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駐在員事務所および支店の設立、運営、閉鎖等に関する事項の変更(その4)

続けて、通達(1)の別紙B(Annex B)の3と4の解説です。

3.駐在員事務所の認可の延長の手続

別紙Bのセクション3では、「(iii) Extension of validity of the approval of Liaison Offices」として、駐在員事務所の認可の延長の手続が規定されています。

支店と異なり、駐在員事務所の認可は期間無期限(=閉鎖するまで認可の効力が続く)わけではなく、認可期間が限定されています。
認可期間は、一般的に3年間とされることが多く、したがって駐在員事務所は3年ごとに認可の延長の手続をとる必要があります。
本セクションは、その認可の延長手続について定めており、その内容は以下のとおりです。

・保険、銀行、ノンバンク金融会社(NBFC)、インフラ開発を除く建設開発事業を営む会社の駐在員事務所を除く駐在員事務所については、認可期限切れ前に、当該駐在員事務所または基幹事務所(Nodal Office)が所在する地域を管轄する承認取引者カテゴリーⅠ銀行(AD Category-I bank)に対し、駐在員事務所の延長継続の申請書を提出することができる。

・外国銀行および保険会社による認可延長申請は、引き続き、インド準備銀行(RBI)の銀行運営開発局(Department of Banking Operations and Development, Reserve Bank)および保険規制開発局(Insurance Regulatory and Development Authority (IRDA))に、それぞれ直接提出され、審査を受ける。
→こちらは、銀行と保険会社については、駐在員事務所の設立段階で、承認取引者カテゴリーⅠ銀行ではなく、直接インド準備銀行に設立申請を行うものとされていることと平仄を合わせた規定となっているようです。

・ノンバンク金融会社(NBFC)およびインフラ開発を除く建設開発事業を営む会社の駐在員事務所については、認可延長が認められません。これらの駐在員事務所については、認可期限切れと同時に、閉鎖されるか、または外国直接投資(FDI)規制に従った形で合弁会社もしくは現地法人に転換される必要があります。

以上をまとめると、駐在員事務所の認可延長については、
①銀行、保険会社
②ノンバンク金融会社(NBFC)、インフラ開発を除く建設開発事業を営む会社
③それ以外の会社
の3つごとに異なる手続が定められており、

①については、当局への直接申請
②については、延長不可
③については、承認取引者カテゴリーⅠ銀行への申請
という手続となっています。

4.支店および駐在員事務所の清算の手続

別紙Bのセクション4では、「(ii) (iv) Winding up of Branch/Liaison Offices」として、支店および駐在員事務所の閉鎖、清算の手続が定められています。

すなわち、支店または駐在員事務所の閉鎖、および閉鎖に伴う清算金の送金の認可申請は、当該支店または駐在員事務所(基幹事務所がある場合、基幹事務所)から、指定された承認取引者カテゴリーⅠ銀行に対して提出される必要があります。

閉鎖・清算申請に際しては、以下の書類が必要となります。

a. インド準備銀行および当該事業の規制当局による、支店または駐在員事務所設立を認可する書面の写し(Copy of the Reserve Bank's permission/ approval from the sectoral regulator(s) for establishing the BO/ LO)

b. 以下の事項を記載する、監査役(日本の会計監査人に相当)の証明書(Auditor's certificate)
(i) 閉鎖申請者の資産および負債を示す書面によって説明される、送金可能額が生じるに至った経緯、ならびに資産処分の経緯(indicating the manner in which the remittable amount has been arrived at and supported by a statement of assets and liabilities of the applicant, and indicating the manner of disposal of assets)
(ii) 支店または駐在員事務所の被雇用者等に対する報奨金その他の手当ての滞納を含む、全てのインドにおける債務が全て支払われたか、または適切に提供されたことの確認(confirming that all liabilities in India including arrears of gratuity and other benefits to employees, etc. of the Office have been either fully met or adequately provided for)
(iii) インド国外の資金源から生じた収入(輸出益を含む)が、インド国内に送金されていないことの確認(confirming that no income accruing from sources outside India (including proceeds of exports) has remained unrepatriated to India)

c. 税務当局による、送金につき異議がない旨の証明書または税金清算証明書(No-objection or Tax Clearance Certificate from the Income-Tax authority for the remittance)

d. 閉鎖申請者またはその親会社による、支店または駐在員事務所に対していかなる訴訟もインド国内で継続していないこと、および送金を合法的に阻害するものがないことの確認書面(Confirmation from the applicant/parent company that no legal proceedings in any Court in India are pending against the BO / LO and there is no legal impediment to the remittance)

e. 会社登記局による、支店または駐在員事務所の清算手続が、1956年会社法の規定に従っていることの報告書(A report from the Registrar of Companies regarding compliance with the provisions of the Companies Act, 1956, in case of winding up of the BO /LO in India)

指定された承認取引者カテゴリーⅠ銀行は、支店または駐在員事務所の閉鎖およびその後の本国への送金(もしあれば)を申請する前に、上記全ての書類が当該支店または駐在員事務所により提出されることを確保する必要があります。

なお、銀行および保険会社については、ここでも特別扱いされています。
すなわち、銀行および保険会社の支店または駐在員事務所については、指定された承認取引者は、銀行および保険の規制当局の閉鎖許可の写しと、上記書類を取得した段階で、閉鎖の清算金の送金を許可することができます。

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…なんだか、結局通達(1)の全訳紹介みたいになってしまいました。

まあ、支店や駐在員事務所の設立や閉鎖についての重要な手続は、全てこの通達に書いてあるので、この通達に関しては全訳もそれなりに有益なんじゃないかと思います。

次回からは、通達(2)の解説です。
こちらは、主として支店や駐在員事務所が運営されている間の諸手続について規定しています。

ちなみに、「通達(1)」とか「通達(2)」とか言っていますが、これらは私が本ブログにおける解説の便宜上勝手にそのように呼んでいるだけであり、インド政府がそのように呼んでいるわけではありませんので、ご注意ください

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