱。
受験勉強を含め、本当に大変でしたが、なんとかすべての手続が終わってほっとしています。

今後NY州弁護士資格が何かの役に立つかどうかは謎ですが(たぶん何の役にもたたない)、英米法系の弁護士資格を持っていると、同じく英米法系の国であるインドの弁護士と話すときに、多少は気後れせずにすむかもしれません。
まあ、気休め程度でしょうが…

来週月曜日はまたインド法のセミナーです。
…それまでに時差ボケを直さないと。

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