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インド居住者、非居住者間の株式譲渡価格規制の改正(3)

前回の続きです。

2.インド非居住者から居住者への譲渡

日本企業が、インド企業や個人等のインド非居住者に対して、他の既存のインド内国会社の株式を相対取引で譲渡する場合がこれにあたります。
前回解説した1がインド投資への入口の場面であるとすると、こちらは出口の場面といえるでしょう。

(1) 旧価格規制

インド居住者から非居住者に対して譲渡される株式の価格は、以下の価格である必要があり、これ以外の価格で譲渡する場合(高くても低くても不可)、インド準備銀行の事前承認が必要となります。

①上場株式の場合、

(i) インド証券取引委員会に登録されているマーチャント・バンカー(merchant banker)または証券取引所に登録されている株式仲買人(stock broker)を通じて譲渡するときは、市場価格

(ii) 譲渡が(i)に掲げる方法以外によるときは、譲渡日から起算して過去1週間の日毎の高値および安値の平均から上下5%の範囲内の価格

②非上場株式または上場株式のうち証券取引所での売買高が低調であるものの場合、

(i) 譲渡価格の合計が200万ルピー以下のときは、当該株式譲渡の対象となっているインド内国会社の監査人(会計監査人)からの株式の評価に関する証明書に基づき、現在有効な評価方法により当事者間で合意した価格

(ii) 譲渡価格の合計が200万ルピーを超えるときは、
(a) 株価収益倍率(price earning multiple)に連動する1株当たり利益に基づく価格もしくは簿価倍率(book value multiple)に連動する純資産価格に基づく価格のうち、いずれか高い方
(b) インド準備銀行が定める小口取引(全ての保有株式がスクリーン取引システム(screen based trading system)を通じて5取引日以内に売却される取引)の市場実勢価格、または
(c) 当該株式譲渡の対象となっているインド内国会社の監査役の評価額と、勅許会計士またはインド証券取引委員会に登録されているカテゴリー1のマーチャント・バンカーの評価額のいずれか低いほうの価格
の中から、譲渡人が任意に選択した価格

(2) 新価格規制

インド非居住者から居住者に対して譲渡される株式の価格が、以下の価格を上回る場合には、当該取引につきインド準備銀行の事前承認が必要となります。

①インド国内で上場されている株式の場合、インド証券取引委員会(SEBI)ガイドラインに従って行われる株式の優先割当の割当価格

②非上場株式の場合、SEBIの登録を受けているカテゴリー1のマーチャントバンカーまたは勅許会計士が、DCF評価法に基づいて決定する株式の公正な評価額

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一見して、ものすごくシンプルになったのがわかるのではないでしょうか。

この新価格規制は、インド居住者→非居住者の株式譲渡の場合の価格規制と裏表になっています。
このあたり、次回にまとめとして解説します。

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