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駐在員事務所および支店の設立、運営、閉鎖等に関する事項の変更(その5)

今回から、通達(2)の解説です。

通達(2)の正式名称は、「RBI/2009-2010/279 A. P. (DIR Series) Circular No.24」です。
リンク先はこちら↓
http://rbidocs.rbi.org.in/rdocs/notification/PDFs/APD24311209.pdf

ちなみに、通達(1)の正式名称は、「RBI/2009-2010/278 A. P. (DIR Series) Circular No. 23」です。

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前回まで解説してきた通達(1)は、主として駐在員事務所および支店の設立や閉鎖等に関する内容でしたが、今回から解説する通達(2)は、主として駐在員事務所や支店の存続中の各種手続について規定しています。
(なお、通達(1)、(2)は、いずれも2009年12月30日に発行されています)

もっとも、内容的に被る部分も多く、後述のとおり、第5項以外は通達(1)の規定の繰り返しに近いといえます。

通達(2)は、全部で10の項目から成ります。
全体で重要なポイントとしては、通達(1)、(2)の各規定の効力発生日が規定されている点で、いずれも効力発生日は2010年2月1日とされています(したがって、現時点で既に効力発生しています)

各項目の内容は以下のとおりです。
第5項以外は、ほぼ通達(1)の内容と重複しています。

第1項
前置きとして、インド準備銀行(RBI)が、承認取引者カテゴリーI銀行(Authorised Dealer Category – I banks)に、支店や駐在員事務所の設立、閉鎖、(駐在員事務所につき)有効期限の延長等に関する手続権限を委譲するに至った経緯が簡単に説明されています。

第2項
支店や駐在員事務所の設立手続において、承認取引者カテゴリーI銀行が行うべき事項を規定しています。

具体的には、設立申請にあたって、承認取引者カテゴリーI銀行は、以下を行う必要があります。
①設立申請書類を、その添付書類およびコメント、(設立の可否に関する)推薦とともに、インド準備銀行(RBI)の担当局に送付すること
②申請者の背景、申請者の会社支配者の素性、事業活動の内容と場所、資金源等についてデュー・ディリジェンスを行うこと
③①の書類送付の前に、本人確認手続(compliance with KYC norms)を行うこと(※「KYCとは、「Know Your Customer」の略で、日本での金融機関等による本人確認手続にに相当します)

第3項
銀行および保険会社の支店や駐在員事務所については、例外的に直接インド準備銀行(RBI)と保険規制開発局(IRDA)が、それぞれ直接申請を受理すること、また銀行および保険会社の支店や駐在員事務所が特別経済区域(SEZ)に設立される場合、インド準備銀行の事前承認は不要となる旨が規定されています。

第4項
全ての支店および駐在員事務所に、固有特定番号(Unique Identification Number (UIN))が割り振られ、今後の各種提出書類においては必ずUINを記載すべきこと、また2010年2月1日以降は、現存する支店や駐在員事務所も、(直接インド準備銀行に各種手続を申請するのではなく)承認取引者カテゴリーI銀行を通じて手続すべき旨が規定されています。

第5項
本項は、通達(1)に記載されていない内容を定めています(時間がなければここだけ読めば、通達(2)については事足りるといってもいいくらいです)

第5項(i)

第5項には、(i)から(iii)までの小項目がありますが、このうち(i)は、支店および駐在員事務所の年次活動報告書(Annual Activity Certificate)の提出方法の変更について定めています。
年次活動報告書とは、当該支店または駐在員事務所が、インド準備銀行(RBI)により認可された活動のみを行っていることを証明する文書のことをいいます。

2010年2月1日より前は、支店や駐在員事務所は、年次活動報告書(書式が通達(2)の別紙に添付されています)を、その監査人(Auditor。当該支店や駐在員事務所の会計監査を行う者)から直接インド準備銀行の本店または管轄地方局に提出させなければならないとされていました。
(なお、提出の主体は、あくまで監査人であって、支店や駐在員事務所ではありません。報告の趣旨が、「当該支店または駐在員事務所が、インド準備銀行(RBI)により認可された活動のみを行っていることの証明」であることから、第三者である監査人が証明を行う必要があるためです)。

この手続が変更され、2010年2月1日以降は、支店および駐在員事務所は、その監査人から、3月31日付けで作成された年次活動報告書を、同年の4月30日までに、(インド準備銀行ではなく)承認取引者カテゴリーI銀行に提出するとともに、その写しを所得税(国際課税)事務局長(Directorate General of Income Tax (International Taxation))宛に提出すべきこととなりました(ちなみに、宛先はDrum Shape Building, I.P. Estate, New Delhi 110002です)。

なお、支店または駐在員事務所がインド国内に1つしかない場合は、当該支店または駐在員事務所が上記提出手続を行い、複数ある場合には、基幹事務所(Nodal Office)が、全ての支店または駐在員事務所の年次活動報告をとりまとめて提出することになります。

年次報告書の提出を受けた承認取引者カテゴリーI銀行は、年次報告書を精査し、支店または駐在員事務所の活動が、インド準備銀行(RBI)により認可された活動のみを行っていることを確認します。

もし、監査人が認可された活動以外の活動を行っていることを報告しており、あるいは承認取引者カテゴリーI銀行が、(監査人の問題なしとの報告にもかかわらず)精査の過程で認可された活動以外の活動を行っていることを発見した場合、承認取引者カテゴリーI銀行は、直ちにその旨を、①駐在員事務所の場合にはインド準備銀行(RBI)の管轄地方局に、②支店の場合にはインド準備銀行(RBI)の本店に、コメントを付した年次報告書の写しとともに報告しなければなりません。

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第5項(ii)以降は、次回解説します。

なお、このシリーズは次回で最終回の予定です。

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