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結婚戦略の数学的考察

GW中に、ある程度まとまった時間が取れたので、いくつか数学本を読み返していました。中でも改めて熟読したのがこれ。

なぜこの方程式は解けないか?―天才数学者が見出した「シンメトリー」の秘密

作者: マリオ・リヴィオ
出版社:早川書房

以前この本の内容を元ネタにして、短い文章を書いたことがあったので、一部修正の上、再掲してみたいと思います。

今回の内容は、婚活中の人は必見かも(笑)

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最良の相手と確実に結婚できる画一的な方法論は存在しないとしても、できるだけ良い相手と結婚する確率を高める数学的方法論はないものか。

あります。

とてもシンプルな2つのルール。

1.1人目に結婚候補だと思った人とは結婚しない。

2.その次以降に現れた、「直前の結婚候補よりも良い結婚候補」と結婚する。

なぜこれが、「できるだけ良い相手と結婚する確率を高める方法論」なのか。

たとえば、人生で出会う結婚候補者の数が、平均4人であるとします。

その4人の評価値(才能、性格、容姿、収入、職業、趣味の一致その他一般に結婚するについて好ましいと考えられる要素を数値化して平均したもの)には序列があり、A、B、C、Dの順で、「良い」とします。
ただし、人生において、どの順でA、B、C、Dに出会うかはわかりません。

また、当然ながら、どこかで決断して結婚した場合、その後出会う人とは結婚できなくなります。

例1) Z君が、最初にCさんと出会い、そのままCさんと結婚した場合、Z君は、(その後に出会う)Aさん、Bさん、Dさんと結婚することはできない。

例2 Yさんが、最初にDさんと出会い、その後Bさんと出会ってこれと結婚した場合、Yさんは、(その後に出会う)Aさん、Cさんと結婚することはできない。

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さて、以上の前提において、なぜ上記2つのルールが、、「できるだけ良い相手と結婚する確率を高める数学的方法論」となるのでしょうか。

人生において、どの順でA、B、C、Dと会うかがわからないということは、「どの順も等しい確率でありうる」ということになります。

A、B、C、Dと出会う順列は、全部で24通りあります。少し煩雑になりますが、全て記すと以下の通りです。

ABCD、ABDC、ACBD、ACDB、ADBC、ADCB
BACD、BADC、BCAD、BCDA、BDAC、BDCA
CABD、CADB、CBAD、CBDA、CDAB、CDBA
DABC、DACB、DBAC、DBCA、DCAB、DCBA

さて、これらの順列において、上記2つのルールを適用するとどうなるか。

まず、ルール1「1人目の結婚候補とは結婚しない」を適用すると、上記いずれの順列で出会う場合であっても、最初に出会う人とは結婚できないことになります。
(その結果、上記最上段のAから始まる6通りの順列では、Aを逃すことになってしまいます)

次に、ルール2「『直前の結婚候補よりも良い結婚候補』と結婚する」を適用します。

そうすると、順列のうち、ABCDの順の場合は結婚できなくなってしまいますが、それ以外の23通りでは結婚できます。
この23通りの分析は、以下の通り。

①Dと結婚するケース

Dと結婚するケースはゼロです。

なぜなら、Dは、A、B、Cのいずれに対しても「直前の結婚候補よりも良い結婚候補」ではないため、ルール2により、結婚に至らないためです。

②Cと結婚するケース

次に、Cと結婚するケースは、DがCの直前に来ている順列であり、かつ、その順よりも前にBAという順が現れていない順列となります。
(BADCの場合、Aと結婚してしまうので、Cとは結婚できません)。

よって、上記順列のうち、

ABDC、ADCB、BDCA、DCAB、DCBA

の5通りが、Cと結婚するケースとなります。

③Bと結婚するケース

さらに、Bと結婚する確率は、CまたはDがBの直前に来ている順列であり、かつ、その順の前にDA、DCという順が現れていない順列となります。

たとえば、DCBAの場合、Cに出会った段階でCと結婚してしまうので、(その後に出会う)Bとは結婚できません。
また、DACBの場合も、Aに出会った段階でAと結婚してしまうので、やはり(その後に出会う)Bとは結婚できません。

よって、

ACBD、ACDB、ADBC、CBAD、CBDA、CDBA、DBAC、DBCA

の8通りが、Bと結婚するケースとなります。

④Aと結婚するケース

最後に、Aと結婚するケースは、上記以外の全ての順列となります。具体的には、B、C、DのいずれかがAの直前に来ている順列であり、かつ、その順の前にCB、DB、DCという順が現れていない順列となります。

たとえば、DCBAの場合、Cに出会った段階でCと結婚してしまうので、(その後に出会う)B、Aとは結婚できません。

よって、

BACD、BADC、BCAD、BCDA、BDAC、CABD、CADB、CDAB、DABC、DACB

の10通りが、Aと結婚するケースとなります。

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以上から、前提となる事案において、上記2つのルールを適用した場合、

結婚できない確率は、24分の1
Aと結婚する確率は、24分の10
Bと結婚する確率は、24分の8
Cと結婚する確率は、24分の5
Dと結婚する確率はゼロ。

ということになります。

つまり、実に4分の3の確率でAまたはBと結婚できる、ということです。
(さらに、悪くてもDということはない)

これだけの確率が出るのであれば、上記2つのルールは、「できるだけ良い相手と結婚する確率を高める黄金のルール」と呼んで差し支えないのではないでしょうか。

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とまあ、机上の空論をもてあそんでみたわけですが(一応、数学的には完全に正しいです)、上記は、あくまで

「人生において4人の結婚候補と出会う」

「その候補の間には優劣がつけられる」

「候補者が、A、B、C、Dのどれにあたるのかを間違いなく見極められる」

という前提の下で出てくる結論なので、決して単純に信じないようにしてください。
これに従って行動した結果、不幸になっても責任は持ちません(笑)

ちなみに、この考え方は、トランプゲームやサイコロ振りなどの、「あらかじめルールが明確に決まっている比較的単純なケース」には応用が利きます。

要するに、1回目のチャンスは見送る → 2回目の(1回目より良いと思える)チャンスは見逃さない、ということですね。

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久しぶりにインド法にあまり関係ないことを書いてすっきりしました。

なんかねー、真面目なことばっかり書いてると疲れるんですよ…

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