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2010年プレスノート2号 -タバコ製造業への外国直接投資禁止-

2010年5月10日、インド商工省(MCI)の産業政策促進局(DIPP)により、プレスノート2010年2号が発行されました。

プレスノートは、以下の産業政策促進局のサイトで閲覧できます。
http://siadipp.nic.in/policy/searchmain1.htm

プレスノート2010年2号の内容は、タバコ製造業(「紙巻、葉巻などのタバコ、またはタバコ代替物の製造業」)への外国直接投資(FDI)を禁止する、というものです。

従前は、タバコ製造業については、外国投資促進委員会(FIPB)の事前承認を必要とし、かつ産業ライセンスの取得が条件となってはいましたが、100%の外国直接投資(FDI)が認められていました。

しかしながら、今回の改正により、2010年5月10日以降は、タバコ製造業に対する外国直接投資(FDI)は一切禁止されることになりました。

既にタバコ製造業に投資済みの外国企業については、さすがに現状の保有分の処分までは求められていないものの、今後の追加投資が一切禁止されることになります。

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今回のプレスノート2010年2号は、(基本的な規制枠組みの変更ではなく)特定の分野における外国直接投資を禁止するというものであり、JTなど既にインドのタバコ製造業に投資している一部の企業を除き、日本企業に対する影響は、それほどないのではないかと思われます。

個別の影響よりも、むしろ興味深いのは、今回のプレスノートによる改正は、ここ数年のインドの外資規制において、おそらく初めて真正面から規制強化を打ち出したものである点です。

1991年以降、インドの外資規制は基本的に一貫して緩和されてきており、その流れは2000年代に入ってさらに加速してきているものの、ここ1、2年は、

・ダウンストリーム・インベストメントにおける規制の明確化
・外資規制分野における支配権移転の際に、政府事前承認を必要とするようになったこと
・卸売り業に対する25%ルール(グループ会社に総売り上げの25%超を販売することを禁止するルール)の適用

など、遠回しな形で規制が強化されている例が散見されます。
(なお、ここ1、2年でも、ロイヤリティ規制の撤廃など、外資規制が緩和されている部分も勿論あります)

とはいえ、あくまでそれらは間接的、搦め手的に規制が強化されているというニュアンスが強く、正面から外資規制が強化されたという印象を受けるものではありませんでした。

ところが、今回のプレスノート2010年2号は、はっきりと特定の分野について、「これまでは100%の外国直接投資(FDI)を認めていたが、今後は一切禁止する」と述べています。

今回の改正の趣旨は、タバコによる健康被害を防止するというインド政府の政策に基づくものであり(ちなみに、インドは2008年以降、公共の場での喫煙が禁止されています)、基本的には外資排除は目的ではないと思われますが(外資、内資を問わず、タバコ製造業については産業振興しない、ということかと思われます)、外資規制の強化がはっきりと示されたという点で、近時のインド政府の外資規制強化に向けた動きを象徴しているようにも思えます。

ここ最近の外資規制の強化の流れが、今後も続くのかどうかについて、少し注目してみたいと思います。

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